タイトル:チェンジリング
ジャンル:いろいろ/2009年/142分
映画館:TOHOシネマズ二条
鑑賞日時:2009年4月2日(木)
私の満足度:65% (緑が多く電車が走るロサンゼルスの街並みや、ローラース
ケートでフロアを駆け巡る電話交換室、土曜日がお休みの小学校など当時の生活
感が伝わってきたのがよかったです。つかみはOK)
オススメ度:65%
【序】
3月はとうとうブログ更新なしという筆不精ぶりを発揮しておりますが、映画の
ほうは最近あたりが多く、ペネロペクルスの「エレジー」、デジタルリマスター
版「ロッシュフォールの恋人たち」「シェルブールの雨傘」の3本は1-3月期
のベスト1,2,3ダーッという感じです。そののりで、評判の高い「チェンジリン
グ」にかなり期待をもって行ってきました。仕事帰りで、映画終了から電車の発
車まで2分しかなかったのですが、チケット売り場で「エンドロールは何分です
か?」と聞くとファイルを開けて「3分です。」と回答をいただき、このあたり
のシステマティックな対応はさすが一人勝ちの東宝さんといつもながら感心させ
られます。まずは、ストーリーの引用から。
【ストーリー:gooより引用】
1928年。ロサンゼルスの郊外で息子・ウォルターと幸せな毎日を送る、シング
ル・マザーのクリスティン。だがある日突然、家で留守番をしていたウォルター
が失踪。誘拐か家出か分からないまま、行方不明の状態が続き、クリスティンは
眠れない夜を過ごす。そして5ヶ月後、息子が発見されたとの報せを聞き、クリ
スティンは念願の再会を果たす。だが、彼女の前に現れたのは、最愛のウォル
ターではなく、彼によく似た見知らぬ少年だった。
[ 2009年2月20日公開 ]
【鑑賞前の予想】
別の子供が帰ってくるのだから、これはきっと警察の仕業。何かのミスで子供を
殺してしまって、証拠隠滅のために別の子供をおしつけたんだろう。そのまま騙
し続けることはできないから、この子もまた行方不明か、事故を偽装するとかで
いなくなって、「折角見つかったのに残念でしたねえ」とごまかす警察。母親
(アンジェリリーナ・ジョリー)はどうやって真実をつきとめるのか?みたいな、
そういうのを予想してました。
注)別に警察に恨みがあるわけではございません。
【感想(大ネタバレ)】
全般的には、緊張感とぎれず思わぬ展開ということもあって、最後まで興味を
持ってみれたのですが、どうも気持ちがのりませんでした。振り返ってみると3
つ原因があるように思い、完全ネタバレになってしまいますが、私の評価がいま
いち高くない理由でもあるので説明させてください。ただ内容はあまり丁寧に説
明していませんので、既に見た人向きです。
その1:伏線の意味
どこまで事実かはわからないのですが誘拐当日の演出は、母親にとって自責の念
に駆られることばかり。子供と映画に行く予定が仕事でキャンセルになり、早く
帰ろうと思ったのに上司に話かけられて電車に乗り遅れる。さらに家をのぞいて
見てと頼んでおいた人はどうもも見てくれなかったようで・・・。サスペンスな
ら、裏でそうなるように仕掛けてた奴がいてあとから重要になる筈で、丁寧に描
くところなんでしょうけど、今回そんなことする必要あったのかなあ。特に家に
帰って息子が見つからず、冷蔵庫をあけると手つかずのサンドイッチがあるのを
みると、「電車に乗り遅れるシーン」いらなかったんじゃないのと後から思えて
きて、どうもかみ合わない感触がだんだんとつのってくるのでありました。
その2:捜そうとする描写の少なさ
子供いなくなったらまず捜すでしょう。警察に頼むにしても、自分で写真をもっ
て一軒一軒訪ねて「この子みませんでした?」とか。消えた日は、そういうのあ
りましたが、そのあとはそういうシーンがなくって、ひたすら電話で「探し人セ
ンター」みたいなところに電話をかけるシーンばっかり。それって会社の電話
じゃないの?と突っ込みたくなるぐらいでした。連れて行かれたとされる牧畜場
に行ったり、遺留品を調べるシーンもなく、できるだけのことはしている感がな
いんですね。だからすっきりしませんでした。
さらに輪をかけるのが教会の牧師さん。正義の味方で、大きな功績を残した人
で。最初のセリフが教会の集会で「彼女(主人公)は、うちの信徒ではありません
が・・・」と、なんとも恩着せがましい出だし。これでいっぺんに嫌いになりま
した。子供を捜そうという気持ちは、ほとんど見えず、「打倒警察」。これまた
なんとなく冷たい印象を持ちました。
その3:どこまで真実
映画の最初に「真実の話」とでてくるからと言って、全部事実である必要はない
のですが、ところどころご都合主義的なところがあり。重い話でなければそれも
いいのでしょうが、ちょっと場違いな感じを受けました。
例えば、精神病院で電気ショックの刑を受けそうになり、ベッドに押し付けられ
て、電極を体につけられて、口にもの入れられて、まさに電圧をあげようとした
ときに婦長?がはいってくるところ。この映画ってそういう映画だったっけ?
