
タイトル:めぐみ -引き裂かれた家族の30年
原題:Abduction The Megumi Yokota Story
製作国:アメリカ
ジャンル:ドキュメンタリー/2006年/90分(アメリカ版は85分)
映画館:シネ・リーブル神戸(102席)
鑑賞日時:2006年12月2日 (土),14:10~ 35人ぐらい
私の満足度:65%
オススメ度:60%
<序>
最初に、アメリカでこの映画がつくられると聞いたとき
なんだか、やられたなあという気がした。おそらく、
日本でもやろうとした人はたくさんいたことでしょう。
でも、スポンサーが集まらないとか、横槍がはいったとか、
あまりにも微妙な問題と考えたか?あるいは、テレビや
日ごろの報道以上の切り口が見つけられなかったか?
いやひょっとしたら、いつか実現しようと暖めつづけて
いるのかもしれない。いずれ日本発の、北朝鮮拉致問題を
題材とした映画ができることを望む。
<うろ覚え冒頭>
黒地に赤で、めぐみ 引き裂かれた家族の30年
暗転『はい、しゃべって』
ベッドで横になったまま、カメラに向かう老人。
酸素マスク越しにも、やせているのがわかる。
『るみ子 迎えにいけないけど、絶対(数文字不明)』
※拉致被害者、増元るみ子さんのおじいさん。
目の粗い画像。
紺のスカートに白い靴下、運動靴。
道を歩く女の子の後ろ姿。
『朝はいつもと同じで、行ってきまーすって言っていったんです。』
メインタイトル ABDUCTION
紺の制服の横田めぐみさんの写真。顔のアップ。
『シチューを作ってたんです。ディナーの』
母・横田早紀江さんのアップ
テロップ 1997.11.15
『あんまり遅いんで、学校まで迎えにいこうと』
『電気がついていたんで、少しほっとしまして』
『帰ろうかとも思ったんですが、折角きたので
入ってみようと』
目の粗い映像。新潟私立寄居中学校の校門。
校舎は、明かりがついている。
『そしたら、バトミントンの選手はだれもいなくて』
『もうそのときすでーにぞーっとなってね。ひゃーっ。こりゃおかしい。』
『弟(双子)も子供ながらにも、大変なことだとは
わかってるみたいで、ライトをもって。
めぐみちゃーん、めぐみちゃーんてさけんで。』
父『日本銀行に勤めてまして、その日新しく来た人の
歓迎会で、遅くなると』
母『早く帰ってきてーって、いったんです。』
海。波。海岸で、捜索をする人たち。1週間後の公開捜査。
<ストーリー>
1977年11月15日、新潟に住む横田めぐみさん(当時13歳)が
下校途中に突然姿を消した。家出、誘拐の可能性と見て、
警察の捜査が始まる。めぐみさんの両親、横田滋さん、早紀江さんは、
あらゆる手段で、めぐみさんを探し続けるが手がかりは得られなかった。
2年後、早紀江さんは日本海側でのアベック失踪事件の記事を目にする。
わが子も北朝鮮に拉致されたのではないか。そして、事件から20年後の
97年、北朝鮮元工作員によって、めぐみさんが北朝鮮に拉致され、
今も北朝鮮で生きていることが明らかにされる。
<感想>
この事件を知らない人もわかりやすいように時系列に沿いながら
ニュース映像も効果的に使いうまくまとめているなあと感じた。
会場は、中高年の女性が多く、かなりの方のすすり泣く声を
聞かれた。そのピークであったのは、第1回目の小泉首相
訪朝時、8名死亡の報道後の家族の方々の記者会見。
もうひとつは、5人の拉致被害者の帰国のシーン。いずれも
日本人にとってはよく知られた場面であるが、改めて見ても
衝撃的だった。
前者の会談時の小泉首相の緊張した表情。
その前には、お母さんの
『めぐみちゃん、また前のように面白いこといって
楽しく話し合いましょう。』という発言があり、期待感を
