雪がちらつき
寒さが厳しくなってきた
爺の店の横の
コインパークをはさんで
ラウンジHがある
わが町の高級料亭N
そこが直営するから
当然客筋はそれなり
毎日毎日
閉店の0時近くになると
黒塗りの公用車
タクシーなどがならぶ
当然爺の店の前にも並び
それはそれで腹立たしい
後ろも車で停滞
女の子も乗せるのに必死
だってこの寒さ
薄着の上にミニスカート
顔は精一杯の笑顔
だけど
気持ちは良くわかる
「早く乗って帰れ」
「そして寝ちまえ」
そう思ってるに違いない
もう終わりそうと思ったら
またダラダラと続く
妻の電話と同じ
乗りそうで乗らない酔客
後ろの車のクラクションで
やっと車がはけていく
ぶるぶる震えながら
店へ駆け込む女の子達
そしてここからが
あのバカヤローな酔客
彼等が知らない世界
その始まりだ~い
次々と
女の子を迎えに来る車
彼であったり
旦那であったり
そして
ロープだったり
爺も飲みに行くと
帰りだけは
すっぱり帰るよう
心がけてる
そしてもう一つ
江戸っ子の「三脱の教え」
これを努力する
初対面の人に
1.年齢 2.出身 3.経歴を聞かない
相手が言うまでは…
話術はと言えば
時代とともに変わる
昔なら禁句だった×いち
これも有効利用
「爺は×1だけど
×1以上の人手を挙げて」
てなこと言うと
「私×3」
てな意外な発言が飛び出し
場がとっても盛り上がる
しかしチェックも必要
後日
妻を連れて行こうものなら
どえらい目にあう
