昨日は、日本共産党福井県委員会として山田県常任委員、私や山本敦賀市議、宮崎小浜市議、畑野坂井市議、山田勝山市議、野村大野市議、北原若狭町議が衆議院第二議員会館で政府各省庁にたいし、終日交渉をおこないました。
藤野やすふみ衆議院議員、井上さとし参議院議員が同席しました。
原子力規制庁では、適合審査の内容を県民に説明するように求めました。「立地自治体や県の委員会で説明している。」と回答。「市民団体が計画する説明会にも説明者の派遣を」と求めたのに対し「すべての要望には対応できない」「要請があれば相談する」などと答えました。規制委員会として説明責任を果たすことが求められています。
内閣府、環境省では、ヨウ素剤の配布を5キロ圏に限定せず柔軟な対応をおこなうこと、SPEEDIを事故時に活用することを求めました。
国側は「事前配布は5キロ圏外であっても孤立の危険性がある地域などは認めている」「SPEEDIは予測と汚染が一致しないことがある」と答えました。党側は、「原発事故時に問診をしてヨウ素剤を配るようでは対応が間に合わない。防災訓練でもそういう問題は明らかであり、事前配布地域を拡大すべき」「SPEEDIを適切に活用すれば福島原発事故でも不要な被曝を防げたケースもある。福島事故以前より国の原子力防災は後退しており大問題だ」と批判しました。
文部科学省では、大学連携センターがつくられるCOC事業について、大学連携事業だが県内各地から1箇所に集まる際の交通費支援などを要望しました。国側は「補助金は最大で6800万円、学生の通学のバスの借り上げや回数券支給などにも使える」と答弁しました。学生の新たな負担発生を抑えることが大事です。
農水省では鳥獣害対策の強化を要望。国側は、「ここ4年間ほど総額が変わっていない総合交付金の増額をめざしていく」と答えました。また石川県が福井県との境に設置していく柵の問題では、「計画を柔軟に見直すことなどを要請している」と明らかにしました。
厚生労働省では、無料低額診療を薬局に拡大することを要望。国側は「無料低額診療は実施機関が増えているため、利用者が増えている。昭和26年からスタートした制度であり社会情勢は変化している。いま、慎重に検討している」などと答えました。党側は、制度をつくった時には院外薬局はなかったが医薬分業のなかで増えたのであり、患者の医療を保障するためにも対象とすべき、と求めました。
以下、要望内容です。
■厚生労働省
1、国民健康保険について
①国民健康保険税で、後期高齢者医療費負担金を子どもに賦課するのは問題であり、改善すること。また、18歳以下の均等割額は子どもの数が増えるほど増税となり、子育て支援に逆行している。18歳未満はゼロ円にするなど子育て支援制度に改善すること。
②自治体の住民に対する医療費助成制度を現物給付にすれば国から財政上のペナルティがあることを理由に福井県は現物給付を拒否している。このようなペナルティはやめること。
2、介護保険について
在宅の方は訪問介護が命綱です。介護保険から要支援者がはずされ、市町事業となった場合に、在宅に対する専門性の訪問介護をどう確保していくのか、国の見解を説明してください。あわせて今年度から実施している自治体での課題や状況を説明してください。
また、境界層措置の活用について福井県全体でも10数名とごくわずかであるが、全国的な状況と、活用の徹底について国の方針を説明してください。
3、障害者総合支援法第7条の「介護保険優先原則」により自己負担が増える仕組みは撤廃すること。
4、所得税法を改正し、非婚の母子家庭の母にも寡婦控除を適用するよう厚労省からも財務省に働きかけてください。
5、無料低額診療に薬局が対象となっていないのは現状にあわず、診療しても薬を受け取らないケースもでており、治療効果にマイナスであり、改善すること。
6、小浜市の杉田玄白記念病院は、原発の集中する若狭地域の基幹病院であるにもかかわらず、常勤医師の不足による診療日の制限や初診患者の制限がおこなわれており、医療崩壊の危機に瀕している。自治医科大学卒業医師の派遣の継続・拡充、財政支援等の拡充をはかること。
7、児童クラブの補助要件について、開設日数の基準を250日以上を200日以下に緩和していただきたい。そもそも、過疎地域で児童クラブを開設している場合には、児童の利用人数が少ない場合が少なくない。児童数が少ないと開設日数が減ることも多く、年間250日以上の開設日数の達成が困難な場合が起きている。開設日数250日を達成するには平日の開催だけではなく、土日祝日に開催をせねばならなくなるが、土日祝日の人員の確保にも過疎地域では困難さを伴う。利用人数が20名以上の場合は開催日数の特例があるが、利用人数が多い場合は開催日数が多くなる傾向があり、特例措置は20人を下回るような過疎地域においても適用されてしかるべきではないか。
