集中豪雨で
屋上に水がたまり
爺の部屋が雨漏り
Faxなどがビチョビチョ
それをみんなに
どう大袈裟に話してやろうか
そう思案中の爺ではあったが
新聞を見てあきらめた
死者1名
床下浸水、道路冠水などは
あちらこちらで
爺の雨漏りなんて
恥ずかしくていえない
爺は
屋上へ上がることはない
先日雨漏りのため
久しぶりに上がって驚いた
一言で言えば退廃
10数年前
ビールを飲んだ
テーブルやイス
見事に朽ち果ててる
次の雨が来ないうちに
ゆっくりしたい祭日だが
屋上の大掃除とあいなった
一段落して
ふと南側を見渡せば
路地を挟んで
向かいのビルの裏側
レストランの厨房
忙しそうに数人が見えた
と同時に
その中の一人の女性と
目があっちゃった
明らかに
このおっさん何見てんの
そんな雰囲気
あわてて目をそらし
その下の階を見てみると
美容室の従業員室
かわいい子が2、3人
向こうからは
見上げないと見えない
コリャいい場所発見
そう思って目を戻すと
先ほどのおばちゃんと
また目が合った
穴場を発見したものの
問題は
このおばちゃんの目
これをどうクリアするか
それにかかってる
あんな顔なのに
あそこのご主人
結構真面目にコツコツ
ミスもなくやってる
長年かかって培ってきた
爺に対する世間の信用
おそばを湯がくとき
結束テープをひとつ
たったひとつはずすのを
見逃したために
おそばのホウキアート
正直に妻に話したのでは
瞬く間にご近所に知れ渡る
だとえ愛する人達に
意地っ張りと揶揄されても
それは絶対出来ない
仕方なく言った言葉
「ちょっと腹具合が悪い」
これがそもそもの大間違い
妻の目を盗んで
何か食べようにも
その日にかぎって
つまがまとわりつく
結局一食抜く羽目に
トホホ
...とここまでは
数日前に書いた
この程度は自己責任
そうあきらめられる
頼みは次の食事
次ぎの食事は
居酒屋さんからの出前
毎日のこと
その日は
釣り好きのオヤッさんが
いい魚が手に入りました
お刺身楽しみにしてください
そう挨拶された
こりゃ~
一食抜いた甲斐があった
そう喜んだ
出前されたのは一人前のみ
いぶかる爺に
注文役の妻が
パパのはおかゆ作ったわよ
ど、どうして
今まであなたは
こんな場合
そんなに
気遣いなんて
してくれたことがないのに
今日に限って
ネ、ネネ、どうして?
妻がおいしそうに食べる
天然ハマチのさしみ
何回も何回も
おいしい
そうぬかしおる
腹具合は全くいい爺
おかゆにウメボシ
しぶしぶ食べてる爺を見て
「まだ悪いの?」
そう問う妻
明日も
おかゆだったら困るので
「ウウン」
と答える声は涙声
昨日から
大嫌いになりました
それは雨
子供の時から
雨は嫌いではなかった
そんなに
どちらかと言えば
雨雨降れ降れ
母さんが
蛇の目でお迎え
うれしいなぁ~
...てな気分
大人になり
髪が薄くなり
雨のしずくが
頭部、額を滑り落ち
あっと言う間に
目や口に入る
そんな感覚がイヤで
少し嫌いに
なってはいましたが...
日曜日昼前
爺の部屋のFaxの上に
突然天井から水が
爺の
濡れてもいいもの
濡れた方がいいもの
そのリストの第一位
それはご存知アレ
でもFaxは入っていない
当然オロオロ
外は大雨
でもまさか雨漏りするとは
急いで屋上へ
目にした光景は
まさにプール
くるぶしがすっぽり入る
排水溝を見れば
何か異物がふさいでる
急いで排除
水が減ったのは
30分ほどあがいた後
幸いにも
雨足も静かになっていく
テレビを見ると
床下浸水が数軒
爺の屋上浸水は
カウントされてはいない
一時間に44ミリとか
幸い雨漏りもとまり
後片付け
決算で打ち出された書類が
ビッショリ
にじんだその字はヘロヘロ
インクジェットは水に弱い
それを目の当たりに見て
一言
インクジェット印刷とかけて
熟女と解く
その心は
濡れ濡れにとても弱いかも
食事は終わった
だが
爺のお腹はすいている
とっても
なぜ~
って言ってる場合ではない
最後のお蕎麦残り2束
通販で頼んだ
山形庄内の板蕎麦
妻と二人で
他愛もない
妻の話を聞きながら
すするはずだった
そのはずだった
それが最悪なことに
妻の他愛もない話を聞く
それだけになってしまった
言い訳するわけじゃない
このお蕎麦
ご丁寧にも4ヶ所
紙テープで結束してる
爺は3ヶ所までだったら
目をつぶっててもはずせる
その自信はあった
なのに4ヶ所も...
悪いことは重なるもの
テレビで爺の好きなお相撲
いつもだったら
鍋に付ききりなのだか...