もたれていることが感られるだけに、死亡との発表の落差
たるや、あまりにも残酷。当時一部で『めぐみさん生存』
との報道もなされたということも思い出される。記者会見では
お父さんがポロポロと大粒の涙を流すなか、お母さんの
あまりにも気丈な発言。
『絶対にこのなにもないいつ死んだかわからない
ようなことを信じることはできません。』
『いずれ人はみな死んでいきます。』
『いつもいつもめぐみちゃんのことを愛してくださり
祈ってくださった方々に感謝をいたします。』
後者の再会のシーンでも、日本で待ちわびる家族や友人たちの
表情を中心に追い、帰国者が飛行機のタラップの上に姿を現したときの
テレビに群がる友人たちのリアクション。さらに、帰国者が
そのなかへ飛び込んでゆく姿と、感動的に編集されている。
これらのほかに、
・1979年小川宏ショーの尋ね人コーナー出演したお母さんの映像
・横田めぐみさんが流浪の民の
『慣れし故郷を放たれて 夢に楽土求めたり』を独唱する音声
など、知らないシーンも多々あった。
だが、結局のところここ何年か連日のように拉致に関する報道が
なされている日本においては、おさらい的な意味合いが強いかな
と思いました。
<アメリカでは?>
というわけで、じゃあアメリカでは、どれくらい上映
されているのか?とHPを捜しました。すると、今まで
上映されていたのは映画祭など単発のもので、いわゆる
ロードショーとしては、日本より1日早い11月24日の
ワシントンDCのひとつの映画館のようです。
入場料金6.75ドルで、1日1回の上映、最初の3日間で
5034ドル、約750人。1週間の上映予定を1週間延長
とのことで、それは喜ばしいことなんでしょうが、
日本(公式HPによると72の映画館で上映予定)と比べると
小規模。今後、拡大して公開されることを期待しながら
しばらく状況を見守りたいと思います。
参考サイトにしたサイト
http://www.safarimedia.net/
http://abductionfilm.blogspot.com/
http://www.boxofficemojo.com/movies/?id=abduction.htm
<親による子供の拉致>
アメリカのサイトで本映画のレビューをみていると、
「日本人と結婚して子供ができたが、子供ごと日本に
連れて帰られた」云々の話に2件出くわした。
「日本はG7のなかで唯一、国際的な子供奪取の民事面に
関するハーグ条約にサインしていない」という指摘もあった。
国家ぐるみの犯罪と、夫婦間の問題は違うだろうと違和感を
感じた。
しかし、他人の誘拐も、親権を認められていない親の拉致も
同じ刑事犯罪の国が多いとのこと。確かに連れていかれた方
にしてみれば、自分に一切非がなくとも、子供に一生
会えないかもしれない。
でもなあ・・・と思うのは、その立場になったことが
ないからだろうか。
めぐみ-引き裂かれた家族の30年 - goo 映画
めぐみ-引き裂かれた家族の30年@映画生活
原題:Abduction The Megumi Yokota Story
製作国:アメリカ
ジャンル:ドキュメンタリー/2006年/90分(アメリカ版は85分)
映画館:シネ・リーブル神戸(102席)
鑑賞日時:2006年12月2日 (土),14:10~ 35人ぐらい
私の満足度:65%
オススメ度:60%
<序>
最初に、アメリカでこの映画がつくられると聞いたとき
なんだか、やられたなあという気がした。おそらく、
日本でもやろうとした人はたくさんいたことでしょう。
でも、スポンサーが集まらないとか、横槍がはいったとか、
あまりにも微妙な問題と考えたか?あるいは、テレビや
日ごろの報道以上の切り口が見つけられなかったか?