そんなこんなでラストシーン、ある子供が母親について語る部分。一番泣ける話
のはずがリアリティが乏しく泣けませんでした。まずその日のアカデミー賞が
「ある夜の出来事」に決まったときに、子供が「ある夜の出来事」を話すという
のは映画的な遊びなのでしょうか?それに子供が家に帰りたいとでてきたとき、
遠くならウォーリーのように汽車にのってきてお出迎えにならないのかなあ?
近くなら、警察ではなく直接家にいくだろうし。さらに、ウォーリーの話も出来
過ぎてはいませんか?
最初に「真実の話」とでていなかったらあるいは「事実に基づく話」だったら、
そこまで気にはしなかったかもしれませんが、気になってしまいました。
以上、いろいろ文句を言ったようでありますが、全体を通じて「母親の愛」とい
うよりも「痛々しさ」というものが伝わって来ました。「責任」というものを引
き受けた、特にシングルマザーとして一人で引き受けた主人公にとって、子供を
なくすということは、取り返しがつかないというか、心のなかにずーっと残ると
かいう言葉ではとても足りず、すべてなんだと。そう思いました。
最後に、インターネットでこの事件関連のホームページを見ていて驚いたこと。
その1:「ゴードン・ノースコット連続少年誘拐殺人事件」
映画では、でてきませんでしたが、本人の母親も5人の少年殺害にかかわる。
その2:主人公は、自らを精神病院送りにしたロス市警の担当官に民事裁判を起
こして勝訴。この担当官(ジェフリー・ドノバンが好演)もとダイバーだそうで
池を捜索している記事がありました。やっぱり操作はやってたんだと、ちょっ
と、ほっとしました。
ではまた。
・チェンジリング@映画生活
・
「チェンジリング」の映画詳細、映画館情報はこちら >>
ジャンル:いろいろ/2009年/142分
映画館:TOHOシネマズ二条
鑑賞日時:2009年4月2日(木)
私の満足度:65% (緑が多く電車が走るロサンゼルスの街並みや、ローラース
ケートでフロアを駆け巡る電話交換室、土曜日がお休みの小学校など当時の生活
感が伝わってきたのがよかったです。つかみはOK)
オススメ度:65%
【序】
3月はとうとうブログ更新なしという筆不精ぶりを発揮しておりますが、映画の
ほうは最近あたりが多く、ペネロペクルスの「エレジー」、デジタルリマスター
版「ロッシュフォールの恋人たち」「シェルブールの雨傘」の3本は1-3月期
のベスト1,2,3ダーッという感じです。そののりで、評判の高い「チェンジリン
グ」にかなり期待をもって行ってきました。仕事帰りで、映画終了から電車の発
車まで2分しかなかったのですが、チケット売り場で「エンドロールは何分です
か?」と聞くとファイルを開けて「3分です。」と回答をいただき、このあたり
のシステマティックな対応はさすが一人勝ちの東宝さんといつもながら感心させ
られます。まずは、ストーリーの引用から。
【ストーリー:gooより引用】
1928年。ロサンゼルスの郊外で息子・ウォルターと幸せな毎日を送る、シング
ル・マザーのクリスティン。だがある日突然、家で留守番をしていたウォルター
が失踪。誘拐か家出か分からないまま、行方不明の状態が続き、クリスティンは
眠れない夜を過ごす。そして5ヶ月後、息子が発見されたとの報せを聞き、クリ
スティンは念願の再会を果たす。だが、彼女の前に現れたのは、最愛のウォル
