日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

秋晴れの近畿を行く - のぞみ62号

2016-09-11 21:28:29 | 近畿
全行程終了です。最終の一本前の新幹線で帰路につきます。
前回は「明治屋」で呑む時間を捻出すべく、久々に最終列車の世話になりましたが、今回は日曜という条件もあり、出発前に照会した時点で普通車の窓側は満席、グリーン車に至っては残席がほぼないという回答でした。しかし一本前には予想通り十分な空席があったため、直前まで発売状況を見極めてから手配しました。今のところ前と横には誰もいないという理想的な状況です。

引き続き今回の旅を振り返ると、巡り合わせの悪さに加えて、身体が酒を受け付けなかったという点が特筆されます。それが京都での敗因でもありました。昨夜は一軒目から飛ばしすぎたという事情もあったわけなのですが、今日も呑み切りボトル一本と一合に満たないグラスを一杯空けただけであり、実質二合半にしかなりません。それにもかかわらず、最後に駅前で一杯引っかけていく意欲は起こりませんでした。
実は、我が家で晩酌するときも、最近は一日一合で十分になりつつあります。もともと酒量が多い方ではなかったものの、最近にわかに酒量が減ってきているのが実情です。まあ適量にとどめられればそれに越したことはないわけであり、ある意味よい傾向ではありますが。旅先では欲張りたくなるのが人情のところ、今後は少ない酒量でいかに楽しむかという視点が必要になってくるかもしれません。

★新大阪2103/のぞみ62(62A)/2332東京
コメント

秋晴れの近畿を行く - くろしお32号

2016-09-11 19:54:03 | 近畿
結局最後まで中途半端さを払拭することができませんでした。帰りの新幹線に接続する「くろしお」で和歌山を後にします。
「丸京」を出てバスに乗り、和歌山駅に戻った時点で、一本早い特急にも間に合う状況でした。しかし、早く帰ることに特段の意義を見出せなかったとでも申しましょうか。そのまま乗れば八時過ぎに京都へ着き、帰りの列車まで一時間が残る計算です。しかし、乗り換え時間と最低限の余裕を除くと、実質的な持ち時間は小一時間でしょう。それなら重い荷物を担いで「新福菜館」に行くのがせいぜいです。ならば和歌山の中華そばでよかろうと考えました。
そのようなつもりで「井出商店」に向かうと、かなりの列ができているのが遠くからでも分かりました。駅ビルにも中華そばの店はあるものの、「丸京」の直後に軽薄な「駅ナカ」の店を続けてしまっては余韻を損ないます。結局当てもなく駅前を歩いた後、発車の20分も前に早々と乗車口に並ぶという結末です。まあ自分にとっては、旅先の空気を一時間長く吸えるだけでも価値があり、早く帰ればよかったとは全く思っていませんが。

清々しい秋晴れの滑り出しは最高でした。しかし「蔵」で一悶着あったところから風向きが変わり、その後は何かにつけて空振りの連続でした。「千里十里」は今回も完勝といってよい結果であり、「春鹿」との出会いも収穫でした。しかし京都の夜は完全な空振りであり、二日目も電車やバスにことごとく乗り遅れたり、最後に時間を持て余したりといった悪手が多すぎました。大負けとは行かないまでも、負け越しと認めざるを得ない結果です。
すぐにでもこの借りを取り返したいのはやまやまながら、来週は野暮用で三連休が分断され、またしても中途半端な活動になることが分かっています。挽回するなら秋分からの長旅になるでしょう。よい旅になってくれることを期待しています。

