球形ダイスの目

90%の空想と10%の事実

読書メモ:旅のラゴス

2022-07-29 | 趣味(旅行・娯楽・読書・食)
久しぶりに筒井康隆。ラゴスの旅ではない。
インターネットで、ブロードバンドみたいなこと。

文庫の帯のコメントは以下。
 突然高度な文明を失った題名として、
 人びとが超能力を獲得しだした「この世界」。
 ラゴスの冒険が、今始まるー

変化を求め、旅をすることと失われた過去の知識を発掘することを人生のよすがとした男が各地で人との触れ合いをしつつ旅を続ける、という話。

・どうだった?
まぁまぁ良かった。面白いというのとはちょっと違って、異世界を旅する非日常感を楽しむという読み方になる。小難しい説明がないので気楽に読める。まだ続けられそうなところで終わる(旅が終わってはいない)ので、読後感としては、もう少しだけ後のことが読みたいかなという不完全燃焼感はある。

旅先で結婚したり子を儲けたりしつつ、そのあたりは相当ドライに描かれている。そのくせ、結局最後までラゴスの心を捉えているのは、若い頃に会った、追憶の中の、結局関係を持つことがなかった女性。
そこが印象的な部分。ラゴスは周囲の人間と一見理性的に会話しているが、
行動の軸は完全に本能に突き動かされているなぁ…と感じ、
それが周期的に出てくる。この営みそのものがこの小説のテーマなんじゃないかと思える。自分の中の野生も共振しそう。
派手さに欠けるため万人におすすめではないが、
淡々とした物語を淡々と読むのが好きな人には合っていると思う。

時間があれば"本能に突き動かされるラゴス"について詳しく述べたかったが
今日は眠いのでここまでにしときます。

[memo]
①どうだった?パートに書いたことの構成を整理。
 良かったかどうかをサラッとMECEで述べる
・魅力の種類(面白い、不思議)… 直観
・文体などの良いところを挙げる … 理性
・読後感はどうだったか。 … 感情
②その後、広げられるなら広げる
・自分の思う「本」のテーマ
③お勧めできる対象

①をいかに無駄なく納得感のある表現ができるかが
"どうだった?"の返しのプロになるための修行であると言えよう。


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