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ルビーの森

京都三条と銀座並木通りにある、ミャンマー産無処理で美しいルビー専門店。鉱山から一貫したトレーサビリティーを実現。

ルビをふる…

2011年07月05日 05時16分48秒 | 宝物

「ルビをふる」とは、よく聞くことばで、

難しい漢字の横に小さな字でフリガナを

つけることですが、このルビは、ルビーが

その呼び名の原点だと、良く聞くことですが、

具体的には、よく分からず、昔はフリガナを

赤い文字で書いていたからなのか?

など、勝手に想像していました。

しかし、そうではない事が分かりました。

ジュエリー言語学(桃沢敏幸氏著)によると

(引用ここから)

かつて印刷業界で使われる活字の大きさは

初号(42ポイント)から7号(4.5ポイント)まで

あり、役所は文書規定で書類の本文は5号

(10.5ポイント)と決められ、これに対応する

フリガナの活字の大きさが7号(5.5ポイント)

とされた。このサイズの活字を英国では、

「ルビー」と呼んだ。

8号(4ポイント)=Gem 宝石

(6.5ポイント)= Emerald エメラルド

他にも、宝石名を活字につけるケースがある。

1962年に日本は「号」を止め「ポイント」に

統一している。

(引用ここまで)

とのこと。

なるほど…マイクロソフトのワードプロセッサー

ソフト「WORD」の初期設定がなぜ「10.5」

なのかも分かりました。

ジュエリー言語学(桃沢敏幸氏著)

「ジュエリー文化への言語からのアプローチ」

は、私の素朴な疑問にこたえてくれます。

 

赤文字で注釈をつけたから「ルビーで注釈」

という説もありますが、「ルビをふる」ひとつでも

色々な意味があって面白いですね。


ルビーを加熱処理したら…どのように変わるのか?

2011年07月04日 19時26分33秒 | 宝物

写真は、ルビーの内包物である通称「シルク」と

呼ばれるインクルージョンです。

1500度ぐらいで加熱処理すると…

シルク(針状のルチルの結晶)が溶けたと考えられる

のですが、ご覧のように何かやけどしたような姿に

変化します。

無処理で美しいルビーを探されるか方は、しっかりと

内包物の確認と説明も受けて、ご自身の眼で品質を

確かめて頂きたいと思います。

 

私たちジュエラーは、ルーペで処理の有無を判断

しなければならない機会が多く、ルーペでそれを

見分けられるようになりたい…と9年前から自分たち

でバーナーで美しさに欠けるルビーを加熱したり、

5年前からは、スリランカ産の加熱処理機器を導入

して実験をしています。

実際にインクルージョンを加熱する前と後を

確認することによって加熱したルビーがどういう

姿になるのかが分かってきました。

こちらも典型的な加熱処理の後です。

ご参考まで…

付け加えておきたいのですが、

加熱処理をしたからといって何か悪くなるのでは

ありません。むしろ、品質の高くなかった原石が

美しい姿になるという意味では良いと思います。

ただ、宝石は、美しく、「希少で」経年変化の

無いモノです。それを考えると、希少性が高く

ない処理をした宝石の価値は、相対的に低いと

考えた方が良いということです。(注)


茶の湯は「心」で楽しむもの…に学ぶ

2011年07月04日 05時37分32秒 | 宝物

私はいつもルビーの内包物(インクルージョン)は

自然が創ったアートだと、美しいルビーのそのまた

内側に広がる宇宙のような景色をみてそう感じる

のですが…美しいインクルージョンを見た時の

感情をどの様に表現していいのやら…。

「茶の湯デザイン」木村宗慎先生著 Pen Books

の掛軸についての解説のページを読み進むと

人が書いたもの、と自然のままの姿という違いは

あっても、見る人の感情としては、ルビーの

インクルージョンを鑑賞する時の気持ちに似ている

のではないかと感じましたのでご紹介します。

P94より引用)

清巌宗渭の「心不是佛咦」という書は、ひとつひとつ

の文字がアンバランスに弾み、時には墨が飛び

散っている。しかし、単なる文字の上手下手、文言

の良しあしを超えて抽象性を備えたものが、茶人

たちには尊ばれてきた。(中略)

