とりあえず法律・・・・かな?

役に立たない法律のお話をしましょう

これは悪質だ

2013-06-04 00:19:07 | 指定なし

 日興証券の社員が,認知症で判断能力が低下していた女性の弟になりすまして,女性に他の証券会社に電話をかけさせて,他の証券会社の預かり資産を解約させ,その解約金を日興証券に送金させて,それで,自社商品を購入させていたとのことである。


 


 


 この事件については,読売新聞が続報で,実際の弟から,姉は認知症であるとの訴えを受けていながら,それにまともに取り合わず,女性が日興証券に送金するのを手助けまでしていたとの報道をしている。


 


 これが事実ならば,件の社員が不正を働いていたことのみならず,幹部社員までが,それが不正であることを知りながら,あるいは,それを知って事実を確認すべききっかけがあることを知りながら,その不正行為に加担していたことになり,会社ぐるみの不正行為といわなければならない。


 


 会社側は,さすがにADRに対しては,誠実に対応したいと答えている(タテマエであろうけれど・・・)ようだが,それ以上に,今後の不正防止策を講じなければ,このような問題は解決したことにはならない。


 


 バブルの頃はいうに及ばず,それ以後も,証券会社の営業に種々の問題があることは,種々の訴訟が提起されてきたことからも明らかである。その度に,証券会社側でも,それなりの対策がとられてきたとは思うのだが,それでも,不正はなくならない。


 


 不正の原因としては,歩合制外務員の制度であったり,証券会社に自己取引部門があって,本来の商法上の問屋営業の他に,自らも金融商品を保有して,その損益の影響を受けることなどが指摘されているが,こういった制度に,もう一度切り込まないと,証券会社が,真に投資家の役に立つ存在になることは難しいのではないかと思われる。




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