愛猫モコがネコ砂を
思い切り廊下へ掻きだしてる
いらだつ爺の目の前を
妻がウロウロ
ふと見るとトイレのスリッパ
思わず出そうになった言葉
「ボケナス」
我が辞書にはない
これを言っちゃおしまいよ
そう思う心と
「ぽすかん」を
知らないぐらいだから
ひょっとして...
もし知らなかったら
今後どんどん使えて
気持ちいいかも
もう一つの心がささやく
時間にしてコンマ何秒の世界
爺は意を決して
言っちゃいました
やはりと言うべきか
眉間にしわを寄せた妻が
「今、何か言った」
そう詰め寄ってきた
そんなこともあろうかと
爺はちゃんと保険をかけてる
「ぼけなすちゃん」
「ちゃん」で和らげている
更に決め手は
言ったタイミング
モコが妻の横にいる時を
見計らって言った
だから
「モコに言ったのよ」
そういう爺の弁解が通った
ボケナスは今後絶対使えない