水の丘交通公園

鉄道メインの乗り物図鑑です。
※禁無断転載!使用に際してはコメント欄にて
用途を申告してください。

富山地方鉄道 デ7000形電車

2011-09-28 19:39:01 | 電車図鑑・路面電車
老朽化した4輪単車の置き換え及び輸送力増強のために投入された車両である。
昭和32年~昭和40年にかけて22両が製造された。
製造を担当したメーカーは日本車輛である。
車番は「4」号車を忌み番号として欠番としたものとしており、7001~7003・7005~
7023号車と附番されている。
なお、富山地方鉄道の路面電車としては初のボギー車である。

車体は普通鋼鉄製で東京都交通局8000形電車のものをベースにした軽量構造のものを
採用した。
正面は緩く3つに折れており、中央下部にライトがある当時としてはオーソドックスな
ものになっている。
正面両サイドの窓は当初、1段落とし窓であったが車体の腐食の原因となるため、
後に現在のような上段固定・下段上昇窓に交換されている。
また、同じく両サイド窓上に通風器が設置されていたが、こちらも埋め込まれ、
近年行われた外板の改修の際に跡形もなくなっている。
塗装は上半分がクリーム、下半分がグリーンで正面で金太郎の前掛け風になるものと
なった。
正面の車番表記は当初正面向かって右側にあったが、ワンマン化の際、表示灯を
設置していた関係で正面中央に移設されている。
行き先表示は正面に方向幕を備え、側面には設置されていない。

車内はオールロングシートで戸袋窓部分とドアすぐ後方の縦長の窓の部分には
座席がない(前者は乗降の動線確保、後者は車掌台があったため)。
側面窓は上段固定・下段上昇のいわゆるバス窓で従来車よりも窓が大きくなり、
車内が明るくなった。
旧車掌台は落とし窓であったが、現在は2段窓(バス窓ではない)に改造されている。
ドアは前中式・片側2ヶ所で前・中ドアとも片引き戸である。

主制御装置は抵抗制御で間接非自動制御(単位スイッチ式)方式を採用している。
ブレーキは発電ブレーキと空気自動ブレーキである。
台車は7001~7003・7005~7011号車ではインサイドフレーム式の軸梁式台車を採用して
いたが、乗り心地が悪く不評であったため、7012号車からは軸守式のインダイレクト
マウント式エリゴバネ台車を採用した。
この台車は枕ばねを安定させるボルスタアンカーが枕ばねの台座を貫く独自の
ものである。
モーターの駆動方式は吊り掛け駆動方式である。
集電装置はZパンタで当初は屋根の中央にあったが、冷房化の際に大学前側運転台
寄りに移設された。

昭和44年~昭和45年にかけてワンマン化改造と列車無線の取り付け改造が全車に
実施された。
昭和58年~昭和59年にかけて路線の縮小などにより初期に製造された7001~7003・
7005・7006号車が廃車となった。
昭和59年からは冷房化が開始されたが、乗り心地の悪かった初期型の台車を履いて
いた7007~7011号車については対象から外れ、デ8000形の登場した平成5年に
廃車されている。
それ以外の車両は冷房化のほか、車体更新、塗装の変更(アイボリーに窓下とバンパー
上が赤帯、ドアステップの高さより下がグリーン)、補助ステップ設置などが
行われている。
現在でも主力車両ではあるが老朽化が進行しているため、平成22年より新型のT100形
電車「サントラム」との置き換えが開始され、順次廃車となる予定である。


○新塗装車。屋根上の電照看板は富山地方鉄道独自のもの。


○車内。極めてシンプルな構成。外見から冬場は寒そうだが暖房が強く
 かなり暖かい。


○中ドア拡大。向かって右の手すりが独自の形状となっている。
 向かって左の縦長の窓がある部分が車掌台の跡。以前はプリペイドカードの
 発券機が置かれていたが、「えこまいか」導入と共に撤去された。


○運転台。


○台車。


○全面広告電車その1。電照広告枠まで使ったフルバージョン。


○全面広告電車その2。こちらは地鉄市内電車、バス、富山ライトレールで使える
 ICカード「えこまいか」の広告電車。


○旧塗装車である7018号車。近年外板の張り替えが行われたのか、タイトル写真と
 見比べるとベンチレーターの跡が無くなっている。
 また、ナンバー表記周りの緑塗装が無くなったのがわかる。


最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
もうすぐ終わりですので。 (北陸専門バード)
2011-10-02 19:33:56
座席の配置は都電のようで。赤シートが一つ多いですが。どちらかというと函館湯の川温泉からの市電の方が近い。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。