前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

前福井県議会議員・さとう正雄の活動日誌。ご意見・情報は smmasao.sato@gmail.com までお願いします。

2月県議会、当初予算反対討論。本州で再稼働を認めているのは福井県だけであり、原発に依存する県政からの転換が必要。

2022年05月30日 | 福井県政
 2022年3月16日 福井県議会本会議 佐藤正雄議員の討論。

◯28番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
 第1号議案令和4年度福井県一般会計予算についての反対の理由の第一は、福島原発事故から11年を経て、なお原発推進の予算案である問題です。東日本大震災では、福島県で一番災害関連死が多いわけです。今でも約8万人もの方々が故郷に戻ることができておりません。本州で再稼働を認めているのは福井県だけであり、原発に依存する県政からの転換が必要です。
 県議会でも、ロシアによるウクライナへの戦争と原子力発電所への攻撃に対して厳しい非難の決議を採択いたしました。福井県行政や福井県議会が日本最多の原発を誘致してきたのは、平和憲法の時代だったからではないでしょうか。原発は、ミサイルなどから県境を越えて逃げることはできません。敵基地攻撃論や核兵器共有論の行く先は、原発すら攻撃される将来となりかねないことを教訓としなければならない点も強調しておきたいと思います。
 第二に、新幹線に154億円はじめ足羽川ダム、福井駅西口再開発など大型公共事業推進の問題です。新幹線では機構の北陸新幹線建設局長がマスコミのインタビューに答えて、敦賀以西の建設費用は2兆1,000億円より増えると思うなどと述べましたが、沿線で一番小さな福井県が、今でも一番大きな建設費負担をさらに際限なく増加させられかねないということが明らかとなりました。不要不急の大型事業の見直しで、少子高齢化社会にふさわしい交通ネットワークこそ守るべきであります。
 第三に、手数料条例の改正で県民負担増大となることです。ガソリンや食料品などの猛烈な値上げの中で、ますます県民生活のやりくりの厳しさが増す中での県民負担増大は行うべきではなく、県民生活支援こそ強化すべきです。よって、第21号議案手数料徴収条例の一部改正について、第38号議案公安委員会等手数料徴収条例の一部改正については反対であります。

 次に、第5号議案令和4年度福井県国民健康保険特別会計予算についてです。今でも高過ぎて払えない国保税、払えない世帯には短期保険証、資格証明書などが発行されて、医療へのアクセスが脅かされております。県として財政支援を強化し、保険税の引下げを行うべきです。とりわけ、子どもへの頭割りの課税を見直し、子育て支援を強化すべきであります。

 第36号議案、第37号議案は、県立学校、市町立学校の教員定数の削減であり反対です。学校現場からも県の教育委員会からも、一番必要なのは教員定数の拡大だという認識で一致しているわけですから、教員定数の拡充こそ進めるべきです。
 以上申し上げて、反対討論といたします。

並行在来線・3セク鉄道の駅について。県都のまちづくり推進事業について。男女共同参画。県庁のネットアカウントでの更新状況。JR西日本の赤字額公表について。

2022年05月30日 | 福井県政
 2022年2月28日 総務教育常任委員会 地域戦略部関係 佐藤正雄委員の質疑を紹介します。

マイナンバーカード取得キャンペーン事業

◯佐藤委員  2月補正予算案説明資料7ページのマイナンバーカード取得キャンペーン事業が減額になっているが、普及状況はどうなっているか。

◯市町協働課長  現在、マイナンバーカードの普及率は40%前後である。国の平均を若干下回っているところである。この予算については、昨年度の6月補正予算でお認めをいただいた県独自の交付推進のキャンペーンである。予算的には7万8,000人程度分の枠をお認めいただいているが、その大体74%程度、5万8,000人程度の方々に特産品などのプレゼントをさせていただいたという執行率である。

◯佐藤委員  世帯割合でいくとどのくらいになるのか。

◯市町協働課長  世帯数での統計は取っていない。ゼロ歳からカードは取れるものであるから人数でしかカウントしていない。

◯佐藤委員  分かった。


並行在来線の駅について

◯佐藤委員  当初予算案説明資料37ページの並行在来線鉄道施設等整備支援事業であるが、ICOCA改修というのは具体的にどういう利用ができるようになるのか。

◯並行在来線課長  現在、JRの回線でICOCAの改札機とか券売機を利用しているが、並行在来線が開業すると、並行在来線会社が整備する回線のほうに券売機とか改札機の接続を図るというもので、JRから会社のほうに移行するために必要なものである。

◯佐藤委員  JRから三セクへ移行するのに必要な経費ということであるが、実際にJRでみどりの窓口がなくなって画面になるとか、駅の委託がなくなって無人化するとか、いろいろ考えられているが、こういう整備をしていく以上、現在、JR西日本が経営合理化のために例えば窓口をなくした、あるいは無人駅にした、それを並行在来線のときにはより利便性を高めるために元に戻すというシステムの準備も含めて考えるのか。

◯並行在来線課長  基本的には開業直前の駅の体制を維持するというような観点で進みたいと思っている。経営が厳しいので、一度無人化したものを有人化するのはなかなか難しいのかなと思っているが、その辺は沿線市町の意向とかも確認しながら、どんな体制でいくかは改めて検討したいと思っている。

◯佐藤委員  ぜひ県民の利便性を高めるようにお願いしたいと思う。
 予算案説明資料37ページ5番の並行在来線駅まち魅力づくり支援事業について、パークアンドライド駐車場の整備とあるが、これはどこを整備するのか。

◯並行在来線課長  今回、市町に対する新たな制度創設ということで、十分に市町に周知を図りたいと思っている。来年度をかけて、市町においてこの制度の活用を念頭に、思い切った整備計画を立てていただきたいと考えており、具体的にパークアンドライド駐車場がどこかというのはこれから市町のほうで検討することになる。

◯佐藤委員  ほぼ確定しているところとか、検討しているところ、新駅が3つあると言われていた。当然パークアンドライド駐車場も併設するということで考えているのか。

◯並行在来線課長  3か所の新駅でも検討など進められているし、その駅周辺の整備も念頭に置いている。
 また、鯖江市においては、鯖江駅の東口の整備も見直しをしようという検討会が立ち上がっていて、支援制度を活用して大規模な計画をつくっていただきたいと考えているところである。


県都のまちづくり推進事業について

◯佐藤委員  予算案説明資料43ページの2番、県都のまちづくり推進事業について、これは本会議でもいろいろ議論になっているわけであり、福井駅周辺の新たなにぎわい創出支援と出ているが、先日の知事答弁などを聞いていると民間でやってもらうのだと、行政の関わり方などは今後収支がどうなるのかも含めて考えていくのであるという話であった。この1,500万円ぐらいの予算というのは、例えば福井市とか、経済界も同じぐらいの予算を出し合って会議を開くと大体3分の1ずつになるという予算の組み方になっているのか。

◯交通まちづくり課長  委員おっしゃるとおり、県と市、それから福井商工会議所が基本的に3分の1ずつ負担し、創生協議会に拠出して、その中でいろいろな調査やにぎわいに向けた検討を進める費用として充てている。

◯佐藤委員  そうすると、5,000万円ぐらいの予算で新年度はやることになるのだろうと思う。具体的なアリーナの計画ということになっていくと思うが、知事が答弁で周辺住民の理解、交通の整理、実際にその施設をつくって、どの程度の収支採算性があるのか、これらを6月、7月までの短期間でまとめるのは、地元の同意とか市議会の同意とかいろいろ含めると、6月議会しかないわけであるが厳しいのではないか。

◯交通まちづくり課長  アリーナに関しては、来年度に基本構想というものをまとめていきたいということで経済界が主体となって検討を進める予定である。検討の準備を今から進めており、新年度、なるべく早く発注して検討を進めるということで、その結果を議会に間に合うようなスケジュールで進めていきたいと思っている。

◯佐藤委員  コンサルタント会社に発注するのであろうが、そういうやり方が、周辺の住民の合意や同意とか、交通政策をどう考えるのかとか、実際に民間だけでペイできないときは行政にもお金を出してもらうとか、あるいは行政のイベントもやってもらうとか、いろいろなことが考えられるわけであるが、その辺を含めて、あと1回の県議会と市議会だけで決め打ちするのは難しいのではないか。

◯交通まちづくり課長  まず、その調査結果を受けて創生協議会での検討、それから地元に対しては住民に近い福井市のほうでいろいろ説明等も必要になってくると思うが、まずはその骨子案を6月議会等でお示しさせていただいて、その後、この夏をめどにグランドデザインの取りまとめに向けて進めていくので、その状況を9月議会で報告させていただこうと思っている。

◯佐藤委員  北陸新幹線は百年に一度とか、いろいろな言い方をされるが、短期間にアリーナの話が突然出てきたと思ったら、もう6月議会、8月には決まってしまうということで進めても、市民の合意とかを考えるとこれはうまくいかないと思う。もともと春山にある福井市文化会館があそこに移転するという話で福井市民には説明されていたわけである。福井市長の話だと、福井市文化会館は令和6年ぐらいまでに考えようということで2年ぐらい先送りになるわけである。そういうことも含めて、もう少し丁寧にやる必要があると言っておきたいと思うが、部長いかがか。

◯地域戦略部長  委員指摘のとおり、当然地元の方々との協議はしっかりやっていかなければいけないし、スケジュールありきということだとおかしなことになってしまうのはそのとおりだと思っている。そういう中で、6月議会、そして9月議会、市議会もあるが、今のイメージだと9月議会ぐらいまでにある程度話すべきところはじっくり話をさせていただく。場所をどこにするかという問題はもちろんある。運営形態としてどういう形態が好ましくて、行政支援がどのくらい必要になるのかどうか、その辺も併せて全部詰めていこうと思っている。もちろん県議会での議論もあるし、市議会での議論もある。そういう全体の中で、地元の同意も並行して得ていくという過程になる。我々も地元を無視するつもりは全くないが、新幹線開業を考えた場合に、ある程度早く整備効果を具現化することも観点に持ちつつ、精力的に協議をしていくということになろうかと思う。


