前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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6月県議会 公安委員会関係  賃下げ対応、被疑者取締りの監督制度、警察官の中途退職

2013年09月10日 | Weblog
2013年6月県議会 土木警察委員会

公安委員会関係審査

警察官と賃下げ問題
◯佐藤委員  仲倉委員の質問の関連だが、県内の交番と駐在所の数と、それぞれの人員の数を伺う。

◯警務部長  交番は43である。駐在所は95である。

◯生活安全部長  人員は335人である。

◯佐藤委員  駐在所は、単身の警察官の配置が多いということであるが、福井県は共稼ぎ日本一とか、第2位とか言われているが、警察職員の共稼ぎ率はどんなものか。

◯警務部長  警察職員の共働き率は、59.3%である。

◯佐藤委員  議会としては終わった案件であるが、給与削減が先日の本会議で決められた。県庁職員も、警察職員も、教職員も一律に給与が削減されるが、例えば、共働きで10万円削られるのと、単身で5万円削られるのと、やはり単身のほうが収入に対する影響は大きくなると思う。
 そういう点で、これだけ賃下げが続くと、警察職員の士気をどのように維持していくかが、大きなテーマだと思うが、県職員や教職員は組合があるが、警察職員の場合、組合がないので、警察職員のテンションが落ちないようにどう対応するか。

◯警務部長  今回の給与削減については、6月17日に、削減の趣旨や内容について、全職員に対して丁寧に説明をした。また、ライフサイクルプランに影響する可能性もあるので、相談窓口を開設して、住宅ローン等の相談があった場合などに、的確に対応していく。

「不適切な職務執行」問題
◯佐藤委員  そのような丁寧な対応をお願いしたい。
 ところで、過去5年間の警察や公安委員会に対する苦情が240件ぐらいあるという資料をいただいた。そのうち、不適切な職務執行が77件あるとのことだが、不適切な職務執行とは具体的にどういうことか。

◯首席監察官  主に、現場の警察官による言動などに関してが多い。具体的には、説明不足や、言い過ぎが多いと考えている。

◯佐藤委員  多分その関係だと思うが、交通違反の取り締まりに関する苦情が46件で一番多い。その次が捜査や取り調べに関する苦情が34件で、それが現場の実態である。先日、幹部である国家公安委員長が、警察の取り調べ、特に交通違反の取り締まりについて苦言を呈したが、今後、方針が変わってくるのか。

◯交通部長  警察庁からは、交通事故の実態に応じた取り締まり場所を選定して適切に実施するよう指導を受けている。

◯佐藤委員  国家公安委員長が発言したが、現場の実態は何も変えないと認識してよいか。

◯交通部長  取り締まりのための取り締まりではなくて、交通事故の実態や発生状況に応じた取り締まり、具体的には、交通事故が多発している路線や場所、地域に応じて取り締まりを実施していく。国家公安委員長の発言はそういう意味だと理解している。


被疑者取締りの監督制度について
◯佐藤委員  県民が言いがかりをつけたり、警察官の言動を不満に思って苦情になったりすることもあるだろうが、違反は違反として適切に処理し、交通事故は減らしていかなければならないので、取り締まりが円滑に進むようお願いしたい。
 また、捜査、取り調べでも苦情がある。今後、参議院議員選挙もあるが、志布志事件という県会議員の選挙絡みの冤罪事件もあって、警察は被疑者取り締まりの監督の制度を実施していると聞いた。この実施状況と、今後の課題について伺う。

◯警務部長  平成21年度から監督制度を実施しているが、99%以上の取り調べで監督を実施している。ただし、例えば県外の施設やパトカーの中での取り調べではどうしても実施できない。
 課題は、1回の取り調べに対して、できる限り何回かの視認をすることである。ずっと見ているわけにはいかないので、なるべく頻度を上げていきたい。

◯佐藤委員  福井警察署の取調室はマジックミラーのようになっていて、中からは外が見えないが、外から取り調べの状況をのぞくことができる仕組みだという説明を受けた。各警察署とも同様な仕組みがあって、時々監督するということなのか。

