日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

梅雨空の京都を行く - ひかり538号

2018-06-10 21:10:18 | 近畿
久々に訪ねた「おかめ」の居心地は上々で、水なすを肴にもう一杯やりたいのはやまやまでした。しかし未練はありながらも切り上げ、水掛不動に手を合わせてから地下鉄に乗りました。小旅行はこれにて完結、新幹線で帰路につきます。
早めに切り上げた理由として、そのまま出れば最終の「ひかり」に間に合いそうだったことが挙げられます。半端な時期にもかかわらず、行きの列車がそこそこ混んでいたことを考えると、帰りの列車も同じだろうと見込まれました。実際のところ、最終列車は普通車どころかグリーン車までがほぼ埋まる盛況です。仮にもう一杯いただくということになると、難波を出る頃には八時半を回り、帰りの列車は九時過ぎになります。自由席では相当混むのが必至であり、さりとてグリーン車を奢るほどでもありません。その結果、空いた「ひかり」で悠然と帰れる方を選んだ次第です。

★新大阪2037/ひかり538(538A)/2326東京
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梅雨空の京都を行く - おかめ

2018-06-10 19:28:08 | 居酒屋
地下街から地上に出ると、幸い雨は上がっていました。しかし、相変わらずの俗化ぶりには目を覆うばかりです。中国人観光客らが闊歩する光景に辟易しつつ、人混みをかき分けて法善寺横丁にやってきました。小旅行の最後を飾るのは「おかめ」です。
ここを訪ねたのは震災の直後でした。列島に「自粛ムード」が蔓延し、不要不急の外出が「不謹慎」との理由により白眼視される中、春分の連休に九州を旅して、帰りに寄った大阪で最後に訪ねたのがここです。「上かん屋」の隣にある、女将が一人で営むカウンターだけのおでん屋で、老練な客あしらいと、常連が集まる和気藹々とした店内の雰囲気が印象に残りました。しかしその後は大阪を訪ねる機会が減っていき、再訪する機会を作れないまま現在に至ります。今回も残りわずかな時間ではありますが、これを逃せば次がいつになるかも分かりません。駆け足になるのを承知で暖簾をくぐった次第です。
幸いにして、七年ぶりとは思えないほど、女将に老け込んだ様子はありません。「男刷毛」と書いて「お酒」と読ませる扁額の品書きも、天井を簾、壁を網代、腰壁を割竹で仕立てたささやかな店内も変わりません。雨に濡れた石畳と、夜風に揺れる柳の木が情緒に満ち満ちています。周辺の雰囲気が一変する中、ここだけ時が止まっていたかのようです。何もかもが健在であってくれたことに感謝します。

おかめ
大阪市中央区難波1-1-8
06-6211-0761
1730PM-2230PM
祝日除く月曜定休

剣菱
突き出し(おくら胡麻和え)
豆腐
ロールキャベツ
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梅雨空の京都を行く - 初霞

2018-06-10 18:06:48 | 居酒屋
御堂筋線から堺筋線に乗り換え日本橋で下りました。目当ては毎度おなじみ「初霞」です。しかし、改札を出るやいなや様子が何やら違うのに気付きました。暖簾をくぐって分かったのは、客席が改装され雰囲気が大きく変わっているということです。ただし、落ち着いて観察するとあながち悪くはありません。
一変したように見えるのは、照明が電球色に変わったのと、各所に白木が使われていることで、明るく感じられるからでしょう。しかし、白木とは文字通りの白木であり、安物の化粧板などではありません。品書きの短冊にも同じく真新しい白木の板が使われていて、檜の間伐材を使ったらしき割り箸は香しい匂いを放っています。
唯一惜しまれるのは、目の前に貼り出されていた酒とおでんの品書きがなくなり、酒については別紙に、おでんについては背後の短冊に記されるようになった結果、注文がやや面倒になったことですが、日参する常連客には無関係ということでしょうか。慣れた様子の一人客が出入りするカウンターの雰囲気は変わりません。一瞬戸惑いはしたものの、本質が保たれたのを幸いに思います。

初霞
大阪市中央区千日前1丁目 なんばウォーク内
06-6213-6256
平日 900AM-2200PM
土曜日曜 800AM-2200PM
なんばウォーク休業日及び元日休業

特別純米二合・純米古酒
おでん四品
きずし
すじ巻玉子
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梅雨空の京都を行く - 紫陽花園

2018-06-10 17:44:06 | 近畿
五時の閉園まで粘って終了です。花菖蒲は騒ぐほどでもなかったものの、紫陽花園は見事でした。この時期どこへ行っても観られるありふれた花とはいえ、そこらの紫陽花とは数と種類が全く違い、適度な起伏があるのも観賞にはお誂え向きでした。しかるに閉園が迫り、時間をかけて回れなかったのが惜しまれます。バラ園に至っては通り過ぎただけでした。他に見所の乏しい梅雨時、ここを再訪するのも一興でしょう。
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梅雨空の京都を行く - 長居植物園

