日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

この季節の楽しみ 2018(25)

2018-07-25 09:31:53 | 野球
耐えがたい暑さを感じ始めたのは先月最後の週末でした。それ以来、冷房を片時たりとも切れない酷暑が続きました。それだけに、明日から涼しくなると聞いても半信半疑でしたが、昨夜の通り雨を境に気温が下がり、明け方は窓を開け放って休みました。実際には涼しいわけでも何でもなく、平年並みに戻っただけのこととはいえ、ようやく解放された安堵感が押し寄せてきます。思えば長い戦いでしたorz

先月最後の週末といえば、北海道と沖縄で高校野球が開幕した週です。以来一月余りにわたって続いた地方大会も、代表が続々と決まる最終盤に入り、さすがにもう潮時かと思いきや、決勝5試合を含む27大会73試合が戦われ、話題も意外に豊富でした。燃え尽きる寸前の蝋燭を彷彿させる第32日の試合結果を振り返ります。

・東北
金足農が二年連続となる明桜との決勝戦で雪辱を果たしました。あとは山形の決勝と宮城の準々決勝以降を残すのみです。

・関東
霞ヶ浦が常総学院との決勝を待たずして散りました。土浦日大を相手に2点先制するも直後に逆転され、終盤に突き放されて、最終回の反撃も時既に遅し。金足農とは対照的に、去年の雪辱ならずという顛末です。決勝で跳ね返された宿敵を連破しての甲子園ということになれば、この上なく劇的だったにもかかわらず、そこで勝てないのが同校らしいともいえます。昨秋の関東大会でも、勝てば選抜確実の準々決勝に敗れており、何かに取り憑かれたかのような運の悪さは相変わらずです。
上尾は健闘及ばず34年ぶりの返り咲きを逃し、習志野と市船橋も揃って敗退。北神奈川では相模原が東海大相模を追い詰めたものの、2点差で迎えた最終回に逆転サヨナラ負けを喫しました。土俵際まで攻め込むも、そこから巧みに回り込まれ、逆転の投げ技、あるいは突き落としを食らったようなものとでもいえばよいでしょうか。傍目には薄氷の勝利でも、見た目以上の余裕を残していたかのようです。これもある意味横綱相撲と形容したいしたたかさでした。同じく北神奈川の2校も惜敗し、関東の公立校で勝ち残るのは東東京の小山台のみとなります。
西千葉の決勝は東京学館浦安と中央学院の両校による対戦となります。東京学館浦安は元ヤクルト石井一の母校ながら春夏とも甲子園未出場、中央学院も今春の選抜が甲子園初出場だったため、どちらが勝っても初の選手権です。

・北信越
敦賀は大敗も、若狭が優勝候補筆頭の坂井を下しました。49年ぶりの返り咲きを賭けて、敦賀気比との決勝戦に臨みます。

・東海
静岡を下す殊勲を立てた飛龍は散るも、選抜4強の三重を初戦で破った松坂商は余勢を駆って勝ち上がり、春季東海大会準優勝のいなべ総合をも一蹴して、ついに決勝進出を果たしました。代表の座を賭けて戦うのは全く無名の白山、3回戦以降はいずれも1点差の接戦を勝ち抜いての決勝進出です。こうなることを開幕前から予想した人は果たしていたのでしょうか。同じく決勝に進出した西尾東の快挙も霞む奇跡です。

・近畿
彦根東が8強に進みました。中盤に2点先制されるも以降は抑え、8回裏に逆転して逃げ切る老獪さでした。次戦は近江兄弟社と戦います。
大阪学院大は関大北陽を下して8強進出。大阪桐蔭、履正社のいずれとも決勝まで当たらないというくじ運のよさもあり、どこまで勝ち上がれるかが俄に注目の的となってきました。市尼崎は4強に進み、次は報徳学園と戦います。

・中国
鳥取西が散りました。中盤まで互角に戦いながらも、終盤の大量失点により万事休すという顛末です。大会創設100年の節目を迎えた三年前の決勝に続き、またしても鳥取城北に行く手を阻まれたことになります。これにより初代代表10校と皆勤15校は全て姿を消しました。
大竹は散るも、広島商は三年連続の8強に進出。2戦目以外は大差で勝ち上がってきたものの、それより特筆すべきは4試合で2失点の堅守です。次戦も勝てば、準決勝では去年に続き広陵と相見えることが予想されます。

・四国
松山商が小松を下しました。かつて夏将軍と恐れられた強豪も、商業高校の衰退に伴って今世紀は低迷を続け、公式サイトに記録が残る平成18年以降では初の4強進出となります。連盟のサイトによると、最後の4強進出は平成17年で、それが三年連続の4強だったことになっています。今世紀最初で最後の甲子園出場を果たした平成13年を起点にすると、地方大会制覇から一年置いて三年連続4強に入った後、12年もの長い雌伏の時を経て、今回久々の4強入りを果たしたことになります。
天下の松山商に今治西、西条、川之江などの好敵手が挑んできた愛媛に、昭和末期から宇和島東が台頭し、松山商は後塵を拝するようになりました。いわゆる「奇跡のバックホーム」で名高い平成8年の全国制覇は、そのような中で放った最後の光芒だったわけです。宇和島東を率いた名将を迎え、今世紀の初頭から代わって台頭したのは済美ですが、その頃には後塵を拝する前に敗れ去るのが常となり、かつての好敵手にも歯が立たなくなって現在に至ります。このような来歴があるだけに、さらに2勝を積み重ねて甲子園に返り咲くという結果は想像しがたいところですが、新田との準決勝を乗り切れば、久々に全国紙の話題に上る可能性はありそうです。

・九州
昨年高岡商が富山大会を制したとき、出場校中唯一の商業高校と話題になりました。商業高校の衰退を物語る出来事ですが、唐津商と佐賀商が揃って決勝へ進んだことにより、その時点で今年も商業高校が代表入りすることは事実上確定しました。直後に高岡商の連覇も決まったため、出場辞退などよほどのことがない限り、少なくとも2校が甲子園の土を踏むことになります。

★秋田大会決勝
 明桜0-2金足農
★茨城大会準決勝
 土浦日大8-5霞ヶ浦
★北埼玉大会決勝
 上尾1-4花咲徳栄
★西千葉大会準決勝
 習志野5-6x中央学院(延長10回)
 市船橋3-4x東京学館浦安
★東東京大会準々決勝
 小山台6-4安田学園
★北神奈川大会準々決勝
 相模原8-9x東海大相模
 桐光学園10-7弥栄
 白山1-2x横浜商大
★富山大会決勝
 高岡商14-4富山第一
★福井大会準決勝
 若狭8-4坂井
★静岡大会準々決勝
 飛龍5-8掛川西
★東愛知大会準決勝
 豊川3-10x西尾東
 愛産大三河5-2刈谷
★三重大会準決勝
 いなべ総合1-8x松坂商
 白山6-5海星
★滋賀大会3回戦
 伊吹1-8近江兄弟社
 大津商2-3彦根東
★北大阪大会4回戦
 大阪学院大6-3関大北陽
★東兵庫大会準々決勝
 市尼崎7-0西宮東
★奈良大会準々決勝
 一条1-4智辯学園
★鳥取大会準決勝
 鳥取城北15-6鳥取西
★広島大会4回戦
 大竹0-3広島国際学院
 広島商11-0山陽
★愛媛大会準々決勝
 済美8-4川之江
 松山商8-3小松
★佐賀大会準決勝
 唐津商10-0龍谷
 有田工3-6佐賀商
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