日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

この季節の楽しみ 2018(15)

2018-07-15 09:19:30 | 野球
地方大会は昨日から四週目に突入し、新たに開幕した宮城、福井、奈良、鳥取、高知の5大会を含め、今季最多の50大会382試合が戦われました。そのうち公式サイトで中継されたものだけでも51試合あり、多いときには20試合が同時に中継されました。つまり、表か裏の一方だけ見て切り替えても、全ての試合を一巡する前に終わるということです。これでは当然一部の試合に絞らざるを得ません。本日も依怙贔屓する伝統校、古豪、高専、離島勢などの試合を主体に観戦していくつもりです。

・東北
初代代表10校の一つ、秋田が初戦を突破しました。県都の伝統校にして、県勢最多の選手権出場19回を誇る名門も、今世紀に入ってからの出場は1回にとどまり、次点の秋田商に肉薄されているところですが、去年は県4強入りを果たして久々に健在ぶりを示しました。記念すべき第100回大会を迎える今季、どこまで勝ち残れるかに注目です。
福岡と不来方は揃って勝ち16強に進出。次戦で花巻東と当たる不来方は厳しいものの、共に勝てば準々決勝で両校の直接対決が実現します。

・関東
史上2例しかない選手権無敗記録を保持する湘南が初戦で不覚。県都の伝統校による一戦は希望ヶ丘に軍配が上がりました。

・北信越
富山で今季最大の42点差が出ました。敗れた中央農は、記録が残る平成18年以降の公式戦で25戦全敗、そのうち1試合を除き全て二桁失点を喫し、17試合が零封負けという惨憺たる戦績です。とはいえ、それでもなお単独出場し続ける不屈の精神は天晴れです。

・東海
静岡と東西愛知が再開され、岐阜も開幕してようやく本格化の様相です。過去二年連続四強の浜松商は初戦で散るも、選抜無敗記録を保持する韮山はサヨナラ勝ちを収めました。
瀬戸窯は最終回に3点取って逆転するも、その裏に3点奪い返されサヨナラ負けを喫し、選手権六年ぶりの勝利はなりませんでした。公式サイトに記録が残る平成18年以降、公式戦では1勝13敗の戦績ながら、2桁失点は3試合のみ、6試合は3点差以内と健闘していますが、あと一歩のところで勝ちきれないのが惜しまれます。藩校を発祥とする伝統校の成章も散りました。
選抜4強の三重が初戦で散る番狂わせがありました。福岡に次ぎ優勝候補が姿消す波乱です。終盤に不覚を取った九州国際大付に対し、こちらは初回から失点して終始リードを許す完敗でした。

・近畿
戦後の初代覇者浪商改め大体大浪商、戦前の古豪海草中改め向陽、25回に及んだ伝説の延長戦で知られる明石が揃って初戦を突破する一方、上宮は無名校相手に零封負けを喫しました。一年で12勝した先代チームから一転、今季のチームは春季府大会の1勝だけで公式戦を終えることになります。

・中国
藩校を発祥とする伝統校、和気閑谷、豊浦、岩国が揃って初戦を飾りました。和気閑谷は、公式サイトに記録が残る平成18年以降の公式戦で9勝42敗1分の戦績ながらも、そのうち5勝を選手権で挙げています。42敗もしているのは、春季と秋季がリーグ戦で行われる岡山ならではの事情によるものです。
宇部商と下関商の両雄による一戦は宇部商に軍配が上がりました。下関商は三年前に久々の甲子園返り咲きで話題となるも、それ以来夏は全て初戦敗退の屈辱を味わっています。宇部商も選抜は10年、選手権でも12年にわたって甲子園から遠ざかり、初出場以来の最長記録を更新中です。名門が相見えたにもかかわらず、衰退する商業高校の哀愁漂う一戦でした。かつての全国覇者、柳井も逆転負けを喫しています。

・四国
衰退する商業高校といえば、このblogでもおなじみなのは松山商ですが、同じ四国の徳島商も同じ道をたどりつつあります。七年前の選手権出場を最後に、その後の六年は県8強進出すら一度もありません。出場校が32に満たない徳島で8強に残れないということは、一夏に2勝したのが最高ということでもあります。戦中戦後と昭和20年代後半に七年空いたことはあり、選手権に限って言えば昭和40年から51年まで11年遠ざかった時期はあるものの、いずれも一県一代表ではなかった時代の話です。昭和40年代の空白期間も、選抜には五度にわたって出場しました。実質的には今が最も長い低迷期といってよいかもしれません。初戦は無名の徳島北に勝ち、次戦も無名の池田辻に決まって、勝てば七年ぶりの8強入りとなりますが、その先に待ち構えるのは昨季代表の鳴門渦潮です。

