前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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日本科学者会議「第39回原子力問題全国シンポジウム 原発のない社会づくりのための検証と展望」に参加。使用済み核燃料については、廃炉に踏み出し、サイト内での乾式貯蔵、の直言も。

2024年08月26日 | 福井県政

 昨日は朝から敦賀市での「第39回原子力問題全国シンポジウム 原発のない社会づくりのための検証と展望」に参加しました。県内はもとより全国各地からの参加者で熱心な報告質疑がつづきました。

 開会あいさつで山本富士夫福井大学名誉教授は、「原発は危険な発電システム、大きな事故はどこでも起こりうる、使用済み核燃料問題など未解決」と述べました。

 理論物理の山田耕作氏は、「長い間原子力を研究してきたものとして福島事故は全成果が吹き飛んだ気がした。福島事故の被曝の実相は隠されている。原発社会では社会的弱者、要介護者などは安心して生きられない」と強調されました。

気象学の河野仁氏は地球温暖化の深刻な実態を報告し、残された時間は少ない、と述べました。質問に答えて、「温暖化ガスとともに水蒸気の影響も大きい。原発の温排水による影響は捨象出来る」などと答えました。

 原子核物理の岡本良治氏は、「亡くなった福井大の庄野先生と同業です。実態は、規制基準は原発再稼働すすめる新安全神話の源になっている。新規制基準で安全になっただろうという先入観は危険」と指摘しました。

水文地質学の柴崎直明氏は福島原発汚染水対策の問題の詳細を報告し、トリチウム以外の大量の核種の放射性物質が流されている、大きな欠陥の「凍土壁」工法をきびしく批判し抜本的対策を求めました。

 福井県民の一人として大きな課題を突き付けられたのは、原子核工学の岩井孝氏の「使用済み核燃料の乾式貯蔵」の報告でした。「安全確保のためにも乾式貯蔵。ただプルサーマルはウラン使用燃料より、アクチノイド元素が多く発熱量がかなり大きく、水冷で50年でも乾式貯蔵可能にはならない。核燃料サイクルは中止すべき。全原発廃止なら中間貯蔵は不要で、原発サイトに安全に長期保管管理する必要。超長期的な対応が必要で「事業者責任」にはなじまず、国が責任持つ体制が必要」などを強調しました。

 私が県議時代に、「原発運転開始以降の使用済み燃料が40年以上もプール内にあり、事実上の中間貯蔵状態となっている」「関西電力は利潤最優先で、原発建設時より使用済み燃料プールをリラッキングにより保管容量を2300トンから5100トンと倍以上に拡張している」「高浜3,4号機でのプルサーマルの使用済み燃料は冷却に100年ともいわれ、後は野となれ、の政策だ」などを指摘してきました。

 他県にはない、福井県独自の「発電は引き受けたが、使用済み燃料は引き受けていない。県外へ搬出せよ」との主張は、つまるところ、全国最多の原発を稼働させ続けるうえでの県民感情への対応という面が強いのでしょう。本気でその立場なら、当初計画の倍以上の使用済み燃料プール容量への拡張や、冷却に100年もかかるプルサーマル燃料使用を認めることはあり得ないからです。政府・関電・福井県がグルになって最近でも「使用済み核燃料ロードマップ」などで県民を上手に欺こうとしています。

 県議会に原発廃炉を求める議員がいないなかで、県民運動、県民監視の役割はますます大きい、と痛感します。私もその一員として頑張りたい。

 

  集会後は北川県議のご子息のお通夜にお参りしました。合掌。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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