もっきぃの映画館でみよう(もっきぃの映画館で見よう)

年間100本の劇場鑑賞、音声ガイドもやってました。そんな話題をきままに書きます。ネタバレもありますのでご注意を。

邦画5本 博士の愛した数式、THE有頂天ホテル、コアラ課長、エレ・エレ・レマ・サバクタニ、燃ゆるとき

2006-03-05 13:37:17 | その他(邦画)
「スタンドアップ」で好スタートを切った2006年ですが、いまのところ
それに続くのが「スキージャンプ・ペア」で、それを超える作品がなく、
オリンピックの前半のようにちょっと盛上りに欠けております。でも
ここで一気に邦画5連発行ってみましょう。
作品名(満足度・映画館)、ヤフーから引用したストーリー、感想
の順に、おもしろかった順で5作品駆け抜けます。<ネタバレ少々ありです>

博士の愛した数式 (65%:道頓堀東映バラス)
(物語)元大学教授の数学者(寺尾聰)の家に派遣された
家政婦の杏子(深津絵里)は、彼が交通事故の後遺症で80分しか
記憶がもたないことを告げられる。戸惑う杏子だが、ある日、
彼女の息子(齋藤隆成)と数学者が会い……。
(感想)実に潔い映画でした。演技が心地よかったです。
特に、深津絵里の、適度な早さの包丁さばきに、ハンバーグをこねる姿、
料理をする女性の美しさが表現されていたように思いました。とても楽しそうに
手間をかけてつくる様子は、はたしてどんなものができるのかという
わくわく感がありました。博士の寺尾聡がみとれているのも納得です。
でも最初と最後がどうも。。。

最初のシーン、授業の合間の休み時間に「円周率がどうして3じゃないの」とか
そんな会話生徒がするかなあ?黒板に、マグネットでいろいろ貼り付けるのも
私がそういう授業をうけてなかったからか違和感を感じました。授業自体はとても
おもしろかったのですが。そして、教師役の吉岡秀隆がルートと呼ばれるようになったわけを話しだす回想シーンの導入部。教壇から窓越しに海をながめ、かなり大きめの波がアップになって、窓越しか直接の波になって、カメラが振って田舎の道で自転車をこぐお母さんの深津絵里の登場。なんとも、いかにもな感じ。しかも、窓越しの波の映像がかなり水平に近くって、これって海岸にある学校なんでしょうか?いつの時代かわかりませんがセキュリティもなにもあったもんじゃないなあと、教育実習で数学を教えたからか、気になってしまいました。
最後もはなんだかよくわからなくって終了。

でも、配役はバッチリですねえ。派手な浅丘ルリ子とのコントラストもいい
雰囲気だったし阪神・江夏を球場でみた世代として「28が完全数」というのも
なんだかうれしくなります。

帰りに道頓堀を歩いていると、一個200円のたこ焼きを売ってまして、高いなあと
思いながらも、直径が2倍なら面積は4倍体積は8倍だとか考えて買いましたが、
ちょっと無理があったようです。
http://www.hakase-movie.com/

THE有頂天ホテル(60%・京都・東宝公楽)
(物語)大晦日を迎えた「ホテルアバンティ」では、ホテルの威信がかかった
年越しカウントダウンパーティーの準備で大忙し。そんな中でも副支配人の
新堂平吉(役所広司)は、様々な問題に機転を利かせて対応するのだが……。
(感想)50億円突破というだけあって、よくお客さんはいってました。
京都で唯一残った昔からの東宝系の映画館。長くつづいてほしいものです。多彩な俳優さんで、笑わせていただきました。あまりにも有名な役者さんが多くて、オダギリジョーも唐沢寿明もあとからHPをみて知りました。一番笑ったのは、役所広司のスピーチと西田敏行のバスロープの帯を麻生久美子が引っ張るシーン。ギターの小物、携帯電話、アヒル小道具をつかった時間をかけたギャグはご苦労様という感じで、ドタバタ感は舞台向きじゃないのかな?
http://www.uchoten.com/

コアラ課長(55%・テアトル梅田)
(物語)韓国のキムチ業者との契約を取り付け、順調に仕事をこなす漬物会社の
敏腕“コアラ”課長の田村(破李拳竜)だが、恋人の洋子(エリローズ)が惨殺されて しまう。刑事の小野(野村宏伸)は、田村を容疑者として疑う。
(感想)「いかレスラー」に続く川崎実監督動物シリーズだそうで、きっとぶっ飛んだ作品だろうと思って生きましたが、思ってた以上にぶっ飛んでいました。
レイトショーのみの上映ながら、なぜか若い女性が多く8割の入り。
オープニングで虹色のお花畑に、漫画のコアラが登場すると「カワイィー」の声。
前半は、きぐるみのコアラと普通に接している人間がなんとも不思議な空間を
かもしだして興味深く見れました。着ぐるみなのに、ハンカチで汗を拭くしぐさを
多様したり、携帯電話を耳にあてると目の辺りまでしかどどかないけど普通に
しゃべっているとか、見ている人は違和感を感じているのですが、映画の中の人は
みんな普通にコアラに接してるんですね。なんとなくわらけてきました。途中、コアラが精神科医に悩みを相談にいくのですが「君ほど正常なコアラはいない」と説得されるのがおかしかったです。「いかレスラー」のときと同じようにほかの着ぐるみも おもわぬ展開ででてきたりして会場でもうけてました。
でも、そこまでかなあ、期待した格闘シーンは残念ながら本格的なものではなく
西城秀樹の登場も感激というところまではいきませんでした。
http://www.koala-kacho.com/

