日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

この季節の楽しみ 2018(16)

2018-07-16 09:48:41 | 野球
連休中日の第23日は50大会367試合の開催でした。島根が新たに開幕し、本来ならばこれで全56大会が出揃うはずのところ、豪雨の影響により明日からに順延された広島がトリを飾ることになります。

・東北
米沢興譲館と会津が揃って大勝、秋田も接戦を制しました。秋田は二年連続、会津は三年連続の16強進出です。

・関東
佐倉は習志野相手に善戦するも及ばず。初代代表早稲田実は、系列校の早大学院相手に先制を許すも、終盤の大量得点で初戦を制しました。古豪横浜商はシードの横浜隼人を下しています。

・北信越
佐渡が敗れて新潟の離島勢は終戦。諏訪蚕糸改め岡谷工と、選抜無敗記録を保持する飯田長姫改め飯田OIDE長姫も散りました。一つだけ引っかかったのが、実況では「OIDE長姫」と連呼し、スコアボードでは「飯O長」なる謎の表記をしていたことです。略すなら「飯田長姫」あるいは「長姫」でよさそうなところ、呼ぶにも読むにも面倒なことをするのは、統廃合の相手方である飯田工の立場を慮ってのことでしょうか。現代風にいうならさしずめ「忖度」したのかもしれません。政治的な配慮を感じる呼び名はともかく、松本県ヶ丘の「縣陵」なる別称は印象的でした。

選抜8強で優勝候補筆頭の日本航空石川はまさかの初戦敗退を喫しました。思い出すのは、去る早春に能登を旅したときのことです。輪島の町に並んでいたのは、能登から初の選抜出場を果たした同校の快挙を讃える幟でした。近年稀に見るほど厳しかった寒さが、三月に入ったところでようやく緩み、積もった雪も一挙に解けるかと思いきや、その週に限って寒が戻ったと記憶しています。しかし、それを最後に暖かくなり、桜もたちまち咲いて散り、今や来る日も来る日も灼熱地獄の毎日です。寒さに震えた輪島の夜が今となっては懐かしく感じられます。
福井では藩校を発祥とする若狭と藤島が揃い踏みし、いずれも次戦に駒を進めました。中でも藤島戦は今季最長の延長15回で決着する熱戦でした。

・東海
岩瀬の母校、西尾東が打撃戦を制して16強に進出し、次戦は西尾との兄弟校対決となります。旭丘も勝ち進み、あと一つ勝てば東邦と相見えることになりそうです。
三重では昴学園と英心の揃い踏みが実現し、片や20点差、片や22点差の大敗でした。1点返して意地を見せた昴学園に対し、英心はまたしても零封負けです。去年の春季に念願の公式戦初得点を記録し、秋季も1点挙げたものの、選手権での初得点はお預けとなりました。

・近畿
野村の母校峰山は打撃戦の末に惜敗。京都二中改め鳥羽は、終盤同点に追いつき延長戦でサヨナラ勝ちを収めました。記念すべき第1回大会を制した同校、戦後初の選手権では決勝に進み、20世紀最後の年には五十余年の空白を経て甲子園に返り咲き、大会創設百年となる三年前にも選手権出場を果たしました。節目に滅法強い同校、第100回も本領を発揮するかが注目されます。
皆勤15校の中から関西学院、神戸、桐蔭の三校が揃い踏みしたのも特筆されます。これらは全国制覇を果たした点でも共通しており、同様の例としては旭丘があるのみです。つまり、この日は皆勤で全国制覇経験もある4校が勢揃いしたことになります。それだけに、神戸だけが不覚を取ってしまったのが惜しまれるところです。かつての全国覇者の中では興国も姿を消しました。

大阪桐蔭による選抜連覇は記憶に新しいところですが、史上初の選抜連覇といえば第一神港商、後の市神港です。その市神港が統廃合により神港橘なる新設校に引き継がれるに至り、相手方の兵庫商にも甲子園出場経験があったことから、いずれの記録も引き継がない措置が採られることになりました。高校野球史上における偉業の一つが後世に受け継がれなくなることについては、このblogでも度々嘆いてきた通りです。ところが豈図らんや、公式サイトではいつの間にやら神港橘に選抜優勝2回の記録が引き継がれていました。
甲子園出場経験をもつ両校の統合により発足した新設校といえば鳴門渦潮があります。こちらはいずれの記録も引き継がないものとされていたところ、去年の選手権に統合後初出場を果たしたことで、前身の鳴門第一、鳴門工の出場回数を合算の上、その内訳を注記するという苦肉の策が採られました。しかし、神港橘ではそのような措置さえ採られず、市神港の記録がそのまま引き継がれています。記録の価値にも鑑みて、旧兵庫商側が譲歩をしたのでしょうか。真相のほどはともかく、偉大な記録は受け継がれることになりました。

・中国
藩校の流れを汲む伝統校、萩、山口の両校と、出場校中3校しかない商船高専の一つ、大島商船高専がいずれも快勝。大島商船高専は、八年ぶりの勝利を挙げた去年に続いての初戦突破となります。