■国土交通省
1、足羽川ダムについて
導水トンネル計画の見直しについて、計画されている変更内容の概略となんのための変更なのか、また、完成時期、事業費の増減、治水効果への影響等――資料の提供と説明を求める。
変更内容について、9月県議会と福井市議会にきちんと説明をおこなうよう求めます。さらに、池田町への地域振興策の進捗が遅れているときくが振興策の総事業費と進捗状況、国と県との役割分担等今後の計画について説明をもとめる。
2、国道整備
国道8号線の敦賀市から南越前市までの区間についてバイパス工事をすること。雪による事故や落石で通行止めになることが多々有り、敦賀市が陸の孤島になることがある。国道8号線の敦賀市白銀から本町までの区間について、二車線化にする工事をやめること。
3、北陸新幹線関連
①新幹線にともなう富山―大阪間で導入予定のフリーゲージトレインについて、JR西日本は開発が間に合わない、と言っている。しかし、乗客の利便性を考えればそれではすまないし、そもそも国土交通省が事業認可した条件を満たさなくなる。もしFGT開発が間に合わないなら、それは国とJRの責任であり、福井ー大阪間のサンダーバード、福井―名古屋間のしらさぎ号の運行継続などの措置を国としてもJRにつよくもとめるべきではないか。
②福井駅先行開業について
国が把握しているメリット、デメリット、課題について説明してください。
追加工事費は少なくとも130億~160億といわれているが、2年間のためにこのような財政支出はおこなうべきではなく、中止を決断すべきではないか。
また、この工事によって、えちぜん鉄道の福井駅乗り入れができなくなれば、地域交通、県民にとっては大打撃であり、絶対におこなうべきではないと考えるが国の見解はどうか。
③第三セクターの立ち上げについて
先行する富山、石川は各県ごとの第三セクターで、またがる区間の運賃の大幅値上げなどデメリットが指摘されている。国として、各県バラバラの3セクの課題をどのように認識しているのか、説明してください。
国として、福井・石川共同の3セク構成で極力住民の利便性悪化をさけるよう助言するとともに、「スケールメリット」を発揮して地域交通利便性を支える取り組みに対して新たな支援制度を創設すること。
4、高浜町、町議会から要望している国道27号線青葉トンネルの改良整備をすすめること。
5、2013年に観光庁が「官民協働した魅力ある観光地の再建・強化事業」として選定し、中部運輸局が調査業務として実施した、「嶺北ふるさと創造観光協会」の提案事業は、同協議会が実体のない団体であり、提案から実施および結果報告において不正または不適切な内容がある疑いがあると、勝山市議会の議員倫理調査特別委員会の「中間報告」において指摘されている。国土交通省として実態を調査し、厳正な対処と再発防止策を講じること。
■文部科学省
1、福井国体にむけて、福井運動公園の再整備がおこなわれ、テニスコートもつくられる。このテニスコートについて、県民の利用利便性からはオムニコートを求める声が強いが、県は「国は少年テニスはハードコートを推奨している」とし、ハードコートでの整備をすすめる計画となっている。
他県では、国体後に整備したハードコートを利用者の利便性などからオムニにつくりかえている事例もある。また、競技環境を考えても、雨天への対応などオムニの方が優れている。国として、ハードを推奨している根拠データの提供と説明を求めるとともに、県民スポーツの振興などを考えた場合に、オムニの方を推奨すべきではないか。
2、国のCOC事業にもとづいて、福井県でも福井駅近くに大学連携センターが開設される。しかし、県内各地の大学から学生を集めるとなると、それぞれの大学からの移動時間もふくめたカリキュラム調整が必要となったり、学生の交通費や駐車場代のあらたな負担への対応を考えなくてはならない。
国としてこのような課題についての考え方を問うとともに、新たに発生する学生の交通費や駐車場代への支援制度があれば紹介願いたい。
3、原発「もんじゅ」について。以下の資料提供と説明をしていただきたい。
・もんじゅについてこれまでの総経費がわかる資料。今年度の計画と予算内容。
・もんじゅの職員数の現況と、今後10年間の退職予定者数の推移見込み(事務職、技術職別に)
・新たにつくられたナトリウム研修施設の概要と、今後の活用計画
4、美浜町のエネルギー環境教育体験施設について、
