前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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6月福井県議会 佐藤正雄議員の反対討論

2013年09月13日 | Weblog
 2013年6月福井県議会。最終日の7月5日に佐藤正雄県議がおこなった反対討論です。

その1
◯7番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
 第45号議案 福井県県税条例の一部改正は、住宅ローン控除の延長と拡充には賛成するものですが、金融所得課税の一体化は、現行の上場株式等の配当・譲渡所得に対する損益通算特例を債券、公社債等の利子益、譲渡所得にも拡大するものであり、多くの金融資産を保有する資産家ほど税制面での恩恵を受けるものであります。資産家、富裕層への優遇策の拡大であり、反対であります。
 今、庶民、低所得者ほど負担が重くなる消費税大増税実施が計画されているもとで、このような安倍政権の政策に基づくあべこべ税制の拡大は許されません。
 次に、請願・陳情についての委員長報告に反対の討論を行います。
 請願第31号は年金削減の中止を求めるものであり、採択すべきであります。
 今、アベノミクスの悪影響で諸物価の値上げが始まっております。輸入品の価格高騰は、個人消費とともに、漁業や畜産業などにも大きな打撃を与えつつあります。物価上昇の政策をとりながら老後の生活資金の年金の減額を進めるようでは、国民生活はますます不安定になります。
 総務教育常任委員会では「国の財政も厳しい」などと不採択の意見が出されたそうです。しかし、それならまず政治の責任として大事なことは、コンクリートの大型公共事業の予算拡大ではなく、国民生活の安定のための年金こそ重視すべきであります。
 次に、陳情第32号「教育費無償化」の前進を求めるものです。
 とりわけ安倍政権のもとで高校教育無償化の見直しが計画されており、子育て教育支援の観点から採択すべきです。
 また、給付制奨学金の要望は当然です。世界に目を向けますと、日本の教育政策の異常さは際立ちます。OECD(経済協力開発機構)加盟34カ国のうち、半数の17カ国は大学の授業料が無償であります。その上、32カ国で返済義務のない給付制奨学金が支給されています。授業料が比較的高いアメリカでは65%の学生がこの奨学金を受給しております。授業料が無償の国でも、低所得の家庭の学生に生活費を保障するなどの目的で支給されております。
 授業料が有料で給付制の奨学金さえないのは日本だけなのです。文字どおりの教育支援の面では異常な国です。あれこれと教育内容に政治が口出しするのではなく、まずお金を出すべきです。将来の国を担う子供たちの教育にこそ、親などの経済力に左右されず、国が責任を持つべきであります。
 陳情第33号「ゆきとどいた教育」の前進を求める陳情は、国の責任での少人数学級を求める内容であり、採択すべきであります。
 陳情第34号 地方公務員給与費に係る地方交付税の一方的な削減に関する意見書を求めるものは、求めている内容は2点であります。第1に、地方との十分な協議を経ないまま、地方公務員給与費に係る地方交付税を一方的に削減する措置を二度と行わないこと。第2に、給与は地方公務員法により個々の自治体の条例に基づき自主的に決定されるものであり、その自主性を侵さないこと。
 これは、全国知事会初め地方6団体が強く国に求めている内容と同じであります。なぜこれを福井県議会が不採択とするのか。福井県議会がなぜ地方6団体が求めている内容を否決しようとするのか。さっぱり理解できません。このような議決を行えば、今回のように地方財政への乱暴な介入を許す中央集権国家づくりに手をかすことになるではありませんか。何よりも、今年度限りとされた県職員給与削減を必ず今年度限りとさせるためにも、断固採択すべきであります。
 最後に、陳情第29号は受動喫煙被害防止条例の早期制定を求めるものであります。
 たばこの煙は、私のような吸わない人間にとっては激しく苦痛であるだけでなく、この害により全国的には数千人が亡くなっているという状況は放置できないものです。健康長寿をうたう県の県議会として採択すべきであります。
 以上申し上げまして、反対討論といたします。



