未来を生きる君たちへ [DVD] | |
角川書店 |
DVD発売予定2012年3月2日
日本劇場公開 2011年8月13日
【序】
私が年間に100本見る映画のうち約10本を見るのがこの京都シネマ。
もちろん会員。昨年上映された140本の映画のなかから会員投票に
よって選ばれた上位3作がアンコール上映されるという、ありがたい企画。
3位の「キックアス」、2位の「冷たい熱帯魚」と、既にみて満足度の高い
作品だっただけに、大きな期待をもって、未見の1位を見に行きました。
土曜日のお昼、開始時間ギリギリに受付に滑り込む。
「未来1枚」
「お立ち見になりますがよろしいですか」
「うっ。何人ですか?」
「9人ですが、片側通路ですのでかなり前になります。」
「う~ん。お願いします。」
前から2列目あたりの通路の床に座る、かなりの急角度。
【冒頭】
アフリカの砂漠、砂が舞う。中年白人の男のアップ。ジープの荷台、
黒人の横に座っている。ジープを追いかける子供たち、手を振ったり
表情はにこやかだ。男が、子供たちのなかに、サッカーボールを
投げ入れる。弧を描いてバウンドしたボールを子供たちが楽しそうに
蹴り始める。
メインタイトルHAEVNEN(後ほど説明)
テントの中、先ほどの白人(アントン)が黒人の治療をしている。黒人の助手、
看護婦が数人。患者はずらりと50人ぐらい並んでいる。
アントン『あと2人だ。あと2人』
車椅子に乗せられた女性が、ものすごい勢いで運ばれてくる。
患者達が列をなして座っている通路を駆け抜け診察室へ。振り向くアントン。
アントン『手術だっ』
あわただしく動く、看護婦たち。白衣とマスクをする、アントン。
大きく立てに切り裂かれたお腹。
テントを後にする、アントンと助手。
アントン『あの傷には見覚えがある。』
助手『ビッグマンの仕業だ。彼らは男か女かの賭けをして妊婦を襲う。』
【メインタイトル】
冒頭で、画面に現れた、メインタイトルは、HAEVNEN。デンマーク語。
英語の天国とは少しつづりは違うものの、日本のタイトルも、明るい感じの
ものなので、天国という意味なんだろうなと思って、最後までみました。
【ストーリー】 --- 少しネタバレ
3人の暴力男と、2組の父子。アフリカの難民キャンプ、デンマークの学校と
街。どこにも理不尽な暴力が溢れている。一方、家族の問題も深刻だ、
難民キャンプの医師・アントンは、これまた医者の妻と別居。自分の一時の
浮気が原因だ。でも、悔いている。戻ってきてほしいと妻に言う。だが、妻は
愛しているとかいないとか、嫌だとかいう次元ではなく、それがもうできなく
なってしまったようだ。おびえるよな感じで「無理なの」という。
二人の子供、長男のエリアスは中学校で"ネズミ顔"といじめられている。
そこへ転校してきて隣に座ったのは、クリスチャン。彼は最近、母をガンで
失った。様々に転移し、最後には脳にまで転移したというガンの前に、
彼の父は治療をあきらめる。それがクリスチャンは許せない。なぜ、なぜ
最後まで闘わないのか?最後の望みを絶ち切ってしまったのか?この、
イケメンくんは、"正義感"でいっぱいだ。もともとの性格的なものもあるの
だろうし、転校したのも母の死だけが原因ではなく元の学校での問題が
あったのかもしれたない。さらには、おじいさんの持ち物であった大量の
火薬は、血筋を示しているのか?そして、おそらく、母の死がさらに、
彼を先鋭化させているようだ。イケメンくんの復讐がはじまる。
【感想】--かなりネタバレ
全編緊張感をもって見れた。一発触発。世の中は、危険なことがいっぱい
だし、家族も一歩間違えれば崩壊しそうだ。緊張感が高まるのは、対比的
に、家族やコミュニティが丁寧に描かれているからだろう。そこで、大人は
