原発シンポ2日目。「原発の耐震安全性と活断層問題の状況」は、私も
志賀原発周辺の活断層調査に参加したきたので、とてもリアルに、かつ
体系的に理解することができました。
①原発の耐震安全性問題と新規制基準 新潟 立石雅昭 先生
スライドでプレートと火山帯に囲まれた日本の地図を見ると、いかに日本の原発が
危険な場所に立地しているのか理解できます。「新規制基準」は規制するものにな
るのか?2005年以降、女川、福島第一、志賀、柏崎刈羽で7回の設計値を上回る
地震動の事実、刈羽や浜岡では同じ敷地内でも機によって地震動の大きさがちがう
など、地下地質構造の解明が必要なのに次々と再稼働してきた事実、大飯、美浜、
敦賀、東通、志賀、もんじゅ以外は活断層調査の対象となっていない規制委員会、
新規の工事計画をすると報告すれば対策がされたとする川内など、放射能の被爆を
防ぐ体制の不十分性を指摘し、これを是正する住民運動の重要性も指摘しました。
②科学者・住民の調査が明らかにした志賀原発周辺の活断層問題 石川 児玉 一八さん
学者の皆さんが調査した能登半島の歴史と海成段丘と断層の存在を基礎に、2年に
わたり、科学者と住民の手で断層調査をした結果を報告。志賀原発周辺の海岸線の
段丘に存在する堆積物、ノッチと呼ばれる海水による同一箇所での高低の窪みの
存在から、活断層の存在を指摘しました。これに対して調査もしない、住民の調査
結果も検討しない電力事業者の在り方を根本から問い、5重の誤りとまとめました。
とてもわかりやすい説明でした。
③若狭湾岸の原発と断層、再稼働問題 福井 山本雅彦さん
原発立地の福井だけでなく全国を励ました5月の大飯原発判決の意義を強調します。
「経済よりも人格権(いのちと暮らし)が優先」「国富とは住民がそこに暮らして
いること」と再稼働差し止めの画期的な判決です。敦賀原発の浦底断層、1・2号機
の真下の破砕帯は活断層と有識者が指摘、もんじゅ・美浜原発周辺の活断層の存在、
そして大飯原発周辺の活断層の危険性をつぎつぎと指摘しました。「危険な原発が
なく生活できるならそうしたい」と願う原発立地自治体でアンケートや住民投票を
すると反対が過半数をしめるそうです。だから、事業者は住民投票をやらせないし、
事業によって利益をえる人たちの力で反対を封じているといいます。しかしそんな
圧力の中でも原発に依存しないまちづくりの運動が進んでいるの報告に勇気を
もらった感じです。