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JR東海 383系電車 「しなの」

2009-08-05 19:07:31 | 電車図鑑・JR新系列特急用車両
名古屋から中央西線・篠ノ井線経由で長野までを結ぶ特急「しなの」に使用されていた
381系特急用電車の老朽化に伴い、その置き換えのため登場した車両である。

平成6年に量産先行車が登場し、平成8年に量産車が投入され、
6両編成×9本(パノラマグリーン車組み込み。編成番号A1~9。以下A0編成)=54両、
4両編成×3本(グリーン車組み込み。編成番号A101~103。以下A100編成)=12両、
2両編成×5本(普通車のみ。編成番号A201~205。以下A200編成)=10両
の計76両が製造された。

車体は大きく絞り込んだステンレス製で、先頭部分のみ鋼鉄製となっている。
帯色はオレンジと白の細帯で、窓周りはブラウンとなっている。なお先頭部分は
白で塗られている。
正面はA0編成の長野側に連結されるパノラマグリーン車は流線型でその名のとおり、
運転席越しにワイドな景色を眺めることが出来る。
A0編成の名古屋側、及びA100、A200編成は正面貫通型である。貫通扉は左右スライド式の
プラグドアで連結作業の容易化を図っている。
ヘッドマークは字幕式でパノラマグリーン車は正面中央、貫通型車は正面向かって
左側に装備している。
なお、側面の号車番号・座席種別案内と列車名・行き先表示も字幕式である。
ドアは片引き戸で片側1箇所か2箇所ある。後述するが、振り子式を採用している
関係で重心を低くとる必要があるため、床面が低く、ドアステップがない。

車内はグリーン車、普通車共に2:2配置の回転リクライニングシートである。
グリーン車には2面展開型、普通車には跳ね上げ式のフットレストが付く。
テーブルはグリーン車が肘掛と前座席背面、普通車は前座席背面のみとなる。
一部座席は車椅子対応となる。
客室出入口ドア上にLEDスクロール式の旅客案内装置が設置されている。
また、デッキにはスキーなどの大型荷物を置くための荷物置場が設置されている。
この他、カード式公衆電話、ベビーベット付き身障者対応トイレなどがある。

主制御装置はGTO式VVVFインバータ制御でブレーキは抑速機能付き発電・回生併用
電気指令式空気ブレーキである。
パンタグラフは狭小トンネル対応のシングルアーム式でJR東海の在来線電車で
初めての採用となった。

台車は振り子機能対応のボルスタレス台車で、ベアリングガイド式の車体傾斜機能を
コンピューター制御によって空気シリンダーを動作させる制御付き自然振り子台車と
なっている。この機能により従来車が遠心力のみで車体を傾けていたために起こした
「振り遅れ」・「揺り戻し」がなくなって乗り心地と速度の向上が図られた。
また、車軸は支持部分の剛性を柔らかくして、レールと車軸を常に直角に保つための
自己操舵機能を搭載している。なお、振り子が使えるのは中央西線・篠ノ井線・
信越本線の名古屋~長野間のみで、他の路線では使用できない。
過去に身延線などに乗り入れたことがあるが、その際は振り子を停止させていた。

運用では、その特殊性から特急「しなの」全列車とそれの入庫回送列車を利用した
「ホームライナー中津川」、「ホームライナー瑞浪」、「ホームライナー多治見」で
使用される。
かつては急行「ちくま」や車両不足だった快速「セントラルライナー」でも使用された
ことがある。

編成は6連、8連、10連で需要に応じて自由に組み換えが可能となっている。
パターンは以下の通り。

←長野側
6連 
・A0編成単独
・A100編成+A200編成
8連 
・A0編成+A200編成
・A100編成+A200編成+A200編成
10連 
・A0編成+A100編成
・A0編成+A200編成+A200編成
・A100編成+A200編成+A100編成

このうち6連で運行される列車も運行距離の調整のため、A100編成+A200編成の
付属編成同士の定期列車が存在する。


左が貫通型グリーン車のA100編成を含む「しなの」定期列車。
右は通常のパノラマグリーン車。

名古屋側からA100編成+A0編成の10両編成。手前4両がA100編成。
ちなみに名古屋側は、どのパターンでも必ずこの顔になる。

A200編成を連結側から。貫通扉の外扉が左右に開いている様子がわかる。

普通車車内。グレー系のモケットを採用。ヘッドレスト脇に手すりがある。

グリーン車車内。後方が運転室。ハイバックの座席のため、最前部の座席以外、
展望を楽しめない。

台車。


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