男女共同参画

◯佐藤委員  世界を見ても、やはりジェンダー平等、女性の活躍比率が高ければ経済成長率も高くなるとか、ヨーロッパでもそういうことが言われている。
 日本の場合は、これも福井県のという話なのか、全国的な統計では男性と女性を比べると、年収は女性が1億円少ないとも言われている。であるから、そういう社会のままでいいとは誰も思わない。これを見ても、こっちは今、何人か県議会にいらっしゃるが、たまたまこの総務教育常任委員会では女性ゼロと。理事者も女性は若干名という状況である。だから、こういうことをだんだん社会としては変えていかなければいけないというのは、みんな考えていることだと思う。だから、それをどう自然に一人一人のコンセンサスも得ながらやっていくかということが大事だと思うので、いろいろな団体や県民の意見も聞かれているのであろうが、こういう分野はいろいろな意見がたくさん出てくるのが常であるので、なるべくたくさんの意見を聞きながら経済も成長する、それで女性も活躍する、男性もハッピーになるというような社会に向かっていくことが大事かなというのが一つ。
 昨日インターネットを見ていたら、福井のLGBTの団体の方が意見書を出したといってネットに書いている。多分皆さんのところに届いているのであるかと思うが、そういう方々から見ると、まだこの書き方では私たちのことを考えてもらっていないのではないかという意見などもネット上に出ていた。広くネットでご意見を寄せられる方もいらっしゃるであろうし、寄せられない方もいらっしゃると思う。県民の意見を聞くときにパブコメをやったという話ではあるが、パブコメで本当に県民の意見を聞いて計画をつくったのか、その辺は疑問になることも多々あるわけである。広く県民の意見も聞いて、よりよい計画にして実際これで福井県がよくなっていく、それで、いろいろな立場の人も福井県民でよかったなと思えるようにしていくことが大事だと思うが、その辺はいかがであろうか。

◯県民活躍課長  今ほど委員の指摘があったように、この計画は女性のためだけの計画とは考えていない。まさに男女共同参画計画ということであるし、策定コンセプトのほうも、女性が暮らしやすい社会というのはみんなが暮らしやすい社会なのだということをコンセプトにつくっている。その意味では、多様な価値観を認め合いながら尊重するという観点でつくっている。先ほどのLGBTであったり人権関係の話もあったが、また、先ほど斉藤委員への答弁の中でも触れたが、県庁の福祉部局、教育部局と連携しながらこの計画をつくっており、密接に連絡を取りながらこの計画を進めていきたいと思っている。

県庁の中のフェイスブック、ツイッター、インスタグラムのアカウントの更新

◯佐藤委員  資料も頂いているが、デジタルということに力を入れているが、県庁の中のフェイスブック、ツイッター、インスタグラムのアカウントの更新がどのくらいされているのか、いないのか。資料を見ると、1か月以上更新されていない、あるいは2018年、2019年から更新されていないというのも結構ある。やめるならやめてアカウントそのものを廃止しないと、この間のように乗っ取られてしまうことがあるので、多分これは皆さんの関係するところは御覧になったと思うが、これを見てどういう総括をして今後の対応はどうされるのか伺う。

◯統計情報課長  委員ご指摘のとおり、これは毎年定期的に調査もしていたし、SNSのアカウントをつくるときには、当課に報告をすることになっている。
 傾向としては、得意な職員がいるときには盛り上がってやるが、その得意な職員がいなくなってしまうと先細りになったりすることもある。そういったことで乗っ取り事案等も出てしまったこともあるが、各所属に対して適切な管理をするようにと、更新をしないものについては廃止するようにしたということもあって、その調査以降、4件ばかり廃止するところもあった。また、通知したことによって、再度情報発信を復活しているところもあるので、御指摘のとおり、アカウントだけ取って放置することのないよう今後も努めていきたいと思っている。

◯佐藤委員  よろしくお願いする。

JR西日本の赤字額公表について

 もう一点、さきほどの部長報告でJR西日本の対応についてあったが、知事や部長が言っているような見方だけではいかがかなという気はする。というのは、これまで4,000人とか2,000人未満の区間とか、いろいろ出してきて、今度は収支を出すわけである。小浜線は幾ら赤字である、越美北線は幾ら赤字であるというのを地方自治体に突きつけるというわけである。そして、どうしてくれるのかという議論に持っていくわけである。観光利用で一緒にやろうというだけでは乗り切れない危険性が出てくるのではないかなと思う。
 JR西日本の資料に何と書いてあるかというと、地域交通は鉄道のみならず、バス、タクシーも含めて全部厳しいと。当社の課題でもあり、地域社会全体の課題でもあるということで、地域のまちづくりに合わせた今より利用しやすい持続可能な交通体系を地域とともに模索していきたい、実現していきたいと書いている。であるから、今のままそういう資料が出されてしまうと、これは福井県だけの話ではないが、JR西日本のテンプレートみたいなものでどうしていくかという議論が自動的に始まっていってしまう、あるいは議論にのせられていってしまう危険があると思う。
 大事なのは、国土交通省に対して、これを出すのをやめてほしい、そんな収支計算を出すのはおかしいのではないかということを言うことも必要だと思う。例えば道路などは、福井市でも坂井市でも越前市でもあるいは越前町でも、収支計算は幾らかなんてばかなことは出さないわけである。なぜかというと、それはライフラインだからである。だから、そういう点では道路と単純に比較はできないが、鉄道も地域のライフラインなわけであるから、単純な収支計算を突きつけて、それで地方を追いやるようなことは、国としてJRに対してやめるようにできないのかぐらい相談をしないとまずいという気がするが、その辺の認識はどうであろうか。

◯交通まちづくり課長  JRが出してくる路線別の収支計算は出すべきではないだろう、出させないようにしないといけない、それを国に対して言っていくべきではないかというご発言だったかと思う。
 国のほうでもこのローカル鉄道の状況が厳しいことを受けて、鉄道と沿線地域が協議をしていく、そういう現在の鉄道維持なのか、ほかのモードへの転換とか、そういった方策についての検討を始めたところである。議論する中にも全国知事会もオブザーバーとして入っているところもあるので、そういったところと連携して、廃線とかほかのモードへの転換ありきの議論にならないような方向へ持っていく、そういう誘導にならないような形をとっていかないといけないと訴えていく必要はあるかなと思っている。

◯佐藤委員  以前、議会の討論でも言ったと思うが、京福電気鉄道が廃線になってしまったときに、福井県は社会実験をしたということを言ったと思う。あのときも、我々は京福に対して電車を廃線にしないことを要望したが、社長は投げ出してしまったのである。今回もそれと同じようなパターンになってしまうのではないかと。京福のあの当時の経営とは違うから、そんな露骨なことをJRはしないと思うが、世論としてはそういう方向に持っていこうとしているのだろうと思う。であるから、三国、福井の鉄道にしても、勝山、福井の鉄道にしても、廃線になってしまって、やはり鉄道がないと駄目だということで、当時の県の幹部や県民の皆さんも頑張られて残したわけである。それで、今のえちぜん鉄道になっているわけであるから、そういうことを越美北線とか小浜線でそんな社会実験をしなくても、結果はある意味明らかであるわけであるから、そこを国に丁寧に話をして、これは国がお金を出さないとJRだけで担ぐようにといっても難しい面もあるので、きっちり議論をしていっていただきたいと思うが再度よろしくお願いする。

◯新幹線・まちづくり対策監  地方鉄道、JRローカル線の問題であるが、委員おっしゃるとおり、これまで鉄道事業というのは民鉄ということで、もうかる収益事業ということを中心に、ずっと明治以来事業が成り立ってきているところと、我々の地方のところではそれが成り立っていなくて、今おっしゃられたライフラインに近いものになってきているところのいわゆる根本的な対立というか、そういうものが背景にあると思っている。
 昨年の減便等の経験から、やはり地方と事業者の話合いをきちんとやっていくという場は必要だろうと考えている。その一方で、県の場合だと、主にJRの方々との協議において、やはり意見が合わないとか方向性が合わないとか、今おっしゃったようなことになると、届出制で例えば極端なことを言うと廃止が決まってしまうような制度になっていたり、減便になってしまうというところにおいては、きちんと国が関与してコミットメントしていただくような方向で、我々からもきちんと意見を申し上げていかなくてはならないことは十分申しているし、全国知事会に対してもそのようなことを申し上げるし、我々としても言っていかなくてはいけないと思っている。
 あと、全国的な議論であるが、乗車が2桁とか、1桁の低いところもあるので、仮にモードの転換ということをやるような場合、転換をするとサービスが向上されるどころか質を落とされ、持続可能なものになっていないところがあるので、そこはしっかり国に対して、財源措置等もきちんとした上でやるようにと、全国的な見地から申し上げていく必要はあるだろうと思う。
 いずれにしても、当然、今おっしゃられたように、本県においては、福井鉄道は再構築事業の第1号案件であったし、えちぜん鉄道についても利用者を増やしてきたところもあるので、並行在来線で例えばまちづくりの新しい支援制度を設けようとしていることもあるので、総合的な努力をしている県についてはきちんとした支援措置なりを設けていただくよう申し上げていきたいと思っている。



私立高校と県立高校の入学定員。新財務会計システム構築と市町の独自性。県立大学「恐竜学部」。福井県公共施設等総合管理計画中間見直し案に関して。

2022年05月30日 | 福井県政
 2022年2月28日 総務教育常任委員会  総務部関係での佐藤正雄委員の質疑を紹介します。

私立高校と県立高校の入学定員

◯佐藤委員  2月補正予算案説明資料24ページの4について、私立高等学校教育振興補助金の補正理由が生徒数増に伴う増額とあるのだが、年度途中で生徒数が増えたのか。

◯副部長(大学私学)  当初予算の段階ではまだ新入生が入っていないので、大体の見込みを立てて年度末に実際に入学した数字で補正をさせていただいている。

◯佐藤委員  県立学校は割と定員について厳格に対応して合格者を出す。私立学校は定員をかなり超えて合格者を出す。生徒数が減少していく中、県立学校はどんどん再編が求められているのに、私立学校の再編についてはそれぞれの独自性があるからうまくいかないというのはよく分かるのだが、だからといって定員を何十人も超えて合格者を出し、結果的に生徒数増に伴い年度末に予算を増額することはおかしいのではないか。

◯副部長(大学私学)  県立高校との関係で申し上げると、県内の私立高校においては定員を上回る数を確保していると見えるけれども、実際は、県内の中学校からの入学者数をみると、それだけでは私学の定員を超えていないということである。すなわち、県外からスポーツや文化などにおいて優れた生徒をしっかり集めて、何とか定員を超えて教育をしているのであって、県立の定員を私学で取っているという状況ではない。その点を理解いただければと思う。

◯佐藤委員  実際に何人上回っているかという話だと、5人や10人ではないわけである。私立学校合わせると。福井新聞等の報道によると去年で171人、今年は191人ぐらいだったか。200人近く上回って合格させているわけである。県立学校は35人学級などにしているけれども、私立学校は1クラス40人にしていたりするわけである。やはりそういう点では、もう少し県立と私立のバランスを考えられたらどうか。

