とりあえず法律・・・・かな?

役に立たない法律のお話をしましょう

この記事は現地を見て書いたか?

2013-08-20 12:45:15 | 指定なし

 今回は法律とは関係がないが・・・どうにも納得できない記事があったので,ちょっと一言。


 


 久しぶりに桜島の大噴火がニュースになった。


 


 ところで,この記事は,本当に現地を見て書いたのだろうか?


 


 「地響きのような震動があり、5分後、火口からもくもくと噴き上がる煙が見えた。約30分後には灰が降ってきたという。」とある。


 


 私は今回の噴火を体験していないから何ともいえないが,これまでで,噴火の前に地響きがあったという経験はない。大きな爆発で印象に残るのは,衝撃波であり,ドンと一発衝撃波に見舞われて,はっと桜島の方をを振り向くと,火口から黒煙が団子のように立ち上り始めているというのがよくあったことである。これが見る間にキノコ雲になって上空に吹き上がったころ,鹿児島市内には,ドーンと音波がやってくることになる。


 


 まあこの辺はいいとしよう。


 


 しかし,「積雪と闇夜に同時に襲われたかのようだった。」になると,いかにも大げさで,いくら降灰があっても,闇夜になることはない。そして,降灰は,絶対に積雪ではない。「地面は灰で真っ白になる」などということもあり得ない。


 降灰の日は,鹿児島市内は「灰で真っ黒になる」


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 桜島の灰は黒くて重い。「灰」といっても,要は,溶岩の蒸気が冷却されて個体になって降ってくるのだから,砂みたいなものである。砂場の砂はまだ丸くなっているが,火山灰は尖っているように感じられる。安山岩(?)かなにかで,ともかく黒い。夜中に降灰があると,朝起きて外を見ると,車が真っ黒になっている。地面が真っ白になることなどあり得ない。


 


 もっとも,宮崎まで行くと,地元の人は,灰が降ると白いと言う。ここまで飛ぶ灰は軽いものしか行かないのでそうなるようだ。


 


 「市電が巻き上げた灰を避けようと歩行者は傘を差したり、かっぱを着用したりした。」


 


 これもおかしい。鹿児島市内で傘を差したりかっぱを着るのは,上から降ってくる降灰を避けるためである。傘を差して車が巻き上げる灰を避けることはできない。こう書かれると,記者は,市電が灰を巻き上げて走っているテレビの画像を見て,適当に記事を書いたのではないかと疑いたくなる。


 


 桜島の爆発時の降灰は,本当にすごい。傘を差していると,落ちてくる灰で,傘の布が「サー」と音を立てる。雨に傘を差しているのと変わらない。降灰のひどい日に窓から白い紙を差し出すと,固まりになった灰が落ちてきて,紙の上でくだけて黒い丸を作る。それがどんどん増えてきて,見る間に紙の白が埋まっていく。実際に体験していれば,まずそっち(上から降ってくる灰のこと)を書くだろう。


 


 今回は,大規模爆発で降灰処理に追われる状況が報道されたが,今度の爆発の1日降灰量は1?あたり13gだそうである。しかし,降灰処理がしんどいのは,1発の大規模爆発ではなく,1日中爆発が連続する日である。こういう日の降灰量は半端ではない。例えば,昭和63年6月には,鹿児島県庁での月間降灰量1?あたり5499.4gが記録されている。これでも観測史上1位ではない。


 


 せっかく報道するなら,そこまでの掘り下げた報道が欲しいところである。


 



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