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JR東日本 E259系電車

2011-08-30 21:03:31 | 電車図鑑・JR新系列特急用車両
特急「成田エクスプレス」で運用していた253系電車の陳腐化に伴う置き換えと、
京成スカイアクセス線経由の新「スカイライナー」への対抗、成田空港の滑走路増強に
伴う利用客増加に対応するための輸送力増強のために登場した車両である。
平成21年~平成22年にかけて6両編成×22本=132両が製造された。
製造を担当したメーカーは東急車輛と近畿車輛である。
編成の組み方は成田空港側から順に以下の通り。

クロE259-0+モハE259-500+モハE258-500+モハE259-0+モハE259-0+クハE258-0

号車番号はクハ258-0側が1号車(12連時7号車)でクロ259-0は6号車(12連時12号車)
である。
主制御装置はモハE259-0/-500形に補助電源装置はモハE258-0/-500形にそれぞれ
搭載されている
集電装置はE259-0に1基、E259-500に2基搭載でE259-500のパンタのうち、
4号車側は予備のもので普段は使わない。

車体はE653系電車以来のアルミ製で中空押出し型材を用いたダブルスキン構造である。
型材にはカーテンレール同様の形状のものとし、各種部品や機器を直接取り付けできる
ようにし、溶接作業の軽減と工作数の削減を図った。
床材には弾性素材を用いたが、その下にアルミ合金板を敷くことで車内の静粛性を
従来の車両よりも向上させている。
先頭部分は高運転台構造の貫通型で運転席の真下に貫通扉が来る構造になっている。
この貫通扉は左右にスライドして開き、中から貫通幌を展開するもので253系とは
異なり、営業運転時も通行可能である。
塗装はホワイトに屋根肩部を赤、窓周りと正面貫通扉をブラックとしたもので
基本的に253系のものを引き継いでいる。

車内はグリーン車と普通車の2種類がある。
グリーン車は6号車にあり、座席は左右2列配置の回転リクライニングシートである。
各座席肘掛にモバイルコンセントと跳ね上げ式のフットレスト、座席背面に折畳み式の
テーブルと物入れを設置した。
座席の表地は本革製として普通車との差別化を図った他、内装に木目調の化粧板を
用いて高級感を演出している。
普通車は1~5号車で座席は左右2列配置の回転リクライニングシートである。
5号車の成田空港側車端部に車椅子スペースとして1人席がある。
フットレストがないのと座席の表地がモケットであること、シート間隔が140㎜狭い、
化粧板がホワイト系であることなどがグリーン車との相違点である。
座席周りに荷物を置く場所を確保するため、先代の253系では片持ち式座席や
ハットラック式の荷棚を採用していたが、本形式では座席暖房を廃止し、座席下に
荷物を置けるよう足元を広くとったほか、荷棚も通常のものとなった。
なお暖房装置は壁に内蔵されている。
各車両車端部とデッキ側に大型のスーツケースを置くための荷物置場を設置した。
この荷物置場には監視カメラと暗証番号式のチェーンロックキーを設置した他、
各車両デッキにも監視カメラを設置して車内の保安度の向上を図っている。
トイレは1号車と6号車にあり、1号車は男女共用の洋式トイレ、男子用小便所と
洗面所、6号車は洗面所兼用の電動車いす対応の洋式トイレと男子小便所がある。
汚物処理方式は清水空圧式である。
6号車にはカード式公衆電話が設置された他、1号車には多目的室と車内販売準備室が
設けられている。
多目的室は車椅子のままでも入室できるように幅広の扉を採用し、座席は倒すと
寝台になるようになっている。
旅客案内装置はJR東日本の特急用電車で初めての液晶ディスプレイ式で各デッキ、
客室で入口上部、客室内に設置された。
この他の通信サービスとしてWiMAXに対応した公衆無線LANサービスを実施している。
ドアは先頭車が1箇所ずつ、他は2箇所で全て片引き戸である。

主制御装置はIGBT式VVVFインバータ制御、ブレーキは抑速ブレーキ・耐雪ブレーキ機能
付きの回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキである。
これらの機器は回路が多重化され、信頼性と安定性の向上を図っている他、E231系
電車で確立したTIMS(列車情報管理システム)により、運転台より各機器の状況を
逐次監視できるようになっている。
台車は軸箱支持をモノリンク式とした空気バネ式ボルスタレス台車で高速運転に
対応するため、ヨーダンパーを装備している。
また、車端部には車間ダンパーを、先頭車の台車にはフルアクティブサスペンションを
装備して乗り心地の向上を図った。

営業開始は平成21年10月のダイヤ改正からで253系の3両編成が全て置き換えられた。
その後も増備を重ねて平成22年6月に呼び編成も含めた全編成が揃い、特急
「成田エクスプレス」は全列車が本形式となった。


○グリーン車客室。革張りの座席が特徴。赤いヘッドレストは任意の高さに
 動かすことが可能。


○普通車客室。座席はモケット張り。


○普通車車椅子スペースの座席。デッキの扉も幅広の自動ドアを採用している。


○大型荷物置場。チェーンロックが採用されている。


○デッキ。ガラス張りの客室扉が特徴。ここにも液晶ディスプレイがある。



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