凡凡「趣味の玉手箱」

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壮士ひとたび去ってまた還らず

2005-08-16 17:15:53 | 十八史略を読む
十八史略を読む-69 戦国の七雄-6 燕 その6 壮士ひとたび去ってまた還らず
「十八史略:徳間書店発行、丸山松幸、西野広祥編訳、1987年7月九刷」から

刺客の刑軻はかねて用意してあった世に二つとない鋭利な七首を取りだし、これに毒薬を塗って、焼きを入れ、試し斬りをすると、ほんのかすり傷でも皆、即死するほどであった。

かくて旅支度も整い、刑軻は秦に向かって出発した。

易水(えきすい)まで来たとき、刑軻は歌った。風は蕭々として易水寒し、壮士ひとたび去ってまた還らず。

このとき、白い虹が太陽を貫いた。燕人はこれを不吉として恐れた。


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