字は、心の中でイメージを膨らませられるからだ。

より抽象性を突き詰め、時には〇マルや、ほとんど

何も書かれていない状態を愛でることさえある。

茶の湯とは、五感だけでなく心で味わうもの。

(引用ここまで)

…と書であるか、自然現象であるかの違いが

あるものの、受けての感性によって意味を持つもの

であるという部分は同じだと思います。

書もルビーも意味があるのはそのもの、「個」です。

同じ文字であっても持っていてもコピーではよろしく

無いのと同じです。

鑑賞する人、見る側の感性が問われる。

そう思って見ていると、同じルビーを何十回見ても

新しい発見ができると思います。

 

 


モリスジュエラーの千代松

2011年07月03日 22時14分21秒 | 宝物

写真はモリス銀座サロンを中心に日本全国を飛び回る

モリスの千代松(ちよまつ)です。

今から8年前になるでしょうか…

まだ芸術大学の学生だった頃に、一人でタイランドへ

出向いて仕入れたジュエリー、アクセサリーを

日本国内で販売して、その資金で宝石専門学校へ

ルビーの見分け方をマスターしました。

彼のルビーに対する熱い思い…

一度、聞かれることをおススメします。

彼なりのルビーの解説は、とてもユニーク。

 


育った産地が違うとルビーも違う

2011年07月03日 16時20分06秒 | 宝物

よく似た美しさと色の濃淡を持った2つのルビー。

普通の日光だとあまり違いがありません。

…が、紫外線にあたると…

かなり違う2つのルビーになりました。

左側のルビーはタイランド産、右側がミャンマー産です。

この紫外線があたると鮮赤色に輝く「蛍光反応」する

のが特徴です。

接触変成岩起源のミャンマー産のルビーは、

玄武岩起源のタイランド産に比べて紫外線域の光を

吸収する鉄分の含有量が少ないから…などの説が

ありますが、どの程度の差なのかは私にはわかりません。

しかし、ミャンマー産のルビーを見分ける一番簡単な

方法であり、また宝石の品質を判定する際に原産地

が重要な要素の一つである理由です。

タイランド産やアフリカ産も少しは、蛍光反応をします

が、その度合いが違います。

この蛍光反応のため、昔から燃える石炭などと

呼ばれたり、ノアの方舟の天窓から入った嵐の日の

光で輝いた赤い石…など色々な言い伝えが残って

います。

一瞬、息が止まるような輝きです。

是非一度、ご覧ください。

 


日本の…ではなく、ミキモトの「矢車」を見て感じること

2011年07月03日 05時32分08秒 | 宝物

写真は、あの有名な「矢車」とばれる帯留めです。

ミキモトが1937年のパリ万博に出品して話題を

あつめたジュエリーです。

現在は、ミキモト真珠島博物館に所蔵されています。

プラチナ、18金ホワイトゴールド、養殖真珠、

ダイヤモンド、エメラルドからなる11個のジュエリーを

13個の部品を組み合わせることで、帯留めになった

り、ブローチになったり、髪飾りやリングとして使える

ジュエリーです。もの凄いジュエリーだと思います。

一つの帯留めに、これだけの機能を持たせた感覚は

その時にこれをつくった人たちの「技」があったから

でしょう。

 

…でも、ここで思うのは、この技というものは、国が持てる

モノではなく、人が持つ、ということです。

日本の歴史やこの時代の環境が、この技を育んだ

のだろうと思いますし、この「矢車」をつくった

職人さんたちは、誇りと使命を感じて未知なる

西洋のジュエリー文化に立ち向かったのでしょう。

さて…

最近はテレビや雑誌などで、「日本の技術は素晴らしい」

とよく目にしますが、勘違いしてはいけないのは、

それは、先輩方の仕事で、

今の私たちではないという事です。

 

 

その情報を見たいまの人が、「私たちの先輩が頑張った」と

自信をつける…。それは良いのですが、

「日本の…」をつけるとおかしくなります。そもそも…

今の日本、そんなに頑張っているのでしょうか?

