連休の中で唯一活動を控えるのが七月の三連休です。酷暑に夏休みの混雑が追い討ちをかけ、どこへ行く気も起こらない中、地方大会の最盛期が重なるのは渡りに船ともいえます。朝から晩まで公式サイトの中継に釘付けとなりそうです。
六月下旬に北海道と沖縄で始まった戦いは、昨日で三週目を終えました。21日目は富山、三重、岡山、山口の4大会が加わり、33大会233試合の開催です。
・東北
青森と福島は休養日、秋田と岩手は全試合中止、宮城は開幕前につき、山形のみの開催でした。藩校の流れを汲む伝統校、米沢興譲館が二年連続の初戦突破を果たしています。
・関東
昨季久々に16強入りした銚子商が、今年も初戦を突破しました。藩校の流れを汲む伝統校にして巨人軍終身名誉監督の御出身校、佐倉は延長戦を制し、次戦は習志野と相見えます。
東東京では大島の2校が明暗を分けました。大敗を喫したものの、四年ぶりに単独出場を果たした東京農産も特筆されます。西東京では選抜無敗記録を保持する日大桜丘が初戦を突破。昭和30年代に一世を風靡した法政二は、久々のシードで臨むも初戦敗退に終わっています。
ちなみに母校は二戦目にも勝ちましたが、それより驚いたのは全国紙に載ったことです。ただし、試合の内容、結果が特筆すべきものだったわけではなく、毎日一枚掲載される写真に、盗塁阻止の場面が選ばれたというものです。塁上で交錯した二塁手と走者が判定を仰ぎ見る瞬間を切り取ったもので、見得を切る歌舞伎役者のごとき佇まいの二塁手がとりわけ絵になる一駒でした。
・北信越
長野ではこの日をもって二回戦が終わり、全ての出場校が初戦を終えました。須坂創成は統廃合により去年から参戦したチームですが、前身となる須坂園芸、須坂商の両校がそれぞれ1回甲子園に出場していることから、いずれの記録も引き継がない「鳴門渦潮方式」が採られ、春夏ともに出場なしの扱いとなっています。この日の初戦にも敗れ、統合後の公式戦は6連敗となりました。
伝説の甲子園引き分け再試合第1号で知られる魚津は開幕戦で早々と敗退。商船高専の流れを汲む富山高専射水も散りました。好発進したのが小松大谷です。星稜相手に8点差をつけながら最終回で逆転された悪夢の決勝戦が四年前、その翌年は準々決勝で雪辱するも次戦に敗れ、一昨年は準決勝で返り討ちに遭い、去年は因縁の対決を目前に準々決勝で敗退しました。このまま勝ち上がれば準々決勝で再び両校が相見えることになります。
・東海
負けても負けても挑み続ける奮闘ぶりに注目してきたあけぼの学園が開幕戦で大敗。大量17点を奪われたばかりか、コールドの参考記録ながらも完全試合を喫するという惨敗でしたorz
・近畿
第1回から皆勤する山城、市岡の両校が揃い踏みし、共に接戦を制しました。江夏の母校大阪学院大は、最終回に4点差を辛くも逆転。中村紀洋の母校渋谷は初戦敗退するも、関大北陽を相手に9回まで戦い抜いた健闘ぶりは特筆されます。去年も二戦目で大阪桐蔭に当たるというくじ運の悪さを発揮しながら、同じく9回まで戦い抜きました。一夏に1勝か2勝すれば御の字の無名校でありながら、大敗がほとんどないのが同校の特徴です。
・中国
豪雨の影響が残る中で岡山と山口が開幕。藩校の流れを汲む伝統校、岡山朝日が開幕戦で惜敗しました。
・四国
選抜無敗にして甲子園無敗という空前絶後の記録を保持する徳島海南改め海部が初戦敗退。徳島の片田舎に紫紺の大優勝旗を持ち帰った同校も、今では一介の無名校となりました。全国のどこへ行っても連合チームが珍しくなくなった中、いつまで単独出場できるのかと老婆心が頭をもたげてくるところですが、手をこまねいているわけではないようです。今更ながら知ったのは、同校が寮を造って県外からの入学者も受け入れているということでした。指定競技で基準を満たした選手を別枠の入試で受け入れ、寮にも優先的に入れるようにするという仕組みで、指定競技の筆頭にはもちろん硬式野球が掲げられています。一度とはいえ甲子園を席巻した名門の誇りは、今なお失われていなかったことになります。僻地の寮に選手を集めて鍛え上げるといえば明徳義塾です。あちらと違って目覚ましい成果は上がっていないのが現実ではありますが、優れた指導者を招聘することができれば、再び上位を脅かす時が来るかもしれません。
