日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

梅雨空の京都を行く 完結編 - のぞみ432号

2018-07-01 21:20:31 | 近畿
着席できるかどうかは微妙、しかしどうにかなると高をくくって、実際どうにかなったのは「くろしお」でした。それと同様、微妙ながらもどうにかなるだろうと思っていたのが、新大阪から乗る帰りの新幹線です。「くろしお」から乗り継ぐなら、九時過ぎに出るのぞみ62号が事実上の接続列車ですが、和歌山駅で照会した時点では、指定席でも窓側がほぼ埋まった盛況で、自由席はそれ以上に厳しかろうと予想されました。しかし、今日は直後に新大阪始発の432号が運転され、「くろしお」が着いてからの間合いにも20分という十分な余裕がありました。その結果行き着いたのが、62号を端から見切り、432号の自由席に並ぶという方針で、これは一応的中しました。
「一応」というのは、着いた時点で楽々着席できる程度の先客しかいなかったからです。しかし今日の人出は尋常ならざるものがあり、新大阪のコンコースは東京駅でも滅多にないほど混み合っていました。この列車にも、あり得ないだろうと思うほどの乗客が前の方から次々と押し寄せ、発車の時点では通路にも立ち客が出ました。始発早々通路に立ち客が出るというと、去年の11月の連休以来です。経験上、名古屋で空くと予想されるものの、元がこれでは限度があります。立ち客が皆着席できれば御の字といったところではないでしょうか。
大阪ドームの公演の余波か、お姉さま方が心なしか多いような気がします。揃いの手拭いを掛けた青年らが散見されることからすると、他にも同規模の公演か催し物があったのでしょう。とはいえそれらが全てではなく、圧倒的な輸送力をも超える乗客が殺到したとしか理解のしようがありません。連休でも夏休みでも何でもない梅雨時に、これだけ混むとは予想外でした。結果論ではありますが、今日はグリーン車を奢った方がよかったのかもしれません。

★新大阪2110/のぞみ432(9432A)/2342東京
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梅雨空の京都を行く 完結編 - くろしお34号

2018-07-01 19:53:33 | 近畿
持ち時間を使い切って滞在終了。新大阪行の「くろしお」で和歌山を後にします。
白浜から上ってくる列車だけに、自由席に座れるかどうかが懸念材料でした。しかし、発車の20分前に和歌山駅へ着いたため、どうにかなると高をくくって自由席を選びました。すると乗車口には既に二人の先客がおり、着いた列車の混みようによっては何とも微妙な情勢となるも、どうにか窓側に着席という結果です。まだ明るい西の空を眺めつつ帰ります。

★和歌山1949/くろしお34(2084M)/2050新大阪
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梅雨空の京都を行く 完結編 - 丸京

2018-07-01 18:53:25 | B級グルメ
一時間少々滞在して「千里十里」を辞去し、帰りの列車の時刻まで十分な時間が残りました。飲み食いも満腹の一歩手前で抑えたため、中華そばをいただければ一丁上がりという寸法です。「丸京」で二日間の旅を締めくくります。
最も手近なところでいうと、「千里十里」の向かいにも中華そばの店はあり、こちらも悪くはないことが経験上分かっています。しかし、老舗の専門店の趣では「丸京」が上を行きます。去年立ち寄る機会を逃していたこともあり、最後はここと決めていた次第です。
中華そばでも不足はないところ、200円増という手頃さもありチャーシューメンを注文。前からそうだったかどうか、薄切りのチャーシューで丼を覆い、さらに縁からはみ出させた出で立ちは京都の「珍遊」を彷彿させます。出来上がりの美しさも和歌山の中華そばの真骨頂と考える自分にとって、丼からはみ出したチャーシューは蛇足のような気がしなくもないものの、価格差以上の満足感があるのは確かです。トリを飾るにふさわしい一杯でした。

丸京中華そば
和歌山市雑賀町120
073-423-5754
1100AM-1400PM/ 1600PM-2100PM
木曜定休
チャーシューメン800円
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梅雨空の京都を行く 完結編 - 千里十里