ターではなく、彼によく似た見知らぬ少年だった。
[ 2009年2月20日公開 ]
【鑑賞前の予想】
別の子供が帰ってくるのだから、これはきっと警察の仕業。何かのミスで子供を
殺してしまって、証拠隠滅のために別の子供をおしつけたんだろう。そのまま騙
し続けることはできないから、この子もまた行方不明か、事故を偽装するとかで
いなくなって、「折角見つかったのに残念でしたねえ」とごまかす警察。母親
(アンジェリリーナ・ジョリー)はどうやって真実をつきとめるのか?みたいな、
そういうのを予想してました。
注)別に警察に恨みがあるわけではございません。
【感想(大ネタバレ)】
全般的には、緊張感とぎれず思わぬ展開ということもあって、最後まで興味を
持ってみれたのですが、どうも気持ちがのりませんでした。振り返ってみると3
つ原因があるように思い、完全ネタバレになってしまいますが、私の評価がいま
いち高くない理由でもあるので説明させてください。ただ内容はあまり丁寧に説
明していませんので、既に見た人向きです。
その1:伏線の意味
どこまで事実かはわからないのですが誘拐当日の演出は、母親にとって自責の念
に駆られることばかり。子供と映画に行く予定が仕事でキャンセルになり、早く
帰ろうと思ったのに上司に話かけられて電車に乗り遅れる。さらに家をのぞいて
見てと頼んでおいた人はどうもも見てくれなかったようで・・・。サスペンスな
ら、裏でそうなるように仕掛けてた奴がいてあとから重要になる筈で、丁寧に描
くところなんでしょうけど、今回そんなことする必要あったのかなあ。特に家に
帰って息子が見つからず、冷蔵庫をあけると手つかずのサンドイッチがあるのを
みると、「電車に乗り遅れるシーン」いらなかったんじゃないのと後から思えて
きて、どうもかみ合わない感触がだんだんとつのってくるのでありました。
その2:捜そうとする描写の少なさ
子供いなくなったらまず捜すでしょう。警察に頼むにしても、自分で写真をもっ
て一軒一軒訪ねて「この子みませんでした?」とか。消えた日は、そういうのあ
りましたが、そのあとはそういうシーンがなくって、ひたすら電話で「探し人セ
ンター」みたいなところに電話をかけるシーンばっかり。それって会社の電話
じゃないの?と突っ込みたくなるぐらいでした。連れて行かれたとされる牧畜場
に行ったり、遺留品を調べるシーンもなく、できるだけのことはしている感がな
いんですね。だからすっきりしませんでした。
さらに輪をかけるのが教会の牧師さん。正義の味方で、大きな功績を残した人
で。最初のセリフが教会の集会で「彼女(主人公)は、うちの信徒ではありません
が・・・」と、なんとも恩着せがましい出だし。これでいっぺんに嫌いになりま
した。子供を捜そうという気持ちは、ほとんど見えず、「打倒警察」。これまた
なんとなく冷たい印象を持ちました。
その3:どこまで真実
映画の最初に「真実の話」とでてくるからと言って、全部事実である必要はない
のですが、ところどころご都合主義的なところがあり。重い話でなければそれも
いいのでしょうが、ちょっと場違いな感じを受けました。
例えば、精神病院で電気ショックの刑を受けそうになり、ベッドに押し付けられ
て、電極を体につけられて、口にもの入れられて、まさに電圧をあげようとした
ときに婦長?がはいってくるところ。この映画ってそういう映画だったっけ?
