前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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高見順への熱情こもった荒川洋治氏の講演会

2015年12月07日 | Weblog
昨日は質問準備もかねて県立図書館・文学館へ。ちょうど三国出身の荒川洋治氏の講演会があり、お聞きしました。「高見順 没後50年特別展 記念講演   高見順ー著作の風景」という演題でした。

 最近の文学レベルが低下しているとし、高見の特徴は「公平さ」にあり、小説だけでなく、詩や戯曲などもふくめて文学の言葉がどこまでいっているか、常に見ていた、と語りました。そして、高見の小説は「汚い」表現もあるが、漱石や鴎外と違い、庶民目線で書くと言う日本の小説に革命をもたらした。

 また、鶴見俊輔、小田実をあげながら本当のインテリはいろんなところへでていって、たたかわなくてはだめだ、と話し、ちょうど文学館の企画展で流されている警職法反対で国会で意見表明した高見のNHKニュース映像を紹介、初めて声を聞いた、驚いた、日本で一番頭のいい作家の一人だ、と語りました。

 大学の文学系を減らす文科省の動きも批判、国家の統制、上からの命令では人は育たない、と批判しました。すぐに役立つ学問をめざそうとしているが、そういうことが日本をこわす、と。
そして高見が中学時代、関東大震災での軍隊の働きを大人の「これまでは嫌いだったが、好きになったよ」などという会話を通じて、その後の戦争にむすびつくとは気づかなかった・・・などを日記に書いていることを紹介し、「社会的なものを見逃さず、閉じ込めている。文学としてみると、日記は作品以上の世界をもっている」と力説しました。・・・・・・・

 熱情がこもった講演で知的興奮でしたね。

また文学館で開催中の「高見順  没後50年特別展  昭和から未来へのメッセージ」もみごたえがありました。治安維持法関係文書も展示されていて驚きました。よく保管していたものです。
 展覧会図録も値段も手ごろで、内容も秀逸です。










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