とりあえず法律・・・・かな?

役に立たない法律のお話をしましょう

中学校教諭に裁判員制度の研修=日経の記事から

2005-08-29 00:40:25 | Weblog
 8月26日の日経新聞に,来年の夏休みから,中学校教諭を対象に,裁判員制度の研修を行うことになったという記事が出ている。今年はそのモデル研修ということで,法務省刑事局,東京地検,東京都中学校社会か教育研究会の共同主催で,刑事裁判の傍聴,法務省公報ドラマの鑑賞をしたというもの。その目的は,「制度を根付かせるため,法的なものの考え方や司法の役割に慣れ親しんでもらう『法教育』を授業で普及するにはまず,教 . . . 本文を読む

道路交通法のローカルルール

2005-08-24 02:04:18 | Weblog
 22日の日経新聞朝刊の「まなび再考」というコラムは,お茶の水女子大学の耳塚寛明教授が,「地方独自の交通ルール 合理的でも感心せず」という題で執筆している。いわく,信州松本では,特殊松本的右折車優先の交通ルールが成立しているとのことである。一般的には,右折車と対向直進車では直進優先だから,ルールが逆転しているが,その理由は,松本は道が細く,法律通りでは右折車が道をふさいで渋滞が生じるからだろうとし . . . 本文を読む

裁判員制度 = 弁護士会はどうした?

2005-08-22 02:50:13 | Weblog
 裁判員制度の施行まであと4年になったが,ここにきて弁護士会の動きが鈍い。司法制度改革の骨格が固まるまでは,弁護士会が一番元気で,かなり強気の提案や提言をどんどん出していたはずなのに,制度ができてしまうと,何か元気がない。  とりあえず,ホームページを覗いてみた。 *****  最高裁は,トップページの裁判員制度へのリンクこそ小さい(他もみんな小さい。)が,一旦裁判員制度のページに飛ぶと, . . . 本文を読む

常習一罪ということ

2005-08-21 23:50:33 | Weblog
 常習一罪というものがある。常習累犯窃盗,常習強窃盗,常習賭博,常習暴行といったものであるが,これらは,何回やっても,1罪にすることで,実務は固まっている。だから文句を言っても仕方ないのだが,昔から,どうしてそうなの,という疑問が抜けきれない。 *****  そもそも罪数は,構成要件に該当する行為の個数を基準にして決定されるというのが一般の原則である。しかし,常習一罪は,構成要件に該当する行 . . . 本文を読む

民法改正についての余談 + 差入方式の問題点?

2005-08-18 01:49:14 | Weblog
 昨日の余談だが,今回の改正法への感想を2つほど書いてみたい。  まず,今回の改正法は,改正要綱をみると,保証制度の改正がメインで,現代用語化はサブ(付随的な改正)という扱いになっているようである。しかし,見た目は,平仮名文化の方がメインで,うっかりすると保証制度の改正などは見過ごしてしまいかねないような改正法である。  それが悪いとは絶対に言えないけれども,こういう立法になると,改正法のフ . . . 本文を読む

何となく疑問の実務慣行 = 約定書の差入れ

2005-08-17 02:02:23 | Weblog
 銀行や証券会社は,何かの契約の際には,なぜか,「契約書の取り交わし」ではなく,「約定書の差入れ」という方式を好むようである。私は,なぜそうなのか,以前から違和感を持っていたが,最近も,ごく小さな話ではあるが,ひっかかるものがあったので,それに触れてみたい。  今年の4月1日から,民法の表記の現代用語化(平仮名文化)に併せて,保証制度の改正が行われた(平成16年法律第147号)。そこで,その運用 . . . 本文を読む

借地借家法32条 最高裁は厳しい

2005-08-16 01:22:35 | Weblog
先日,サブリースについて,最高裁が,敢然として,借地借家法32条の適用があるという判断を示したという話を書いたが,最高裁平成17年3月10日判決・判例時報1894号15頁も同じ立場を一貫している。最高裁の姿勢には厳しいものが感じられる。 . . . 本文を読む

分かりにくい法律 = 別除権協定

2005-08-15 01:52:22 | Weblog
 会社の民事再生事件では,ほとんどの場合,別除権協定が必須となる。別除権協定とは,再生債務者(会社)所有の不動産に,抵当権(根抵当権)を有している再生債権者がいる場合で,その不動産が会社の継続上必須のものである場合には,その不動産上の抵当権を実行されると,会社の継続が不可能になるので,その再生債権者と交渉して,不動産によって担保されている部分については,期限の利益を付与してもらって分割弁済とし,そ . . . 本文を読む

基本法行政に対する批判 = 日経のコラム

2005-08-14 00:31:47 | Weblog
 8月2日の日経新聞の「大機小機」というコラムが,「基本法行政の経済学」という見出しで,「なんとか基本法」という法律による行政の問題を取り上げている。  いわく,基本法によって必要な施策が実施されるのは結構なことだが,これを経済的な視点で見ると, (1) 行政の肥大化 (2) 合成の誤謬,すなわち,基本法は当の政策的課題が重点的に扱われることを期待して制定されるが,基本法が多数できてしまうと,結 . . . 本文を読む

サブリース = 借地借家法の異端児

2005-08-13 00:57:36 | Weblog
いわゆる一括賃貸,すなわちサブリースについて,賃料の減額請求が許されるかどうかが争われてきたが,最高裁は,サブリースにも借地借家法32条が適用され賃料の減額請求が許されるという,断固とした判断を示している。 . . . 本文を読む