Tik's little window 

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キザでシャイで、真っ白な人ー細川俊之氏を偲んで

2011-01-29 00:00:00 | 演劇
 先日亡くなられた細川俊之氏の古いビデオをDVDにダビング中。二枚目半の「ショーガール」古屋一行、川谷拓三、そして、アクション抜きのとってもチャーミングな志穂美悦ッちゃんと共演したドラマ「やる気満々」、妻への嫉妬にかられ悪女に溺れる男を演じた「夜の長い叫び」、渡辺えり子に思いを寄せられる正統派二枚目役の「寂しい女は太る」そしてコントで絶妙なボケをかます?!「そんなコロッケな」などなど。

 異色なのは、不思議な映画「飛ぶ夢をしばらく見ない」。突然出会い愛人関係となった女性が、若返っていく話。今この年になってみてみると、切ない恋物語以上に、時の流れの切なさを感じてしまう。原作は、山田太一。山田太一氏というとすぐ思いつくのが、千葉ちゃんが桃井かおりさんと共演したドラマ、「夢に見た日々」いずれこちらで紹介していきたい作品。

 そして、トークショー「徹子の部屋」「さんまのまんま」「スタジオパーク」では、それぞれ40代、50代、60代での細川氏の様子が見られ、各年代のお芝居の話に、引き込まれてしまった。

 幼い頃からキザで、母親が隣町まで連れて行ってくれた洋画しか見なかった、ポール・ニューマンやアラン・ドロンに憧れ、煙草を持つしぐさを真似たりしたと言う、60歳過ぎても、俳優として、どんな役でも出来るよう、どんな役の色にも染まれるように、真っ白なキャンパスのようでありたいと、ニューヨークで向上心たっぷりの空気に触れ、声楽と芝居のレッスンをして(自分より若い先生に指導され、ちょっぴりむっとしつつも、笑)、役者として錆付いてしまわないようにと励む姿は、へタレ気味の自分に、目いっぱい活を入れてくれた。
 
 怖いくらいクールな厳しい表情の一方で、甘く時に、でれーっとした(失礼!)二枚目、三枚目の表情と、汗まみれになって必死に踊って歌う、さまざまな色に染まった姿を見せてくれた細川俊之氏。寂しさをぐっとこらえながら、その姿を、今一度、目に耳に焼き付けて、そのスピリットを自分の胸に注入する。

 もう二度とこんな、七三とオールバックがビシッと決まる俳優には出会えないかもしれない。生涯ピュアであり続けた俳優、細川俊之氏のあったかい笑顔に、乾杯!!