その2
◯7番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
 発議第50号 新たなエネルギー基本計画の早期策定等を求める意見書案には、「福島第一原発事故以後、国の原子力規制行政に対する国民の信頼は失墜した」とありますが、まさにそのとおりであります。もともと福井県は原子力行政に当たって、国民合意ということを掲げてまいりました。今、原発推進に国民合意はありません。東京でも大阪でも京都でも、原子力発電の受益地域から反原発の声が沸き起こっております。マスコミの世論調査でも6割以上が再稼働にも原発輸出にも反対です。国民の多くが原発頼みの転換と原発ゼロを願っているのであります。今や原発推進の国民合意などどこにもありません。
 しかし安倍政権は、福島事故も収束できていないのに、世界最高水準の原発だとして国内原発の再稼働と海外への輸出を推進しようとしております。総理は「大事故を起こした日本だからこそ安全な原発を輸出できる」などと言っているそうですが、大事故を起こせば起こすほど原発を輸出できるなどとはとんでもないことです。このような死の商人ならぬ、死の灰の商人のような活動は許されません。福井県庁もそのお先棒を担ぐことは許されないのであります。
 今、福島を忘れたのかとの怒りが広がっています。福島の原発事故は解決したのですか。福島の15万人とも言われる避難生活の方々のふるさとでの生活の見通しは立ったのですかと問いたいと思います。
 この意見書案は、安倍政権の方向に沿って、原子力発電の意義を明確に位置づけ、国民の納得と理解を得られるエネルギー基本計画を早期に策定することを求めており、反対であります。
 次に、発議第51号 原子力規制のあり方に関する意見書は、安全性確認の手続を効率的かつ迅速に進め、安全が確認された原子力発電所は国の責任で早期再稼働を行うことを求めており、露骨に原発推進の立場から原子力規制委員会の活動を批判するものであり、反対です。
 今求められているのは、国民の命と財産を守る立場に立った厳格な規制委員会の活動と真の規制体制の確立です。しかしながら、新たに作成された規制基準での規制体制では対策先送りでも再稼働を認めるなどと抜け穴だらけであります。極めつけは、大飯3・4号機の運転継続を認めたようにずさんなものであります。
 ここで改めて強調したいのは、予算特別委員会でも指摘しましたが、西川知事先頭に女川原発は地震でも安全だったなどと宣伝している問題であります。
 6月に行った日本共産党の調査によれば、震災当日に1号機とともに運転中であった3号機の蒸気発電タービンの羽根──1万枚あるそうですが、何と7,000枚が破損し交換作業中であります。まさに重大事故が起こっていたのです。1号機は原子炉のふたをあけるためのクレーンが破損したままで、炉内の実態が明らかになっていません。つまり震災による女川原発破損の全容が全く解明されていないという冷厳な事実が明らかです。5系統の電源のうち4系統がとまり、辛うじて1系統で冷却された事実を見ても、福島と同様の事態が宮城でも起こる寸前だったわけであります。
 知事先頭に、地震で甚大な被害を受けた女川原発を安全の例証として挙げるのは極めて不適切であります。
 さらに、福井県も協力関係を強めようとしているIAEAの問題です。
 昨年の7月30日から10日間にわたって女川原発調査に入った国際原子力機関(IAEA)が発表した調査結果で、「女川1号機から3号機において地震時に安全確保上重要な設備は適切に機能したことを確認した」、「あれだけの地震動にもかかわらず構造物、機器については驚くほど影響を受けていないというのが今回の結論である」と述べられています。まさに事実をゆがめて世界に伝えているのがIAEAであります。
 このような原発推進機関のIAEAと協力して福井県が原発の海外輸出に加担していくことは、やめなくてはなりません。
 福島原発や女川原発の実態と事故全容が未解明な点を踏まえれば、原発再稼働を求める状況では全くありません。福井県議会が国民世論に背き、早期再稼働を求める意見書を出すことには反対です。
 以上申し上げまして、反対討論といたします。


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