★紀伊中ノ島1449/4561H/1452和歌山1949/くろしお32(2082M)/2050新大阪
コメント

秋晴れの近畿を行く - 丸京

2016-09-11 18:11:27 | B級グルメ
出発前の構想では、「千里十里」の開店と同時に入って早めに切り上げ、残り時間は大阪で一献傾けてから帰るつもりでした。ところが今日は市内の駅のロッカーが全面封鎖される異常事態です。重い荷物を担いで呑み歩くのも興ざめというものでしょう。その結果大阪で呑むという選択肢は事実上なくなりました。
それでは残り時間をどう使うかと考えたとき、浮上してきたのはその昔教祖が紹介していた「銀平本店」です。ここで軽く一杯やり、中華そばをいただいて締めくくれば、時間的にはちょうどよさそうに思われました。しかしいざ店の前までたどり着くと、高級そうな店構えが自分の求めていたものとはやや違いました。窓越しにのぞき込んだ店内の様子からしても、早い時間帯は予約をして行くべき店のように見え、酒呑みが一人でふらりと飛び込むには不向きに思われたとでも申しましょうか。仮に行くとしても、お客が引けて落ち着いた遅い時間がせいぜいであり、今入っても「千里十里」と同等以上の結果は期待できなさそうな予感がしました。その結果中華そば一本に絞ると決め、飛び込んだのが「丸京」です。
雷文をあしらった小さめの丼に目一杯スープを満たし、チャーシュー、メンマ、ネギ、なるとを乗せた出で立ちは、しみじみ鑑賞したくなるほど美しく、味わいも当然期待を裏切りません。これぞ老舗というべき完成された味わいです。レンゲを使わず丼から直接スープをすするという、中華そば本来の姿を体現しているところも好ましいものがあります。

丸京中華そば
和歌山市雑賀町120
073-423-5754
1100AM-1400PM/ 1600PM-2100PM
木曜定休
中華そば600円
コメント

秋晴れの近畿を行く - 千里十里

2016-09-11 15:52:40 | 居酒屋
何かにつけて噛み合わない展開が続きます。和歌山駅でようやく使えるロッカーが見つかり、不要な荷物を預けることができました。空も次第に晴れて秋らしい青空に変わってきました。駅前には朝から呑める大衆酒場があり、教祖おすすめの「千里十里」も間もなく開くと聞いています。しかし、この好天なら昼から酒など食らっている場合ではありません。日中の残り時間をどう使うかと考えたとき、いの一番に浮かんできたのが和歌山電鐵に乗ろうというものでした。
ところが、荷物を預けて乗り場へ向かうと、無情にも30分に一本の列車が今まさに発車した直後でした。バスも電車もことごとく逃し続けて、今日はどうにも流れがよくありません。今回は縁がなかったものと諦めて、「千里十里」の開店と同時に入るという修復策を立てました。ところがここでまたも誤算が。ブラクリ丁へ行くバスの時刻を平日と日祝日で見誤っており、それに気付いたときにはまたもやバスが出た直後でした。不運と失策の連続ですっかり疑心暗鬼になり、帰りの新幹線まで逃しはしないかとの不安まで頭をもたげる中、やむなく後続のバスに乗り込み、少し離れた停留所から歩いてきたというのがここまでの顛末です。しかしこの店だけは期待を裏切りませんでした。

疑心暗鬼の状況でまず考えるのは、三時半開店との情報が誤っていること、さらには店が臨時休業してはいないかということです。後者の可能性まで考え出せばきりがないとはいえ、ここまで不運が続くとそのような可能性も想定せざるを得ません。しかしどちらも杞憂に終わり、店は何事もないかのように開いていました。玄関をくぐるとカウンターの手前に先客が一名。あとはどこでもお好み次第という状況の中、長いカウンターの中程、女将の定位置の正面に着席しました。
玄関側に若主人、中央に女将が立ち、店主が厨房との間を行き来し、この三人を板前とおばちゃんが適宜手伝うのがここの布陣です。今回改めて観察すると、若主人と女将の立ち位置は同様ながら、今日は店主も自ら若主人共々カウンターの玄関側に立っています。ガラスケースに収めたネタも、玄関側は魚介中心、中央は串中心となっていて、玄関側がこの店の特等席なのだろうということが分かってきます。とはいえ中程も決して悪くはありません。
カウンターの中央に着席したとき、まず視界に入るのがその日のおすすめを力強い文字で記した黒板です。その黒板を中心に、同じく力感あふれる筆致の経木がびっしり並ぶ様子は壮観で、それらに目をやりつつ組立を考えるのは毎度ながら楽しいものがあります。「何でも言うて」が口癖の女将は気配り上手。付かず離れず適度な間合いの客あしらいは、一人酒にはお誂え向きです。

