ありゃ～まぁ～
ひょんなことから口走った
「ポスカン」
５歳下の妻が知らないという
確かに大人になっては
あまり使った実感はないが
子供のとき
何か失敗した相手に
また失敗した自分に
よく使い使われた記憶がある
家庭平和のため
爺のとっさの造語と言うことで
その場はおさまったが
むろん今流行の偽装
無実の罪をかぶった心境
くやしいので
さっそく自信満々でネットで検索
それがどうだ
なぜかひっかからない
ちょっと自信が揺らぐ
だか待てよ
ネットで引っかからないのなら
これは爺のオリジナル造語
ということ
そこで重大発表
爺は本を書こうかなぁ～
題して
「ぽすかん力」
あほ、ばかとののしりあう
複雑な現代社会を生き抜くには
ぽすかんであることが必要
．．．てな内容
乞うご期待 来世で
渡辺淳一著の「鈍感力」
とは全く関係ない
そこんとこよろしく
松嶋尚美(オセロ)がほえて
笑福亭鶴瓶が言葉を躍らせる
きらきらアフロ
妻が大好きな番組
妻の笑い声が好きな爺
だから爺も好きな番組
松島尚美の失敗談に
思わず言った爺の一言
その一言で
妻との論争勃発
ビデオを巻き戻すほどになろうとは
．．．．トホホ
「こいつポスカンやなぁ～」
普段爺の言葉なんか聞いてない妻が
「ポスカンって何？」
そう食いついてきた
そう突っ込まれて戸惑った
「え～知らんの？」
とっさに出た言葉だけど
爺的にも久しぶりの言葉
ホンマに知らんの？
知らないわよ
そんな掛け合いが続く
この年の夫婦になっても
通じない言葉かあるんだ
妙なところで感嘆
ちょっと抜けてるけど憎めない
そんな人のことを言う
そう説明すると
「あんたがつくったんでしょ」
そう問い詰められた
「違う違う」
そう言いたかったんだけど
「はいその通りです」
その場を収めるために
つい言ってしまった
ポスカンさんごめんなさい
だから
爺には裁判員はムリだと
いってるちゅ～の
彼には悪いが
事件の最終結末は
妻の推理通りになってほしい
そんな気持ちもあるのです
我が家の平和のために
だが経過は以前犯人単独犯行
どうも覆りそうもない
と言うことは
爺の推理どおり
これは爺には幸せではない
爺が推論を展開する中でも
周りの人々の目は冷たかった
そんな事を言うのは
あなたも同じ部類ネ
妻の目はそう語っていた
このままでは妻の機嫌が悪い
愛猫モコに八つ当たり
モコはとち狂って
爺の部屋でゲロをはく
我が家の不幸の悪循環
妻の推理通りになって
妻から
あんたの推論なんて
どうせその程度なのよ
そう罵倒される方が
よっぽどまし
これらをもって
爺は裁判員制度に反対
いわんや
裁判員には全く不向き
それでも選択されれば
その非は選んだ人に有り
そう宣言いたします
妻にスリッパを投げられ
当たり所よろしく？
見事、眉間から出血
周囲にその事実を力説したが
誰も信用してくれなかった
かなり昔のことではあるが
似たようなことは今も続いてる
それもこれも人相
人前で笑顔が絶えない妻
人前でさらに仏頂面の爺
全てそれで決まる
推理小説が愛読書の爺
早くから彼の無罪を主張した
彼には負けるが(爺の判断)
顔で苦労してる同志の哀れみ
それでそう推理したわけではない
重大な点は遺体がないこと
もし彼の犯行ならそれは不自然
むしろ遺体はそのままで
他人がやったような偽装工作
それが自然
日曜日に訪ねてきた友に
ちょっと自慢げに
当初から
そう主張してたことを話した
そして妻に
「ねぇ～そうだろう？」
そう相づちを求めた
妻にとっては
悔しい結果になってるのか
「知らん」
返ってきた妻の速攻の返事
爺の立場はなくフリーズ
「まだわからんよ」
そう続ける妻の意見に
友もなぜか同調気味
そうまで言わせるのはなぜか？
ごく身近な方達が亡くなってるのに
彼からその悲しさが伝わらないこと
それは爺も感じてる
更に弁護すれば
悲しみの表現も
人それぞれなのかもしれない
昨日は父の月命日
集まった人たちの話題
それは、ずばりあの事件
犯人逮捕で急展開
だが
無責任すずめ達はかしましい
生活保護
連れ子
地域問題
などなど
議論百出
早々と彼が真犯人
そう決め付けてた妻
真犯人逮捕の今でも
「絶対彼が絡んでる」
そう強く言い張る
マイクの前でのおしゃべり
それが絶対怪しいという
身に覚えがある爺としては
ちょっと弁護
ちょっとお聞きしたい
もし彼が
マイクの前に立たなければ
疑われなかったのか？
多分彼が無口だっても
マイクの前に立たなくても
チラッと彼が映像に写れば
今と変わらないと思う
いやしゃべらなかった方が
絶対ヤツが怪しい
もっとその声が強かったかも
どっちに転んでも
全ては人相なのですよ
そしてこれは爺が歩んだ道
暴力的な夫と従順な妻
世間にそう見られてた
私達夫婦
全ては爺の顔
眉間のしわやつりあがった眉
「そうじゃない」
声高に叫ぶほど逆効果
それに
爺だって男前だったら
ずっと無口でいられるぞ
色んな思いで
ちょっと複雑な法事でした
「生理」「生理」
「オシッコ」「オシッコ」
顔を赤らめる爺に
平気で連呼するＹ子
その彼女が彼を連れてきた
男前と言うよりはかわいい
そんな感じの青年
だけど彼女が言った
「２年間のセックレス」
この言葉が
微妙に彼の印象に影響
立ち去る背中に
「がんばれよ」
そう叱咤激励した
もちろん心の中で
３０代前半を語るとしたら
ＹＯ子ははずせない
彼女も年下の男と同棲
彼女が紹介してくれた客も多い
彼女に感謝している
だがそれを抜きにしても
爺的にはとても好きなタイプ
もちろん美人
ただそれは色恋抜きで．．．
彼女はがんばりやさん
それが好きな最大の理由
弱音をはかない
体調不良でも休まない
見かねて
「休んだら？」
そう言うと
「稼がないといけないから」
そう笑って言う
抱きしめたい一瞬でもある
その彼女
今年になって不幸続き
階段から落ちたり
店で倒れたり
ぎっくり腰になったり
それでも休まない
数ヶ月前のこと
ビッコを引いてやってきた
転んだという
だが両二の腕にあざ
ちょうど両手でつかまれたように
転んで出来る場所ではない
とっさに浮かぶ暴力
それだと最近のケガと符合する
彼女は貢ぐタイプ
犯人は同棲してる年下の彼か？
だけど聞けない
