1972年以降のモット・ザ・フープル。グラム・ロック全盛期に彼らが華麗なるロックンロール
黄金時代を築いたことは、当時のすべての若きロック大好き野郎どもは覚えておいででしょう。
この成功の元をたどれば、解散寸前に追い込まれた彼らを、以前からこのバンドのファンだった
デヴィッド・ボウイが曲提供とプロデュースで援助の手を伸ばした事。これによりバンド人気が
急浮上しバンド継続したんだ。そして、ボウイは言ったのさ『もっと!続けるんだ・フープル』
生意気いいましたが、初期(アイランド・レコード時代1969-1971)のモット・ザ・フープルが
どんなだか気にならない?デヴィッド・ボウイが以前からファンだったという不遇時代の音楽。
Moot The Hoople (1969) デビュー・アルバム
”ローリング・ストーンズ風のロックンロールにボブ・ディランの歌声を乗っけたら
イカシてるんじゃない?”という出自でデビューした彼ら。収録曲はカッコいいぜ。
◆◇◆◇◆◇ 👑 英国エリザベス女王よ ♰ 安らかに ◆◇◆◇◆◇
オリジナル曲、デビュー・シングルを聴いてくれ! "Rock and Roll Queen"
キンクスのカバーをボーカルなしで演るのがスカしてます "You Really Got Me"
僕の好きなサー・ダグラス・クインテットのカバーも◎ "At the Crossroads"
ソニー&シェールの "Laugh at Me(私を笑って)" は、ディラン風で始まり
曲の終盤に向けストーンズ(悪魔を憐れむ歌)風でキメてるよ。・・・如何かな。
もっとダ!Hoople(笑)不遇時代の彼らを気に入っておりボックス・セットを買ってます。
Mott The Hoople / Mental Train (The Island Years 1969-71) 6CDs BOX Set
オリジナル・アルバム四作品(Mott The Hoople, Mad Shadows, Wildlife, Brain Carpers)
(disc1~4)はボーナス・トラック付。disc5は未発表音源集、disc6はライヴ音源集です。
【蛇足/僕のやぶにらみ的考察】~モット・ザ・フープル(M.T.H)不遇の要因~
1969年はストーンズもディランもカウンター・カルチャーのカリスマに再隆盛した年。
この年英国ではストーンズは、7月ハイド・パークの出演でライブ復帰しオルタモントの悲劇へ。
ディランは、8月ワイト島フェスティヴァル出演でカムバック。
本家がそれぞれ元気に活動復活したタイミングで、先に記した出自にてM.T.Hがデビューした
ため、軽視・反撥・批判が先に立ってしまい彼らの本流R&Rの楽しさが理解されずじまい
だったのでは。一方、ウッドストック:平和・自由・愛の祭典で幻想と浮かれ気分の米国の
野郎どもは、海の向こうの波風が立たない新人ロックグループ M.T.Hなんて気にしちゃいない。
モット・ザ・フープルの音楽的アプローチでは、大概ハードなロックンロールが中心なのだが、
ちょっぴりプロコル・ハルム的な沈んだプログレ風味やカントリー・フォーク要素も含んでいた
のが、かえって多くの聴衆受けを逃していった結果を招いたのだとも思う。
彼ら本来のハードなロックンロールスタイルは、デビュー当時から殆んど変わっちゃいない。
グラム・ロックの時流に乗るまで商業的成功は待たねばならなかったのである。