日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

春まだ浅い北陸へ 2018 - かがやき518号

2018-03-04 22:11:49 | 北陸
金沢駅へ向かうバスは野町の駅前に入らず、少し離れた国道沿いの停留所に止まります。持ち時間を使い切り、小走りで停留所へ向かうと、先週と同様に定刻から3分ほど遅れてバスがやってきました。しかし流れは今日の方がよく、10分少々で駅に到着。これなら列車を手配してもまだ余裕があります。そう思ったところで見事に足をすくわれました。「かがやき」が混んでおり、三人掛けの中央にしか空きがないとの回答があったのです。その結果、久々にグリーン車を奢っての大名旅行となりました。

実は、グリーン車より先に思いついたのは、一泊して翌朝帰るという考えでした。ただでさえ割高な北陸新幹線の料金を考えると、グリーン料金まで注ぎ込むのは得策でなく、むしろ浮いた出費を宿代に回し、翌朝帰った方がよかろうと考えていたわけです。それにもかかわらずグリーン車を奢ったのは、朝帰りに対してどうしても気が進まなかったからに他なりません。「サンライズ」が夜汽車の旅という目的を兼ね備えているのに対して、新幹線はあくまで移動のための手段です。まだ暗いうちから列車に乗り込み、通勤客で混み合う東京駅に降り立ち、帰宅するやいなや荷物を置いてまた出発という流れは、あまりに慌ただしくていけません。
朝帰りというと、何度も使ってきたのは始発の東北新幹線ですが、あれは北海道の滞在を一日延ばすために思いついた奇策です。それに対して、今回は滞在が一晩延びるに過ぎません。しかも、一軒限りという前提で巨大なブリカマをいただき、腹は十分満ちています。仮に宿をとったとしても、銭湯で一風呂浴び、「あぐり」で軽く一杯やるのがせいぜいでしょう。翌朝は未明に起きて列車に乗らなければならないことを考えると、グリーン車で悠然と帰り、我が家でゆっくり休んだ方がよさそうに思えたとでも申しましょうか。そもそも一週延ばした目的は、復路の過酷な移動を避けることにありました。それが結局朝帰りになってしまっては、本末顛倒だろうと思い至った次第です。

ちなみに、今日に限って混んでいる理由が何となく分かりました。以前公演帰りのお姉さん方で東北新幹線が混み合ったという経験をしましたが、ホームへ上がっていく客層がそのときとよく似ているのです。出演者とその関係者らしき一行が乗り込んできたことからしても、まず間違いはなさそうです。しかし、グリーン車の乗車率は至って穏当であり、隣の席も空いています。三列席の中央から、グリーン席を実質二つ使える状況に変わったことを考えると、割高な料金も今回ばかりは致し方なしといったところでしょう。

★金沢2100/かがやき518(3518E)/2332東京
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春まだ浅い北陸へ 2018 - わり勘

2018-03-04 19:15:05 | 居酒屋
一般道でも快走できる福井との県境から金沢までは、高速道への依存度がきわめて低い区間の一つで、千円で乗り放題の時代でさえ一般道を走る場合がほとんどでした。松林に囲まれた起伏のない道を飛ばして、何やら懐かしく思われたのは、それだけ長らく走っていなかったかということでもあります。そうまでして急いだおかげで時間が浮き、帰り際に一杯やれることになりました。今週も「わり勘」の暖簾をくぐります。
日曜営業の店が他にもある中、あえて二週続けることにしたのは、北陸道を下りて市街に入り、駐車場を手配してから一献傾け、駅に移動し列車に乗るという一連の流れに無駄がないからです。品書きが頭に入っており、迷わず注文できる上に時間配分がしやすいという事情もありました。しかし、満席で振られたり、臨時休業だったりすれば、全て取らぬ狸の皮算用に終わるという紙一重の状況でもあります。
行灯がついているのを確かめて一安心したのも束の間、玄関から中をのぞくと大盛況のカウンターが見えました。斜めの角が一つだけ空いていそうではあるものの、ここではいささか窮屈そうです。そう思ったところへ、こちらが空いていると女将に招かれ、通されたのはカウンターの一番奥に一つだけある空席でした。しばらくすると、一人客が暖簾をくぐって角に着席。つまり、カウンターはこの時点で満席ということになります。繁華街でも何でもない、飲食店が他に一軒あるだけの駅前で、これだけ繁盛するとは大したものです。半世紀続いた理由も宜なるかなと納得させられます。