突き出しには鱧の湯引きをイカゲソ、胡瓜とともに酢味噌で和えたものが出てきました。この鱧を始めとして、鮎、穴子、泉ナスこと泉州の水ナスなど、品書きには夏の風物詩が目立っており、松茸、秋刀魚の文字にも取って付けたようなぎこちなさがあります。気候もようやく秋らしくなってきたところではありますが、こちらの品書きはまだ夏優勢の状況です。
三時半から店など開けて、本当にお客が来るのかと半信半疑だったところが、時間が経つにつれて地元の御常連が三々五々現れカウンターを埋めていき、奥の座敷の方にも宴会客が入っていきました。女将に名前で呼ばれていることからして、ほぼ日参しているような常連客なのでしょう。その常連同士が鉢合わせ、いつしか歓談が始まって、五時を回る頃にはカウンターの八割方が埋まりました。だからといって落ち着かないということはなく、むしろほどよい賑わいと感じられるのは、似た者同士による阿吽の呼吸といったところでしょうか。一見の予約客ばかりだった昨日の「蔵」とは別世界です。やはり酒場はこうであってもらいたいものだと思います。

ちなみにカレンダーをよくよく見ると、明日から遅い夏休みで四連休に入るようです。仮に休みが一日でも繰り上がったとすれば、またも悪夢に見舞われていたことになります。運にはとことん見放されてきた今回の旅ですが、神は自分を見捨ててはいなかったようです。

千里十里
和歌山市元寺町1-70
073-433-4480
平日 1630PM-2330PM
日祝日 1530PM-2230PM
祝日除く月曜定休

紀伊国屋文左衛門・黒牛
突き出し
さしみ五種盛り合わせ
泉州なすび漬
たいあら
松前すし
コメント

秋晴れの近畿を行く - 紀伊中ノ島駅

2016-09-11 14:41:52 | 近畿
今度は終点の一つ手前の紀伊中ノ島で降りました。開業時からの古い駅舎が残るのは東岸和田と同様ですが、個性にかけてはこちらの方が上かもしれません。大きな庇を巡らせた背の高い寄棟屋根の駅舎は、同じく寄棟の屋根を持った吹き抜けの巨大なファサードを持ちます。ただし遠目に見ると屋根の形は目立たず、あたかも巨大な壁が立ち上がっているかのようです。そのファサードの全面に縦長の窓がはめ込まれ、網目模様の装飾が唯一無二の表情を作り出しています。
加えて雰囲気が怪しげです。和歌山駅の隣にもかかわらず、駅はとうの昔に無人化され、吹き抜けの待合室はがらんとして淋しげです。駅のすぐ前に商人宿が一軒、少し離れた場所にもう一軒の旅館があり、かつてはそこそこ賑わったのでしょう。しかし今はその二軒の他に小さな飲食店と商店が各一軒あるに過ぎず、何の変哲もない住宅地の趣です。

このようになったのは、この駅の成り立ちに少なからず関係しています。新潟ほどではないにしても、和歌山には中心駅が何度か変遷してきた歴史があります。初めて和歌山に乗り入れた鉄道は、南海電車でも阪和線でもなく、紀ノ川沿いに東の方から延びてきた現在の和歌山線でした。その和歌山線と、後から開業した阪和電鉄が市街の外れで交差する形となり、その地点にできた乗換駅がここなのです。しかし、阪和電鉄がその後国有化され、東和歌山、現在の和歌山駅が国鉄の中心駅となるに至りました。それに伴い、市街を東西方向に貫いていた和歌山線は、この駅の手前でカーブを切って和歌山駅へ乗り入れる形となり、東西方向の路線はお役御免となったのでした。
駅舎の裏手にはかつての和歌山線のホームが残っており、二つの路線が交差していた地点には鋼鉄製のガードが架かります。和歌山の市街地だけに、駅の前後の跡地は影も形もないものの、ホームの少し先は未舗装の駐車場となっていて、かつてここにも線路があったことを偲ばせてくれます。そのような雰囲気を含めて好ましく、小一時間滞在しても退屈することがありません。

