「人間だけが道具を工夫して作れる動物」
~モノを創ることをしなくなった人間は欠陥人間だ~
フランクリン
「住まいの照明は囲炉裏のあかりのように、
みんなの心を集わせるモノでなくてはいけない。
あたたかい点の照明であるべきだ。」
ノグチイサオ
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これ、今私が読んでいる本の中に出てくるコメント。
「日本人のくらし 住(すまう)」(秋岡芳夫:玉川大学出版)
日本の伝統的な暮らし方、住まい方、生き方が、
工業化、都市化とともに崩壊していくのを懸念して
どうにかしようと半ば叫びのように記されています。
昔の日本には「商工消」がありました。商は商売人、工は職人、消は客。
町にはこの3つの形態が普通でした。
職人に注文して、お互いの顔を見ながら、コミュニティをとりながら
商売をする。
今はどうでしょう。
「工」が消えて、「消商」になってしまっています。
○○屋さんたちがいないのです。
スーパーやデパートになってしまい、作り手と買い手が完全に分離し、
コミュニティが失われ、仕舞いには、「あきらめ買い」するモノや
「あきらめ使い」するモノを作るようになる。工業化です。
戦後の日本は急激な高度成長期に入り、さらなる西洋文化を取り入れ、
それを良しとする傾向がずっと続いています。
日本古来の文化の見直しは・・・
昔の日本は、人と人との心の触れ合いの中で、
伝統を大切に、誇りをもって生活していたように思います。
今の日本は、新しく作り出すことが素晴しいことと思われています。
この本にも書いてあります。
『日本人は「新」の字が好き。「技術」という字に滅法弱い。
「工学」にも、「超」の字にもすぐ参る。「国」という字にも弱い』
作り手の顔がわかるモノを使えば、大切に使うだろうし、
大切に使うから、捨てないで直して使う。
ゴミにならない。使い捨ては無くなる。
無駄なものは買わなくなる。。。
日本のモノのいいところ。
たたんで使える。
畳はその昔、たたんで使用していたそうです。
ちゃぶ台だってたたむ。
夜具から食卓までなんでもたたんで、狭い部屋でも
広く使えました。
お箸だって、西洋のナイフやフォークと違い、
お箸一膳で用を足してしまいます。
一器多様です。
無駄なものは一切ありません。
モノがあふれすぎているからこそ、
環境問題にも発展してきていると思います。
日本の伝統を大切にしていけば、
必然的にシンプルになっていくのではないでしょうか。
それにしても、この本、1977年第1刷発行です。。。
この頃から、こういった問題が発生しているんですよね。
戦後30年。そしてこの本が出版されて30年。。。
日本って、見直すことが苦手な国なのですね・・