短い間隔での再訪ならば、趣向を変えるという楽しみが加わってきます。五点盛りの刺身に代えて、今回はふくらぎのタタキという変わり種を選びました。これにおでんを二つ加え、あとは何か一品いただけば、時間的には過不足がなさそうです。黒板と短冊を眺めつつ、その一品をどうするか思案した結果、選択肢に残ったのはタラフライとブリカマでした。
手頃な値段なのは550円のタラフライですが、ブリカマが900円というのもかなりのお値打ち品ではあります。鰤刺し、子付け、かぶら寿司、蓮蒸しを始めとして、北陸の冬の味覚をいただいてきた今季、一度もいただく機会がなかったブリカマを、最後にいただけるという点でも申し分ありません。そう思い立って提供時間をたずねると、20分弱との返答が。いただく時間を合わせても、どうにか間に合うと見て注文すると、言われた通りの時間で巨大なカマが運ばれてきました。
一人客には注文しづらい代物ではありますが、年に一回程度ならよいものです。小一時間の持ち時間、一軒限りという条件は、結果としてお誂え向きだったことになります。どうにか時間内に完食して席を立ちました。

わり勘
金沢市野町4-3-6
076-244-2280
平日 1700PM-2215PM(LO)
日祝日 1600PM-2115PM(LO)
月曜定休

常きげん・立山
ふくらぎたたき
牛すじ
大根
ぶりかま
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春まだ浅い北陸へ 2018 - 再延長

2018-03-04 19:05:40 | 北陸
予想通りというか何というか、かなり福井に寄った地点で日が暮れました。ここで再度浮上するのが、このまま帰るかさらに一週延ばすかという問題ですが、結局再延長に落ち着きました。金沢に戻ったところで第二部の走行は完結です。出発からの走行距離は664kmで、通算20万kmまであと600kmを切っています。
移動を始めたのが六時前です。金沢までは50km強、一般道経由ではやや慌てる可能性があるとしても、北陸道を飛ばせば前後を入れても七時には着き、場合によっては一杯やって帰れるだろうと見込まれました。しかし、このまま帰るという前提で考えた場合、さらに100km走ってもまだ黒部です。そうなると、入善の8番らーめんで腹ごしらえするのが八時、「たから温泉」で一風呂浴びるのが九時、最後にキャンプ場へ立ち寄って出発するのが10時過ぎというよくある展開をたどり、三時台の帰着という結末が読めてきます。三時過ぎまで走るのかと思った時点で迷いは消え、再び金沢に車を置いて帰るということで結論が出た次第です。北陸三県の中でも福井の遠さは別格であり、直帰は現実味に欠けるとかねがね思っていたため、落ち着くべきところに落ち着いたともいえます。
最初の延長が、福井へ行く上で事実上不可欠なものだったのに対して、今回の延長に必然性まではありませんでした。ひたすら走れば一応帰り着けるところ、無理を嫌って一週延ばしたに過ぎません。残雪の立山連峰でも眺められればよいものの、来週末は天候も今一つと予想されており、それは期待すべくもありません。下手をすれば蛇足に終わりかねない情勢ではありますが、延長してよかったと思えるものを、一つでも多く持ち帰りたいと思っています。
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春まだ浅い北陸へ 2018 - 三国芦原線