100年前にヨーロッパに技術を学び進化した日本…

今は、日本から技術を学び進化していく中国…

何となく同じように感じるのです。

「日本の技術を中国が盗んだ!」というニュースを

見ると、「アメリカの自動車技術を盗んだ!」と

デトロイトでいじめられていた一昔前の日本の自動車

と同じように感じます。

「矢車」を見ていると、

「あなた…自分でやったらどうだい…」といわれて

いる様な気がします。

自分を磨くこと、高めることが大切ですね。

それと…

他人、他国との比較の中に生まれる感情は、

なんだか「醜い」なと感じました。

 


エタニティーリングの語源

2011年07月02日 12時00分42秒 | 宝物

[eternity ring] エタニティーリング

モリスでもルビーとダイヤモンドを使った

エタニティーリングがありますが、その名前の

起源は何なのでしょうか?

ジュエリー言語学「柏書店松原」を開いてみました。

著者は、ずっとお世話になっている桃沢敏幸氏です。

引用ここから)

エタニティーリングとは、途切れなく石が並べられた

指輪。終わりが無い(Never ending)という意味で、

限りない愛のシンボルとされる。永久指輪。エタニティー

バンド。

語源: ギリシャ語で「年齢age」「活力vital forse」

「生涯 Lifetime」を意味するaionラテン語のaeonから…

引用ここまで)

との事、かなり古くから使われてきたスタイルのリング

なのが言語学からも分かります。

写真のジュエリー言語学…とても面白い本ですので

読み始めると、止められなくなります。

 

 


宝石ジュエリーとアクセサリーの違い

2011年07月02日 08時37分40秒 | 宝物

宝石ジュエリーとアクセサリーの違いは?

と聞かれることがありました。

とっさに、「宝石ジュエリーとアクセサリーは

寿命が違います…」と答えました。

ちょっと雑な説明だったな、と反省しながらも

ちょっと考えてみました。

私もアクセサリーが好きなので、自分のバッグ

などにも、チャームの様にルビーをぶら下げて

喜んでいますが、とても楽しいモノです。

自分にとっては大切なものです。

そして、私はジュエリーも好きですので、右手にはルビーが

あります。

アクセサリーとジュエリー(リング)は、ずっと毎日使っています

が、自分自身の感覚では、時間軸が違うのかなと思います。

100年単位で考える宝石ジュエリーと、何年か楽しむ

アクセサリー…

それぞれ使う目的が違うので、当然ですが、

そういう眼でみてピッタリなジュエリーを探して頂きたい

と思います。


あなたが生まれたのは…お母さん、お父さんが結婚したから…

2011年07月01日 22時36分08秒 | 宝物

モリスブライダルが大切におもうのは、リレーション…

これから、結婚されるおふたりが出会えたのも、

お母さん、お父さんが一緒になってくれたから。

あなた自身が結晶だと思います。

だから、モリスブライダルは、お母さんがお父さんから

贈って貰ったダイヤモンドを結婚指輪に使ってほしい

と思います。

また、プロポーズする男性も…そのお父さんが

お母さんに贈ったダイヤモンドがあるはずです。

そういう受け継がれた宝石は、買うことのできない価値が

あると思うのです。

モリスはそう思いますし、そういうのが宝の石

宝石だと思います。


産地によって違うルビーの硬さ…

2011年07月01日 15時11分07秒 | 宝物

どこの産地のルビーが一番硬いか?

産地によってルビーの硬さが違うというのは、

カット研磨を担当するゾーミンチョー君や

今は亡きミンカイ教授がよく言っていたことです。

Nam-Ya鉱山のルビーが一番硬いとのこと、

実際に試してみたのですが、確かに削れにくい。

モース硬度で表すと同じ9番でも産地によって

硬さには差があるようです。

これと、同じ話を諏訪貿易の諏訪会長もおっしゃって

ました。

ダイヤモンドも産地のよって硬さが全く違う…

天然の宝石には、まだまだ知られていないことが

多くて面白いものです。


823年ぶりの珍しい7月

2011年07月01日 08時11分04秒 | 今日の出来事

今年の7月は、金曜日、土曜日、日曜日の

週末が5回ある珍しい年です。

どれだけ珍しいか?

823年に1度だそうです。

http://macaunews.blog73.fc2.com/
マカオ最新情報by Green Holidayさんの

ブログで拝見しました。

せっかくですので、5回の週末を有意義に

楽しみましょう。

7月ですので、ルビーの写真を…

ミャンマーのパゴー(昔の都)から出土した

アンティークリングです。