愛媛では今治西と宇和島東が初戦でいきなり対戦しました。序盤から強豪がぶつかり合う、大阪大会を彷彿させる組み合わせが出現したのは、両校ともノーシードだったからに他なりません。今大会ではシード4校中3校を私立が占めています。公立王国の愛媛にも、時代の波が容赦なく押し寄せているようです。
・九州
沖永良部と屋久島が初戦に臨み明暗を分けました。上五島は敗れ、五島が長崎の離島勢最後の砦となります。
★山形大会1回戦
寒河江2-5米沢興譲館
置賜農1-3米沢中央
★茨城大会2回戦
石岡一3-0竜ヶ崎一
つくば秀英8-6磯原郷英
★北埼玉大会2回戦
伊奈学園14-1蓮田松韻
熊谷農0-20熊谷商
熊谷11-0深谷商
児玉・児玉白楊・鳩山0-20桶川
★東千葉大会2回戦
銚子商8-0柏井
犢橋2-12x君津商
千葉北14-0木更津高専
★西千葉大会1回戦
佐倉6-4四街道北(延長10回)
★東東京大会2回戦
足立工1-11大島
大島海洋国際0-16東
東京農産0-33日大一
海城9-4昭和鉄道
三商・千早・八丈0-12京華
★西東京大会2回戦
小平南0-3日大桜丘
★北神奈川大会2回戦
海老名6-4法政二
★長野大会2回戦
明科0-7x長野西
長野吉田1-3岡谷工
大町岳陽14-1諏訪実
下高井農林2-5阿智
須坂創成0-11岡谷南
長野日大3-1丸子修学館
須坂2-5松本県ヶ丘
諏訪清陵3-8松本蟻ヶ崎
★富山大会1回戦
魚津1-7富山工
富山高専射水2-7富山いずみ
★石川大会1回戦
金沢伏見0-7小松大谷
★三重大会1回戦
あけぼの学園・鳥羽0-17四日市中央工
★京都大会2回戦
城南菱創3-4山城
★北大阪大会1回戦
渋谷1-6関大北陽
市岡6-4桜宮
大阪学院大10-9箕面東
★西兵庫大会2回戦
伊和0-36和田山
★和歌山大会1回戦
海南3-7日高中津
和歌山工8-0耐久
★岡山大会1回戦
岡山朝日5-6津山工
★徳島大会1回戦
海部0-8徳島科技
鳴門渦潮13-0阿南高専
★愛媛大会1回戦
今治西8-2宇和島東
新居浜高専0-10吉田
★北福岡大会3回戦
有明高専0-10x福岡大大濠
★佐賀大会2回戦
佐賀農0-11龍谷
厳木8-15x早稲田佐賀
★長崎大会2回戦
上五島0-10x小浜
★大分大会2回戦
大分西4-5x日田林工
★鹿児島大会2回戦
沖永良部11-5蒲生
鹿児島高専1-11x尚志館
屋久島1-18鹿屋中央
六月下旬に北海道と沖縄で始まった戦いは、昨日で三週目を終えました。21日目は富山、三重、岡山、山口の4大会が加わり、33大会233試合の開催です。
・東北
青森と福島は休養日、秋田と岩手は全試合中止、宮城は開幕前につき、山形のみの開催でした。藩校の流れを汲む伝統校、米沢興譲館が二年連続の初戦突破を果たしています。
・関東
昨季久々に16強入りした銚子商が、今年も初戦を突破しました。藩校の流れを汲む伝統校にして巨人軍終身名誉監督の御出身校、佐倉は延長戦を制し、次戦は習志野と相見えます。
東東京では大島の2校が明暗を分けました。大敗を喫したものの、四年ぶりに単独出場を果たした東京農産も特筆されます。西東京では選抜無敗記録を保持する日大桜丘が初戦を突破。昭和30年代に一世を風靡した法政二は、久々のシードで臨むも初戦敗退に終わっています。
ちなみに母校は二戦目にも勝ちましたが、それより驚いたのは全国紙に載ったことです。ただし、試合の内容、結果が特筆すべきものだったわけではなく、毎日一枚掲載される写真に、盗塁阻止の場面が選ばれたというものです。塁上で交錯した二塁手と走者が判定を仰ぎ見る瞬間を切り取ったもので、見得を切る歌舞伎役者のごとき佇まいの二塁手がとりわけ絵になる一駒でした。
・北信越
長野ではこの日をもって二回戦が終わり、全ての出場校が初戦を終えました。須坂創成は統廃合により去年から参戦したチームですが、前身となる須坂園芸、須坂商の両校がそれぞれ1回甲子園に出場していることから、いずれの記録も引き継がない「鳴門渦潮方式」が採られ、春夏ともに出場なしの扱いとなっています。この日の初戦にも敗れ、統合後の公式戦は6連敗となりました。
伝説の甲子園引き分け再試合第1号で知られる魚津は開幕戦で早々と敗退。商船高専の流れを汲む富山高専射水も散りました。好発進したのが小松大谷です。星稜相手に8点差をつけながら最終回で逆転された悪夢の決勝戦が四年前、その翌年は準々決勝で雪辱するも次戦に敗れ、一昨年は準決勝で返り討ちに遭い、去年は因縁の対決を目前に準々決勝で敗退しました。このまま勝ち上がれば準々決勝で再び両校が相見えることになります。
