切り上げるにはやや早く、最後に軽く一杯やれそうな気がしました。そこでバスにすぐ乗れれば浅草、そうでなければ電車で上野へ行くつもりでバス停に向かうと、またもやバスが出た直後でした。相変わらず流れがよくありません。素直に上野へ向かうか、場合によってはこのまま帰ることも考えました。しかし結局20分近くも待って次のバスに乗りました。小旅行の最後を飾るのは「ぬる燗」です。
上記の通り、バスを逃せば上野へ行くつもりでいたわけです。蒸し暑い中バスを待つのは苦行以外の何物でもありませんでした。それにも関わらず待つことにしたのは、電車もなかなかやって来ず、待ち時間が数分しか違わなかったのが一つ。そして何より、最後を飾るならこの店がお誂え向きと考えたからです。
上野へ行くというとき、念頭にあったのは「大統領」ですが、酒、肴よりガード下の雰囲気を味わうことに価値があるという点で、先ほどの「大坪屋」に重なるものがありました。同じ路線の店を二軒続けるよりも、最後は酒をしみじみ味わいたいと考えるのは人情です。一年中で一番酒がうまいこの時期ならなおさらでしょう。
前回は日曜の遅い時間に訪ねたにもかかわらず、満席の大盛況を見て他の店に流れ、その後辛うじて出た空席に滑り込みました。ましてや今回は三連休の初日、目下の運の悪さも考えると、またも満席という事態は当然予想しました。しかし、覚悟を決めて店へ向かうと、先客は二組だけと落ち着いています。ここでようやく幸運が巡り、L字のカウンターの片隅に通されました。
曜日を「酔う日」、休みを「休燗日」と称するなど、やや変わった表現を好んで使うこちらの店主ですが、本日の品書きには「秋」の文字が散らばっています。ここでいう「秋」がひやおろしのことを指すのは、尋ねるまでもなく想像できました。おしぼり、箸の順で受けとった後、その「秋」のなかから一杯目を注文。しかる後に品書きを眺めつつ一品目を考え、腹が決まった頃に店主から注文を聞かれました。二杯目の酒とともに和らぎ水が出てくるところは前回と同様です。終始無表情で発する言葉も最小限、無愛想を絵に描いたかのような店主ではありますが、こちらの手の内を見計らったかのような間合いは好ましいものがあります。それこそがこの店を最後に選んだ理由でもあるのです。
★ぬる燗
東京都台東区浅草3-20-9
03-3876-1421
平日 1800PM-045AM(LO)
日祝日 1700PM-2230PM(LO)
月曜他不定休
月山・五橋
お通し(目光南蛮漬け)
かつおたたき
京あぶらげ炙り
上記の通り、バスを逃せば上野へ行くつもりでいたわけです。蒸し暑い中バスを待つのは苦行以外の何物でもありませんでした。それにも関わらず待つことにしたのは、電車もなかなかやって来ず、待ち時間が数分しか違わなかったのが一つ。そして何より、最後を飾るならこの店がお誂え向きと考えたからです。
上野へ行くというとき、念頭にあったのは「大統領」ですが、酒、肴よりガード下の雰囲気を味わうことに価値があるという点で、先ほどの「大坪屋」に重なるものがありました。同じ路線の店を二軒続けるよりも、最後は酒をしみじみ味わいたいと考えるのは人情です。一年中で一番酒がうまいこの時期ならなおさらでしょう。
前回は日曜の遅い時間に訪ねたにもかかわらず、満席の大盛況を見て他の店に流れ、その後辛うじて出た空席に滑り込みました。ましてや今回は三連休の初日、目下の運の悪さも考えると、またも満席という事態は当然予想しました。しかし、覚悟を決めて店へ向かうと、先客は二組だけと落ち着いています。ここでようやく幸運が巡り、L字のカウンターの片隅に通されました。
曜日を「酔う日」、休みを「休燗日」と称するなど、やや変わった表現を好んで使うこちらの店主ですが、本日の品書きには「秋」の文字が散らばっています。ここでいう「秋」がひやおろしのことを指すのは、尋ねるまでもなく想像できました。おしぼり、箸の順で受けとった後、その「秋」のなかから一杯目を注文。しかる後に品書きを眺めつつ一品目を考え、腹が決まった頃に店主から注文を聞かれました。二杯目の酒とともに和らぎ水が出てくるところは前回と同様です。終始無表情で発する言葉も最小限、無愛想を絵に描いたかのような店主ではありますが、こちらの手の内を見計らったかのような間合いは好ましいものがあります。それこそがこの店を最後に選んだ理由でもあるのです。
★ぬる燗
東京都台東区浅草3-20-9
03-3876-1421
平日 1800PM-045AM(LO)
日祝日 1700PM-2230PM(LO)
月曜他不定休
月山・五橋
お通し(目光南蛮漬け)
かつおたたき
京あぶらげ炙り