◯副部長(大学私学)  今ほどの百何十人オーバーをしているという数字であるが、200名ぐらいは県外出身の生徒が占めていて、県内出身の生徒数だと定員を上回っていないという状況である。
 県立とのバランスについては、これから中学校の卒業者数の見込みが減っていくので、長期的な課題として今後いろいろ協議の場を設けながら検討していきたいと考えている。

◯佐藤委員  県立学校は一生懸命リノベーションをいろいろやっているけれども、私立学校はだいぶ前から立派な施設で冷暖房も完備されていて、子どもたちはそちらに進む。私立に補助金を出すことが悪いと言っているのではなく、負担してもらえばいいのではないか。だとしたら同じように、県立にもお金を出して、私立並みにきちんとした冷暖房完備を支援するのが当然ではないかという趣旨である。入学定員の問題にしても、年度末に生徒数が増えたから4,000万円も増額であるというようなことは、逆に総務部の見込みも違っていたということを言っているようなものであるから、それもおかしな話だと思うのである。であるから、やはりそういう点ではもう少し私立もしっかり応援してもらう、県立も応援してもらう、生徒数の増加で4,000万円も年度末になって増額することはおかしいのではないかというのが質問の趣旨である。もう一度答弁をお願いする。

◯総務部長  学校教育施設への予算の措置については、それぞれの施設の必要性というところを踏まえて毎年検討させていただいているところである。また、定員の在り方についても、私学、公立それぞれの必要性や考え方などあるので、そういったところを踏まえながら毎年作成させていただいているところである。
 いずれにしても、公立であれ私立であれ、学生がしっかり学べるというところが大事だというふうに思っているので、全体的な状況を見ながら今後とも考えていきたいというふうに思っている。

◯佐藤委員  バランスよく、私立もきちんと応援してやっていただく。併せて、公立もあまりにも見劣りするような施設では若い子は県立学校よりも私立学校を選択するから、やはりそういうことはバランスを考えて進めてほしいということは再度要望しておく。


新財務会計システム構築と市町の独自性

 予算案説明資料28ページの新財務会計システム構築に係る業務改革・調達支援事業だが、説明を読むと、市町とのシステムを共同化するということである。共同化ということは、市町がこれまで独自に設計、あるいはいろいろな民間会社に委託していたシステムを県のほうで一本化して市町のシステムを作るという話になるのか。

◯審査指導課長  市町との共同に関しては、令和7年度に県の財務システムを構築する予定をしている。その中で、市町と一緒にシステムを構築することができたら双方にとって経費等の面で利点があるのではないかということを一度検討してみようということである。

◯佐藤委員  検討のスケジュールはどうなっているのか。

◯審査指導課長  令和7年度に新しい財務システムを稼働する予定であるので、それまでに検討するつもりであるが、財務システムの構築にまだ時間があるので、なるべく早く検討を進めたいと思っている。

◯佐藤委員  市町にとっていい面とこれはどうなのかと両方あると思うのである。財務だから市町によって大きな違いがあるとは思えないけれど、やはり給与の体系にしてもいろいろな財政の出し方などにしても、一応標準システムに加えて市町独自で長年の慣行でやっている部分もあるとは思うのである。そういう独自性というものも今回のシステム統合で共通化してしまおうと。市町独自にやっているようなものは整理することになるのか。

◯審査指導課長  委員おっしゃるとおり、各市町も今まで独自の財務システムで業務を行っているので、その辺も併せて各市町にも情報を聞きながら検討していきたいと考えている。

◯佐藤委員  こういう流れはずっと以前からあるとは思うのだけれども、いろいろな市町の独自性がどんどんなくなっていくのはどうなのかなと思って質問した。その辺はよく市町の意見を聞いて強制にならないようにお願いしたいと思う。

県職員の留学に関して

◯佐藤委員  関連で、以前も国外の大学院で勉強されるということをやっていたと思う。たしかそのときに、立派になって帰ってきて、しばらく県庁にいたが辞めてしまって、ほかの民間へ行ってしまうとか、ほかの大学へ行ってしまうとか、そういうケースが何件か散見されたので、これはいかがなものかということで議会でも問題になったことがある。それを教訓として踏まえられているのか。

◯人事課長  昨年度、留学費用の返還に関する条例を設けている。派遣研修後5年以内に離職した場合には、その総額について在職期間に応じて返還させるといった条例を設けている。

◯佐藤委員  そうならないように、また福井県庁で立派に頑張っていただきたいと思う。
 それから、予算案説明資料22ページの合同庁舎運営費について、維持管理費が3,000万円ぐらい増えているのは、燃料費の高騰などの関係であろうか。

◯財産活用課長  合同庁舎の修繕等が増加したことによるものである。


県立大学「恐竜学部」

◯佐藤委員  今説明のあった県立大学の古生物学関係の新学部であるが、専門的な恐竜・古生物コースと地質・古環境コースということで30名、就職先はこういうところが予想されるという説明であるが、教員は新たに何人ぐらい必要になるのか。

◯副部長(大学私学)  教員については、学部をつくるということで最低の基準が14名だったと思う。それ以上を確保していく必要があるということである。

◯佐藤委員  教員14名が新たに必要になるということであるが、これは具体的には新しい学部であるから文部科学省の設置認可とかが必要になってくると思うが、その手続は大体どうなるか。

◯副部長(大学私学)  令和7年4月に学生をしっかり迎えられるように、令和6年度中に認可を受ける必要がある。そのために、その前年度あたりに文部科学省にしっかり相談をしながら申請の手続に入る。

◯佐藤委員  新しい学科をつくるよりハードルが高いと思うが、やる以上はしっかり頑張っていただきたいと思う。
 それから、1年生は永平寺キャンパスで教養課程、2年以降は勝山キャンパスということであるが、あわらキャンパスのときに送迎バスを出すという話だったが、今回はそういうことは考えていないということだった。優秀な学生だからそういうことはないかもしれないが、単位を落としたりして何単位か永平寺キャンパスへ行かなければならないという学生が出てくる可能性もある。めったにないかもしれないが、そういう場合はどう対応されるのか。自己責任ということであろうか。

◯副部長(大学私学)  一般教養科目の単位を落とすケースはないことはないと思う。そういったケースに限っては、個別にしっかり授業を受けていただく、必要な単位を取得していただくような配慮はしていかなければいけない。最近はウェブで授業なども受ける体制を整えているので、新しい時代に見合ったやり方なども工夫しながらしっかり対応をさせていただこうと思っている。

◯佐藤委員  学生のサポートをしっかりよろしくお願いする。


包括外部監査

◯佐藤委員  第21号議案は、国の関係もあるのであろうが引上げということで反対する。
 1点確認するが、包括外部監査は毎年、会計士の方と契約をされ、どういうテーマでやるかを決めてやってきていると思うが、結構長く経つのでテーマがマンネリ化するとか、そういうことはないのか。

◯監査委員事務局次長  基本的に外部監査については4年続けて契約できない規定になっており、来年度は相手方を変えて契約するために議案を出させていただいている。いろいろな経験を積んだ公認会計士等にテーマを決めていただくものである。同じようなテーマは間隔を空けてやることもあるが、マンネリ化はしていないと考えている。


福井県公共施設等総合管理計画中間見直し案

◯佐藤委員  これはコンサルタントかどこかに委託してまとめた資料なのか。それとも、総務省か何かの標準的なソフトがあって、それで県庁がまとめた資料なのか。

◯財産活用課長  総務省が示された内容を基に財産活用課でまとめたものである。

278◯佐藤委員  福井県としては、直接ここに載せる項目ではないかもしれないが、例えばえちぜん鉄道の予算が出てきているが、レールの部分は県が出すということで予算計上されるわけである。今度、北陸本線が第三セクターになる。三セクは公共施設とは言えないが、その買取り資金と維持費が30年、50年、維持費のメンテナンスなどの補修費は福井県が持つようになることを含めないと、県の財政全体としてどれほどのお金がかかってくるのか。橋や道路は入っているが、鉄道は入っていないので、その辺はデータ提示が必要ではないか。

◯財政課長  指摘いただいた、えちぜん鉄道であるとか並行在来線の関係であるとか、県有施設ではないが、一方で、おっしゃるとおり県の財政には影響を与えるものになるので、こちらについては収支見通しを示させていただいたが、その中で計上して今後の健全な財政運営に生かしていきたいと考えている。

◯佐藤委員  収支見通しはほかの議員からもこれで大丈夫なのか、見通しが甘いのではないかと声が出たのである。だから、やはりもう少し丁寧に試算することが必要だと思うので要望しておく。


スクールロイヤー配置事業。学校での災害発生912件。特別支援学校施設整備事業。教員の残業問題。トイレへの生理用品配置。高校演劇「明日のハナコ」・情報公開提供に課題

2022年05月30日 | 福井県政
2022年2月28日に開催された県議会総務教育常任委員会 教育委員会関係での佐藤正雄委員の質疑です。

◯西本(正)分科会長  まず、分科会の審査に入る。
 審査は年度ごとに行う。令和3年度関係の第105号議案の教育委員会関係分について、各委員より発言を願う。

スクールロイヤー配置事業

◯佐藤委員  2月補正予算案説明資料9ページのスクールロイヤー配置事業が減額になっているけれども、実績について解決した件数と解決に至らなかった件数はだいたい何件ぐらいになるのか、傾向を伺う。

◯教職員課長  今年度のスクールロイヤーの案件に関して相談があったのは7件である。この7件には、保護者間のトラブル、保護者への対応をどうしたらいいのかということや、演劇に関することも含んでいる。具体的には「解決をした」が7件中4件、「変わらない」が2件、現在もあるのが1件と考えている。

◯佐藤委員  スクールロイヤーの活用ということで、件数は当初の予想どおりなのか。それとも少なめなのか。

◯教職員課長  取り組み始めたときに比べると、件数が減っている。来年度もこの事業があるので、有効に活用できるよう広めていきたいと思っている。

◯教育長  前年度はかなり多かったのだけれども、相談事例を高校も含めて全ての市町の皆さんに共有できるような仕組みにしているので、そういった面でも2年目は減ってきているのかなと思う。

◯佐藤委員  共有することは非常に大事なことだと思う。
 今答弁があったように、演劇関係というのは「明日のハナコ」のことなのだが、私も資料請求したし、市民の方も情報公開請求をしたのだが、一体どういう内容の相談で、どういう内容の助言があったのかさっぱり分からない。市民に対しても私に対しても情報提供されているのだが、例えば、自分が病気でAというお医者さんにかかる。Aというお医者さんの診断でどうかなというときに、Bというお医者さんの診断にかかる。要するにセカンドオピニオンということがあると思うのだが、今回の「明日のハナコ」の例を見ると、セカンドオピニオンもこのスクールロイヤー制度で必要ではないかと思えるのだが、いかがだろうか。