2018-06-10 16:26:47 | 近畿
地下鉄にひたすら乗り続けても当然ながら面白くありません。長居で一旦下りました。
元々目当てにしていたのは、一昨日開店したばかりのMOSでした。しかし、物珍しさもあってかお客ひっきりなしに出入りしており、さらには外からのぞいただけでも分かる安普請の店舗がいただけません。これではわざわざ立ち寄る気にもならず、遠巻きに眺めただけで退散しました。とはいえ無駄足だったわけではありません。恰好の見物が近くにあったからです。
長居といえば競技場が有名ですが、その競技場に隣接する形で植物園があるのを初めて知りました。案内板によると蓮、花菖蒲、紫陽花、薔薇が観賞できるとされており、入園料は200円と格安で、しかもそれが雨の日割引とやらで150円になるとあります。ならば訪ねてみてもよかろうと思い立って乗り込むと、蓮こそ咲いてはいないものの花菖蒲は見頃、花壇もサルビア、キンギョソウ、ペチュニア、ベゴニアなどで彩られています。直後に雨が降り出したため、東屋に一旦退却しましたが、本降りにならない限り閉園まで粘ることになりそうです。
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梅雨空の京都を行く - 御堂筋線

2018-06-10 15:07:18 | 近畿
雨はごく短時間で上がったものの、その後は今にも降り出しそうな空模様となってしまいました。しかし、そのようなときにお誂え向きの題材があります。今春民営化された大阪の地下鉄に改めて乗るというものです。まずは不要な荷物をロッカーに預け、身軽になって御堂筋線に乗ります。
ニュートラムを入れて9路線もある以上、全線に乗るのは当然ながら不可能です。しかし民営化の恩恵か、一日乗車券は週末に限って格安の600円です。三回乗れば早くも元が取れるため、夕方までには切り上げて、最後に一献傾けてから帰ります。
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梅雨空の京都を行く - LILAS

2018-06-10 13:49:11 | B級グルメ
朝食抜きで空腹感も限界、まずは昼から一杯やろうと、梅田に着くまでは思っていました。しかし、その考えを覆すものが現れました。構内の片隅にある中二階の喫茶店に、窓向きのカウンターがあることに気付いたのです。阪急の梅田駅といえば、何といっても9線並んだ頭端式のホームです。それをこの高さから見渡すことができれば最高でしょう。そう思い立って飛び込むと、果たしてめくるめく光景が広がっていました。
先客一人の状況につき、カウンターの一番奥に迷わず着席。二方向に窓が開けていて、右を向けば京都線の特急が発着する1号線が見え、斜め前を向けば頭端式のホームが9号線まで並んでいるのを一望できる特等席です。ホームと同じ高さでは、この見晴らしはあり得ません。さりとて高ければ高いほどよいというものでもなさそうです。絶妙な高さは心憎いものがあります。
手前のガラスが映り込むため、写真に撮るには不向きです。しかし、次々電車が到着し、その都度大量の乗客が吐き出され、待っていた乗客を収容して発車する一部始終は、撮るよりむしろ眺めて楽しむものともいえます。阪急電車に乗るときは、ここへ寄るのが必須の行程として定着するかもしれません。

LILAS
阪急梅田駅構内
06-6372-3505
700AM-2230PM(LO)
オムライスセット750円
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梅雨空の京都を行く - 阪急電車

2018-06-10 13:22:24 | 近畿
河原町から阪急電車で大阪方面へ下ります。和歌山までの乗車券を反故にする形ではありますが、乗車券を活かそうにも京都駅までのバス代は要り、金銭的には大差がつきません。乗り換えが要らないことを考えると、実質的な所要時間ではこちらに軍配が上がります。ならば阪急電車の方が楽しかろうと考えた次第です。

★河原町1250/12021レ/1334梅田
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梅雨空の京都を行く - 立誠小学校

2018-06-10 12:38:45 | 近畿
先ほど新洞小学校を訪ねたばかりですが、さらに上を行くのが立誠小学校です。とうの昔に閉校してはいるものの、アールデコの三階建ては木屋町の象徴と形容するにふさわしい風格を放っています。しかしその校舎に不穏な気配が漂ってきました。高瀬川に面した玄関が閉鎖され、その脇に解体工事を告知する看板が立っているのです。この校舎以外に解体するものがあるとも思われません。開発業者が名を連ねていることからしても、「伏見」の跡地と同様再開発されてしまう可能性が高くなってきました。
門扉を閉ざした新洞小学校と違い、今なお活用されている様子はありました。繁華街の中心という立地からしても、抜本的に改修すれば恰好の名所になりうる建物です。しかし、そこまでするより建て替えた方が安上がりという判断なのでしょうか。何とも世知辛いご時世です。遅きに失した感はあるものの、見納めになるかもしれない校舎を記録しておきます。
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梅雨空の京都を行く - 伏見

