前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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CDSの闇

2009年07月03日 | Weblog
   サブプライムだけでなく、CDSクレジット・デフォルト・スワップ、という金融の地雷問題があるという。地雷同様、どこで爆発するかわからない。リーマンショック以降の金融の損失がどこまでひろがるかわからない理由がここにある。

  CDS取り扱いの順位    金融機関      サブプライム関連損失の順位
     1位       モルガン・スタンレー        10位
     2位       ゴールドマン・サックス       17位
     3位       JPモルガン              9位
     4位       ドイツ銀行              13位
     6位       バークレイズ             12位
     7位       リーマン・ブラザーズ(破産)     11位


    上位をみても、アメリカだけでなく、ドイツ、イギリスの巨大複合金融機関が「地雷」を抱えている。フランス、スイスの金融機関も取り扱っている。

  このCDSについて、金子勝氏らは「CDSという証券は基本的に、ローンの借り手が債務不履行に陥った場合に備えて元本保証する一種の保険のようなもの。現在、55兆ドルものCDSがある。このスケールはあまりにも大きいため、ほんの一部のCDSに問題が起きるだけで金融システム全体に対して恐ろしい危機をもたらすのではないか」と指摘している。

   これがなぜ強烈なモラルハザードをひきおこしているか。
  それは新しい金融技術の仕組みにある。金子氏らは、「貸し倒れの保険として機能するCDSなどの新しい金融技術の発達で融資先の再建に協力しない貸し手が台頭している。融資先が完全に破たんした場合だけ保険金が下りるという保険にはいっていた場合、その貸し手はこれまでと全く逆に会社を破産に追い込もうとする。融資先の会社が破産してくれたほうが儲かる」。

   金子らは「責任感空っぽの貸し手」と呼んでいる。
   悪徳金融の「腎臓を売って金返せ」以上の悪辣さ。資本主義の腐った姿きわまれり、ということだろう。まさに、マルクスが注目される理由だ。
   しかし、アメリカ政府もコントロールに全力をあげているが、成功する保証はない。
それは、「地雷」の位置と作用を把握しきれないからだ。世界諸国民の生活を破壊し、財産を奪っている金融工学の闇の解明と抑止はこれからの課題だろう。「ルールある資本主義」がいっそう切実になってくる。



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