◯教職員課長  今のところ、案件に関してはどれも必ずセカンドオピニオンを行うということは考えてはいない。

◯佐藤委員  結果的にはスクールロイヤーの意見もあって対応が行われて、これだけ大きな社会問題になっているわけだから、案件によっては別にセカンドオピニオンが必要ないという場合もあるだろうけれども、問題のテーマによってはセカンドオピニオンとか、複数の弁護士に相談するとか、そういう体制も必要ではないかという質問の趣旨である。

◯教職員課長  このような案件は初めてのことなのだけれども、必要性があれば対応していきたいと思う。

◯佐藤委員  ぜひ検討してほしいと思う。
 もう一点だけれども、予算案説明資料30ページについて、今回議案でも出されている損害賠償なのだが、この額だけ見ると物すごく大きい。この損害賠償額というのはこれまで行われた損害賠償の中で過去にも何件か類似した例はあるのだろうか。

◯保健体育課長  今、損害賠償額の金額については、私ども学校関係で把握している限りでは、この1億4,000万円は最高額である。

◯佐藤委員  小さい事故とか、学校の体育の授業などを中心にいろいろあると思うのだが、それはこの損害賠償とは別の制度で救済されていると思う。そういう事故件数は大体何件ぐらいあって、医療費の支援とかは大体年間幾ら支出されているのか。

◯保健体育課長  令和3年度の実績で、災害の発生件数で言うと912件、また医療費を月ごとに支払っていくわけなのだけれども、それが延べ2,031件、また障害見舞金については2件で4,088万円という実績になっている。

◯佐藤委員  今回、被告は県だけで、直接担当された学校の教員は被告になっていなかったと聞いているが、そうはいってもこういうことになったわけであるから、こういう事故が起こらないように、その後どういう対応をされているのだろうか。

◯保健体育課長  対応については、今回発生した事故がかなり高さの低い鉄棒で高校生が試技をした際に起こったものということで、一般的に安全だと思われるような場合でもこういった重症の損害が起こり得るというようなことを、教職員も含め、実際体育の授業で生徒に対して注意喚起するよう通知は出したのだけれども、いろいろ体育の教員が集まるような集合型の研修等でビデオ等を使いながらしっかり周知徹底させていきたいと思っている。

◯佐藤委員  今回の県議会に議案として出される以外にも年間912件、見舞金で4,088万円ということであるから、相当の事故が起こっているということなので、一層学校の安全には徹底していただきたいと思う。

オンライン英会話

◯佐藤委員  予算案説明資料29ページの英語力向上事業でオンライン英会話とあるのだが、これはもちろんみんなができるようになるにこしたことはないのだけれども、職業系の高校も含めて全ての学校で画一的にやらせるのではなくて、生徒の希望に応じて選べるようになっているのかどうか。あと、オンラインということでコロナのときにも問題になったけれども、通信料の補助がきちんと手当てされているのかを伺う。

◯副部長(高校教育)  まず、通信料については、基本このオンライン講座は学校の中で取り組んでいる事業であるので、通信料は学校のほうで負担をしている。
 オンライン講座については、現在、職業系高校を対象に取り組んでおり、普通科系の高校生については、録画されたものを後日自由に見るというような形は整備している。

◯佐藤委員  職業系高校は英会話にどれだけ執着するのかということもあると思う。当然相手は外国の方とオンラインでつなぐという話になっているわけである。その辺の内容とか含めて、まずは生徒のニーズに合ったものになっていくのかどうかということと、もう一つは通信料にしても、学校負担という話であったが、県の補助は全くないのか。通信料は学校独自で全部負担するということになっているのか。例えば生徒さんが自宅で通信することはないのか。

◯副部長(高校教育)  オンライン英会話については、基本学校で取り組んでいるので、自宅でするということではない。英会話については、学校に配置されているALTという外国の方々が作成していただいた福井の観光地を紹介するような教材があるのだけれども、それを使いながら会話をしていく。今年度取り組んでいるのは、フィリピンの大学生と会話をしていくということで、生徒の反応を見ていると予想以上に楽しそうに取り組んでいるという報告を受けている。

◯佐藤委員  もちろん、フィリピンの大学生と会話するのは楽しいという生徒もおられれば、英会話が苦痛だという生徒もおられると思うので、その辺は学校現場で無理やりになることがないように対応をお願いしたいと思う。

特別支援学校施設整備事業

 それから、予算案説明資料8ページの特別支援学校施設整備事業は、国の新たな設置基準に適合させるために特別支援学校2棟で行うということは、教育長の説明にあったとおりなのだが、設置する場所はあるのか。同じ敷地の中にきちんと増設できるだけの敷地があるのか。それとも別のところを考えて対応するのか。

◯教育政策課長  場所については、それぞれ敷地内に設置をすることになっている。

◯佐藤委員  延べ床面積がそれぞれの学校でどのぐらい増えることになるのか。

◯教育政策課長  福井南特別支援学校については約290平米、嶺北特別支援学校については約660平米を予定している。

◯佐藤委員  これをやれば、設置基準の適合ということで完了するのか。あと、完成の時期はいつになるのか。

◯教育政策課長  この施設が整備されると、両校とも基準に合致するということになる。
 完成については、福井南特別支援学校は規模が小さいものであるから令和6年の春ぐらい、嶺北特別支援学校についてはそれより少しだけ遅れ、令和6年の夏までにというスケジュールを組んでいる。

◯佐藤委員  予算案説明資料6ページの次世代につなぐ美しい県立学校リノベーション事業だが、いろいろ要望も強いと思うのだが、エアコンの更新時期になってきたり、あるいは入替えの時期になってきたりということがあると思うのだが、リノベーションに合わせてエアコンの設置というのを進めていただきたい。あと、県も重視しているのは、なるべく断熱効果を高くして燃料代を節約しようとか、電気代を節約しようということで、公共施設の計画まで作っていると思うのだが、その辺も踏まえたリノベーションになっているのかどうかを伺う。

◯教育政策課長  おっしゃるとおり、リノベーションに合わせてエアコンの工事、また、リノベーションをやらないところは快適に学習できる環境整備事業でエアコンの工事をやっているけれども、リノベーションの中でもエアコンも当然合わせてやっているし、今後大体60年から80年ぐらいもたせると思うので、断熱的なことについても配慮をしている。


教員定数削減議案に反対

◯西本(正)委員長  令和4年度関係の第36号議案及び第37号議案について、各委員より発言を願う。

◯佐藤委員  教員が不足しているというような状況の下で、教員の定数を減らすということは反対である。であるから、この議案には反対であるが、県教育委員会として教員を増やすということで、国に対してはどういう働きかけをやっているのかを1点確認する。

◯教職員課長  教職員の定数等については、標準法という法律等で決められているのは御存じかと思う。県としても国に改善等を求める要望書を出している。

◯佐藤委員  現場の先生や県教育委員会の皆さんにとっても、国に対して一番教員定数を増やしてほしいという願望があると思う。国としては、この間、若干少人数学級とか踏み出し始めたが、今後の見通しはどうなのか。

◯教職員課長  指摘があったが、子どもの数が減る分先生は要らなくなるだろうというのが財務省の考え方で、文部科学省としては少しでも教員を確保するという観点もあって、少人数教育の導入というものもしていると聞いている。
 今後、国としては当初4年間で8,800人ということもあったかと思うのだけれども、それが少し圧縮された形で、4年間で4,000人弱の教員増ということで進めていくと聞いている。


教員の残業問題

◯佐藤委員  教育長報告でも学校の業務改善についての報告があるし、本会議の一般質問でも取り上げたし、ほかの議員からも取り上げられた。それで、私が持ち帰り残業の問題を取り上げたのだが、教育長はきちんと学校長が面談して対応している云々というような答弁だったと思うのである。
 私の質問の中でも指摘したが、昨年の7月に労働安全衛生委員会が実施した教員へのアンケート調査の資料が出されて、それは御覧になったと思う。この資料は去年の7月の労働安全衛生委員会に出された資料で、4月から6月の3カ月間の調査ということで、回答の数を見ると、4月から6月の間で調整入力、つまり月80時間を超えないようにわざと操作して入力したことがあるかという質問に対して、ないという人が549件、1回あるという人が66件、2回あるという人が55件、3回あるという人が72件、つまり3回というのは4、5、6月全ての月で調整入力したということになるわけだが、単純に割合を計算すると26%が調整入力した、つまり月80時間にならないように入力したということになっているわけである。何でそんなことをするのかという質問に対して、校長等との面談が面倒くさい、いろいろ言われるという方が69%、それから管理職から80時間超えないようにという趣旨で言われたという人が11%なのである。この結果を見ると、教育長が答弁されたような実態がそのとおりなのかどうかと言われるのではないか。

◯教職員課長  調整入力という件に関しては、くれぐれもそういうことはしないようにと校長会等の中でも常に話していることである。やはり正確な入力ということが調査の前提になるので、そのようなことがないようにという指導をしている。指導に基づいた形で入力をされているものと思っている。

◯佐藤委員  全然答弁になっていないのである。去年の労働安全衛生委員会に出された資料で、実際に現場の教員にアンケートを取った結果として出されている。課長が答えたように、きちんと正直に出すようにと言っているのだから、そうなっていないはずだという気持ちは分かる。気持ちは分かるけれども、実際教員に取ったアンケートと実態が違うのではないかと言っているのである。

◯教育長  例えば高等学校教職員組合と年2回ほど話合いをするのだけれども、そのときに、必ず委員がおっしゃったようなことをいつもお聞きしている。そのたびに、教員みんなにしっかり書いてほしいとお願いもしているし、また校長会でも言っているのだけれども、校長としてほったらかしているような管理職では情けないので、つけるのはしっかりつけさせて、逆にそれをどう減らしていくか、やはり工夫が職場で必要なので、しっかり今後も改善していくように努めていきたいと思う。

◯佐藤委員  よろしくお願いする。今のような答弁であればあまり変な言い方をする必要もないので、しっかり対応してほしいと思う。


トイレへの生理用品配置

 それからもう一つは、本会議でも取り上げられた学校の生理用品の配置なのだが、これは教育長の答弁で報道されたと思うのだが、7校でアンケートを取ったら8割の生徒さんがトイレ個室に置いてほしいという結果だったと。具体的に、何人にアンケートを取ってそういう結果だったのか。実際に今後それを受けて教育委員会として対応するのか。どこが対応するのか。

