ザ・バーズは12弦エレキ・ギターとヴォーカル・ハーモニーを武器に、フォーク・ロック
を開花させた。ボブ・ディランのサイケな歌とウエストコースト・ロックのビートとの交ぜ
合わせが新種の化学反応を起こし彼らは60年代から70年代前半まで商業的な成功を収めた。
ではファースト・アルバム Mr. Tambourine Man / The Byrds(1965)を聴いてみよう。
ボブ・ディランのオリジナルは抽象的な歌をぶっきら棒に歌っていたが、ザ・バーズ版は
魅力的なポップ・シングルに生まれ変り、彼らの代表曲となる大ヒットとなりました。
聴き比べてみましょう。
「ミスター・タンブリン・マン」ボブ・ディラン
「ミスター・タンブリン・マン」ザ・バーズ (1965年 全米1位)
Mr.タンバリン男の秘密 tambourine1
これは有名な話で、この曲のレコーディング時バーズ・メンバーの演奏ではまだ力量不足と
みなされ、ロジャー・マッギンの12弦エレクトリック・ギター以外の演奏はセッション・
ミュージシャンで録音されたとのこと。メンバー達は歌入れのみの曲だった。
Mr.タンバリン男の秘密 tambourine2
サイケなボブ・ディランの歌詞の一部”in the Jingle-Jangle morning”というフレーズは、
当時ディランに影響を与えたロード・バックリー(歌手・コメディアン俳優)の「Scrooge」
から取っているそうです。バックリーはディランのアルバムBringing It All Back Home(1965)
アルバム・ジャケット写真の中でマントルピース上のびっくり顔で写っている人です。(笑) ”バレちゃった!!”
ロード・バックリー(The Best Of Load Buckley)
Mr.タンバリン男の秘密 tambourine3
たぶん余り知られていないと思うが、前回の記事でふれたザ・ビーチ・ボーイズ最高のB面曲
「ドント・ウォリー・ベイビー」(A面は「アイ・ゲット・アラウンド」全米No.1)のリズム
を拝借して曲が垢抜けヒットに繋がったこと。…此処でもブライアン・ウィルソンの影響が!!
最後にこれだけは言っておかなければ。このアルバムにはジーン・クラーク作のオリジナル
ポップスの傑作”I'll Feel a Whole Lot Better”が入っているのだ。はぁ~すっきりしたぜ。(了)
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