初代代表高松は小豆島を下し、次戦は高松商と戦います。香川高専詫間は敗れ、出場校中2校しかない旧電波高専の夏が終わりました。弓削商船高専も初戦で敗退。こちらは出場校中3校しかない商船高専の一つです。
松山商は初戦に快勝。二戦続けて無名校と当たるのは徳島商と同様で、西条が勝ち上がってくるであろう3回戦が正念場となりそうです。選抜無敗記録を保持する伊野商は今年も初戦で敗れました。県4強入りした六年前を最後に、選手権での勝利から遠ざかっています。直近の秋春共に県8強入りした勢いも通じませんでした。

・九州
初代代表久留米商は8強に進出。五島の敗退により長崎の離島勢は終戦となるも、鹿児島の離島勢はまだまだ健在です。最後まで残っていた徳之島の登場により全11校が初戦を終え、種子島、種子島中央、大島、古仁屋、樟南二と沖永良部の7校が勝ち残る好成績でした。
鹿児島でもう一つ特筆すべきは6校連合です。母体校から5名以上を供給し、なおかつ総勢10名以内という現行制度上、6校は最多記録ということになります。

・沖縄
優勝候補筆頭の未来沖縄が8強入りを待たずして敗れました。中盤に逆転されながらも追いつき、5対5で延長に突入し、14回表に均衡を破るも、その裏に2点奪われ終戦という顛末でした。昨秋以来5失点すら一度もなかった現行チームが、7失点で散ったことになります。選手権には三年間の集大成でもあるだけに、各校の気合いの入れようも半端ではなく、そう簡単には勝ち上がれないということでしょうか。大言壮語の実現は来年以降に持ち越されました。

★青森大会2回戦
 八戸高専2-1五所川原工
 東奥義塾10-2八戸工大二
★岩手大会2回戦
 福岡8-4花北青雲
 岩泉1-9不来方
★秋田大会1回戦
 秋田9-1仁賀保
★山形大会1回戦
 山形東2-9x鶴岡高専
★福島大会3回戦
 平工業8-0福島高専
 東日大昌平8-2学法石川
 福島成蹊8-7磐城
★茨城大会2回戦
 水戸一2-9x水城
★群馬大会2回戦
 関東学園大付22-2群馬高専
★南埼玉大会3回戦
 所沢6-13聖望学園
★北神奈川大会2回戦
 横浜翠嵐4-5希望ヶ丘
★南神奈川大会2回戦
 横須賀学院11-6湘南
★長野大会3回戦
 松本第一9-2小海
 東海大諏訪6-2東京都市大塩尻
 中野立志館10-1伊那北
 松商学園3-1飯山
 富士見0-10x佐久長聖
 上田西12-1蓼科
 上田8-1駒ヶ根工
 伊那弥生ヶ丘7-0野沢北
★富山大会1回戦
 高岡工芸1-10富山第一
 中央農0-42砺波
★福井大会1回戦
 敦賀12-3足羽
★静岡大会1回戦
 聖隷4-5x韮山
 湖西7-3浜松商
 天竜15-0浜松南
★東愛知大会2回戦
 成章5-6鶴城丘
 福江0-13豊田大谷
★西愛知大会2回戦
 瀬戸窯3-4x瀬戸北総合
★岐阜大会1回戦
 岐阜高専2-6大垣商
★三重大会1回戦
 朝明3-7南伊勢
 松坂商5-2三重
 津6-5明野(延長12回)
★京都大会2回戦
 舞鶴高専4-5x花園(延長10回)
★北大阪大会1回戦
 北野1-3北摂つばさ
 大冠11-0大阪園芸
★南大阪大会
・1回戦
 上宮0-4富田林
 福泉・農芸・成美・長野0-26大体大浪商
・2回戦
 長吉1-35初芝立命館
★西兵庫大会2回戦
 西脇0-5明石商
 明石西0-1x明石(延長13回)
 西脇工13-0北摂三田
 社5-1北条
★和歌山大会2回戦
 向陽5-0和歌山高専
★鳥取大会1回戦
 米子工7-0米子高専
★岡山大会1回戦
 和気閑谷8-1西大寺
★山口大会1回戦
 宇部商8-7下関商
 豊浦8-3宇部高専
 熊毛南7-10岩国
 徳山高専8-4柳井商工
 柳井6-8光
★徳島大会1回戦
 徳島商8-3徳島北
 那賀6-8池田辻
★香川大会2回戦
 観音寺一8-1坂出商
 高松7-1小豆島中央
 丸亀城西12-4香川高専詫間
★愛媛大会1回戦
 弓削商船高専2-8宇和島南
 松山商15-0宇和
★高知大会1回戦
 高知高専3-4x宿毛
 伊野商5-12x高知西
★南福岡大会4回戦
 久留米商12-8春日
★長崎大会2回戦
 五島2-8長崎東
★鹿児島大会2回戦
 川辺9-10x鶴丸
 鶴翔0-11徳之島
 吹上18-0市来農芸・鹿児島東・開陽・特別支援・加世田常潤・串木野
★沖縄大会4回戦
 未来沖縄6-7x美来工科(延長14回)
 北山4-3豊見城
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