◯保健体育課長  アンケートについては、7校で1,500人ほどの女子生徒を対象に実施して、1,141人の回答があった。アンケートの結果を対象校以外の学校のほうに周知することと併せて、今後の対応についてはそれぞれの学校で検討していただこうと思っている。

◯佐藤委員  それぞれの学校で検討するということで、生徒の要求に応えて個室に配置しようと思えば、それぞれの学校でやっていただくということか。

◯保健体育課長  例えば女子生徒の学校におけるストレスの解消や負担軽減というところで学校がどう取り組むかであるとか、生理用品をどうするかについて、生徒の意見であるとか学校の中で話合いをしていただいて対応を考えていく。将来的に費用的な面で学校から相談があれば、県の教育委員会としても状況を聞いて検討していきたい。

◯佐藤委員  今言われた最後のところが非常に大事だと思うのである。学校でそれぞれの生徒のニーズに応えてやりなさいと言われても、費用がなければどうするのか、PTAから出してもらうのかとか、そのような話になってしまう。例えばA高校がやると決めたら、その分の必要な費用は県の教育委員会として考えるということでよいか。

◯保健体育課長  令和4年度当初予算案等ではそういった措置を既にしているというわけではないので、今後学校から意見が上がってくれば、そういった方向でまた検討したいということである。

◯佐藤委員  ぜひよろしくお願いする。6月補正予算というのはあまりないのかもしれないけれども、必要な予算は6月議会でも9月議会でも出せるわけであるから、年度途中でも臨機応変に対応していただきたいと思う。

高校演劇「明日のハナコ」

 それから次に、一般質問で取り上げた「明日のハナコ」の演劇の問題なのだが、これは中日新聞とか県民福井に載ったと紹介したけれども、文章そのものは紹介していない。長い文を全部読むと大変であるので一部分だけ紹介する。「高校生たちの真摯な表現活動を差別用語を理由に封印をしてしまうのではなく、国民の重要な権利である表現の自由を尊重して、現代にふさわしい対応策を立案し、公開の道筋を探る。それこそ顧問の先生たちや、ひいては大人の役目ではないだろうか」と、こういう趣旨も含めて書いてあるわけであるけれども、どのように受け止められたのだろうか。

◯副部長(高校教育)  報道でいろいろ記載があることは、もう重々承知をしているところである。部会のほうからいろいろ報告を受けることもあるのだけれども、お聞きしていると、表現の自由の件については、部会の対応としては一時的な対応ということで、既にもう12月の段階でDVDであるとか脚本集等については対応済みであると報告を受けている。

◯佐藤委員  それは一部の対応である。本質的に彼女らが演じた演劇そのものはきちんとほかの学校同様にケーブルテレビで放映されるということにはなっていないことも含めて、それを今放映するかどうかは別として、脚本集を配ったからいいではないか、DVDを配ったからいいではないかということでは済まないのではないだろうか。

◯副部長(高校教育)  ケーブルテレビでの放映というのは、契約を交わした上で放映しているということではなくて、部会からお願いをして放映していただいている流れであったと聞いている。したがって、実際それを放映するかしないかはケーブルテレビ側の判断だということで、部会として放映は求めないと考えていると聞いている。

◯佐藤委員  この問題を12月議会では県教育委員会に、今の定例会で知事に聞いたのは、部会の責任とか現場の教員の責任だけにするのはおかしいのではないかという気持ちで質問しているわけなのである。実際にケーブルテレビとの契約がどうだとか、ケーブルテレビの判断に任せたからいいではないかとか、そういうことではなくて、そういうことだと何でこんな大きな問題になってしまったのかと教訓も全然出てこないと思うのである。であるから、なぜこういうことになったのかは、特定の福井農林高校の演劇だけがケーブルテレビから排除されたというところから問題が発しているわけである。そこをきちんとお互いに認め合っていかないと。ケーブルテレビに載せるかどうかは向こうの勝手なのだよということなら、なぜこんな大きな問題になるのか。議論が成り立たないではないか。

◯副部長(高校教育)  部会側の話を聞いていると、生徒の立場を守るという考え方も一方にはあって、表現の自由であるといった部分は当然大事であるけれども、一方、生徒個人を守るという部分も学校側としては多分あるのだろうと考えている。そういった兼ね合いの中で部会が対応しているのだと聞いている。話を聞いていると、先方さんと部会側との間に、委員指摘のとおり、もう少し話合いを継続していくことが必要なのではないかという印象を持っている。

◯佐藤委員  生徒を守ると言われてしまうと、学校の先生も何も言えなくなる、マスコミも何も言えなくなる、私たち議員も何も言えなくなるということになるのだけれども、本当に生徒が納得しているのかというところが大事だと思うのである。いろいろお話をお聞きすると、納得していない当事者もいらっしゃるということであるから、生徒を守るという言葉だけで終わってしまうと、逆に悪い教訓になってしまうのではないかと思うのである。

◯教育長  たくさんの署名が集まったということなのだが、署名の内容で少し違うところも幾つかあって、当該校の校長から聞くと、今回の問題が広がった後に生徒や保護者からは、上演した演劇が不特定多数に公開されることは非常に不安だという声が一つ上がっていることと、生徒は演劇部会に対して謝罪は求めていないので、そういったところが間違って捉えられて署名が集まったということで、その辺り演劇部会とその当事者とでもう少しよく話し合ってもらいたいというのが正直なところである。

◯佐藤委員  言った言わないで水かけ論になっても、議会の場であるからあまりよくないと思う。ただ、私のところにも当事者である生徒のお母さんからも意見を頂いた。一般質問で私が取り上げたことについて批判するということではなくて、本当にありがたかったという趣旨のお便りであった。教育長が聞かれていることを私も実際聞いた。しかし、一方では当事者のお母さんから別の声も聞いているわけである。であるから、言った言わないということではなくて、生徒を守るという一言で片づけるのではなくて、生徒自身が本当にどう思っているのかというところをきちんとつかんでいただきたいなと思っている。
 もう一つは情報公開の問題なのである。これは県議会でも資料で配ったし、私のところに何十ページか黒く塗りつぶされたものが届けられたわけであるけれども、なぜ政策の議論の過程とか形成過程というのを県民に公開しないのか、あるいは県会議員に公開しないのか。それはどうしてなのか。

◯副部長(高校教育)  これは福井県情報公開条例の規定にのっとっているためであるのだけれども、少し簡単に説明申し上げると、この条例においては、まず前提として「何人も公文書の公開を請求することができる」という前段があって、ただ実施期間は「次の各号に掲げる情報のいずれかが記載されている場合を除き」、という条件がつけられている。その掲げる情報というのが、1つ目は個人に関する情報、それから2つ目が法人その他の団体に関する情報、この2点について公にすることにより当該法人等の権利、競争上の地位、その他正当な利益を害するおそれがあるものということで、それは除外するものというふうな定めがある。
 今回、教育委員会から公開をした文書というのは、基本的に部会から上がってきた文書だけである。であるので、部会は任意団体という扱いになっており、県教育委員会が作成した文書ではないので、今回のこの条例の2つの規定に該当すると判断をさせていただいて、委員に示したような形で公開させていただいている。

◯佐藤委員  それで、県民や県会議員の理解を得られると思っているのか。

◯副部長(高校教育)  情報公開条例というのはそういう趣旨で作られているものであるので、教育委員会としてはその条例にのっとったということである。

◯佐藤委員  平行線になるのだけれども、結局情報公開条例の趣旨に従えば、個人の情報とか団体の情報で不利益になることは出さないよということになる。そうすると、例えば今回の場合、演劇部会、あるいは県の教育委員会、あるいはスクールロイヤーの助言の内容、それぞれの立場の判断で恣意的に全部真っ黒にすることができるということになってしまうわけである。だから、さきほど冒頭に紹介したように、全国紙の社説でもおかしいのではないかと、情報公開条例とかよく分かっていらっしゃるマスコミの方でもこういう論説を書かれるということだと思うのである。だからそれは、いろいろな出し方というのがあるのではないか。もう少し県民に理解してほしい工夫というか。知事や教育長が言われたように、お互い話合いをしてほしいというのであれば、もう少し情報の出し方、提案の仕方というのがあるのではないか。全部真っ黒なものを出して話合いをしてと言われてもなかなか大変である。そうは思わないか。

◯副部長(高校教育)  今回の公開については、条例の規定にのっとって判断をさせていただいたのであるけれども、委員が指摘されている問題の解決のために話合いの場を持つということは前回の知事答弁でも説明したが、こちらとしても助言していきたいと考えている。

◯佐藤委員  こういう理由できちんと判断したということをやはり数字的に出さないと、話合いも成り立たないと思う。一方は真っ黒で出されて、一方は自分の思いだけ述べてというのは、話合いにならないのではないかと思う。
 委員長、お願いであるけれども、これだけ全国的に繰り返し全国紙で報道されて週刊誌にも報道されている問題で、私も何回か議会で取り上げているのだけれども、これではもうずっと平行線であるだろう。これだけ大きな問題がこの先どうなるか分からないけれども、このまま平行線に終わるのは議会としてもよくないと思う。委員長会議や議会運営委員会などいろいろな場があると思うけれども、議員に対するいろいろな情報公開の在り方であるとか、県の行政の内部の情報公開の在り方とか、一度議論していただけないか。県の教育委員会とかの内部でどういう政策決定過程でやられたのかというのは全く検証できないのでは困ると思うのでお願いしたい。

◯西本(正)委員長  私にその権限があるのかどうか分からないが、後刻検討させていただきたいと思う。

◯佐藤委員  それでは、よろしくお願いする。


池田中学 自死事件の裁判

◯佐藤委員  教育委員会も県議会にとっても大きな事件であった池田中学校の生徒さんが自殺をされた事件があって、あの後遺族が裁判を起こされていると思うのである。福井新聞や県民福井などにその裁判の記事が載っているのだが、裁判の経過と今後の対応について伺う。