エネルギー環境教育体験施設の収支は人件費、事業費、維持管理費、合計で年間約8500万円の費用がかかり、収入は、利用者数年間25000人という見込みをたて、一人千円で2500万円の収入とその他200万円合わせて2700万円の収入しかなく、残り5800万円は6億円の基金を取り崩し運営に当てるというもので、これだと基金の6億円が10年で枯渇してしまう。その後は、自立運営にむけた取り組みとして、広報活動、職員体制の効率化、企業からの広告代金収入、3年を目処に公益法人化を検討するというが、いずれも大幅な収入の増加を見込めるものではない。
美浜町は、原発の再稼働、置き換えに固執し、再生可能エネルギーの普及に関して、全く方向性を示さないばかりか、その財源が「高速増殖炉サイクル技術研究開発推進交付金」であることから、原子力発電の推進教育施設としか言いようがない。また、この施設は、再生可能エネルギーが普及している地域にこそ相応しく、原子力発電にのみに固執する美浜町には関西電力のPR館で事足りており、美浜町にエネルギー環境教育体験施設の必要性は無い。
また、運営費6億円、建設費9億円が町の基金として入っていても、10年後には毎年、5800万円の一般財源・町民の税金を持ち出すようになれば破綻は目に見えている。国や県がこの事業が必要だというのであれば、美浜町一自治体がやる事業ではなく、運営についても、プログラムの更新、広報宣伝活動など国や県が責任を持つべきである。美浜町の財政計画においても人口減少が進み、5年後の平成32年には、27年度82億円の歳入が64億円になり、実に18億円の歳入減になることが明らかになっており、財源が減少するにもかかわらず、費用が膨らんでいくこととなるこの施設の建設はすぐに中止するべきではないか、見解を問う。
更に、施設の建設費が2億円以上も増額し、15億円の積立金以外に国県からの支出金を財源に使う事が明らかになっているが問題ではないか。
■経済産業省
1、原発をベースロード電源としたエネルギー基本計画について、40年超原発の運転見込みを明らかにされたい。
また、高浜原発1号機は脆性遷移温度が高くて危険、と報道されているが、県内原発の脆性遷移温度の一覧を提供していただくとともに、国としてどの程度までなら運転許容ができるのか、その根拠データもしめして明らかにされたい。
2、中間貯蔵施設のアクションプランについて。
立地県の役割、消費地の役割、事業者の役割、国の役割についてどのように整理するのか。また、スケジュール期間や進行管理についてそのように担保するのか、現時点で提供できる資料をしめすとともに考え方を明らかにされたい。
3、高浜原発を再稼働すれば、使用済みMOX燃料はどうするのか。当初の核燃料サイクル政策では、これをふたたび再処理するということであったが専用の再処理施設の建設はまったく白紙状態で、核燃料サイクル政策自体が破たんしている。このままプルサーマルをやって使用済みMOX燃料はどうなるのか、明らかにされたい。
4、美浜原発3号機について、
40年を越える原発の稼働は事故や故障のリスクが高まるばかりか、美浜3号機の下には4つの断層が存在している。敷地の1キロ圏内には活断層も確認されており、連動の可能性を否定できない。
美浜原発1・2号機はすでに廃炉が決定されており、廃炉作業を安全に進めるには同敷地内にある3号機(老朽化原発)を運転延長することなど考えられない。事故や故障リスクが高い3号機が稼働中に過酷事故や故障を起こせば、同敷地内の廃炉作業も停滞し、作業に重大な悪影響を与えることは必然である。82.6万KW(3号機)の定格出力しかない老朽化原発が広範囲の住民や環境に与える危険性・リスク、経済的悪影響は大きく、一方で電力の需要と供給に対して何らかの影響をもたらすほどの発電量を有していない。美浜原発3号機の廃炉を決定しても、火力・水力の稼働、再生可能エネルギーの普及促進など原発以外の発電方法で電力供給を行うことが可能であり、運転延長の必要がないので即廃炉を決断するべきではないか。
また、世界的に見ても異常な原発集中立地地域となっている嶺南地域の中でも、特に危険と指摘される活断層に囲まれた敦賀半島から原発をゼロにし、避難でも身動きが取れない危機的状態から住民を解放する必要がある。特に美浜町は東西に原発があり、北は海、南の滋賀県に抜ける幹線道路もなく、南北への避難ができない状態である。試算を見ても、県内で最も避難時間を要するのが美浜町であり、東西に原発が存在している状態では、原発の同時多発事故や複合災害にも弱く、美浜町民の被ばくを完全に防ぐという原子力防災、避難計画は不可能であるから、早急に東側の敦賀半島の原発をゼロにする必要があるのではないか、国の見解を問う。
さらに、広範囲の住民の生存権は自治体財源と比較し犠牲にできるものではないはずである。地方自治体が必要としているのは電力というエネルギーではなく原子力に関係する交付金や補助金(自治体財源)であり、それは国のエネルギー政策に寄与しているのではなく交付金や補助金に依存しているのである。