2018-03-04 17:51:57 | 北陸
引き続き北陸特急を撮るかというとさにあらず。後半はえちぜん鉄道に注ぎ込みました。本日も日没まで粘って終了です。
北陸本線の撮影に終日費やすという選択も当然あり得たのです。しかし、撮るにしても既出の撮影地しか思いつきませんでした。しかも、いずれについても列車を大きく写す紋切り型の絵柄です。多少の雪は残っているとしても、それが早春らしい絵柄のようには思われませんでした。今しか撮れないものといえば何といっても水温む田圃だろう、それを撮るなら三国芦原線だろうと思い立って車を走らせると、全く雪が残っていないという予想外の事態に直面するも、田圃に水が張られて潟のようになった一角に、コハクチョウの群れが集まっていたため、そこで終日電車を撮るという顛末です。
田起こしして水を張った様子はあたかも田植え前のようにも見え、雪解けで温んだ田圃とは様子が違いました。とはいえ早春らしい眺めには違いなく、五時を過ぎたところで白鳥達が西の空へ飛び立っていく様子も印象的でした。その反面、列車を撮ろうとすると背景の障害物が意外に多く、撮影の成果としては今一つな部分があったため、撮影の効率だけを考えれば、やはり北陸本線に注力すべきだったかという結果論が浮上してくるところではあります。しかし、少なくとも眺めて楽しい光景という点ではこちらの方が上でした。
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春まだ浅い北陸へ 2018 - 春江駅

2018-03-04 14:25:34 | 北陸
市街に入ったついでに春江駅を定点観察していきます。近くを何度も通ってはいるものの、そのほとんどが午前中で、西向きに建つこの駅舎は強い逆光になってしまいます。珍しく午後になった今回、久々に訪ねておこうと思い立った次第です。
切妻屋根をまっすぐ下ろし、その部分を車寄せにした佇まいが、一つ隣の丸岡駅によく似ています。車寄せの下に掲げられた扁額と広々した待合室は、北陸本線の駅たるにふさわしい風格を備えていますが、数年後には寂れたローカル線に転落する運命ですorz
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春まだ浅い北陸へ 2018 - ヨーロッパ軒

2018-03-04 13:55:23 | B級グルメ
雲一つない快晴が続き、悠長に飲み食いしている場合ではなくなってきましたが、幸い今日も手近なところにお誂え向きの店があります。春江のヨーロッパ軒に駆け込みました。
二時前にもかかわらずテーブルは埋まっており、しまった、待たされるのかと思いきや、二階へどうぞとの案内が。階段を上っていくと、ほぼ同じ広さのテーブル席があり、さらには座敷もありました。こちらも地元客で八割方埋まる盛況です。上端を半円にした洋館風の窓の向こうに、分厚く積雪した奥越の山々が見えています。ヨーロッパ軒が数ある中でも、眺めについていうならここの二階が最高でしょう。時間との戦いをしばし忘れる光景です。
もう一つ気付いたことがあります。カツがやや小さい代わりに四枚あるのです。品書きには大カツ丼が四枚、ミニカツ丼が二枚とある以上、カツ丼は当然三枚になりそうなところであり、他の分店だけでなく、以前ここを訪ねたときにも同様だった気がします。今日だけのことなのか、いつでもそうなのかは謎ながら、正統派の薄切りとやや厚めのカツを二枚ずつ組み合わせるところも工夫されており、二つの味が楽しめる逸品でした。

ヨーロッパ軒 春江分店
坂井市春江町随応寺21-23-1
0776-51-4800
平日 1100AM-1500PM/1700PM-2100PM
日祝日 通し営業
火曜定休
カツ丼880円
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春まだ浅い北陸へ 2018 - 銀世界

2018-03-04 12:54:45 | 北陸
福井市街を後に北上し、春江の先の直線区間で列車を撮りました。去年稲穂が実る時期にも訪ねた場所です。
一昨日車内から眺めた限りでは、雪解けが大分進んでいるように見えました。そのため多くを期待してはおらず、一応行ってみるという程度のつもりでした。しかし、実際には線路際の田圃がたまたま解けていただけで、いざ乗り込むと銀世界が広がっていました。ただし畦は露出していて、所々温んでいるという状況です。
仮に一週早ければ何もかもが真っ白で、かえって絵にならなかったでしょう。さりとて、二時間ほど滞在しただけにもかかわらず、雪解けが目に見えて進んだことを考えると、来週末までには消え去っている可能性が十分あります。昨日にしてもそうでしたが、早からず遅からず絶妙な時期に重なりました。
稲穂は毎年実るわけであり、問題は好天に重なるかどうかの一点に尽きます。これに対し、北陸でこれだけ雪が積もる年は滅多になく、ましてやそれが解け始めた時期に晴れるということになると、おそらく数年に一度あるかどうかの珍事でしょう。新幹線に取って代わられ姿を消す北陸特急の運命を考えると、水温む田圃の中を行く光景は二度と訪れないかもしれません。それを記録することこそ、二週にわたり旅してきた最大の目的でした。はるばる走ってきた甲斐はあったと、しみじみ実感している次第です。
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春まだ浅い北陸へ 2018 - 半袖

