球形ダイスの目

90%の空想と10%の事実

Cfbサウンド、ETサウンド

2005-01-11 | 初期の投稿
今日は北欧諸国についての基礎知識を述べた上で、
今日聴きに行った演奏会について書いてみたいと思います。
(僕の楽器の先生が主催の演奏会なのですが…)

北欧諸国とは、
フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、アイスランドの5カ国を指します。
(実はこの5カ国の国旗は全て横長の長方形に十字を書いた形となっています。
 したがって、逆に横長の地に十字がある国旗は北欧諸国なのだということもできます。
 上記の国旗もどきはその法則に基づいて僕が勝手に作った北欧の国の国旗です。
 きっとピンクなやつらが作った国家なのでしょう。)

この中で、王制が敷かれるのは
スウェーデン、ノルウェー、デンマークの3カ国、
共和国がフィンランドとアイスランドの2カ国。

さらにその気候は大変寒いもので、ケッペンの気候区分では
最暖月の平均気温が、0℃以上10℃未満の場合にいただける「E」の地域もあります。
(まぁ、全てがそうではないのですが…)

それと、後に出てくる英国を比較します。
気候で言うと英国は北大西洋海流と偏西風の影響により
高緯度にも拘らず比較的温暖な気候で、
最寒月平均気温が-3~18℃の条件を満たす「C」の地域に属します。

この表記をよく知らない人は 暑い A ~ E 寒い というランク付けだと思ってもらえればいいです。
高校地理でもやっていればわかる話です。

風土は人を育てます。
「寒さを感じる(イメージする)音楽」というものが確かに存在します。
それを踏まえたうえで、話は今日の演奏会へ。


まず、今日行った演奏会のコンセプトは
「どちらが弦楽王国?! 北欧VS英国」
ということでした。

今回台頭した北欧作曲家は
グリーグ(ノルウェー)、スヴェンセン(ノルウェー)、シベリウス(フィンランド)ですので、
共和国であるフィンランドは除いて考えるべきで、
ノルウェーVS英国 が王国という言葉上は正しい構図なのではないかな? などということを考えていました。
もちろん、そんなどうでもいいことを気にする人は他にはいなかったと思いますが…

さて、対決というコンセプトに目を向けますと、
年末のK-1や紅白に則って対決物を企画したということです。
クラシック音楽の世界では突拍子もないことですが、なるほど世間は昔から対決を好んでいますね。
ゴジラVSビオランテとか、スパイVSスパイとか、エイリアンVSプレデターとか。


この勝負、最後まで演奏を聴いてどっちがいいと思ったか聴衆に拍手を求め、
その音の大きさで勝負を決めるというものでした。
僕の感想としてはこの勝負は英国に分があるように思えましたが、
(そして、先生は英国贔屓でもあった)
実際は殆ど同じぐらいの拍手音で、「引き分け」となりました。
結果を聴衆に委ねつつも引き分けになったことに驚かされます。
まあ、どっちが勝っても、引き分けでも『また次回』という引きは通用するとは思いますが…


このまま終わってもいつもくらいの分量にはなっているような気もしますが、
背景の話ばかり長く演奏の話がないのも一音楽家的に問題があるので今日の演奏会における各対戦をレビューさせていただきます。
何の曲かわからんと思うそこの貴方、殆どの人がそうですので気になさらぬよう…

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1.安直国家名対決
英国 パリー イギリス組曲 VS 2つの北欧の旋律 グリーグ ノルウェー

イギリス組曲:preludeのためかモーツァルト的な古典にやや近い印象の音楽。暖かい低音。
北欧旋律:内声(特に1stがこの役回りに転じたとき)がざわざわした寒さあふれる音楽。
個人的に北欧の寒い音楽が好きですので、ここは北欧に1勝。


2.古典舞曲対決
英国 アイアランド 牧草地組曲 VS ホルベルク組曲 グリーグ ノルウェー

この勝負、3拍子系のほうが勝ちと初めから決めていたので、
3拍子系だった牧草地組曲(メヌエット)に軍配。いや、ホルベルクもいいんですけどね。
そう決めてましたから。


3.自然の赴くままに
英国 フィンジ 弦楽のためのロマンス VS 民謡”去年私は山羊を飼った” スヴェンセン ノルウェー

音楽としての起伏というかメンバーの気合というかを英国の方に感じたので英国2勝目。
このフィンジという人、まだ著作権云々で演奏は何かと面倒な模様。
「孤高の作曲家」という呼び声通り、負のパワーを感じました。


4.大人っぽく仕掛けてみるか。
英国 エルガー 弦楽セレナーデ2楽章 VS 2つのスウェーデン民謡 スヴェンセン ノルウェー

2と同じように、3拍子の曲贔屓で民謡勝利。星は五分。
なんだかさっきから有名な曲が負けているような気がしますが、基準が基準なので気にしないでください。


5.最終戦
英国 ラター 弦楽のための組曲 VS 美しい組曲 シベリウス フィンランド

シベリウス:この曲の終曲ではチェロがメロディを奏でている間に
1stが例の温度の低い音楽の演出(というか単純な刻み系の音形)をしてくれたりで結構満足。
ただ、この曲はFLが2本入っていることもあり正当な弦楽曲とは言いがたいことと
ラターの曲のバラエティを考えると「弦楽王国」としてはイギリスってことになるのかなって思いました。

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そんな感じですね。

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