敦賀半島の原発をゼロにしても、敦賀半島に整備された送電線は大いに活用できるのであるから、電力というエネルギーが必要であるなら、未来に負の遺産を残す原発に依存することをやめ、再生可能エネルギーの普及促進やCO2を出さない新型火力などの発電方法に転換するべきではないか、見解を問う。
5、廃炉計画のなかに雇用計画をきちんと位置付けて、地域経済への影響緩和をすべきではないか、見解を問う。また、一部に「だらだら廃炉作業」ということも言われているが、安全第一にしながら、一定数の雇用を維持するためには、廃炉作業と雇用計画をきちんとしめすようにすべきではないか。
6、廃業後のガソリンスタンドの処分について。
「地域エネルギー供給拠点整備補助事業」と言うことで、内容は、地下埋設物等の撤去工事、地下埋設物等の入換工事 自家発電機設置工事 について、一般社団法人 全国石油協会を通じて補助をしているようですが、全国の状況と福井県での状況をお知らせください。
この問題は、倒産などで廃業していたり、営業継続できないから廃業したようなGSの場合、全くその設備及び土地が放置されたままになっていることです。地下タンクを抱えたままになっているので、次への利用が進まず、廃屋、廃墟になっています。地震等の場合の障害物になるのは確実であり、日常的にも残存油などによる土壌汚染の危険があります。
実態調査を行い、もっと強力に取り組むことが必要と考えますが、今後の方針をおたずねしたい。
■内閣府
1、情報流出事件などで国民的な不安と批判が高まっているマイナンバー制度実施と利用範囲拡大の中止を求めます。
■原子力規制委員会
1、規制基準は原子力発電所についてはあるが、事故時の対応を指揮する原子力事業本部についてはないのは問題ではないか。とくに、福井県の場合は、関西電力原子力事業本部は原発集中地域に併存しており、規制委員会としてどのような対応を求めるのか。
2、高浜再稼働
高浜原発3,4号機はひきつづきプルサーマル運転が予定されている。原子力規制委員会ではこれについて審査していないようである。プルサーマルはより危険性を増すと専門家は指摘している。どう考えているか。
また、規制庁として審査内容を立地自治体だけでなく、福井県内で住民に説明する機会をもうけるべきでないか。
その際に、市民団体などからの求めに応じての説明会に説明者を派遣することもおこなうべきでないか。
3、高浜原発1号機は脆性遷移温度が高くて危険、と報道されているが、県内原発の脆性遷移温度の一覧を提供していただくとともに、国としてどの程度までなら運転許容ができるのか、その根拠データもしめして明らかにされたい。
■農林水産省
1、コメ輸入の拡大、牛肉・豚肉の関税引き下げなど、すでに国会決議に違反しているTPP交渉からは、日本農業を守るために撤退すべきではないか。農水省としてつよく求めるべきである。
2、1100億円以上を投じた坂井平野での農業パイプライン事業も完成が近づいている。このような行政をまたがる長大なパイプラインの管理については、準民間の土地改良区ではなく、行政が責任をもって「公物」として管理すべきではないか。
あわせて、整備されている農業パイプライン後の用水路が排水路となるが、それにかかる必要な整備についても国の責任で整備をおこなうべきではないか。
3、農作物に対する鳥獣害被害防止のための助成を大幅に増やすこと。また、助成の判断において「費用対効果」を基準としないこと。石川県が計画している県境への固定柵設置のような手法は問題の解決にならず、国としても是正をもとめること。
イノシシの捕獲対策を強化するとともに、食肉として流通・販売できるよう、食肉加工施設建設について推進すること。
■環境省
1、原子力災害住民避難計画について
国の指針では、PAZ圏は原発から半径5㎞以内としている。高浜町はこれを独自に、「行政区(コミュニティーの同一性)や自然的、社会的周辺状況を勘案して」概ね6キロメートルと設定している。これによって、安定ヨウ素剤の事前配布も6キロメートル圏内住民としている。しかし、なお高浜町4地区のうち、和田地区全域と高浜地区内2行政区がこの範囲からはずれる。緊急時に町として統一行動をとることは合理的と考える。また、和田地区などは高浜原発から南東方向の、1年を通じて風下にあたり、緊急時にはPAZ圏と同様の対策が必要となることは自明である。したがって、高浜町として統一した行動がとれるよう和田地区などをふくめ全町民へのヨウ素剤の事前配布を要望したいが、国の見解を問う。
2、SPEEDIの活用について、各県からも要望されているように、適切に活用すべきではないか。
