凡凡「趣味の玉手箱」

キーワードは中国です。中国以外のテーマは”趣味の玉手箱にようこそ”で扱っております。

死屍に鞭うつ

2006-02-26 21:08:03 | 中国のことわざ
中国のことわざ-137 死屍に鞭うつ(ししにむちうつ)

死んだ人の言行を非難・攻撃すること。死者に鞭うつ。鞭死(べんし)

語源となった話は春秋時代の中頃、初めは楚に、やがて呉に仕えた伍子胥(ごししょ)という人物にまつわる。伍子胥の故事から生まれた成句を三日に分けて紹介する。

伍子胥は楚の平王に仕えていたが、彼の下役の讒言が原因で父と兄を殺されてしまう。彼は楚を離れ、呉王僚の元に走り、楚を討つことを僚に進言するが、実現しないうちに平王は死んでしまう。

まさに「怨み骨髄に徹」していた伍子胥はなお、父と兄の恨みを晴らすべく、僚のあとを継いだ「闔廬(こうりょ)在位、前514年~前496年」に楚討伐のことを進言し続けた。闔廬の9年(前506年)、呉の軍は楚の都郢(えい:現在の湖北省江陵)に攻め込んだ。

伍子胥は平王をついでいた昭王を捉えて殺そうとしたが、昭王は既に逃れていて果たせなかった。伍子胥はなおも復讐の執念を持ち続けた。父と兄を楚の平王に殺されてから十余年やっとめぐってきた復讐の好機である。

司馬遷の史記伍子胥伝によれば「乃ち楚の平王の墓を掘り、其の屍を出だして、之を鞭うつこと三百、然る後巳む(ゆるむ)」とある。
死体を3百回も鞭うってようやくうらみがはれたというのである。

伍子胥の死体をむち打つものすごい形相が目に浮かぶようです。

出典:田川純三著、中国名言・故事、歴史篇、日本放送出版協会、1990年6月20日発行、広辞苑



最新の画像もっと見る