◯教育長  いろいろ口頭弁論などやってきたけれども、委員会で説明できる段階になったら説明させていただく。

◯佐藤委員  説明できる段階にするというのは今議会中ということか。それとも6月議会以降になるということか。

◯教育長  県だけではなく池田町も当事者になっているので、また池田町とするべき時期を見計らってやらせていただく。

コロナ対策・介護従事者への支援を。高騰する燃料費支援。こども医療費の窓口無償化事業一部負担金撤廃を。教員の持ち帰り残業の把握を。高校演劇「明日のハナコ」

2022年05月30日 | 福井県政
2022年2月21日におこなわれた県議会一般質問での佐藤正雄議員の質問と理事者答弁です。

◯28番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。

オミクロン株の状況を踏まえたコロナ対策

 最初に、オミクロン株の状況を踏まえたコロナ対策について質問いたします。
 1日200人を大きく超える規模での感染拡大が続けば、陽性者とともに濃厚接触者も膨大な累積になると思われます。全国各地では病床が逼迫し、死亡者の急増、事実上の医療崩壊に陥るなどの事態も報道されており、オミクロンは軽症だ、などと侮ることは危険であります。
 しかし、例えば2月に入り福井市内でお聞きした例では、医療機関での陽性判定から4日が経過しても保健所からの最初の連絡、ファーストタッチが来ないなどの例もあります。また、濃厚接触者となり、本人は陰性で自宅待機となった方に、最初の連絡では毎日連絡しますからと伝えられながら、1度も連絡が入らなかった例もあります。急激な感染拡大の中でも、福井県の場合は病床や療養施設には余裕がある状況が続いていますが、その手前のところで混乱している状態があるのではないでしょうか。ここが第5波までとは違う状況であり、改善が必要ではないでしょうか。
 まずは、医療機関などで陽性判定をされた方に、遅くとも翌日には保健所などからファーストタッチを行い、感染拡大抑止の措置を取ることや、健康観察も専門職の方が行うなどの改善が必要ではないでしょうか、お尋ねをいたします。
 また、オミクロン株の大流行は、これまでと違い自宅療養者などの激増を生んでいます。そこで、訪問診療や訪問看護、訪問介護の重要性がますます大きくなっています。現在、陽性者に訪問看護や往診を行うと、医療保険の診療報酬で医師に2万8,500円、訪問看護に1万5,600円の加算がつきます。しかし、介護ヘルパーには1円もありません。全国では、1日3回を限度に1回9,000円の支援金を事業者に支給するなど、コロナと闘う医療従事者とともに介護従事者にも独自の支援を行うところもあります。
 従来までと違う治療形態にふさわしい事業所や介護ヘルパーへの支援システムをつくるべきではありませんか、国に制度を求めるとともに、オミクロン株の流行の中で県独自でも支援制度をつくるべきではありませんか、お尋ねをいたします。
 さて、県の医療従事者支援事業補助金は、コロナ感染拡大の下で自宅に戻れない、あるいは戻りにくい医療従事者の宿泊先の確保として1泊4,000円を支援するなど、コロナと闘う医療従事者に対する支援として歓迎される内容です。
 さきにも述べましたが、従来型とは違う感染力が猛烈に強いオミクロン株は、医療従事者とその家族の身辺に近づく可能性は従来株よりもはるかに高くなっております。家族が濃厚接触者となったなどの例も多数出ているでしょう。その際、濃厚接触者の家族から看護師などが言わば予防的避難を行いたいケースも多いと思います。また、家族が感染して自宅療養となった際にも、看護師自身が感染していない場合、感染予防措置としてホテルなどへ避難したいケースもあると思います。
 そこで、お尋ねをいたします。コロナはコロナでも新しい事態の展開なのですから、補助対象を重点医療機関に限定せずに、広くコロナ対応に取り組む医療機関に広げて支援すべきではありませんか、見解をお尋ねいたします。
 最後に、老人福祉・介護事業所がコロナ禍での利用低迷の長期化、コロナ対策の負担増大などの中で倒産や経営危機なども報道されています。
 また、人員確保のために収入を3%引き上げる政府予算となっています。今年の2月から9月分までは補助金で実施し、10月以降は介護報酬上での対応とされるようです。県の当初予算でも9月分までの措置であります。しかし、これでは10月分以降については国の負担が大幅に減ることになり、引き上げられた給与を維持するためには自治体や利用者負担への転嫁が行われかねません。
 県として国に公的責任を果たすように求めるとともに、年度途中での財源変更にどのように対応するのか、お尋ねをいたします。

高騰する燃料費支援

 さて、岸田政権の2022年度当初予算案は、コロナ禍の中で病床削減をさらに推進することを前提に、診療報酬を0.94%削減する、10月からの75歳以上の高齢者医療費負担の2倍化など、コロナ禍の取るべき対応に逆行する内容です。生活必需品の値上げが相次ぐ中、年金を0.4%削減する冷たさです。寒風吹きすさぶ国の冷たい政治の下、地方自治体が県民生活の防波堤とならなくてはなりません。
 高騰する燃料費助成について、私は12月議会で質問、提言をいたしました。知事は答弁で、国は特別交付税措置を打ち出している、県は困窮者対策に積極的に取り組むように市町に助言するとのことでした。しかし、県の調査では、灯油購入助成は福井市、勝山市、坂井市、高浜町、おおい町の5市町にとどまっております。
 そこで、知事答弁に反して、灯油はじめ物価が高騰している中で、国の交付税措置の裏づけがありながら、なぜ半数以上の市町で生活応援の取組が進まないのか、県の分析と今後の対応をお尋ねいたします。
 あわせて、県有施設においても燃料費の高騰の影響が出ていると思いますが、本庁舎など分かる範囲で結構でございますが、昨年1月と今年1月を比較してざっと1か月でどの程度の負担増となっているのか、この対応として県は国からどれほどの支援を受けるのか、状況をお尋ねいたします。
 この事態は言うまでもなく、生活への影響は、首都圏など車利用での通勤とか買物が福井などと比べて少ない地域に比べて、車社会の福井などの県民への影響が大きいわけです。さらに、最低賃金はじめ給与支給額なども首都圏などに比べて福井などは少ないわけですから、二重、三重の打撃となります。
 県として市町任せではなく、県としての県民生活支援策、例えば生活困窮層を中心に車の所有1台について5,000円とか1万円とかの支援策を行うべきではありませんか。例えば、そのやり方は煩雑な手続を抜きにして、県として新年度に賦課する自動車税を特別減免する、市町の軽自動車税の特別減免について県が補助するなど、いろいろなやり方があると思います。これはコロナ災害と異常なガソリン価格高騰という言わば多重災害時の対応として、知事にはぜひ御検討いただきたいと思います。知事の見解をお尋ねいたします。


こども医療費の窓口無償化事業の一部負担金撤廃を

 さて、子ども医療費の窓口無償化事業の前進が大変喜ばれています。さらに、県として一部負担金を撤廃し、さらに子育て支援を強化すべきではありませんか。市町独自で一部負担金を撤廃している市町はどこなのかをお尋ねするとともに、撤廃していない市町と利用状況について有意な差があるのか、お尋ねをいたします。
 また、新年度から未就学児の国民健康保険税均等割に対してようやく国の支援が始まり、負担軽減が行われます。私はこれまで、少子化問題とか子育て支援とか言いながら、子どもに国民健康保険税をかけ、しかも子どもの数が多いほど負担が増える、この課税方式は子育て支援に逆行であり、子どもの均等割額はゼロ円として算定すべきだと提案してまいりました。今回の国の措置は一歩前進ではありますが、微々たるものです。
 そこで、国民健康保険財政は県が主体となったのですから、県と市町で協議して、せめて18歳までの国民健康保険税均等割をゼロ円にして、子育て世帯の負担軽減を図るべきではありませんか、お尋ねをいたします。
 あわせて、県は従来から3人っ子政策などを推進してきましたが、国民健康保険加入世帯と国民健康保険以外の子育て世帯で3子以上の割合はそれぞれどうなっているのか、お尋ねをいたします。

学校での残業時間だけでなく、持ち帰り残業の把握も

 教育行政について質問いたします。
 まず、教員の働き方改革についてです。
 教育委員会も教員の残業時間削減に努力されております。一方、昨年の労働安全衛生委員会にも職場の調査アンケートが提出されたようですが、「持ち帰り残業がない」と答えた教員は約4割前後にとどまっております。少なくない教員で持ち帰り残業があることが浮き彫りになっています。
 県教委としては、学校での残業時間と持ち帰りでの残業時間の両方を把握して、改善に努めることが必要ではありませんか、見解をお尋ねいたします。
 次に、労働安全衛生規則では、事業者は常時50人以上または常時女性30人以上の労働者を使用するときは、労働者が臥床することのできる──横になることができる休養室または休養所を、男性用と女性用に区別して設ければならないと定められています。
 そこで、県立学校でこの規則に該当する学校は、県立高校、特別支援学校それぞれ何校中何校で、実際に対応できている学校はそれぞれ何校か、また、今後の整備方針をお尋ねいたします。

高校演劇「明日のハナコ」

 最後に、12月議会でも取り上げましたが、福井農林高校演劇部「明日のハナコ」をめぐり、先日、事態の改善を求める1万1,000名を超える署名が、元同高校演劇部顧問、外部指導員を務められていた玉村氏らから、演劇部会長である丸岡高校校長に提出されました。
 私は、「明日のハナコ」問題についての公文書を教育委員会に求めたところ、ほとんど中身が認識できない墨塗りの真っ黒な文書が届けられました。お手元にこの一部、まだまだたくさんあるわけですが、その一部をお手元に配付をしております。(資料掲示)私は今回の問題の根本は、表現の自由に関する県教育委員会と関係者の認識の不足に端を発していると思います。そこで、その判断過程を検証するために公務員が作成した公文書の公開を求めたら、事実上の非公開では余りにひどい行政対応だと言わなければなりません。県教育委員会の職員、高校演劇部会の教員関係者などの発言や記録をなぜ隠すのでしょうか。私も12月議会で発言したように、幾つかの高校現場へお話を聞きに伺いました。示された文書では、教育委員会関係者以外では私の名前だけがマスキングを外されているではありませんか。まさに私はこの文書の当事者の一人でもあります。私には当事者として知る権利があります。公開を求めるものです。
 県教育委員会として、今回の対応について、暗闇に隠すような態度は改めるべきです。堂々と県民の前で議論しなければ、高校演劇史上未曽有の関心と注目を集めている問題である「明日のハナコ」問題が、今度は教育行政史上、不名誉な事案として記録されることになりかねません。
 そこで、今回は知事にお尋ねをいたします。福井新聞、県民福井、朝日新聞、毎日新聞など各紙で、この間大きな記事が掲載されました。昨日の中日新聞、県民福井での論説、また、著名作家によるネット雑誌論文、週刊誌での特集記事、そして、先ほど言いましたように1万人を超える署名の提出などを考えれば、これは教育委員会の判断に任せるのではなく、知事として事態を正常化させる適切な助言が必要ではありませんか、1万1,000名余りの署名提出と寄せられた県民・国民の声についての認識とともにお尋ねをいたします。
 また、指摘した前時代的な戦争中の検閲のような墨塗りの公文書公開では、逆に県民から見れば、やはり後ろ暗いのは福井県庁、教育委員会だとなることは必定です。今回提供された文書を見て私も驚きまして、これは再度質問しなければという思いになったわけであります。この間の対応と公文書の内容を県民の前につまびらかにすることは当然ではないでしょうか、知事の見解を併せてお尋ねいたします。

