法律とは？

　法律の本をみると，法律とは？，とか，法とは？という説明がいつも出てくる。大体それで分かったような気になるのだが・・・でも，やっぱり法律を勉強したことのない人に説明するのはなかなか難しい。

　ネットの世界では，いかにして法律を破るか，とか，法律を自分に有利に使うにはどうすればいいか，あるいは，法律によっていかに被害を受けているか，などという記事が一杯出てくる。

　こうやってみると，何か法律というのは，いかにも必要悪のように思えてくる。でも，本当にそうなのだろうか？

　法律というのは，簡単にいえばスポーツのルールのようなものというのが，分かりやすいかと思う。スポーツにルールがあるから，初対面の相手とも試合ができるのと同じように，法律があるから，見知らぬ相手とも取引ができる，あるいは，安全に生活を送ることができる，という，そういうものだと思うのだが・・・

　ここで大事なのは，法律があることで，「見知らぬ相手」とコミュニケーションができる，というところで，ここをはき違えている連中を往々にして見かけるのは残念なことである。

　その典型例が暴走族とかの連中で，彼らは，彼らの内部の規律にはやたらに従順であるのに，彼らと見知らぬ者との間の規律には全く関心がない，というか，それを破ることを楽しんでいる。こういう連中がはびこると，生活の安全が脅かされることは，誰でも分かる。

　しかし，ここをはき違えているのは，暴走族だけではない。一流企業のトップとか，えらいさん方も，ややもするとこういうはき違えをしている。特に，最近の三菱自動車のリコール隠しは，その端的な例である。

　こういう世の中一般の不正行為が怖いのは，それが，社会全体のルールを崩していくことにある。他社と円滑で安全なコミュニケーションがとれないことは，とても困ったことである。