2018-03-04 09:46:10 | 北陸
まずは車を置いたまま、宿の周囲を今一度歩いてきました。数日来の暖かさで雪解けが進み、かき集めた雪が残っているだけではありますが、北向きの石垣、芝生の広場、小学校の校庭など、積もったままの雪が残った場所もいくつかあります。昨晩芝生の広場を歩いたときは、くるぶしまで埋まるほどの積雪でした。
もう一つ印象的だったのが、いまだに雪かきが続いていることです。積もった雪の捨て場がないため、とりあえず駐車場の片隅にかき集めておき、毎日少しずつ崩しているのでしょう。それを一月近くも続けた結果がこれならば、どれだけ凄まじい雪だったかが推し量れるというものです。
それにしても一段と暖かくなりました。気温はまだ10度に満たないものの、西へ下ってきたこともあるのか、屋外でも日射しが熱く感じられ、長袖で歩いていると首筋と額から汗が流れてきます。念のために持って出た半袖シャツが、早くも出番となりそうです。
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春まだ浅い北陸へ 2018 - ホテルフクイキャッスル

2018-03-04 08:24:53 | 北陸
昨晩世話になったのは定宿のホテルフクイキャッスルです。和室に泊まれて大浴場があり、福井城の堀端の静かな立地が好ましく、低料金で直前でも押さえられるという条件は、自分が宿に求めるものの全てを満たしており、他の宿に乗り換える理由を見出せません。
そのような事情もあり、今回は自社サイトを通じて押さえました。この方法の利点は、予約サイト経由に比べてわずかとはいえ安くなることに加え、Aカードのポイントがつくことです。弘前で作ったのはよいものの、ほとんど利用してこなかったAカードですが、これは環境がそれぞれ異なる自社サイトを通じて手配しなければならず、特に初見の宿ではその手間が無視し得ないほど大きいという事情によります。逆にいえば、何度か泊まって勝手の分かったところなら、自社サイトを使って手配し、Aカードの特典に与るといいう選択も悪くはないことになり、先月弘前に泊まったときもそうしました。長岡のホテルニューグリーンプラザを始め、Aカードに加盟している定宿はいくつかあるため、今後は同様の場面が増えるかもしれません。
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春まだ浅い北陸へ 2018 - 三日目

2018-03-04 07:52:46 | 北陸
おはようございます。昨夜も日付を少し跨いでから宿に戻りました。六時過ぎに目覚めたとき、月はまだ西の空にとどまっていて、それが沈む前に朝日が昇ってきました。まず堀端を散策して宿に戻り、一風呂浴びてから朝食をいただいて出発しようというところです。
雲一つない快晴は三日連続になりました。出発前までは今一つ天候が冴えず、明日も土砂降りと予想される中、こちらの活動中だけ好天続きというのはありがたい話です。昨日のように途中から日が陰ってしまう可能性はなきにしもあらずですが、晴れている間は忙しくなりそうです。
福井を降り出しに、金沢へ移動しつつ活動するという方針は、昨日述べた通りです。どこで日が暮れるかにより、来週末を含めたその後の行動が変わってきます。日没後に動き出しても、帰り着けない距離ではないものの、それは高速道を延々飛ばすという条件があってのことです。そこまでして帰るよりも、もう一度車を置いて帰り、翌週末富山に寄って帰りたいという方向に傾いています。
前回同様金沢を起点にできれば理想的ですが、そのためには八時頃までに戻らなければならず、福井の周辺で日が暮れると時間的に厳しくなってきます。一杯やって帰れた前回ほどの余裕はないかもしれません。
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