エレ・エレ・レマ・サバクタニ(50%・テアトル梅田)
(物語)2015年、世界では人々を自殺へと追い込むレミング病という謎のウイルスが
まん延していた。世間から離れ、自然の音を集めてくらすミズイ(浅野忠信)と
アスハラ(中原昌也)は人々の不安とは無関係の静かな生活を送っていたが……。
(感想)冒頭の砂浜、手作りの円錐形テントがならぶところを2人の男がガスマスクを付けてあるくシーン。よくみると一人の男がもっておいるのは集音マイク。
このあたりは結構期待感がたかまったのですが、何がいいたかったのかわから
ないまま終わってしまいました。
レミング病にかかった宮崎あおい(やる気のない役柄もうまくこなしてました)と、その祖父でなんとか直そうとする筒井康隆、ペンションを切り盛りする岡田真茉莉子は、自分にとっては久々にみたなあという感じでまあよかったかな。
http://www.elieli.jp/top.htm

燃ゆるとき(40%・道頓堀東映) <かなりのネタバレです。>
(物語)アメリカ進出も果たした、東京・築地市場生まれの食品会社東輝水産は、
安価なアジア企業に押され、工場の再生が不可欠となっていた。そんななか、
特命を受けた資材担当の営業マンの川森潔(中井貴一)が単身渡米する。
(感想)2002年、東映は佐々部清監督で「陽はまた昇る」を製作、日本ビクターのVHSとベータの戦いを描いていました。見に行くまでは、どうせプロジェクトXの方がおもしろいだろうと思っていたのですが、見てみると西田敏行の濃い演技と、珍しいヘコヘコする渡辺謙の演技にものせられて、まさに映画ならではの感動がありました。ドラマとしてのリアリティというか、迫力がありました。
ところがこの映画では、ほとんどそういうものが感じられなかったです。カップラーメンをつくるところは工場見学<実際、甲府の工場で撮影>のようでおもしろかったのと原料がなくなってきてあせる感じは、共感できるものがありましたが、それくらいかなあ。全般的になんかとても浅く感じました。
原料の油の価格交渉も一晩で下がってしまうし、新商品のレモン味のチキンもあっさりヒット商品になってします。単身赴任、レイオフの取り上げられ方にも新鮮味なし。
後半、急展開して、いかに日本の会社が海外で狙われているかというところが見せ場。人種と昇進問題、セクハラのでっちあげ、組合設立をつかったゆさぶり、背後に投資銀行シックスツリー(これって六本木ヒルズ族への皮肉?)なんとアメリカというところは恐ろしいところかといまさらながら思いますが、ラストの一番盛上るはずのところも、そんなうまいこといくかなあというなか、めでたしめでたしという終わり方も残念でした。

実話をもとにしている原作はこんなつまらないはずはないと思って「燃ゆるとき」(角川文庫)を読みました。ところが、全然映画の場面がでてこないんですね。モデルとなった東洋水産(マルちゃんの赤いきつねの会社)が築地のちいさな魚屋から、三井物産、日清食品との競争(侵略といっていいかも)を乗り越えて成長していくかというものでした。これを読むと日本の企業もアメリカとはやり方は違いますがエグイですねえ。
経済小説というだけあって、融資・上場・特許(なんと日経新聞も悪役で登場)がキーワード。もっとプロジェyクトX的に、ものづくりの苦労を描いたものを期待すると映画と同じくはずされます。あとから知ったのですが、東洋水産のHPによると、『原作は、東洋水産の会社設立から30年間の足跡を描いた「燃ゆるとき」と、1989年からの アメリカ即席麺事業の展開を描いた「ザ エクセレント カンパニー/新・燃ゆるとき」(角川文庫刊)です。』とあり、まさに映画は後半のほうでした。

最後にアマゾンの「BOOK」データベースの説明から「新・燃ゆるとき」を引用します。この内容だと、映画の内容としてしっくりきます。ここまできたのでそのうち読もうとは思いますが。。。

引用開始
「サンマル」のブランドで知られる大手食品メーカー東邦水産は、
サンマル・INCを立ち上げ、即席麺の米国市場に進出した。
長年悩まされた赤字からもようやく脱却し、第二工場も稼動を開始するが、
セクハラ問題、ユニオン対策など、従業員の文化の違いに直面する…。
山積する問題に、「事業は人なり」の理念で臨んだ結果は、
米国市場トップシェアの獲得だった!市場原理主義を標榜する米国で、
日本型経営の成功を描く力作長編。
引用終わり(映画では、サンサン・INCで、マルちゃんと同じ丸顔で舌が
左唇のはしにすこしでている満足げな顔のマークがブランドになってますが、
Sのマークがついた帽子をやや斜めにかぶっています。)

http://www.toei.co.jp/moyurutoki/
東洋水産のHPに撮影エピソードが載ってます
http://www.maruchan.co.jp/moyurutoki/episode.html


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