・東海
負けても負けても挑み続ける奮闘ぶりに注目してきたあけぼの学園が開幕戦で大敗。大量17点を奪われたばかりか、コールドの参考記録ながらも完全試合を喫するという惨敗でしたorz
・近畿
第1回から皆勤する山城、市岡の両校が揃い踏みし、共に接戦を制しました。江夏の母校大阪学院大は、最終回に4点差を辛くも逆転。中村紀洋の母校渋谷は初戦敗退するも、関大北陽を相手に9回まで戦い抜いた健闘ぶりは特筆されます。去年も二戦目で大阪桐蔭に当たるというくじ運の悪さを発揮しながら、同じく9回まで戦い抜きました。一夏に1勝か2勝すれば御の字の無名校でありながら、大敗がほとんどないのが同校の特徴です。
・中国
豪雨の影響が残る中で岡山と山口が開幕。藩校の流れを汲む伝統校、岡山朝日が開幕戦で惜敗しました。
・四国
選抜無敗にして甲子園無敗という空前絶後の記録を保持する徳島海南改め海部が初戦敗退。徳島の片田舎に紫紺の大優勝旗を持ち帰った同校も、今では一介の無名校となりました。全国のどこへ行っても連合チームが珍しくなくなった中、いつまで単独出場できるのかと老婆心が頭をもたげてくるところですが、手をこまねいているわけではないようです。今更ながら知ったのは、同校が寮を造って県外からの入学者も受け入れているということでした。指定競技で基準を満たした選手を別枠の入試で受け入れ、寮にも優先的に入れるようにするという仕組みで、指定競技の筆頭にはもちろん硬式野球が掲げられています。一度とはいえ甲子園を席巻した名門の誇りは、今なお失われていなかったことになります。僻地の寮に選手を集めて鍛え上げるといえば明徳義塾です。あちらと違って目覚ましい成果は上がっていないのが現実ではありますが、優れた指導者を招聘することができれば、再び上位を脅かす時が来るかもしれません。
愛媛では今治西と宇和島東が初戦でいきなり対戦しました。序盤から強豪がぶつかり合う、大阪大会を彷彿させる組み合わせが出現したのは、両校ともノーシードだったからに他なりません。今大会ではシード4校中3校を私立が占めています。公立王国の愛媛にも、時代の波が容赦なく押し寄せているようです。
・九州
沖永良部と屋久島が初戦に臨み明暗を分けました。上五島は敗れ、五島が長崎の離島勢最後の砦となります。
★山形大会1回戦
寒河江2-5米沢興譲館
置賜農1-3米沢中央
★茨城大会2回戦
石岡一3-0竜ヶ崎一
つくば秀英8-6磯原郷英
★北埼玉大会2回戦
伊奈学園14-1蓮田松韻
熊谷農0-20熊谷商
熊谷11-0深谷商
児玉・児玉白楊・鳩山0-20桶川
★東千葉大会2回戦
銚子商8-0柏井
犢橋2-12x君津商
千葉北14-0木更津高専
★西千葉大会1回戦
佐倉6-4四街道北(延長10回)
★東東京大会2回戦
足立工1-11大島
大島海洋国際0-16東
東京農産0-33日大一
海城9-4昭和鉄道
三商・千早・八丈0-12京華
★西東京大会2回戦
小平南0-3日大桜丘
★北神奈川大会2回戦
海老名6-4法政二
★長野大会2回戦
明科0-7x長野西
長野吉田1-3岡谷工
大町岳陽14-1諏訪実
下高井農林2-5阿智
須坂創成0-11岡谷南
長野日大3-1丸子修学館
須坂2-5松本県ヶ丘
諏訪清陵3-8松本蟻ヶ崎
★富山大会1回戦
魚津1-7富山工
富山高専射水2-7富山いずみ
★石川大会1回戦
金沢伏見0-7小松大谷
★三重大会1回戦
あけぼの学園・鳥羽0-17四日市中央工
★京都大会2回戦
城南菱創3-4山城
★北大阪大会1回戦
渋谷1-6関大北陽
市岡6-4桜宮
大阪学院大10-9箕面東
★西兵庫大会2回戦
伊和0-36和田山
★和歌山大会1回戦
海南3-7日高中津
和歌山工8-0耐久
★岡山大会1回戦
岡山朝日5-6津山工
★徳島大会1回戦
海部0-8徳島科技
鳴門渦潮13-0阿南高専
★愛媛大会1回戦
今治西8-2宇和島東
新居浜高専0-10吉田
★北福岡大会3回戦
有明高専0-10x福岡大大濠
★佐賀大会2回戦
佐賀農0-11龍谷
厳木8-15x早稲田佐賀
★長崎大会2回戦
上五島0-10x小浜
★大分大会2回戦
大分西4-5x日田林工
★鹿児島大会2回戦
沖永良部11-5蒲生
鹿児島高専1-11x尚志館
屋久島1-18鹿屋中央