・四国
徳島から私立初の代表を目指す生光学園、やまびこ打線で一世を風靡した池田が揃って勝ち、次戦は両校の直接対決となります。選抜無敗8校のトリを飾る観音寺中央改め観音寺総合は、「二高なき一高」の一つである善通寺一に大勝しました。土佐藩主の私塾を発祥とする小津は散るも、昨年準優勝の梼原は危なげなく初戦を突破。今季はノーシードで大穴にも挙がってはいませんが、28チームの高知なら1勝すればその時点で16強です。この先どこまで勝ち上がれるかに注目しましょう。

・九州
優勝候補筆頭を破る殊勲を立てた若松を、小倉が下して16強に進出。秋山の母校八代は三戦目にも勝ち8強入りを果たしました。昨春に突如として頭角を現し、選手権でも県4強入りを果たした後は、秋季も春季も初戦で敗れ、元の木阿弥かと思いきや、二年連続の上位進出です。

・沖縄
この日をもって8強が出揃うも、2校残っていた離島勢はいずれも敗退。近年混戦模様が続く沖縄だけに、今年も番狂わせは期待できるものの、自分の中ではひとまず終戦となりました。

★青森大会3回戦
 青森14-0八戸高専
 東奥義塾7-11弘前東
★秋田大会2回戦
 秋田北鷹0-2金足農
 由利工2-3秋田
★宮城大会1回戦
 仙台一3-2聖和学園
★山形大会2回戦
 長井4-16米沢興譲館
 谷地2-5新庄北
★福島大会3回戦
 会津22-3会津西連合
 只見1-11x日大東北
★北埼玉大会3回戦
 伊奈学園4-10春日部東
 羽生一0-9上尾
 熊谷3-10x東農大三
★西千葉大会2回戦
 佐倉5-8習志野
 東京学館浦安10-1我孫子二階堂
 市松戸9-8船橋法典
★西東京大会3回戦
 早稲田実11-3早大学院
★南神奈川大会2回戦
 横浜商9-5横浜隼人
★新潟大会3回戦
 新井2-12x新潟
 佐渡5-13加茂暁星
 上越総合技術10-9新潟県央工(延長13回)
★長野大会3回戦
 飯田OIDE長姫7-9中野西
 岡谷工0-7xウェルネス筑北
 松本県ヶ丘2-5松本国際
 松本蟻ヶ崎0-2上田千曲
 小諸7-0大町岳陽
 阿智3-10長野西
 岡谷南7-6赤穂
 小諸商7-0長野日大
★富山大会2回戦
 富山東11-1富山高専本郷
★石川大会2回戦
 日本航空石川3-5金沢市工
 鵬学園9-3金沢泉丘
 石川高専0-3七尾
★福井大会1回戦
 若狭10-6福井農林
 藤島7-5丹生(延長15回)
★静岡大会2回戦
 沼津高専1-7清水西
 焼津水産9-7浜松学院(延長12回)
★東愛知大会3回戦
 豊橋東7-8x西尾東
★西愛知大会2回戦
 桜台5-3名古屋市工芸
 旭丘10-1一宮商
 名古屋市工6-2明和
★岐阜大会2回戦
 斐太4-5x高山西
★三重大会1回戦
 稲生4-6高田
 昴学園1-21桑名西
 名張青峰22-0英心
★滋賀大会2回戦
 八日市1-4近江兄弟社
★京都大会2回戦
 洛西8-7峰山
 洛北3-4x鳥羽
★南大阪大会2回戦
 興国4-5八尾
★東兵庫大会2回戦
 六甲アイランド1-3市西宮
 関西学院11-2県西宮
 伊川谷北0-7神戸高専
 神戸1-8x甲南
 北須磨1-0神戸高塚
 西宮北0-1神港橘
★奈良大会1回戦
 郡山0-2平城
 生駒8-6大宇陀
★和歌山大会2回戦
 桐蔭10-1初芝橋本
★岡山大会1回戦
 津山商6-13x岡山県共生
★山口大会1回戦
 萩10-2萩商工
 周防大島19-4誠英
 響・下関北1-8x山口
 大島商船高専10-3徳山商工
★徳島大会1回戦
 城西0-7x生光学園
 川島0-6池田
★香川大会2回戦
 香川高専高松6-3藤井
 善通寺一4-14x観音寺総合
★愛媛大会1回戦
 今治北大三島11-3済美平成
★高知大会1回戦
 小津3-4岡豊
 梼原8-1須崎工
★北福岡大会3回戦
 若松1-4小倉
★佐賀大会2回戦
 唐津西0-10x佐賀商
★熊本大会3回戦
 熊本商1-8x八代
★宮崎大会3回戦
 富島14-1宮崎第一
★鹿児島大会2回戦
 鹿児島玉龍4-3伊集院
★沖縄大会4回戦
 八重山農林2-7中部商
 宮古総合実0-10嘉手納
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