中国のことわざ-89 座右銘:心に響く古人の戒め
新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願いいたします。
さて、新年にふさわしい中国のことわざってあるのだろうかと、昨年の暮れ考えていたが、ついに思いつかなくて今日に至った。そうだ、元旦は日曜日、きっと興膳宏先生が良いコトバを載せてくれるだろう。ということで元旦の日本経済新聞を楽しみにして待っていた。
流石興膳さん。“一年の計は元旦にあり”から始めている。続いて“新しい年の心構えを定めて、それを座右の銘とするのも良いだろう”としている。
ということで、今年の最初のことわざではないがコトバは座右の銘。広辞苑によれば“常に身近に備えて戒めとする格言。ざうめい。”とある。以下は興膳宏の漢字コトバ散策から。
「銘」とはもともと韻文の一種で、行動の戒めとする言葉を日用の器物に彫りつけたもの。「座右」は、それを身辺におくことを言う。戒めとする言葉であるからには必ずしも威勢の良い内容とは限らない。座右の銘の元祖は後漢の崔瑶(さいえん)の「座右銘」。これは二十句百字から成り、「文選」に収められる。つまり「座右銘」はそもそも作品のタイトルでだったわけだ。崔瑶の座右銘は「人の短を道(い)う無かれ、己の長を説く無かれ」から始まる。人の短所をあげつらうな、自分の長所を自慢するなという意味である。世の中にはこれを座右の銘とすべき人が多いよなあ。(同感)弘法大師空海が草書でこの二句を書いた「座右銘」の断簡が、いま高野山に伝わっている。
因みに小泉首相の座右銘は「信無くば立たず」、前原民主党代表のそれは「至誠、天命に生きる」だそうでいずれも漢文調の句となっている。
さて、あなたの座右銘はと聞かれて?私は城山三郎の小説のタイトルから“打たれ強く生きる”です。
出典:広辞苑、日本経済新聞2006年12月4日朝刊「漢字コトバ散策」
新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願いいたします。
さて、新年にふさわしい中国のことわざってあるのだろうかと、昨年の暮れ考えていたが、ついに思いつかなくて今日に至った。そうだ、元旦は日曜日、きっと興膳宏先生が良いコトバを載せてくれるだろう。ということで元旦の日本経済新聞を楽しみにして待っていた。
流石興膳さん。“一年の計は元旦にあり”から始めている。続いて“新しい年の心構えを定めて、それを座右の銘とするのも良いだろう”としている。
ということで、今年の最初のことわざではないがコトバは座右の銘。広辞苑によれば“常に身近に備えて戒めとする格言。ざうめい。”とある。以下は興膳宏の漢字コトバ散策から。
「銘」とはもともと韻文の一種で、行動の戒めとする言葉を日用の器物に彫りつけたもの。「座右」は、それを身辺におくことを言う。戒めとする言葉であるからには必ずしも威勢の良い内容とは限らない。座右の銘の元祖は後漢の崔瑶(さいえん)の「座右銘」。これは二十句百字から成り、「文選」に収められる。つまり「座右銘」はそもそも作品のタイトルでだったわけだ。崔瑶の座右銘は「人の短を道(い)う無かれ、己の長を説く無かれ」から始まる。人の短所をあげつらうな、自分の長所を自慢するなという意味である。世の中にはこれを座右の銘とすべき人が多いよなあ。(同感)弘法大師空海が草書でこの二句を書いた「座右銘」の断簡が、いま高野山に伝わっている。
因みに小泉首相の座右銘は「信無くば立たず」、前原民主党代表のそれは「至誠、天命に生きる」だそうでいずれも漢文調の句となっている。
さて、あなたの座右銘はと聞かれて?私は城山三郎の小説のタイトルから“打たれ強く生きる”です。
出典:広辞苑、日本経済新聞2006年12月4日朝刊「漢字コトバ散策」