国は「SPEEDIで被曝が悪化する」などと述べているが、その根拠を明らかにされたい。
藤野やすふみ衆議院議員、井上さとし参議院議員が同席しました。
原子力規制庁では、適合審査の内容を県民に説明するように求めました。「立地自治体や県の委員会で説明している。」と回答。「市民団体が計画する説明会にも説明者の派遣を」と求めたのに対し「すべての要望には対応できない」「要請があれば相談する」などと答えました。規制委員会として説明責任を果たすことが求められています。
内閣府、環境省では、ヨウ素剤の配布を5キロ圏に限定せず柔軟な対応をおこなうこと、SPEEDIを事故時に活用することを求めました。
国側は「事前配布は5キロ圏外であっても孤立の危険性がある地域などは認めている」「SPEEDIは予測と汚染が一致しないことがある」と答えました。党側は、「原発事故時に問診をしてヨウ素剤を配るようでは対応が間に合わない。防災訓練でもそういう問題は明らかであり、事前配布地域を拡大すべき」「SPEEDIを適切に活用すれば福島原発事故でも不要な被曝を防げたケースもある。福島事故以前より国の原子力防災は後退しており大問題だ」と批判しました。
文部科学省では、大学連携センターがつくられるCOC事業について、大学連携事業だが県内各地から1箇所に集まる際の交通費支援などを要望しました。国側は「補助金は最大で6800万円、学生の通学のバスの借り上げや回数券支給などにも使える」と答弁しました。学生の新たな負担発生を抑えることが大事です。
農水省では鳥獣害対策の強化を要望。国側は、「ここ4年間ほど総額が変わっていない総合交付金の増額をめざしていく」と答えました。また石川県が福井県との境に設置していく柵の問題では、「計画を柔軟に見直すことなどを要請している」と明らかにしました。
厚生労働省では、無料低額診療を薬局に拡大することを要望。国側は「無料低額診療は実施機関が増えているため、利用者が増えている。昭和26年からスタートした制度であり社会情勢は変化している。いま、慎重に検討している」などと答えました。党側は、制度をつくった時には院外薬局はなかったが医薬分業のなかで増えたのであり、患者の医療を保障するためにも対象とすべき、と求めました。
以下、要望内容です。
■厚生労働省
1、国民健康保険について
①国民健康保険税で、後期高齢者医療費負担金を子どもに賦課するのは問題であり、改善すること。また、18歳以下の均等割額は子どもの数が増えるほど増税となり、子育て支援に逆行している。18歳未満はゼロ円にするなど子育て支援制度に改善すること。
②自治体の住民に対する医療費助成制度を現物給付にすれば国から財政上のペナルティがあることを理由に福井県は現物給付を拒否している。このようなペナルティはやめること。
2、介護保険について
在宅の方は訪問介護が命綱です。介護保険から要支援者がはずされ、市町事業となった場合に、在宅に対する専門性の訪問介護をどう確保していくのか、国の見解を説明してください。あわせて今年度から実施している自治体での課題や状況を説明してください。
また、境界層措置の活用について福井県全体でも10数名とごくわずかであるが、全国的な状況と、活用の徹底について国の方針を説明してください。
3、障害者総合支援法第7条の「介護保険優先原則」により自己負担が増える仕組みは撤廃すること。
4、所得税法を改正し、非婚の母子家庭の母にも寡婦控除を適用するよう厚労省からも財務省に働きかけてください。
5、無料低額診療に薬局が対象となっていないのは現状にあわず、診療しても薬を受け取らないケースもでており、治療効果にマイナスであり、改善すること。
6、小浜市の杉田玄白記念病院は、原発の集中する若狭地域の基幹病院であるにもかかわらず、常勤医師の不足による診療日の制限や初診患者の制限がおこなわれており、医療崩壊の危機に瀕している。自治医科大学卒業医師の派遣の継続・拡充、財政支援等の拡充をはかること。
7、児童クラブの補助要件について、開設日数の基準を250日以上を200日以下に緩和していただきたい。そもそも、過疎地域で児童クラブを開設している場合には、児童の利用人数が少ない場合が少なくない。児童数が少ないと開設日数が減ることも多く、年間250日以上の開設日数の達成が困難な場合が起きている。開設日数250日を達成するには平日の開催だけではなく、土日祝日に開催をせねばならなくなるが、土日祝日の人員の確保にも過疎地域では困難さを伴う。利用人数が20名以上の場合は開催日数の特例があるが、利用人数が多い場合は開催日数が多くなる傾向があり、特例措置は20人を下回るような過疎地域においても適用されてしかるべきではないか。
■国土交通省