なぁ~に
大したことではない
2束のお蕎麦
湯がくときに
たったその内の1束のみ
それも4ヶ所の内の
たった1ヶ所の結束が
はずし忘れた
ただそれだけのこと
出来上がったお蕎麦
絵面的には面白いかも
ホウキのようになってる
アートとして見れば完璧
すばらしい
ただ残念ながら
ホウキ風の根元部分は
硬くて食せない
起こってしまった事
それは仕方がない
その後どうするかが
その人の値打ち
妻の前に
出来上がったおそば
一人前
爺の前には何もない
「あらパパのは?」
間髪いれずに
「腹具合が悪いので食べない」
しかめ面も忘れない
男らしいといえば
男らしい
どこがじゃ?
そんな言葉は聞こえない
後で何か口にすればいい
気楽に考えてた爺
今日に限って
まさに今日に限って
妻はお出かけにならない
トホホ
その上
なぜかくだらない話で
爺の周りをウロウロ
今一番言いたい言葉は?
そう聞かれたら
爺は迷わず答えます
「シッシッ」と
連休ともなれば
街には若者がたむろする
野郎どもだけ
おなごどもだけ
はたまた
男女のグループ
そして当然ながら
男女のカップル
ある男女のカップル
男子がジュースを買ってる
女子はと言えば
チャンスとばかり
数メートル下がり
やおら携帯をいじりだした
買い終わった男子
話そうにも
女子はそれに夢中
手持ち無沙汰のため
これまた携帯をいじりだす
オイオイお若いの
デートなんダロ
お互いいじるものが
違うんじゃないの?
おせっかいだと
わかっちゃいるけど
最近多いこんなカップル
会社でもそうらしい
友達が嘆いてた
朝出勤してきた女子社員
携帯をいじりながら
「おはようございます」
社員食堂でも
そして帰宅するときも
飲み会でも
ながら
いじってるんだとさ
そんなあなたにアドバイス
つめを切り
手を洗い
清潔にしていじってね
でないと
携帯が腫れてしまうかも

子供の時からそうだった
トップなんて真っ平
そんな器ではない
できれば
二番手か三番手ぐらい
だったら
いい仕事しまっせ
そう言いたい
我が家でもその通り
望みどおりとも言える
適正なポジション
これはとても大事なこと
そうでないと
なんと居心地の悪いことか
さてさて
あの道のテクニシャン
そう言われる人と
爺との差は
いったい何なのか?
直接聞けばわかるかも
でも手負いの爺になりそう
そこで
涼しくなった今日この頃
ちょっと考えてみたい
爺の右利きは半端じゃない
握力は
右が70ぐらいと自慢のタネ
ところが左は女性並み
左手はまさに不器用
そのもの
女子が仰向け
当然爺がうつ伏せ
そんな状態のとき
爺から見て左側に女子
これが爺のベストポジション
そうでないと
なぜか落ち着かない
てもネェ~
このポジションだと
当然メインハンドは左手
その左手は全くの不器用
とくりゃ~
結果は明々白々
なら
自慢の右手を生かすため
左に移れば
誰しも考えること
だけど言ったでしょ
それは爺にとって
適正なポジションじゃない
なぜかぎこちなくなる
唯一の解決方法は
左手を鍛えること
昨日ぶらりと
誰も住んでいない自宅へ
かつての子供の部屋に
転がっていました
ハンドグリップ
そう握力を鍛える道具
今右手でキーボード
左手はハンドグリップ
オイオイ
左手は鍛えられても
残された時間は?
それよりも
肝心のアレは?
色んな問題を含みつつ
その意図も不純だけど
爺の秋のスポーツの開始
まぁ~3日は持たないだろう
トントントントン
台所から聞こえてくる
母が包丁できざむ音
耳にとても心地よい
大昔のお話
いまや爺が刻もうとは...
さてさて
リズミカルな音は
耳に心地よく響く
お寺さんのお経も
ほとんど意味はわからないが
何か耳心地はよい
15日の祖父の月命日
前倒しで昨日
お寺さんに来ていただいた
爺より1歳若いお寺さん
いつも
張り過ぎず
通った声で
朗々としたお経
始まってしばらくして
お経が途切れた
ありゃりゃん
時間にして15秒ぐらい
その後は
何事もなかったように続いた
後ろに控えし我々への
眠気防止の一手なのか?
心音とともに
ピッピッピッピッと音がする
爺愛用の血圧計
だが居候の不整脈君
時々
その音を飛ばしてしまう
ありゃりゃん
リズミカルな動きや音
それは確かに心地よい
だが
マンネリにも陥りやすい
マンネリ打破を叫ぶカップル
そこで提案
誠心誠意
リズミカルに動かす男子よ
ちょっと
その動きをとめてみたら
いかがかな?
