今回は平成18年1月27日第二小法廷判決を取り上げたい。この判決は,医療現場で何かと問題となっているMRSAの治療に関する,あくまで事例判例と理解されるものであるが,それに止まらず,最高裁は,事例判断を通じて,下級審の裁判所に,医療過誤事件の鑑定についての判断は,このようにせよ,という含みを持たせているように感じられる。 . . . 本文を読む
3月6日(月)の日経新聞に,生活保護支給額を削減し,国民年金以下にすることを厚労省が検討しているという記事が掲載されている。一見なるほどと思わせる記事だが、その実,およそ無理なことをしようとしているのではないかと疑われる。そもそも年金と生活保護を比較することは、全く異なる法に基づく給付を比較することで,比較にならないというべきだろうし,無理に両者の給付水準を揃えようとすると、むしろ年金が生活保護に歩み寄らなければならないのではないだろうか。 . . . 本文を読む
3月3日の日弁連の臨時総会で,日弁連の懲戒規程の改正が議決されたが,その場で裁判員制度や裁判の迅速化自体に反対する立場からの反対意見が相次いだとのことである。もともと陪審制の導入を強く主張したのは弁護士会であるのに,いざ導入となると反対意見が出るというのも,いかにも弁護士会らしいところである。 . . . 本文を読む
この前にも取り上げた小田急線訴訟の最高裁判決には,少数意見がついている。この少数意見は,小田急の高架化に伴う付属街路事業についての周辺住民の原告適格を否定した意見のように受け取られるが,実際にそうなのだろうか。 . . . 本文を読む