いやひょっとしたら、いつか実現しようと暖めつづけて
いるのかもしれない。いずれ日本発の、北朝鮮拉致問題を
題材とした映画ができることを望む。
<うろ覚え冒頭>
黒地に赤で、めぐみ 引き裂かれた家族の30年
暗転『はい、しゃべって』
ベッドで横になったまま、カメラに向かう老人。
酸素マスク越しにも、やせているのがわかる。
『るみ子 迎えにいけないけど、絶対(数文字不明)』
※拉致被害者、増元るみ子さんのおじいさん。
目の粗い画像。
紺のスカートに白い靴下、運動靴。
道を歩く女の子の後ろ姿。
『朝はいつもと同じで、行ってきまーすって言っていったんです。』
メインタイトル ABDUCTION
紺の制服の横田めぐみさんの写真。顔のアップ。
『シチューを作ってたんです。ディナーの』
母・横田早紀江さんのアップ
テロップ 1997.11.15
『あんまり遅いんで、学校まで迎えにいこうと』
『電気がついていたんで、少しほっとしまして』
『帰ろうかとも思ったんですが、折角きたので
入ってみようと』
目の粗い映像。新潟私立寄居中学校の校門。
校舎は、明かりがついている。
『そしたら、バトミントンの選手はだれもいなくて』
『もうそのときすでーにぞーっとなってね。ひゃーっ。こりゃおかしい。』
『弟(双子)も子供ながらにも、大変なことだとは
わかってるみたいで、ライトをもって。
めぐみちゃーん、めぐみちゃーんてさけんで。』
父『日本銀行に勤めてまして、その日新しく来た人の
歓迎会で、遅くなると』
母『早く帰ってきてーって、いったんです。』
海。波。海岸で、捜索をする人たち。1週間後の公開捜査。
<ストーリー>
1977年11月15日、新潟に住む横田めぐみさん(当時13歳)が
下校途中に突然姿を消した。家出、誘拐の可能性と見て、
警察の捜査が始まる。めぐみさんの両親、横田滋さん、早紀江さんは、
あらゆる手段で、めぐみさんを探し続けるが手がかりは得られなかった。
2年後、早紀江さんは日本海側でのアベック失踪事件の記事を目にする。
わが子も北朝鮮に拉致されたのではないか。そして、事件から20年後の
97年、北朝鮮元工作員によって、めぐみさんが北朝鮮に拉致され、
今も北朝鮮で生きていることが明らかにされる。
<感想>
この事件を知らない人もわかりやすいように時系列に沿いながら
ニュース映像も効果的に使いうまくまとめているなあと感じた。
会場は、中高年の女性が多く、かなりの方のすすり泣く声を
聞かれた。そのピークであったのは、第1回目の小泉首相
訪朝時、8名死亡の報道後の家族の方々の記者会見。
もうひとつは、5人の拉致被害者の帰国のシーン。いずれも
日本人にとってはよく知られた場面であるが、改めて見ても
衝撃的だった。
前者の会談時の小泉首相の緊張した表情。
その前には、お母さんの
『めぐみちゃん、また前のように面白いこといって
楽しく話し合いましょう。』という発言があり、期待感を
もたれていることが感られるだけに、死亡との発表の落差
たるや、あまりにも残酷。当時一部で『めぐみさん生存』
との報道もなされたということも思い出される。記者会見では
お父さんがポロポロと大粒の涙を流すなか、お母さんの
あまりにも気丈な発言。
『絶対にこのなにもないいつ死んだかわからない
ようなことを信じることはできません。』
『いずれ人はみな死んでいきます。』
『いつもいつもめぐみちゃんのことを愛してくださり
祈ってくださった方々に感謝をいたします。』
後者の再会のシーンでも、日本で待ちわびる家族や友人たちの
表情を中心に追い、帰国者が飛行機のタラップの上に姿を現したときの
テレビに群がる友人たちのリアクション。さらに、帰国者が
そのなかへ飛び込んでゆく姿と、感動的に編集されている。
これらのほかに、
・1979年小川宏ショーの尋ね人コーナー出演したお母さんの映像
・横田めぐみさんが流浪の民の
『慣れし故郷を放たれて 夢に楽土求めたり』を独唱する音声
など、知らないシーンも多々あった。
だが、結局のところここ何年か連日のように拉致に関する報道が
なされている日本においては、おさらい的な意味合いが強いかな
と思いました。
<アメリカでは?>
というわけで、じゃあアメリカでは、どれくらい上映
されているのか?とHPを捜しました。すると、今まで
上映されていたのは映画祭など単発のもので、いわゆる
ロードショーとしては、日本より1日早い11月24日の
ワシントンDCのひとつの映画館のようです。
入場料金6.75ドルで、1日1回の上映、最初の3日間で
5034ドル、約750人。1週間の上映予定を1週間延長
とのことで、それは喜ばしいことなんでしょうが、
日本(公式HPによると72の映画館で上映予定)と比べると