ありゃりゃん
と女子が
一瞬でも思えばしめたもの
また怒涛のごとく
励めばいい
だがその前の瞬間
「てめえ何してんだよ」
って言われて
吹っ飛ばされても
爺は一切責任は取りません
爺の処世術はといえば
グレーゾーン処世術
キーワードは
あいまいさ
さしさわりのない
そんなとこかな
何も好き好んでではない
元々は
白黒はっきりしてる性格
だが全ては平和のため
白黒決着のため
妻に
「満足してるかい?」
そう問う
「正直に言っていい?」
そう切り返されただけで
我が家の平和は
ぶっ飛ぶ
突然ネコ語がわかり
モこ助に
「お前うざいんだよ」
そう言われた日には
我が家の信頼関係が
ぶっ飛ぶ
ほのかに好きな女の子
「食事でもどう?」
そう誘って
「冗談がきつい」
そう言われた日には
爺に明日は来やしない
満足してるかも
ここで飼われてよかった
そう思ってるかも
ちょっと脈があるかも
そんなグレーゾーンに
身を漂わせてこそ
爺の立つ瀬があると言うもの
爺がよく言ってる
小さい、短い、弱い
これだって
人様から言われたことはない
なんとなくそう感じてるだけ
でも計測されて
極小、極短、虚弱
そう断定されたら
おかまになるしかない
だが
商売の世界ともなると
世の中そんなに甘くない
そんなグレーゾーン爺に
年に一回の鉄槌を下される時
それが決算
わが町の繁華街は
ご多分にもれず衰退の一途
当然我が商売も
なんとなくと言おうか
はっきりとでも言おうか
昨年を大幅に下回ってる
商売に携わってる爺としては
実感はもちろんある
でもそれは
あくまでかもの世界
しかし
決算で出た数字は冷酷だ
それをくっきりはっきり
浮き立たせる
これから数日間
税理士の先生とのやり取り
睡眠時間を充分に取り
適度な運動と食事を
医者がよく言うせりふ
それに似たようなことを
税理士さんに言われるのです
そんなのが出来たら
爺もはげはしなかっただろう
死ななきゃ治らない
死んでも治らないかも
それはずばり爺の性格
ど助平?
そういゃ~それもあるね
全てがギリギリ
切羽詰らないと
なかなか本気モードに
なれない
かといって
いつもギリギリなのだが
全てやり遂げてる
だからなおさら治らない
実は今年の決算
爺には自信があった
昨年自作のソフトで
必要書類の自動印刷
これを作り上げていたから
3日ありゃいいさ
税理士の先生を
今年は驚かせてやろう
8月半ばのことである
そこへ届いたのが
一通の封書
「決算到来につき...」
会計事務所からの
いつものお知らせ
いつもの文面
たった一つを除いて
必要書類の提出期限
毎年8月末まで
ところが今年は
9月10日まで
おまけに必ずがついてる
「ちょっと体調が悪くて...」
「先生ぶっちゃけ
いつまでだったら
間に合いますか?」
こいつは
毎年こう電話してくる
なら今年は
ぶっちゃけの期限で...
先生はそう考えたに違いない
ところがどっこい
これが爺に災いした
まだまだ日があるじゃないか
...と意欲が萎える
おかげで
本格的に取り掛かったのは
9月7日の日曜日
そして本日出来上がりました
改名いたします
ギリギリ爺誕生です
スーパーでの買い物
論語調で言えば
新しきを求めて底を探る
爺は小物ぶりを
いかんなく発揮する
買い物担当の妻
と言えば
これがまた大物
そんな細かいことなんか
全く気にしない
一緒に行った日なんか
このおっさん何してんの
てな目で見られる
店員の目より
身内のこの態度はつらいぞ
だが大物ではあるが
スーパにとっては思う壺
賞味期限間近
そんなのは当たり前
期限切れもままある
夫婦でちょうどいい
そう言えない事もありません
本日はOisixで取り寄せた
信州戸隠の本十割そば
その薬味を作るべく
昨日妻が買ってきた細ねぎ
冷蔵庫から取り出し
いざ刻もうとして驚いちゃった
包んであるセロファン
それをのけると
ピンとしてたかに見えたネギ
その中ほどからゲンナリ
しっかりこうべを垂れている
よく見ると
中ほどの数本が変色してる
つかまされたちゃったのね
でもこれほどのものは
選ぼうとしてもむずかしいぞ
ぴんと見せかけてたのは
アシスト役のセロファン
アンタは充分役目を果たした
すばらしい
さて問題はこのことを
妻に
言うべきか
言わざるべきか
もし言っちゃって
怒ってしまい
「アンタのアレがそうだから
つい私もそんなの選んじゃう」
てな具合に言われたら
当たってるだけに
爺はしばらく立ち直れない
さらにスーパーに
怒って駆け込まれても
たかがネギ一本に...
平和愛好家としては
大袈裟にはしたくない
そして
このネギ中折れ事件は
墓まで持っていくファイル
ささいな部 No.5210
として
封印されることになりました
爺は叫びます
ネギにとってセロファン
爺のあれにとっての
名アシスト役
出てきておくれ..と