monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

冬の木/寒樹

2011年12月19日 | 日本古典文学-和歌-冬


夕まぐれ降るとも見えでしら雪のつもればなびく庭のくれ竹(玉葉和歌集)

降る雪に軒ばの竹も埋もれて友こそなけれ冬の山里(千載和歌集)


高砂の尾上の嵐ふくほどは降れどつもらぬ松の白雪(続千載和歌集)

うづ もるる風やしたよりはらふらむ積もればおつる松のしら雪(新後拾遺和歌集)

降りつもる梢や今朝はこほりぬる風にもおちぬ松の白雪(玉葉和歌集)

世の中にひさしきものは雪のうちにもと色かへぬ松にざりける(貫之集)

ふりまさる年をかさねて見つるかな ならびの岡の松の白雪(続千載和歌集)

冬きては雪の底なる高砂の松を友とぞいとどふりぬる(続拾遺和歌集)


三輪の山 夜(よ)のまの雪にうづ もれて下葉ぞ杉のしるしなりける(続拾遺和歌集)

下折れのおとのみ杉のしるしにて雪の底なる三輪の山もと(続後撰和歌集)

こがらしにつれなく残る奥山の杉のこずゑも雪折れにけり(正治二年初度百首)


けふ降りし雪にきほひてわがやどの冬木の梅は花咲きにけり(万葉集)

花のいろは雪にまじりて見えずとも香(か)をだににほへ人の知るべく(古今和歌集)

たちかはる春をも待たで咲く梅やまれなる色に匂ひそむらむ(前摂政家歌合)