小規模。今後、拡大して公開されることを期待しながら
しばらく状況を見守りたいと思います。
参考サイトにしたサイト
http://www.safarimedia.net/
http://abductionfilm.blogspot.com/
http://www.boxofficemojo.com/movies/?id=abduction.htm
<親による子供の拉致>
アメリカのサイトで本映画のレビューをみていると、
「日本人と結婚して子供ができたが、子供ごと日本に
連れて帰られた」云々の話に2件出くわした。
「日本はG7のなかで唯一、国際的な子供奪取の民事面に
関するハーグ条約にサインしていない」という指摘もあった。
国家ぐるみの犯罪と、夫婦間の問題は違うだろうと違和感を
感じた。
しかし、他人の誘拐も、親権を認められていない親の拉致も
同じ刑事犯罪の国が多いとのこと。確かに連れていかれた方
にしてみれば、自分に一切非がなくとも、子供に一生
会えないかもしれない。
でもなあ・・・と思うのは、その立場になったことが
ないからだろうか。
めぐみ-引き裂かれた家族の30年 - goo 映画
めぐみ-引き裂かれた家族の30年@映画生活
ようやく記事を発見し、喜んでおります。
ところで
12/16に渋谷を初め各地で拉致被害者のための
「日米合同集会」があるそうです
渋谷には横田夫妻も参加されます
僕も行ってみようと思っています
どんなに会いたかったことだろう。そして地村さんの
お母さんも、もう少し生きていられたら・・・
拉致被害者の家族の方達、どんなに辛い年月だろう。
拉致された方達も・・・・。
めぐみさん。まだ13歳だった。子供ですよ。
そんな少女がさらわれて・・・。今も遅々として
進展せず・・・。この映画によって非道な事実を世界中に知ってもらい解決の一助になってくれたらと願わずにはいられません。
HPみせていただきました。たくさん曲を作って
られるんですね。私も幼稚園のときにバイオリンを
やったことがるのですが、1年でポシャッテしまい
ました。それに、「日米合同集会」にも行かれるとは
行動的ですね。私も、1日も早く拉致された方が
無事帰国されるようお祈りいたします。
増元るみ子さんのお父さん(私、失礼なことにおじいさんと書いていましたね。コメントのおかげで気づき、訂正しました。ありがとうございます。)には
少しびっくりしました。
『地村さんのお母さんも、もう少し生きていられたら・・・』のところは、同時に初期の段階(70年代末頃)で日本の警察のもっている情報が、拉致被害者の家族に伝わっていれば・・・と思います。
私が見た時は、お客さんがたくさん入っていて、関心の高さがうかがえました。
この映画が、アカデミー賞のドキュメンタリー部門賞でもとれば、もっと世界の人に感心を持っていただけると思います。
とにかく、全世界の人に知ってもらうことが大事なんで、自分の問題としてこの映画を作られたクリス・シェリダン 、パティ・キム監督に拍手です。
でも、テレビなどの報道でひと通り知っていたはずが、改めて見ると、「ああ、こんなこともあったよな」と、記憶の隅のほうにいっていたことがたくさんありました。
事件を知らずに見たら、北朝鮮という国の異常さに、かなり衝撃を受けると思います。アメリカでも、もっとたくさんの人が見るといいですよね。
韓国では上映しているんでしょうかね?
確かに私の見た会場でも多かったです。
>私が見た時は、お客さんがたくさん入っていて、
>関心の高さがうかがえました。
関西では、話題になってるわりに上映会場がすくないように思いました。行こうとおもってたところが、終わってたり、1日1回になってたり。。。
>とにかく、全世界の人に知ってもらうことが大事な
>んで、自分の問題としてこの映画を作られたクリ
>ス・シェリダン 、パティ・キム監督に拍手です。
賛成!!
>改めて見ると、「ああ、こんなこともあったよな」
>と、記憶の隅のほうにいっていたことが
>たくさんありました。
私も同じです。あまりテレビをみてないほうなので
拉致被害者の帰国シーンを、あんなに丁寧にみたことはありませんでした。感動的でした。
また、被害者家族へのバッシングのきっかけとなった
小泉首相帰国時の発言ですが・・・。はじめてみたのですが、映画のシーンに関する限りこれがきっかけ?
という感じで、新聞等での「激しく抗議」には
みえませんでした。横田夫妻中心の映像だから
激しくなかったのでしょうか?
韓国での上映:残念ながら情報なしです。
アメリカのBOXOFFICEのHPで、映画によっては各国の上映・興行売り上げがでてたりするのですが、この映画に関しては、いまのところ日本も上映記録も入っていません。