◯警務部長  そのとおりである。

◯佐藤委員  取り調べの99%というが、全体の取り調べの時間が100時間とすると、実際に確認している時間はごくわずかということか。

◯警務部長  見ている時間自体は数分間ぐらいだと思うが、できる限り複数回見るようにして、取り調べをする警察官からはいつ見られているかわからない状態として、不適切な取り調べを抑止している。

性犯罪などの窓口連携
◯佐藤委員  西畑委員から相談ができにくいという話があったが、DVだけではなく性犯罪なども、犯人がつかまると余罪がたくさん報告され、件数がふえることがある。警察が悪いのではなく、警察だけだと対応し切れない。そういう犯罪の場合は、医者や心理カウンセラーなど、いろいろな窓口との連携はどうなっているのか。

◯生活安全部長  警察の範疇ではない相談については、関係機関と連携をとり、その機関を紹介している。また、一般の会社にもレディースガードリーダーをつくり、その方が地域や会社の女性の相談役として相談を受けて、県警察に知らせる取り組みもやっている。相談はこれからふえていくと考えているし、警察が勝手にではなく、相談者の意向を踏まえながら対応している。

◯佐藤委員  とにかく、相談者が警察の窓口へ行こうが、ほかの相談窓口へ行こうが、犯罪の関係があれば警察とも連携する、犯罪に遭って非常に落ち込んでPTSDとかになっている場合にはカウンセラーも含めて対応する。そういうワンストップの体制をつくることが必要である。福井県には県立病院や精神保健の施設もあるが、福井県庁やほかの機関との恒常的な相談や連絡・連携の体制はどうなっているのか。

◯生活安全部長  警察としては、県や関係機関、弁護士会など、特に被害者支援に関係する団体と、連携をしっかりとっているので、特に問題はない。


警察官の中途退職
◯佐藤委員  女性警察官の採用を今後ふやしていくという話だったが、これまで、警察官や警察職員を採用してきた中で、3年以内にどのぐらいやめているのか。

◯警務部長  過去10年間で採用した警察官は763名いるが、そのうち3年以内で退職した警察官は73名である。

◯佐藤委員  概略で結構だが、退職者の男女別の内訳など、そういう特徴や退職の理由を伺う。

◯警務部長  退職した73名のうち50名は警察学校の初任科でやめている。つまり現場に出る前にやめたということで、理由としては厳しい訓練、規則正しい生活についていけなかった、要は警察官として適格性がなかったということだと思う。残りは、ほかの県警察への転職や、仕事に対する自信の喪失などである。

◯佐藤委員  学校時代に50人がやめたということは、県庁などの一般の公務員と比べると相当多い数だと思う。これは、警察官として適性のある人材を選別できたからよかったのか、そもそも採用試験のあり方に問題があるのか、この辺はどうか。

◯警務部長  警察学校の初任科におけるふるい分けというか、スクリーニング機能が働いているということもあるが、採用募集段階で警察官の適格性を判断して、採用したほうが、コストも時間もかけなくて済む。採用募集の期間は非常に短く、なかなか難しい部分があるが、今後は、採用募集段階での目ききというか、見きわめに力を入れていきたい。

◯佐藤委員  県庁と同様に、県警察に入るための予備校などがあると、試験に受かるテクニックは優れていても、仕事上では困難になる人が入ってくることがあると思う。せっかく採用した人が途中でたくさん離脱するようでは、大きな損失である。目ききというと職人技になってしまうので、もう少しシステム的に改善するということが必要ではないか。

◯警務部長  現在、採用においては、一次試験と二次試験、二次試験まで受かった者に対して警察独自の面接と集団討論をしているが、そのプロセスの中で、できる限り不適格者は採用しないように努めていきたい。


ネット選挙への対応
◯佐藤委員  いよいよ参議院議員選挙が始まり、今回からネット選挙ということがかなり報道されている。実際に何ができて何ができないのかという周知徹底が非常に大事だと思うが、このネット選挙への対応の特徴を伺う。

◯刑事部長  選挙違反に対する警察の取り締まりの姿勢は何ら変わらない。今回、公職選挙法が改正され、ネット選挙が可能となったが、候補者・政党が行える行為、そして有権者が行える行為は二分されている。規定の概要は、候補者・政党については、ウエブサイトを利用した選挙運動も可能で、電子メールを利用した選挙運動も可能であるが、有権者については、ウエブサイトを利用した選挙運動は可能だが、電子メールを利用した選挙運動はできないこととなっている。