そんなこんなでラストシーン、ある子供が母親について語る部分。一番泣ける話
のはずがリアリティが乏しく泣けませんでした。まずその日のアカデミー賞が
「ある夜の出来事」に決まったときに、子供が「ある夜の出来事」を話すという
のは映画的な遊びなのでしょうか?それに子供が家に帰りたいとでてきたとき、
遠くならウォーリーのように汽車にのってきてお出迎えにならないのかなあ?
近くなら、警察ではなく直接家にいくだろうし。さらに、ウォーリーの話も出来
過ぎてはいませんか?
最初に「真実の話」とでていなかったらあるいは「事実に基づく話」だったら、
そこまで気にはしなかったかもしれませんが、気になってしまいました。
以上、いろいろ文句を言ったようでありますが、全体を通じて「母親の愛」とい
うよりも「痛々しさ」というものが伝わって来ました。「責任」というものを引
き受けた、特にシングルマザーとして一人で引き受けた主人公にとって、子供を
なくすということは、取り返しがつかないというか、心のなかにずーっと残ると
かいう言葉ではとても足りず、すべてなんだと。そう思いました。
最後に、インターネットでこの事件関連のホームページを見ていて驚いたこと。
その1:「ゴードン・ノースコット連続少年誘拐殺人事件」
映画では、でてきませんでしたが、本人の母親も5人の少年殺害にかかわる。
その2:主人公は、自らを精神病院送りにしたロス市警の担当官に民事裁判を起
こして勝訴。この担当官(ジェフリー・ドノバンが好演)もとダイバーだそうで
池を捜索している記事がありました。やっぱり操作はやってたんだと、ちょっ
と、ほっとしました。
ではまた。
・チェンジリング@映画生活
・

1、まず伏線について
母の愛を後悔の念を用いて描いたと考えるなら、あれらのシーンは全て不運が後悔になったことを強調したものだと思います。
2、子供を捜すことについて
この家庭は身寄りのない母子家庭ですから、いつ子供が帰ってくるかも知れないと考えると無闇に探しに出るのは怖くてできないと思います。
また牧師さんの言葉も恩着せがましいのではなく、誰であろうと差別することなくというキリスト教の基本理念を強調したものだと思います。
3、真実の話について
事実は小説より奇なりというように、真実の話という前置きがあるからこそ、このご都合とも思える偶然の恐ろしさが味わえるのだと思います。
恐らくこの映画に臨まれる前に、ちょっと作品に対するイメージが強すぎたのではないでしょうか?
思っていたのとは違うという感想を持ってしまう時って大概そういうことが原因だと思いますから。
1.伏線
内容としてはおっしゃるとおりだと思います。
でも、ほかで十分表現できているのでいらないとおもいました。
2.子供を捜すこと
私が考える理由のなかでは、すでに新聞等で全米に知れ渡っているからというのがまだ納得のいく理由です。偽ウィルターも、似ているといわれたところから、成りすましになったようです。※
牧師の発言については、「強調」が私には耳障りでした。
3.真実
この映画で多くのことが事実に基づいていることと思いますが、その後HPで調べてみると、不自然にみえるところは、やはり事実でないことが多いと思っています。
例えば、病院のシーンですが、ある記事ではジョーンズ警部が偽ウオルターから事実を聞いて病院から出したとあります。それで、電気ショックにかからずに済んだとしたら映画のつながりとしてはよくないですよね。
また、ラストシーンですが「殺人犯の死刑から5年、事件で死んだと思われていた少年がいきていたというニュースが、母親に希望をあたえた。」と記事にあります。おそらく、このような記事から、あの美談を作り上げたんだろうというのが私の推測です。もし、詳細ご存知のかたおられましたらお教えください。
Five years after Northcott's execution, one of the other boys he was accused of killing was found alive and well.
This tiny bit of news gave Collins the hope she needed to go on searching for the rest of her life.
出展
http://articles.latimes.com/1999/feb/07/local/me-5769?s=wk&n=o&rd=en.wikipedia.org&sessid=164afff5c5d6632ee86e4b3aedd8895a2ece3e0a&uuid=164afff5c5d6632ee86e4b3aedd8895a2ece3e0a&pg=2&pgtp=article&eagi=&cat=arts+%26+humanities&pe_id=4347280&page_type=article&exci=1999_02_07_local_me-5769