できる範囲でなんとしようと葛藤する。どこまで有効かはわからないし、
ときとして無力感におそわれるだとうなあというシーンもでてくるが、経過と
ともにこの二組の家族にだんだんと感情移入していけた。冒頭でみた
”天国”というタイトルを思い出しながら、たぶん大丈夫だろうけど、どうか
誰も死にませんように、大きな事件が起こりませんようにと、ハラハラ感が
さいごまで続いた。
いろいろあったけど、最後に、二人の中学生の絆は握手をする。したと、
思う。両家族も集まる。最近みた映画「灼熱の日」で、『一緒にいることが
一番大事』というセリフがあったが、まさにそんな感じ。この映画では、
報復は描かれるが、それに対する報復はない。そうであればこの世の中
どんなに素晴らしいことかと思う。それこそまさに"天国"だ、と思った。
「未来を生きる君たちへ」という邦題も、悪くないと思った。
【メインタイトル2】
家に帰って、原題HAEAVNENの意味を調べてみた。「復讐」
やはり、ラストシーンの幸福なところでは、おわらなかったか。
次に二人の中学生が登校するときには、大勢に取り囲まれて袋叩き。
家に帰れば、家ごと吹っ飛び、アフリカでは、ビッグマンの一味が、難民
キャンプに、弾丸の嵐を降らせるかもしれない。復讐を考えればきりがない。
ラストシーンの天国を、一瞬に終わらせたくなければ、まずは、考え続ける
しかない。"天国"で、ああよかったと思ってしまってはいけない。
そのように考えると、間違って解釈したメインタイトル"天国"は、見ている
ときの安心感をもたらせてくれたものの、"復讐"が、やはりぴったりくる。
ちなみに、英題「IN A BETTER WORLD」直訳すると「より良い世界で」も、
明るい感じで、日英ともに、客を呼ぶには良いタイトルだろう。
だが、映画にでてくる大人たちは、日本よりもずっと子供の本質的な教育に
熱心であり、大人から子供へ上から目線的な邦題は、気恥ずかしい。
9・11以降、復讐で自信を失っている?アメリカは、わざと抽象的なタイトル
にしたのか。いまの時代に「復讐」とタイトルがつけられるデンマークが、
いちばん、まともな気がしてきました。(満足度70%)
ですが、私の周りでも中々観た人がいなくて…
検索して、こちらのブログに辿りつきました。
>次に二人の中学生が登校するときには、大勢に取り囲まれて袋叩き。
家に帰れば、家ごと吹っ飛び、アフリカでは、ビッグマンの一味が、難民
キャンプに、弾丸の嵐を降らせるかもしれない。
それは、私も思いました。
あの粗暴な修理工ラースが、あるいは野蛮なビッグマンの一味が黙っている訳がない。
しかしあの二人の少年の友情や、その家族との交流から、最後は暖かな希望の光を、確かに感じ取りました。
それこそがこの映画のメッセージであると思いたいですね…
確かにこの映画、私のまわりでもあまり見た人が
いないんですよね。もったいない。でも
最優秀外国語映画賞ですから、見ている人は
みているんでしょう。
個人的には、この作品とことしの「別離」と
アカデミー賞最優秀外国語映画賞は2年連続
ヒットです。
ところでブログをみせていただきました。
範囲がひろいですね。今日の話題は、肥満。
BMI26台で25以下を目指しているのですが、
BMI30以上の国別比較をみて、日本が3%ですか
自分まで気にしなくていいような気がしてきて
怖いです。
最近の取り組みとしては、夜は食べる量を
減らそうとおもっても減らない(がまんできず
たべしてまう)ので、がまんせざるをえない
就業時間中の、昼を減らす作戦、そのかわり
朝を少したべることにしたんです。
で、結果は今年になってからの最高体重に
なってしまいました。作戦ミスか?