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年間100本の劇場鑑賞、音声ガイドもやってました。そんな話題をきままに書きます。ネタバレもありますのでご注意を。

復讐者に憐れみを どうしてこんなに痛いのを作るんだ?

2005-02-22 05:06:20 | その他(洋画)
タイトル:復讐者に憐れみを/韓国/R18
ジャンル:“復讐三部作”の第一章/2002年/117分
映画館:新宿武蔵野館(84席)
鑑賞日時:2005年2月5日(土)
私の満足度:30% 完成度は高い。
オススメ度:0% こんな痛い映画すすめられない。

パク・チャヌク監督による“復讐三部作”の第一章。第二章が
日本では先に公開された『オールド・ボーイ』。この作品もかなり
残酷なシーンがでてくるが、本作はそれ以上だった。

温かい気持ちでいられるのは冒頭のシーンだけ。
ラジオのDJが、澄んだ声で手紙を読んでいる。『きめたんです。
腎臓病で苦しんでいるお姉さんに、僕の腎臓をあげようと。でも、
僕は話すことができません。だから僕に代わってこの手紙を読んで
ほしいんです。』
アパートの一室、涙を流しながらラジオに耳をよせやさしい表情の姉。
そばに、聞くことも話すこともできないリュ。緑に染めた髪。

ところがリュが、病院へ行くと、血液型が異なるので移植は無理だと
いわれる。がっくりとして入ったトイレで、リュは「臓器売買」の広告を
みつけ、訪問する。そこは、大きなビルを建てようとして、やめたのか
コンクリートむきだしで壁もところどころのフロア、老婆と若者2人。
フロアの隅に手術台。一千万ウォンと自分の腎臓を提供すれば、
お姉さんにあう腎臓を手配してくれるという。どう見てもうさんくさい
のだが、リュは会社(深夜の工場で長時間勤務)をやめて、全財産をもって
再び訪れる。そして、手術。意識がもどったときには、コンクリートの
フロアに全裸で転がされていた。見渡すと老婆もいない。手術台もない。
だが、自分の左腹には、血の滴る深い切りこみ。

この映画の特徴のひとつは、傷口の描写のリアルさ。どうして、ここまで
やるのか?どこかの映画祭で、監督は、ハリウッドの方がもっと残酷で
血が大量にでるシーンあるでしょ、と言ったとか。監督がこのような回答を
した意図は、わからないが、私の見た限り、ハリウッドの
残酷、大流血シーンというのは、架空の世界のできごとでは?
ヴァンパイヤ最後の聖戦、ブレイド2など、を思い出す。あるいは戦争とか。
でも、この映画は日常の、普通の市民生活のなかでのできごと。それで
ここまで、傷口をリアルにし、血が噴き出すのは、知らないなあ。

しかも、絵的に残酷なだけでなく、運命自体の残酷さ(例えば、全財産を
失ったあとに、姉に適合する腎臓がみつかるが、費用が工面できず無駄に
なる)もあわせて、何度も見る人に挑戦するのが目的であるかのように、
しかけてくる。あと少しなになにだったら、・・・れば、といった展開で
取りかえしのつかないことがつぎつぎと起こり、こっちが追い込められて、
参った、もうやめてくれといわされてしまうような、迫力と不快感が
この映画にはあった。

以下、完全にネタバレのラストシーンです。




ボコボコにやられたあげく、ソン・ガンポの左胸にドス?がつきささる。
しかも、なにかを書いた紙が、そのドスで胸に貼り付けられている。
ソン・ガンポはお尻を地面について、車を背もたれにした状態で、なんとか
その文字を見ようと、首をくねらせいってしまった目で視線をさだめようと
するが、もがくだけで、いきが絶えてゆく。

個々の演出と、演技は、凄いと思うところが多かった。
でも、最後の殺人グループも、いまいち素性が?。ナレーションのように
ペ・ドゥナのセリフがくりかえされていたが、それはソン・ガンポの
頭のなかをめぐったというだけという解釈もでき、素性と本当に関係が
あるのかは不明。それは、ひょっとしたら“復讐三部作”の第三章で
解き明かされたりするのであろうか? 最終作「親切なグムジャさん」
は、現在撮影中で、イ・ヨンエがでるという、これはまた見てしまいそうだ。

どうしてこんなに痛いのを作るのかは、その後また考えたい。

ではまた。

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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
TBありがとうございました (アスワド)
2005-03-03 02:29:35
TBありがとうございました。



基本的に、手放しで絶賛する人は少ないみたいですねこの映画。

直接的な暴力としても、間接的な状況としても、残酷さが強いというので。



3作目が、エンターテインメント的な完成度が高いことを期待したいところではあります。



こちらからもTBかけておきました。
返信する
滑稽な復讐者たち (geargon)
2005-03-03 12:31:57
はじめまして。トラックバックありがとうございます。

私はソン・ガンホを見たくて、「復讐者に憐れみを」を見に行きました。韓国映画好きの知人もほめていたので…。確かにすごい映画でした。ソン・ガンホの演技はよかったし、映画も面白かったです。ただもう二度と見たくないですけどね…mokky999さんのおっしゃる通り、見ていて痛いです。

ただ見ていて、あまりにも悲惨な上京に、登場人物たちが滑稽に思えてきました。「これってコメディ?」って思ったくらい。ブラックをこえて、どす黒い感じがしましたが(^^;。



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TBありがとうございました (かのん)
2005-03-03 14:11:03
私の場合、ソン・ガンホとペ・ドゥナというだけで内容はあまり気にせず観ちゃったのでここまで痛いとは思わずかなり衝撃的でした。敬遠した「オールドボーイ」も観てみたくなりました。



確かに気軽に人にはすすめられないですね。
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はじめまして (rabiovsky)
2005-03-03 15:23:20
TBありがとうございました。

ペ・ドゥナというだけで見たいのですが、

かなり痛いのですか。みなさんそう仰りますね。

でもペ・ドゥナ出てるし絶対見ます!

見終わって席から立てなかったりして・・・と

ちょっと心配です。
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はじめまして (yyz88)
2005-03-03 19:30:14
TBありがとうございました



実に痛々しい映画でしたね。鑑賞後になんて言って良いのかわからない複雑な感想を持ちました。



次回作はイ・ヨンエですか・・次もますます見たくなりました^^;
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はじめまして (ちょし)
2005-03-03 22:14:29
TBありがとうございました。



私もソン・ガンホ目当てで観たのですが、これほど痛い映画だとは思いませんでしたね~。

主演3人の演技は素晴らしかったんですが、万人にウケる映画じゃないかもしれませんね。

観てよかったけど二度は観れませんねえ。
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初めまして (smile)
2005-03-03 23:39:18
TBさせていただきました。

ありがとうございました。



3作目もかなり前作、前々作と肩を並べるほど、

パク・チャヌク色が強いらしいですよ。

楽しみです。

いや、怖いです。w
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