1、足羽川ダムについて
導水トンネル計画の見直しについて、計画されている変更内容の概略となんのための変更なのか、また、完成時期、事業費の増減、治水効果への影響等――資料の提供と説明を求める。
変更内容について、9月県議会と福井市議会にきちんと説明をおこなうよう求めます。さらに、池田町への地域振興策の進捗が遅れているときくが振興策の総事業費と進捗状況、国と県との役割分担等今後の計画について説明をもとめる。
2、国道整備
国道8号線の敦賀市から南越前市までの区間についてバイパス工事をすること。雪による事故や落石で通行止めになることが多々有り、敦賀市が陸の孤島になることがある。国道8号線の敦賀市白銀から本町までの区間について、二車線化にする工事をやめること。
3、北陸新幹線関連
①新幹線にともなう富山―大阪間で導入予定のフリーゲージトレインについて、JR西日本は開発が間に合わない、と言っている。しかし、乗客の利便性を考えればそれではすまないし、そもそも国土交通省が事業認可した条件を満たさなくなる。もしFGT開発が間に合わないなら、それは国とJRの責任であり、福井ー大阪間のサンダーバード、福井―名古屋間のしらさぎ号の運行継続などの措置を国としてもJRにつよくもとめるべきではないか。
②福井駅先行開業について
国が把握しているメリット、デメリット、課題について説明してください。
追加工事費は少なくとも130億~160億といわれているが、2年間のためにこのような財政支出はおこなうべきではなく、中止を決断すべきではないか。
また、この工事によって、えちぜん鉄道の福井駅乗り入れができなくなれば、地域交通、県民にとっては大打撃であり、絶対におこなうべきではないと考えるが国の見解はどうか。
③第三セクターの立ち上げについて
先行する富山、石川は各県ごとの第三セクターで、またがる区間の運賃の大幅値上げなどデメリットが指摘されている。国として、各県バラバラの3セクの課題をどのように認識しているのか、説明してください。
国として、福井・石川共同の3セク構成で極力住民の利便性悪化をさけるよう助言するとともに、「スケールメリット」を発揮して地域交通利便性を支える取り組みに対して新たな支援制度を創設すること。
4、高浜町、町議会から要望している国道27号線青葉トンネルの改良整備をすすめること。
5、2013年に観光庁が「官民協働した魅力ある観光地の再建・強化事業」として選定し、中部運輸局が調査業務として実施した、「嶺北ふるさと創造観光協会」の提案事業は、同協議会が実体のない団体であり、提案から実施および結果報告において不正または不適切な内容がある疑いがあると、勝山市議会の議員倫理調査特別委員会の「中間報告」において指摘されている。国土交通省として実態を調査し、厳正な対処と再発防止策を講じること。
■文部科学省
1、福井国体にむけて、福井運動公園の再整備がおこなわれ、テニスコートもつくられる。このテニスコートについて、県民の利用利便性からはオムニコートを求める声が強いが、県は「国は少年テニスはハードコートを推奨している」とし、ハードコートでの整備をすすめる計画となっている。
他県では、国体後に整備したハードコートを利用者の利便性などからオムニにつくりかえている事例もある。また、競技環境を考えても、雨天への対応などオムニの方が優れている。国として、ハードを推奨している根拠データの提供と説明を求めるとともに、県民スポーツの振興などを考えた場合に、オムニの方を推奨すべきではないか。
2、国のCOC事業にもとづいて、福井県でも福井駅近くに大学連携センターが開設される。しかし、県内各地の大学から学生を集めるとなると、それぞれの大学からの移動時間もふくめたカリキュラム調整が必要となったり、学生の交通費や駐車場代のあらたな負担への対応を考えなくてはならない。
国としてこのような課題についての考え方を問うとともに、新たに発生する学生の交通費や駐車場代への支援制度があれば紹介願いたい。
3、原発「もんじゅ」について。以下の資料提供と説明をしていただきたい。
・もんじゅについてこれまでの総経費がわかる資料。今年度の計画と予算内容。
・もんじゅの職員数の現況と、今後10年間の退職予定者数の推移見込み(事務職、技術職別に)
・新たにつくられたナトリウム研修施設の概要と、今後の活用計画
4、美浜町のエネルギー環境教育体験施設について、
エネルギー環境教育体験施設の収支は人件費、事業費、維持管理費、合計で年間約8500万円の費用がかかり、収入は、利用者数年間25000人という見込みをたて、一人千円で2500万円の収入とその他200万円合わせて2700万円の収入しかなく、残り5800万円は6億円の基金を取り崩し運営に当てるというもので、これだと基金の6億円が10年で枯渇してしまう。その後は、自立運営にむけた取り組みとして、広報活動、職員体制の効率化、企業からの広告代金収入、3年を目処に公益法人化を検討するというが、いずれも大幅な収入の増加を見込めるものではない。