2018-06-10 12:27:09 | 居酒屋
正午を回ったところで切り上げ、宿に預けた荷物を引き取り出発しますが、移動に先立ち見ておきたかったものがあります。昨晩宿へ向かう途中、「伏見」の看板がまだ残っているのが分かったのです。
京都を代表する大衆酒場の老舗が、再開発により立ち退きを余儀なくされ、そのまま店をたたんだのは一昨年のことです。その後何度か京都を訪ねたものの、変わり果てた姿を見るのは忍びなく、現況を確かめに行くつもりもありませんでした。しかし昨晩、宿へ向かうにあたって近くを通る必要がありました。その結果、建物が袖看板共々残っているのに気付くという顛末です。
明るくなってから分かったのは、店があった長屋だけが取り残され、周囲は更地になっているということです。二年もそのまま残るなら、早まって店仕舞いする必要があったのかという気がしないでもありません。しかし、水道とガスのことを考えると、建物さえあれば続けられるというものではないのでしょう。それでも名残を惜しむ人々の声が根強く、工事が本格化するまでは残すことにしたのでしょうか。そうだとすれば粋な計らいではあります。
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梅雨空の京都を行く - 大蓮寺

2018-06-10 11:44:03 | 近畿
新洞学区寺院の中でも寺がとりわけ多いのが、小学校の二本東、東大路の一本西にあたる南北方向の通りです。その名も西寺町通といい、沿道は右も左も寺ばかりという、京都にはありそうでなかなかない眺めが広がります。拝観謝絶の小さな寺が多い中、山門を開け放った数少ない寺の一つを訪ねると、思わぬ名場面が待っていました。大蓮寺の名にちなんで、境内に蓮を浮かべた甕が並び、折しも花が咲いていたのです。
それだけでも十分粋な計らいですが、本当の見せ場はその直後に訪れました。どうにか持ちこたえてきた空から雨粒が落ち、ひとしきり降ってから弱まると、蓮の葉の中心に大きな水玉ができていました。花と対になって揺れる様子が何とも風流です。梅雨には梅雨ならではの見所があるものだと実感させられます。
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梅雨空の京都を行く - 新洞小学校

2018-06-10 10:37:22 | 近畿
案内板によると、頂妙寺の東に小学校があって、その二本東の通りにとりわけ寺院が集中しているようでした。その案内に従って歩くと、見るからにただならぬ佇まいの校舎が現れました。昨日の八幡小学校は和洋折衷の木造校舎でしたが、こちらは縦長の窓の上部を半円にした、いわゆるアールデコの洋風建築です。ただし、柵に掲げられた「ありがとう新洞」の文字から、既に閉校してしまったことが分かります。校門には1869-2013なる文字も。明治2年ということは、学制ができる前から続く伝統校だったことになります。由緒正しき名門の校舎だけに取り壊すには忍びなく、そのまま残っているのかもしれません。この建物だけでも何らかの形で活かすことはできないものでしょうか。
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梅雨空の京都を行く - 頂妙寺

2018-06-10 10:07:58 | 近畿
昨晩赤垣屋へ向かう途中で気付いたのは、宿から北へ向かって突き当たったところ立派な寺があるということです。まずはそちらにやってきました。
山門には頂妙寺とあります。それをくぐると仁王門があって、その先に本堂が鎮座していました。お堂もさることながら、両脇を固める二本の銀杏も実に立派です。
通り沿いの案内板によると、川端通り、二条通り、東大路と三条通りに囲まれた一帯に55もの寺院があるとされており、それらを新洞学区寺院と総称するようです。この境内にも頂妙寺を筆頭に八つの院があることになっています。いかにも立派な頂妙寺と違い、院については庭付きの民家と見紛うささやかなものもあり、宿から来る途中にあった寺についてもそうでした。一通り訪ねてみても面白そうです。
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梅雨空の京都を行く - 二日目

2018-06-10 08:59:38 | 近畿
おはようございます。その後お約束の「大豊ラーメン」に立ち寄り、宿に戻ったのは一時前でした。夜更かしが響き、今朝はやや遅めの起床です。爽やかな目覚めとは言い難いものの、酔いが残っているわけではありません。深酒をしながらもどうにか踏みとどまるという結果は、高知を訪ねた先週末と同様になりました。

本日の天気予報は二転三転してきました。出発の直前は終日曇だったはずが、昨夜の時点では朝から雨の予想でした。最新の予報によると、日中は降ったとしても小雨程度、本降りは夜からということになっています。実際のところ、今すぐ降り出しそうな気配はありません。梅雨時であることを考えれば上出来ともいえます。
もっとも、この程度の天候では和歌山まで行きたいと思うほどの強い意欲までは湧きません。和歌山までの乗車券を手配してはいるものの、往復割引のからくりにより、大阪で折り返しても金銭的には変わらないため、今回行くべき必然性は乏しいものがあります。しばらく京都に滞在し、午後から大阪へ行く方向に傾きつつあるところです。
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