◯佐藤委員  ブログなどは、万人が見るからチェックできるが、電子メールは、私信である。これはどのようにチェックするのか。

◯刑事部長  電子メールで送る場合、送る前に相手方、有権者の事前の同意が必要である。

偽装質屋被害は?
◯佐藤委員  福井県の治安情勢の5ページの特殊詐欺の件数で、全国的にニュースにもなっている偽装質屋の事件というのはどこに入るのか。あるいは福井県ではないのか。

◯生活安全部長  九州などにはあるが、福井県では、今のところないと聞いている。

◯佐藤委員  当然ないのが一番いいのだけれども、貧困層も拡大する中で、古物商の関係で高金利が取れる新手の詐欺ということで、全国的には大きな問題になってきており、県内でも起こり得る可能性はあると思うので、よろしくお願いする。これは要望である。


不当要求アンケートについて
 もう一つは、以前、県議会議員もみんな協力したと思うが、不当要求についてのアンケートの集計や分析の結果と対応について、教えてほしい。

◯刑事部長  今回、実施したアンケートについては、自治体の職員並びに各議員に真摯に回答していただいた。詳細な内容の説明については差し控えたいと思うが、県内における行政対象暴力の現状を把握することができたと考えている。この結果を踏まえて、県警察としては総合的な対策として、研修会の開催など行政対象暴力の予防の面で施策を講じていきたいと考えている。

◯佐藤委員  アンケートは集計したけれども、その集計結果は公表しないという答弁なのか。

◯刑事部長  県警察では、アンケート結果について公表をした場合のメリットまたはデメリット等についても検討をした。
 今回のアンケートは被害実態の調査でもあって、被害実態を公にすることになると、相手方を利する場合も考えられる。県警察では、この被害実態に則した効果的な施策を間断なく実施をしていくほうが、メリットが大きいのではないかと判断をしている。

◯佐藤委員  県警察全体として、先ほどの治安情勢の報告書のように、当然プライバシーのところは除くが、被害の実態などをなるべくつまびらかにして、対応を述べるというのが基本方針である。ところが、議員や行政に対する不当要求のアンケートについては、相手方を利するという理由だけで結果を公表しないとのことである。これは、なかなか理解できない。逆に、こういうことは許されないとアナウンスをしたほうが、相手方への牽制になることもあると思うが、その辺はどうか。

◯刑事部長  確かに委員の指摘の議論もある。ただ、アンケートに真摯に回答いただいた中で、実際に被害の申告ができていない方も若干認められる。また、回答いただいた県、市町の各議員、あるいは自治体職員に対し、公表についての了解をとっていない。このため、最初に答えたように、このアンケート結果を受けて、被害を予防する施策のための資料として使いたいと考えている。

◯佐藤委員  何度聞いても納得がいかない。被害の申告ができていない方もいるということだが、私も議会質問に関して、おどしの文書が来たことがあり、それはアンケートには書いたが、一々警察に被害届を出してはいない。特定の議員の名前を公表することは問題かもしれないが、調査結果をアンケートの協力側にも返さないと、何のために協力したのかと意見も出てくるのではないか。必要なものは伏せながら情報提供し、県議会議員や行政担当者に情報を共有してもらわないとどうかと思う。

◯警察本部長  部内でも公表すべきなのかどうか相当真摯な議論をした。一つは、何だこんなことやれるのかという内容を相手に伝えてもおかしいということ、もう一つは、回答者には匿名とはいえ公表するとは全く説明していないので、後で出てしまうと何だという議論にもなりかねず、信頼関係を壊すことを考えたものである。
 他方で、委員の指摘のように、被害の実態がどのくらい深刻かわからないことも事実であるので、今後、研修会等による対応を考えていく中で、可能な限り、被害実態の話をとり入れるよう検討していきたい。

◯佐藤委員  今の本部長の答弁で結構だと思う。やはりフィードバックしてもらい、県議会議員や行政担当者を含めて、お互い知恵をつけあい共同して対処することも必要だと思うので、よろしくお願いする。


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