美浜町は、原発の再稼働、置き換えに固執し、再生可能エネルギーの普及に関して、全く方向性を示さないばかりか、その財源が「高速増殖炉サイクル技術研究開発推進交付金」であることから、原子力発電の推進教育施設としか言いようがない。また、この施設は、再生可能エネルギーが普及している地域にこそ相応しく、原子力発電にのみに固執する美浜町には関西電力のPR館で事足りており、美浜町にエネルギー環境教育体験施設の必要性は無い。
また、運営費6億円、建設費9億円が町の基金として入っていても、10年後には毎年、5800万円の一般財源・町民の税金を持ち出すようになれば破綻は目に見えている。国や県がこの事業が必要だというのであれば、美浜町一自治体がやる事業ではなく、運営についても、プログラムの更新、広報宣伝活動など国や県が責任を持つべきである。美浜町の財政計画においても人口減少が進み、5年後の平成32年には、27年度82億円の歳入が64億円になり、実に18億円の歳入減になることが明らかになっており、財源が減少するにもかかわらず、費用が膨らんでいくこととなるこの施設の建設はすぐに中止するべきではないか、見解を問う。
更に、施設の建設費が2億円以上も増額し、15億円の積立金以外に国県からの支出金を財源に使う事が明らかになっているが問題ではないか。
■経済産業省
1、原発をベースロード電源としたエネルギー基本計画について、40年超原発の運転見込みを明らかにされたい。
また、高浜原発1号機は脆性遷移温度が高くて危険、と報道されているが、県内原発の脆性遷移温度の一覧を提供していただくとともに、国としてどの程度までなら運転許容ができるのか、その根拠データもしめして明らかにされたい。
2、中間貯蔵施設のアクションプランについて。
立地県の役割、消費地の役割、事業者の役割、国の役割についてどのように整理するのか。また、スケジュール期間や進行管理についてそのように担保するのか、現時点で提供できる資料をしめすとともに考え方を明らかにされたい。
3、高浜原発を再稼働すれば、使用済みMOX燃料はどうするのか。当初の核燃料サイクル政策では、これをふたたび再処理するということであったが専用の再処理施設の建設はまったく白紙状態で、核燃料サイクル政策自体が破たんしている。このままプルサーマルをやって使用済みMOX燃料はどうなるのか、明らかにされたい。
4、美浜原発3号機について、
40年を越える原発の稼働は事故や故障のリスクが高まるばかりか、美浜3号機の下には4つの断層が存在している。敷地の1キロ圏内には活断層も確認されており、連動の可能性を否定できない。
美浜原発1・2号機はすでに廃炉が決定されており、廃炉作業を安全に進めるには同敷地内にある3号機(老朽化原発)を運転延長することなど考えられない。事故や故障リスクが高い3号機が稼働中に過酷事故や故障を起こせば、同敷地内の廃炉作業も停滞し、作業に重大な悪影響を与えることは必然である。82.6万KW(3号機)の定格出力しかない老朽化原発が広範囲の住民や環境に与える危険性・リスク、経済的悪影響は大きく、一方で電力の需要と供給に対して何らかの影響をもたらすほどの発電量を有していない。美浜原発3号機の廃炉を決定しても、火力・水力の稼働、再生可能エネルギーの普及促進など原発以外の発電方法で電力供給を行うことが可能であり、運転延長の必要がないので即廃炉を決断するべきではないか。
また、世界的に見ても異常な原発集中立地地域となっている嶺南地域の中でも、特に危険と指摘される活断層に囲まれた敦賀半島から原発をゼロにし、避難でも身動きが取れない危機的状態から住民を解放する必要がある。特に美浜町は東西に原発があり、北は海、南の滋賀県に抜ける幹線道路もなく、南北への避難ができない状態である。試算を見ても、県内で最も避難時間を要するのが美浜町であり、東西に原発が存在している状態では、原発の同時多発事故や複合災害にも弱く、美浜町民の被ばくを完全に防ぐという原子力防災、避難計画は不可能であるから、早急に東側の敦賀半島の原発をゼロにする必要があるのではないか、国の見解を問う。
さらに、広範囲の住民の生存権は自治体財源と比較し犠牲にできるものではないはずである。地方自治体が必要としているのは電力というエネルギーではなく原子力に関係する交付金や補助金(自治体財源)であり、それは国のエネルギー政策に寄与しているのではなく交付金や補助金に依存しているのである。