2018-07-01 17:39:53 | 居酒屋
本日も予報とは裏腹の好天です。時間が経つほど空は晴れ、西日はまだ十分高い位置にあります。普段ならば酒など後回しにして、暗くなるまで乗車を続けるところです。しかし、今回和歌山まで足を延ばした目的は、少なからずこの店を訪ねることにありました。五時を回ったところで切り上げ「千里十里」の暖簾をくぐります。
「京都へ行くことは赤垣屋へ行くことである」とは教祖の言葉ですが、自身そこまであの店に心酔してはいないと先日申しました。しかし、教祖にとっての「赤垣屋」に相当する位置付けの店はいくつかあり、和歌山では何といってもこの店です。行けば必ず立ち寄って、なおかつ他の店にほぼ行かないということになると、旭川の「独酌三四郎」、長岡の「魚仙」、清水の「新生丸」、福井の「紋や」、奈良の「蔵」に熊本の「瓢六」など、両手で足りる数に絞れてきます。今回もここを素通りするという選択は考えられませんでした。
そこまで愛用してきた理由として、一直線の長いカウンター、その幅一杯に並んだ短冊の品書きなどを挙げてきました。しかし酒場というのは不思議なもので、夥しい短冊に目移りしそうでありながら、注文する品は自ずと決まってきます。特に、近年は和歌山へ来るというと暑い時期がほとんどだったため、選ぶものがほぼ固定化されつつありました。すなわち、五点盛りのお造りに続いて、当店で「泉なす」と呼ばれる泉州の水茄子をいただき、それに一品、二品加えるという献立です。しかし、女将からは品切れという予想外の返答がorz
一品欠いただけでも組み立てが格段に難しくなってくるのは、魚介が大半を占める品書きの中、それ以外の品が少ないという事情によります。つまり「魚仙」と同様の現象です。焼茄子、出汁巻きも悪くはないが決め手を欠くという状況で、目に留まったのは胡麻豆腐でした。正確には、胡麻豆腐の文字というより、半紙に添え書きされた自家製、吉野くずの枕詞が気になったとでも申しましょうか。こうして選んだ胡麻豆腐、大きさ、色は一見すると冷奴のようでありながら、味は紛れもない胡麻豆腐という珍品です。なめらかな舌触りは弘前の「弦や」でいただく黒石豆腐を彷彿させるものの、それとも微妙に違う当店ならではの味わいがあります。何かと使い勝手のよさそうな一品でした。

千里十里
和歌山市元寺町1-70
073-433-4480
平日 1630PM-2300PM(LO)
日祝日 1530PM-2230PM(LO)
祝日除く月曜定休

黒牛
突き出し(里芋とほうれん草の煮物)
五種盛さしみ
ごまとうふ
はもてりやき
松前寿司
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梅雨空の京都を行く 完結編 - 一般車両

2018-07-01 16:54:02 | 近畿
終点から折り返しの列車に乗り伊太祁曽で下車。駅名の由来となった伊太祁曽神社を参拝してから後続列車に乗りました。やってきたのは南海時代の塗色を残す一般車両です。

去年久々に乗車した和歌山電鐡が思った以上に楽しく、それが今回再訪した理由の一つでもあります。しかし、そのときから明らかに変わった点が一つあります。電車が見世物と化しているのです。
下り列車に乗ったときから嫌な予感はしていました。大荷物を携えた外国人観光客が散見されたからです。とはいえ、その時点ではそこまで憂慮する事態ではなかったのです。明らかにおかしいと気付いたのは、伊太祁曽で交換した上り列車が立ち客も出る混みようだったときです。その多くが、これまで沿線では見たこともなかった外国人観光客でした。
この電車に乗るためはるばる訪ねてきたのであれば、歓迎すべきことともいえます。しかし、少なくとも自分の目には、そのような人々とは映りませんでした。旅行会社のワッペンをつけていることからして、バスで伊太祁曽の駐車場にでも乗り付け、大挙して乗り込んだのだろうということは想像できます。おそらく現地の媒体で紹介され、それを見た旅行者が訪れるようになり、ついには旅行会社代理店も目を付けたのでしょう。京都でも、そのようにして知ったらしき中国人が、特定の飲食店の前に長蛇の列をなしている光景に遭遇したばかりですが、電車がこのようなことになるとは思いませんでした。