◯議長(鈴木宏紀君) 知事杉本君。
     〔知事杉本達治君登壇〕

◯知事(杉本達治君) 佐藤議員の一般質問にお答えを申し上げます。
 まず、生活に困窮されている方々への生活支援策についてお答え申し上げます。
 生活に困窮されている方々に対する支援策といたしましては、日頃から生活福祉資金の特例貸付ですとか、また、住居確保の給付金の支給ですとか、また、生活困窮者自立支援金というのも支給がされたところでございます。あわせまして、年末以降、子育て世帯への臨時特別給付、それから非課税世帯などへの臨時特別給付金というのが、お子さん1人当たり10万円とか、1世帯当たり10万円とか、そうした形で給付がされているところでございます。
 そういう中で、平成19年、それから20年の初めにかけてのガソリン価格の高騰のときには、県内の市や町は大体5,000円程度の支援を行ったというところでございまして、市や町の判断の中で給付額、ほかに10万円とか、子ども1人当たり10万円、こういった支援がされたということも踏まえて、いろいろ措置がされたんだろうというふうには認識をいたしております。
 一方で、御指摘のとおり、特別交付税の中で、生活困窮者に対する燃料費に支援を行った場合に交付税措置があるということでございますので、これまでの特別給付、こういった支援がありますよということの周知と併せて、今度は市や町に対しても特別交付税措置ということの趣旨についてもさらに周知を行って、今の生活困窮者に対する支援の広がりをもっと大きくしていく、こういった努力をしていきたいと考えているところでございます。
 続きまして、高校演劇の情報公開提供の在り方についてお答えを申し上げます。
 福井農林高校の演劇部が上演いたしました劇について、演劇部会として、差別用語を含む表現を行った生徒を守る、そういう必要から対応しているというふうに聞いているところでございまして、表現の自由というのは大変重要なことだと思っております。一方で、個別の人権の保護というのは、これは特に守られなければいけない、そういうことだろうというふうに考えておりまして、その兼ね合いの中で難しい判断があったのだろうというふうに考えているところでございます。
 これまで演劇部会は、顧問の教員、それから部員の生徒に対して人権に係る研修を行った上で、部会の中で脚本集の再配付ですとか、映像の公開などの対応をしたということを聞いているところでございまして、いろいろな思いを持って発信をされている方はいらっしゃると思います。引き続き、お互いによく話し合っていただきたいというふうに考えているところでございます。
 情報公開条例につきましては、取得した情報を公開するという趣旨の条例でございますけれども、一方で、個人の権利利益を害するおそれがあるような情報ですとか、外部団体、企業とかに関する正当な利益を害するような情報については公開ができないということになっているわけでございまして、教育委員会では、この条例に従って対応したというふうに聞いているところでございます。
 そのほかにつきましては、担当より御答弁を申し上げます。

◯議長(鈴木宏紀君) 総務部長近松君。
     〔総務部長近松茂弘君登壇〕
◯総務部長(近松茂弘君) 私からは1点、県有施設における燃料費高騰の影響及び国からの支援についてお答え申し上げます。
 燃料費の高騰による影響といたしましては、例えば県庁舎の今年1月の暖房用の灯油代、これが450万円余りでございますけれども、これが前年同月比約5割増ということになっておりますが、そのうち単価増による影響が約4割、また、使用量の増に伴う影響が約1割で、合わせて5割ということになってございます。使用量増につきましては、感染対策として換気を十分に行うために温度設定を上げたことなどによるものでございます。
 また、総務部で管理しております公用車のガソリン代でございますけれども、こちらは前年同月比約4割増となりましたが、そのうち単価増による影響が約2割、使用量増に伴う影響が約2割、合わせて4割ということになっております。こちらは昨年1月の大雪の対応といたしまして、緊急的に公用車を待機させましたため、昨年は例年よりも使用量が減となっていたというものでございます。
 原油価格高騰の影響につきましては、国から交付税措置がなされる旨の通知がありましたため、県としての所要額について申請しているというところでございます。

◯議長(鈴木宏紀君) 健康福祉部長窪田君。
     〔健康福祉部長窪田裕行君登壇〕
◯健康福祉部長(窪田裕行君) 私から7点、お答えをいたします。
 まず、感染拡大に伴いまして、保健所からのファーストタッチ、業務が滞っているのではないか、それから、専門職の方がそういうことを行うべきではないかということでお尋ねをいただきました。
 まず、今回の感染拡大によりまして、特に1月下旬から2月の上旬過ぎぐらいまでの間にかけて、特に福井市で感染者が倍増いたしました。300人台が700人台になったということで、その当時に福井市の保健所業務の一部が滞るという状況が生じております。
 これを受けまして福井市では、一部施設を休館するなどしまして、1日最大30人の職員を増員しております。また、この状況を受けまして、県からも専門職として医師3人、それから保健師は、日によって変わりますけれども最大3人ということで応援職員を出しまして、福井市で応援に入っている事務職員をきちっと指揮できる体制を組んで対応しております。現在では、例えば陽性者の方の病状把握でございますとか家族内の感染拡大防止の指導などについても遅れることなく、翌日までにはという御提案ですが、早ければ当日にもできる状況が復活しているということでございます。
 また、自宅で経過観察しております陽性者の方、それから濃厚接触者の方に対しましては、陽性者・接触者サポートセンターで対応しておりますけれども、こちらの保健師または看護師が健康観察を行っておりますし、病状が変化したようなケースがある場合には、すぐ横に入院コーディネートセンターの医師がおりますので、お医者様が医療機関受診を調整するなど早期に対応できるようになっております。
 今後、さらに感染が拡大するようなことが仮にあったとしましても、今回の経験を生かしまして、随時増員できる体制が取れましたので、陽性となられる方が不安なく過ごせるように、我々としてもしっかり努めてまいりたいというふうに思います。
 次に、訪問事業所や介護ヘルパーヘの新しいコロナの支援制度が必要ではないかという御提言でございます。
 訪問介護士によります自宅療養者の方、それから濃厚接触者の方への介護につきましては、事業所が特別な手当を職員の方に支給した場合に県に申請をいただきますと、手当支給の経費を支援する制度を設けております。これは、訪問介護事業所へも通知しておりますし、今後も制度周知を図っていきたいというふうに思います。
 一方で、訪問介護士の方々にも医療従事者の方と同様に、介護報酬などによる加算などの措置が行われるということは、手続の簡素化の観点からも大事ですし、訪問介護のサービスの量の増加という観点からも重要であるというふうに考えております。このことは全国的に行うべき措置でございますので、国に対して、加算措置など訪問介護に対するさらなる支援というものを求めていきたいというふうに思います。
 次に、医療従事者の方への宿泊費補助の対象を重点医療機関以外にも広げて支援するべきではないかという御提言でございます。
 医療従事者の方への宿泊費の補助というのは、現在、重点医療機関におけるコロナ感染症病棟など、より感染リスクの高い中での患者の治療や看護に当たっていらっしゃる医療従事者、こういう方々が家族への感染の不安を抱えることなく勤務できるようにということで支援をしているものでございます。昨年度も含めますと、先月末までに10の医療機関に勤務しておられる延べ1,067人の方に、家族への感染の持込みを懸念して帰宅を控える場合とか、勤務が深夜に及ぶ場合に活用していただいておりまして、医療従事者への支援によりまして、コロナ入院医療体制の確保というものにもつながっているということでございます。
 なお、重点医療機関以外の医療従事者の御家族の方が濃厚接触者となられたような場合には、家庭内での隔離が難しいということであれば、濃厚接触者用ホテルというような呼び方をしていますけれども、宿泊療養施設を活用して感染予防をすることができる、本県独自の仕組みがございますので、これによりまして、現実には宿泊費補助と同等の対応が可能となっておりますので、このことについては対象者への周知もさらに進めていきたいというふうに思います。
 次に、介護事業者の処遇改善の仕組みの御質問でございます。
 まず、介護職員の賃金向上につきましては、そもそもは介護事業所の収入である介護報酬の加算というものに措置されるべきところでございます。ただし、国にも確認いたしましたが、本年2月からの引上げを実現するために、まずは、補助金により秋までの間対応するという考え方で今回は補助金が設けられたということでございまして、本年10月分以降の措置については、あるべき姿と思いますが、これまでと同様に介護報酬加算の新設によることとされております。現在、国において加算率等の仕組みが検討されている段階でございますけれども、県では、新たな加算の仕組みが明らかになりました後、例えば財源変更などの必要な財政措置を行っていくということを考えております。
 次に、市町での生活応援の取組についての状況についてお尋ねをいただきました。
 令和3年11月に国の経済対策が閣議決定されて以降、各市町に対して、例えば子育て世帯臨時特別給付や非課税世帯臨時特別給付金なども念頭に置きながらでございますけれども、生活困窮者への灯油購入費助成を検討するよう繰り返し働きかけております。これは現在も2週間に1回程度、文書で働きかけをしております。
 そういう中で、市町から伺っております現時点で実施していない理由というのは、例えば今ほど申し上げた幾つかの給付金などの効果がどのように出るかというのを見極めたいんだというお話、それから、生活困窮者だけでなく全世帯を対象とすることなども検討してみたいというようなことで伺っております。市町では、実情に合わせた助成については、検討をしていないわけではなくて、現在も検討を続けておりまして、県としましても引き続き、未実施の市町に対しては今後の情勢に応じて実施するように助言していきたいというふうに思います。
 次に、子ども医療費助成事業について、一部負担金を撤廃すべきではないかというお尋ねでございます。
 子ども医療費助成の自己負担金につきましては、医療費に対する意識というものを啓発する必要がございますし、過剰な診療を抑制するという観点も必要でございます。本県を含めまして多くの都道府県──これはほとんどといいますか3分の2以上でございますけれども──において、この自己負担金というものは無償化の対象にはなっておりませんし、本県の制度としても、引き続き現行の自己負担金制度を維持していきたいと考えております。
 なお、現在、県内の市町では、子育て支援の一環として10市町が独自に撤廃しております。具体的にどこかというお尋ねがございましたので、大野市、勝山市、あわら市、坂井市、それから永平寺町、南越前町、美浜町、高浜町、おおい町、若狭町でございます。一方で、実施していない市町では財政負担への影響も含めて慎重な市町もございます。
 また、実際に自己負担金を撤廃して、医療費についての有意な差があるかというお尋ねでございますけれども、例としまして平成29年4月から自己負担金を撤廃している勝山市の事例を申し上げますと、導入後は、子どもさんの数自体は減っているんですけれども助成件数は3%増えているということで、一つの例ではございますけれども、このように自己負担金の撤廃によって利用が増えているという実態は見てとれるわけでございます。
 次に、18歳までの国民健康保険税均等割の軽減を進めるべきではないかということでございます。
 国民健康保険における子どもの均等割保険料の見直しにつきましては、これまでも県独自にも要望しておりますし、全国知事会等を通じて、国に対して繰り返し要望しているという状況でございます。これを受けまして、御紹介にもありましたが、令和4年度からは未就学児の保険料が半額になるという改正が行われます。
 国民健康保険制度というものはそもそも全国統一の制度でございますし、子どもの均等割保険料の軽減も含めて、その制度上の課題については国が責任を持って対応すべきものであるというふうに考えます。本県といたしましては、国に対しまして、引き続き全国知事会等を通じて、子育て世帯の負担を軽減するという趣旨に鑑みまして、対象年齢及び軽減割合の拡大とそれに必要な財源措置を行うよう要請してまいります。
 なお、お尋ねのありました、国保加入世帯の3子以上の世帯割合ということですが、これは世帯構成自体が国の調査対象となっておりませんので、現状としては把握していないという状況でございます。