敦賀半島の原発をゼロにしても、敦賀半島に整備された送電線は大いに活用できるのであるから、電力というエネルギーが必要であるなら、未来に負の遺産を残す原発に依存することをやめ、再生可能エネルギーの普及促進やCO2を出さない新型火力などの発電方法に転換するべきではないか、見解を問う。
5、廃炉計画のなかに雇用計画をきちんと位置付けて、地域経済への影響緩和をすべきではないか、見解を問う。また、一部に「だらだら廃炉作業」ということも言われているが、安全第一にしながら、一定数の雇用を維持するためには、廃炉作業と雇用計画をきちんとしめすようにすべきではないか。
6、廃業後のガソリンスタンドの処分について。
「地域エネルギー供給拠点整備補助事業」と言うことで、内容は、地下埋設物等の撤去工事、地下埋設物等の入換工事 自家発電機設置工事 について、一般社団法人 全国石油協会を通じて補助をしているようですが、全国の状況と福井県での状況をお知らせください。
この問題は、倒産などで廃業していたり、営業継続できないから廃業したようなGSの場合、全くその設備及び土地が放置されたままになっていることです。地下タンクを抱えたままになっているので、次への利用が進まず、廃屋、廃墟になっています。地震等の場合の障害物になるのは確実であり、日常的にも残存油などによる土壌汚染の危険があります。
実態調査を行い、もっと強力に取り組むことが必要と考えますが、今後の方針をおたずねしたい。
■内閣府
1、情報流出事件などで国民的な不安と批判が高まっているマイナンバー制度実施と利用範囲拡大の中止を求めます。
■原子力規制委員会
1、規制基準は原子力発電所についてはあるが、事故時の対応を指揮する原子力事業本部についてはないのは問題ではないか。とくに、福井県の場合は、関西電力原子力事業本部は原発集中地域に併存しており、規制委員会としてどのような対応を求めるのか。
2、高浜再稼働
高浜原発3,4号機はひきつづきプルサーマル運転が予定されている。原子力規制委員会ではこれについて審査していないようである。プルサーマルはより危険性を増すと専門家は指摘している。どう考えているか。
また、規制庁として審査内容を立地自治体だけでなく、福井県内で住民に説明する機会をもうけるべきでないか。
その際に、市民団体などからの求めに応じての説明会に説明者を派遣することもおこなうべきでないか。
3、高浜原発1号機は脆性遷移温度が高くて危険、と報道されているが、県内原発の脆性遷移温度の一覧を提供していただくとともに、国としてどの程度までなら運転許容ができるのか、その根拠データもしめして明らかにされたい。
■農林水産省
1、コメ輸入の拡大、牛肉・豚肉の関税引き下げなど、すでに国会決議に違反しているTPP交渉からは、日本農業を守るために撤退すべきではないか。農水省としてつよく求めるべきである。
2、1100億円以上を投じた坂井平野での農業パイプライン事業も完成が近づいている。このような行政をまたがる長大なパイプラインの管理については、準民間の土地改良区ではなく、行政が責任をもって「公物」として管理すべきではないか。
あわせて、整備されている農業パイプライン後の用水路が排水路となるが、それにかかる必要な整備についても国の責任で整備をおこなうべきではないか。
3、農作物に対する鳥獣害被害防止のための助成を大幅に増やすこと。また、助成の判断において「費用対効果」を基準としないこと。石川県が計画している県境への固定柵設置のような手法は問題の解決にならず、国としても是正をもとめること。
イノシシの捕獲対策を強化するとともに、食肉として流通・販売できるよう、食肉加工施設建設について推進すること。
■環境省
1、原子力災害住民避難計画について
国の指針では、PAZ圏は原発から半径5㎞以内としている。高浜町はこれを独自に、「行政区(コミュニティーの同一性)や自然的、社会的周辺状況を勘案して」概ね6キロメートルと設定している。これによって、安定ヨウ素剤の事前配布も6キロメートル圏内住民としている。しかし、なお高浜町4地区のうち、和田地区全域と高浜地区内2行政区がこの範囲からはずれる。緊急時に町として統一行動をとることは合理的と考える。また、和田地区などは高浜原発から南東方向の、1年を通じて風下にあたり、緊急時にはPAZ圏と同様の対策が必要となることは自明である。したがって、高浜町として統一した行動がとれるよう和田地区などをふくめ全町民へのヨウ素剤の事前配布を要望したいが、国の見解を問う。
2、SPEEDIの活用について、各県からも要望されているように、適切に活用すべきではないか。
国は「SPEEDIで被曝が悪化する」などと述べているが、その根拠を明らかにされたい。