ホームの長さが余った部分に、今までなかった柵が立っているのも、電車が見世物と化すにつれて、作法をわきまえない輩が増えてきたからでしょう。親子連れで賑わうならまだしも、これでは興ざめせざるを得ません。観光客で混み合うようになった結果、今まで乗ってくれていた地元の親子連れが離れてしまっては、そもそも何のための鉄道かが分からなくなってきます。短期的にはよいとしても、長い目で見たときに果たしてどうなのかという疑問が残りました。
せめてもの救いは、たま電車を含む全面改装された車両にだけ観光客が集中していることです。一般車両を選んで乗るのが、せめてもの自衛策となりそうです。

★貴志1606/1600レ/1617伊太祁曽1655/1602レ/1716和歌山
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梅雨空の京都を行く 完結編 - たま電車

2018-07-01 15:23:25 | 近畿
和歌山に着きました。限られた滞在時間をどう使うか思案の結果、馬鹿の一つ覚えと承知の上で和歌山電鐡に乗ることにしました。先々週なら花菖蒲の名所とやらに行ってみる手はあったものの、今更行っても仕方がありません。酷暑の中、冷房の効いた電車で往復する以外の妙案が浮かびませんでした。
とはいえ、乗っているだけでも楽しい電車ではあり、活動の題材として何ら不足はありません。まず乗車したのはたま電車です。五時頃に切り上げ「千里十里」で一献傾けるつもりですが、時間が余ればもう一度乗るにもやぶさかでありません。

★和歌山1525/1501レ/1558貴志
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梅雨空の京都を行く 完結編 - 紀州路快速

2018-07-01 13:55:49 | 近畿
紀州路快速で和歌山へ向かいます。あちらに着くのは三時過ぎで、新大阪で新幹線に接続する最後の列車が出るのは八時前です。最長でも五時間足らずの短い滞在となります。
大阪駅で乗車したとき、大阪ドームの最寄りは大正だとしきりに案内されていました。不穏な空気を感じて調べたところ、果たして大規模公演が催されるようです。四時開演ということは、七時前後の終演でしょうか。直近二回は早めに切り上げ「ひかり」で帰るという流れでしたが、今回はなまじ早いと公演帰りのお姉さん方で混みそうです。最後まで和歌山に残り、最終の一本前の「のぞみ」で帰る方向に傾きつつあります。

★大阪1338/4163レ→4163M→4563H/1507和歌山
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梅雨空の京都を行く 完結編 - LILAS

2018-07-01 12:54:47 | B級グルメ
梅田に着いたということは、中二階の喫茶にもう一度寄れるということでもあります。昨日の今日という条件に鑑み、本日は1号線側の店舗を選びました。特等席である窓際のカウンターの一番奥に、紙一重の差で先客が入ってしまうという誤算に見舞われたものの、同じく窓際のテーブル席が空いていたためこちらに着席という結果です。
前回ここでいただいたオムライスはごく普通、昨日のホットドッグはさらに普通だったため、注文したカレーにもさほどの期待はしていませんでした。ところが、甘くて辛いカレーは大阪名物インデアンカレーを彷彿させます。他の品を試してみる余地がないわけではないものの、これを選んでおけば間違いないと言い切れる名品でした。

LILAS
阪急梅田駅構内
06-6372-3505
700AM-2230PM(LO)
カレーライスセット750円
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梅雨空の京都を行く 完結編 - 祇園祭

2018-07-01 12:10:53 | 近畿
昨日来た道を引き返して大阪へ戻ります。駅へと向かう途中、商店街のアーケードに祇園祭の提灯が飾り付けられていました。今更ながら知ったのは、祇園祭が七月を丸々使って開催されるもので、かの名高い山鉾はその一部に過ぎないということです。つまり、一日とはいえ祭の期間に重なったことになります。
初日ともなれば何らかの催し物はあったのかもしれません。しかし、ただでさえ暑い中、祭で混み合ってはたまらないともいえます。雰囲気の一端に触れただけでも十分です。

★河原町1150/11021レ/1234梅田
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梅雨空の京都を行く 完結編 - 本能寺