◯議長(鈴木宏紀君) 教育委員会教育長豊北君。
     〔教育委員会教育長豊北欽一君登壇〕
◯教育委員会教育長(豊北欽一君) 私からは教員の働き方改革について、関連して2点、お答えいたします。
 まず、学校での残業時間と持ち帰りでの残業時間の両方を把握し、改善に努める必要があるのではないかとのお尋ねでございます。
 県では、学校業務改善方針に基づき、勤務時間の中で業務を行えるよう教員業務の精選と効率化を図っております。業務の持ち帰りは働き方改革につながらないことから、県としても原則認めておらず、必要な業務は学校で行い超過勤務として記録するよう、教職員組合との話合いの中でも伝えております。しかしながら、個別の事情により業務の持ち帰りがあるとも聞いておりまして、校長は教員との面談を通して持ち帰りの有無を確認し、業務の改善に努めていると聞いておりますが、再度校長会で徹底するよう指導してまいります。
 2点目は、労働安全衛生規則で定められている休養室、休養所の県立学校での対応状況と今後の整備方針についてのお尋ねであります。
 休養室を設置する必要がある県立学校、すなわち常時50人以上または常時女性30人以上の教職員を有する学校でございますが、28校中20校あります。その全てで休養室が設けられております。うち、男女別になっているのは16校です。また、特別支援学校では、11校中10校が設置する必要があり、その全てで男女別の休養室が設けられています。
 今後は、休養室が男女別になっていない各校に対し、空き教室を利用したりパーティション等で仕切りを入れたりするなど、休養室の環境改善を呼びかけてまいります。

◯議長(鈴木宏紀君) 佐藤君。
◯28番(佐藤正雄君) 知事にお尋ねしたところで、答弁がなかったのではないでしょうか。自動車税の減免の答弁はいただきましたか。
◯議長(鈴木宏紀君) 知事杉本君。
     〔知事杉本達治君登壇〕
◯知事(杉本達治君) 先ほどの答弁の中で、例えば生活福祉金の特例貸付といった様々なことを行っているということで、県としての責任を果たしているという趣旨で申し上げたところでございます。
 自動車税等、例えば特別減免を行うということについて、直接お答えするとすれば、生活困窮者かどうかという区別のところが自動車税の中でするということがどうしても難しい、こういう状況でございますし、また、対象者が車を持っているかどうかによってその差が出てくるわけでございますので、そういう意味では、自動車税等を用いて給付に代えるようなやり方というのは合理性があるのかなというふうには考えているところでございます。

◯議長(鈴木宏紀君) 佐藤君。
◯28番(佐藤正雄君) どうもありがとうございました。
 それでは再質問いたしますが、要するに福祉灯油は、知事がおっしゃるように、市町にぜひということで御案内しているという答弁だったんですが、では、県として何をするのかということ、国の制度でいろんな福祉資金とかをやっているよということなんだけれども、県独自で何をするのかというのがもうちょっと取り組むべきではないかということで、独自の県税の減免、例えば自動車税は、今、ガソリンが高いというのは焦眉の課題になっていますから、そういうことをやったらどうか、もっと県民に見えることをやったらどうかということで一つの提案をさせていただきました。
 具体的な質問ですけれども、高校の演劇の関係なんですが、知事はお互いによく話し合ってほしいというように言われたんですが、それでこれまでずっと来て、これだけ全国的に繰り返し大きな報道で注目されるような事態、平たく言えば膠着状態というんですか、こういうことになっているわけなんですね。ですから、そういうレベルではなくて、もう少し踏み込んだ対応が必要ではないか。そのためには、平たく言えば知事がイニシアチブを発揮して、この事態の正常化というか、収拾を図るべきではないかという意味で質問したんですが、知事としてはあまり手を出すつもりはないということなのかというのを一点、確認させていただきます。
 それから公文書の関係で、ちょっと分かりにくかったんですが、私に提供された──私というか、私も含めてほかの方も公開請求したら似たようなこういうものが出てきたらしいんですが、要するに、個人の利害とか外部の団体の利益を害するという御説明だったんですが、今言われたように、一方の当事者はいろんな情報を公開して署名をやったり要望活動をやったりされている。一方の当事者である教育委員会側の高校の演劇の関係者の皆さんは、あまり情報も発信されないし、そして、教育委員会の内部でのいろんな公文書を作成して、その意思の形成過程は真っ黒で公開もできないというのは何か個人の利害に関わるのかというと、むしろ逆にこういうやり方というのは、結果的には高校演劇の利害といいますか、それを損ねるということになるし、県の教育委員会の行政に対する信頼も損ねるということになるのではないかというふうに思いますので、知事にはこの演劇関係の2点を再質問いたします。
 それから、健康福祉部長にお尋ねをしますが、随分御努力されて、これほど長くなるとは思っていなかったかもしれませんが、かなり長期間にわたってコロナの対応をやっておられるわけですが、現状を見ますと保健所の体制が非常に厳しくなった。今は是正したとおっしゃいましたけれども、そういうことが実際にあります。
 それからもう一つは、医師会の中でも、もっと医者を──医者というか病院というか、医師会を使ってほしいという声もあるようにお聞きしているわけですね。つまり、これだけ感染者が増えてくると、保健所だけでは陽性者に対するファーストタッチを含めて、見守りといいますか、そういうのがなかなか難しいでしょう、それなら当該の患者さんを診た病院なりクリニックがアフターフォローをしましょうかということなども、医師会の中ではそういう御相談も県庁のほうとされているというように伺っているんですが、そういう御協力いただける機関は全て使って、今回のオミクロン株に立ち向かっていくということが必要ではないかと思うんです。ですから、やはりそういう点で、もう一歩踏み込んだそういう対策というのを医師会の方々とも協力し合って取り組むということが必要ではないかということをお尋ねいたします。

◯議長(鈴木宏紀君) 知事杉本君。
     〔知事杉本達治君登壇〕
◯知事(杉本達治君) 佐藤議員の再質問にお答えを申し上げます。
 高校演劇の関係につきまして、まず表現の自由、この点について論争があるということについて、私が何らか態度表明するか、指導するとか、そういったことはないのかといった御趣旨の御質問かと思っております。
 これにつきましては、今、議論がされております演劇部会といいますのは、公益社団法人全国高等学校文化連盟に加盟する任意団体ということでございます。そういった団体が、私が知るところでは表現の自由ということについての課題と、それからもう一つは人権の保護、こういった兼ね合いの中で議論がされているということでございますので、よくお話合いをしていただければというふうに考えているところでございます。
 また、情報公開条例の適用の関係でございますけれども、条例そのものの趣旨は、先ほど申し上げましたとおり、取得した情報のうちで個人とか外部の企業、団体、こういったところの正当な利益が害されるおそれがある、そういった場合には公開してはならないといった趣旨で書かれているわけでございまして、教育委員会では条例に従った対応をしていると聞いているところでございます。
 また、これにつきまして、実行機関として知事は教育委員会とは別でございますので、教育委員会に対して指示権等があるわけでもないといったところでございます。

◯議長(鈴木宏紀君) 健康福祉部長窪田君。
     〔健康福祉部長窪田裕行君登壇〕
◯健康福祉部長(窪田裕行君) コロナ対策に、もう少し医師会との協力を深めたらどうかということでございますけれども、医師会、看護協会、その他薬剤師会の方もたまに出席していただいておりますけれども、この方々と週1回会議を持っております。これはコロナの当初からずっと、もう2年以上続けております。今日もこの後4時からそういう会議があります。私は参加できませんけれども、毎週やっています。
 それから、逼迫時には週2回から3回会議を行いまして、医師会の方と協議しながら、この対応について次々と手を打ってきているということでございまして、現実、医師会からもいろんな提案もいただいていますので、それは形にしていきたいと思いますけれども、現状としましても、健康観察の中でかかりつけ医の方、医師会の御協力も得ています。それから、入院コーディネートセンターも複数人のお医者さん、3人、4人と毎日詰めていただいておりますし、検査協力機関としても医師会の御対応をいただいておりますので、そういった中で何が可能かということは考えていく必要があるというふうに思っております。
◯28番(佐藤正雄君) よろしくお願いいたします。終わります。

老朽原発動かすな‼️大阪集会に2000人余、福井市では連帯アピール。参院選で福島原発事故忘れない、危険な原発再稼働NO‼️の審判を‼️

2022年05月30日 | 福井県政
 老朽原発動かすな‼️大阪集会に2000人余、福井市では連帯アピール。参院選で福島原発事故忘れない、危険な原発再稼働NO‼️の審判を‼️
 福井駅前では、原発問題住民運動連絡会の林事務局長、私や山田かずお参院予定候補がアピールしました‼️
 福井と関西が連帯して危険な原発再稼働NO‼️の政治を、つぎの大事故が起こる前に実現しましょう‼️
 夕方は参院選勝利へ、戦争準備の改憲ノー、年金削減やめ消費税減税を‼️と訪問対話活動でした。
 政党は戦争準備、大軍拡の大合唱😡 翼賛議会とならないよう日本共産党はガンバリマス‼️応援お願いします‼️