★東岸和田1239/4149M→4549H/1323紀伊中ノ島
コメント

秋晴れの近畿を行く - 東岸和田駅

2016-09-11 12:44:47 | 近畿
普段は素通りしている阪和線沿線ですが、今回は東岸和田で途中下車します。
数年前から高架化工事が始まり、昨年には下り線のホームが完成して、そちら側にあった駅舎は影も形もなくなったのだろうと思い込んでいました。ところがその駅舎が奇跡的に残っていると聞き、今一度記録しておこうと思い立ったのでした。
何分少し前の情報であり、工事が進んだ今は跡形もなく撤去されたり、一部が取り壊されている可能性もあろうと覚悟しました。しかし、そのような不安を一蹴するかのごとく、駅舎は何一つ変わらぬ姿で残っていました。
快速停車駅にしては不釣り合いなほど小さい、半切妻の屋根をかぶった洋風の駅舎で、沿線では東佐野、長滝などとよく似た様式です。すぐ隣には面目を一新した高架駅が鎮座しており、あちらが上下線とも本格稼働を始めれば、この駅舎もお役御免になってしまうのは容易に想像できます。しかし、私鉄時代を今に伝えるこの駅舎が、今の今まで残っていたのがむしろ奇跡ともいえます。時代の流れとはいえ残念ではありますが、青空に映える姿を最後に記録できたのは幸いです。
コメント

秋晴れの近畿を行く - 空振り気味

2016-09-11 12:10:52 | 近畿
昨夜から空振り気味の展開が続いています。まずバスで京都駅へ向かおうとしたところ、10分ほどで来るはずのバスが待てど暮らせどやってきません。反対側の停留所からも京都駅へ行けると分かり、しびれを切らせてそちらへ渡ると、今更ながら遅れていたバスが来て、そのまま走り去っていきました。 反対側のバスも遅れており、ようやく乗れたのは30分近くも待ってからです。京都駅でも大阪方面の新快速を目前で逃し、合わせて40分もの時間を空費しました。
話はこれだけでは終わりません。最後に新大阪から新幹線に乗るという前提で、不要な荷物をロッカーに預けていこうとすると、首脳会議とやらの弊害でコインロッカーが封鎖されていました。大阪駅のロッカーも使えないのが明らかだったため、重い荷物を抱えたまま和歌山行の列車に乗り込んだというのがここまでの経過です。
まあ、巡り合わせの悪さとしかいいようがありません。どこかで好転することもあるでしょう。今はひたすら耐えるしかなさそうです…

★京都1100/3241M/1123新大阪1129/149B/1133新大阪1138/4147レ→4147M/1222東岸和田
コメント

秋晴れの近畿を行く - ルーマプラザ

2016-09-11 09:21:04 | 近畿
昨晩は先月に続きルーマプラザの世話になりました。土曜の京都の定宿はここで確立しつつあります。
ここの不思議なところとして、カプセルホテルとは思えないほどの静かさが挙げられます。他のお客のいびきが耳に障ったり、目覚ましをかけたまま出たカプセルでアラームが鳴り続けたりといった場面が、カプセルホテルにはつきものですが、ここではそのような経験がほとんどなく、就寝中に物音で目が覚めたこともありません。それが快適性に少なからず貢献しているというのが今回の発見です。
カプセルの構造上、特に防音性が高いということは考えられません。そうだとすると、物音一つ立てないのが京都の人達の美徳なのでしょうか。真相は不明ながら、いずれにしても歓迎すべきことではあります。
コメント

秋晴れの近畿を行く - 二日目

2016-09-11 09:14:48 | 近畿
おはようございます。昨日は自覚する以上に疲れていたのか、店から宿へと戻る足取りも重くなりがちでした。しかし限界をわきまえて撤退したことで、多少なりとも回復してきた感はあります。酒も肴も入らなかった昨夜の終盤から一転、宿の朝食がおいしく感じられました。
外は雲が多めながらも、時折日が射すそれなりの好天です。昨日の秋晴れには及ばないとしても、一時は終日雨との予報が出ていたことを思えば上出来でしょう。昨夜の借りを返したいのはやまやまであり、京都にもう一日滞在するだけの題材もあります。しかし、下手に深追いするよりも、心機一転次の機会に賭ける方が賢明ではないでしょうか。本日は元々の予定通り和歌山へ向かいます。
コメント