2018-07-01 11:24:14 | 近畿
阪急電車で大阪へ戻りますが、宿から駅までどのようにして移動するかが思案のしどころでした。バスに乗っても三つ目という中途半端な距離です。停留所まで歩く時間と待ち時間を考えれば、徒歩でも大差はありません。とはいえこの炎天下を歩くのは憚られます。その結果、寺町の商店街を歩くという選択に落ち着きました。ついでといっては失礼ながら本能寺を訪ねます。
歴史上の一大事変の舞台となったことで誰もが知る本能寺ですが、行ったことがあるという人々は果たしてどれだけいるのでしょうか。かくいう自分自身、参拝するのは初めてです。不信心もさることながら、こちらが通る夜間には決まって山門が閉じられており、中の様子を窺う機会はなかなか訪れませんでした。珍しく開門中に通りがかった今回、一度は訪ねておこうと思い立った次第です。
市役所の向かいという立地から、手狭な境内を勝手に想像していたところ、とんだ見当違いでした。山門をくぐると、左に五階建ての立派な寺務所が、右にほぼ同じ高さの宝物殿が建ち、参道の左側から見上げるような欅の大木がしなだれかかっていて、突き当たったところに立派な本堂が鎮座します。右にそれて奥へ進むと六つほどの院があり、本堂の裏手に銀杏の大木があって、その下に信長公の御廟所が。脇にある細い参道で河原町通りにも出られるという寸法です。大本山の称号は伊達ではありませんでした。
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梅雨空の京都を行く 完結編 - 出発

2018-07-01 10:41:05 | 近畿
宿に戻って自転車を返却。11時チェックアウトの恩恵に与り、汗を流してから出発します。今回も何から何まで快適でした。
新たな収穫だったのが朝食です。前回宿泊したときは、500円という料金と、Webサイトで見た献立の一例から、パンとサラダ中心の簡素なものだろうと考えて敬遠しました。しかし、今回再訪するにあたって、この宿なら料金以上のものを期待できそうな気がしていました。そして結果は期待以上でした。
宿泊客の多くを占める外国人観光客に合わせ、洋惣菜中心の献立なのが特色ながら、定番のウィンナー、スクランブルエッグに加え、ほうれん草をホワイトソースで煮込んだものなど一手間加えた品が揃い、彩り豊かで味も上々。ご飯、お粥と味噌汁だけでなく、洋惣菜中心の献立に合わせてピラフとカレーも用意され、特にカレーは秀逸でした。
朝食会場になる談話室には、風合いのよい木製の調度品が奢られていて、テーブル、椅子とも少しずつ違うものが用意されているため、どの席でいただこうかと考えるのも楽しいものがあります。食器も洗練されていて、使い捨ての安物などはありません。まさに破格の充実ぶりです。
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梅雨空の京都を行く 完結編 - 岡崎公園

2018-07-01 09:54:15 | 近畿
宿を出た時点では大蓮寺にだけ寄るつもりでいたところ、もう一つ寄っておきたい場所を思い出しました。岡崎公園に保存された京都市電の1860号車です。西側を木立に囲まれ、午後は日陰になってしまうことから、いずれ午前に再訪しなければとかねがね思っていたのです。今回ようやく宿願を果たすことができました。
公園の案内所を兼ねているのは梅小路公園の2001号車と同様で、片側の運転席と座席の大半は撤去されています。とはいえ、屋外展示にもかかわらずよい状態を保っているのは幸いです。
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梅雨空の京都を行く 完結編 - 大蓮寺

2018-07-01 09:34:33 | 近畿
和歌山へ行くつもりなら、京都に長居は禁物です。とはいえ一泊しただけで出るのも惜しまれる中、とっておきの立ち寄り場所があります。自転車を借りて大蓮寺にやってきました。
先月ここを訪ねたとき通り雨に降られ、蓮の花と大きな水玉が揺れるという印象的な光景に出会いました。しかし蓮といえば六月より七月です。さらに見事な花が咲いてはいないかと期待しての再訪でした。その期待は見事に的中し、境内には大輪の花がいくつも咲いていました。花はもちろんのこと、これだけ咲くと本堂との取り合わせも絵になります。再訪してよかったと実感できる眺めです。
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梅雨空の京都を行く 完結編 - 二日目

2018-07-01 07:19:33 | 近畿
おはようございます。昨夜は宿の近くで済ませるつもりが、二条を起点に西は烏丸、南は四条、東は祇園まで歩きました。再び大汗をかいてしまい、もう一度風呂に入って一時過ぎに休むという顛末です。夜半に曇っていた空が再び晴れ、東向きの部屋には強い日射しが注いでいます。今日もかなりの汗をかきそうですorz
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