※画像は小説の表紙です。
どこかで聞いたことがあるタイトル??と思って図書館で借りてみたが、
読み終わってから調べてみたらアニメ映画になっていたのだと知った。
しかも5年前。まぁ、知らなかったことは仕方ないよね。
一言で言えば、毎日自分を高めるための研究を惜しまない
ちょっと変わった少年が、これまたちょっと変わった歯科のお姉さんと
ペンギンにまつわる不思議な体験をしてその不思議の原因を突き止めるという話。
○どうだった?
進行も構造も明快・単純で楽しく読めた。
小難しくない本を読みたい人にはおすすめ。特に若い人向け。
SF小説としてジャンル分けされる中でも、
藤子不二雄風に(SF= Sukoshi Fushigi)で定義するなら、その不思議度は高め。
現実的にある出来事かどうかで言ったら絶対無いライン。
一緒に謎を解き明かすクラスメートの仲間2人が結構良い仲間で(基本的に足を引っ張り合ったりしない)、
謎の解明を停滞させる存在も少ないので話が先に進まないもどかしさやイライラがなく、ダレにくいと思う。
しかし、悲しきかな、最も感情移入すべきポイントでの没入感が今一つで
自分も年を取ったかなぁという残念な感覚が大きかった。
感情移入すべきポイント…それは、主人公の少年とお姉さんとの関係。
少年がお姉さんに抱く恋心と、別れの苦々しさ。
お姉さんへの気持ちを"おっぱい"としか言葉にしかできない少年の残念さ。
これらを抜きにこの話を語れない。
しかし、これらの描写が、自分とはもはや関係のない出来事として感じられるようになってしまっていた。青春を他人事に感じるとは…これはもうオッサンのそれである。悲しい。
俺の中でジュブナイル作品はその役割を終えたのだ、ということを感じた瞬間。
結局彼はお姉さんとの別れに際して涙を流すことはなかった。
それは"彼が泣かないと決心した"からということになってはいるが、
本当は自分の気持ちをうまく言葉にできなかったからではないかと思った。
この小説の出来事が現実に起こったのなら、
彼は成長してから自分の気持ちを伝えられなかったことには涙するだろうと思う。
○それから…
理由は書けないが、小さい頃の友人は、この映画を見て
僕のことを少しだけ思い出してくれるんじゃないかなんてことを思った。
なんだかんだで自分自身にある童心と向き合う機会になりました。
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