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南海電気鉄道 2200系電車

2011-06-25 21:08:59 | 電車図鑑・私鉄電車(関西)
高野線で運用されていた21001形「ズームカー」の増結用車両であった22000形を
支線向けに転用した車両である。

■22000形時代の概要
高野線「ズームカー」で運行されていた急行列車の増結による混雑緩和と
旧型車の置き換えを目的として登場した。
昭和44年~47年にかけて2両編成×16本=36両が製造された。
製造を担当したメーカーは東急車輛であるが、昭和45年までに製造された14本は
旧帝国車輛を引き継いだ同社大阪支社で、昭和47年に追加された最後の2本は
東京本店で製造されている。
これは東急車輛大阪支社での鉄道車両製造事業が昭和46年で終了したためである。
編成の組み方は以下の通り。

←難波:モハ22000形(奇数)+モハ22000形(偶数)

どちらも制御電動車で奇数車に集電装置と補助電源装置、エアコンプレッサーを、
偶数車に主制御装置を搭載している。

車体は普通鋼鉄製で南海本線向けの7100系電車をそのまま短縮したようなスタイルと
なっている。
丸っこい21001形と比較して角ばったスタイルである為「角ズーム」の愛称で
呼ばれることもある。
正面は貫通型で、やはり7000系以来のスタイルを引き継いでいる。
行き先表示は昭和45年製造分までは行き先板か種別板表示を正面に掲示、
昭和47年製造分から正面向かって左側に行き先表示幕を装備した。
塗装は淡いねずみ色にダークグリーンの帯で後に現行のグレーにブルーとイエローの
ストライプに変更されている。

車内は通勤輸送に対応するため、オールロングシートである。
昭和44年~45年にかけて製造された分は非冷房だったかが、昭和47年製造車は
当初より冷房装置を搭載している。
ドアは片側2箇所で両引き戸、側面窓は一段下降式を採用している。

主制御装置は抵抗制御で基本は21001形と同じであるが、昭和48年に架線電圧を
直流600Vから1500Vに昇圧することが決まっていたため、複電圧対応とされた。
ブレーキは抑速ブレーキ機能付き発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキである。
台車は軸箱支持をウイングバネ式とした金属バネ台車でモーターの駆動方式は
中空軸平行カルダン方式である。

昭和55年より非冷房車への冷房取り付け、正面と側面への行き先表示幕設置などの
改造を受けた。
連結相手の21001系の老朽化に伴い、「シルバーズーム」こと2000系登場後も高野線で
同車に併結して運用されたものの装置の違いによる相性の悪さが顕在化したこと、
小さな2ドア車での急行運用で輸送力の限界が近付き、平成2年より開始された急行の
金剛駅停車で列車遅延が常態化したなどから、2000系で22000形も置き換えられ、
高野線を去ることになった。

■2200系への改造とその後の経過
2000系に高野線を追われ、本来の連結相手である21001形も引退してしまい、
宙に浮いた本形式であるが、まだほかの車両と比較しても古くは無かったため、
平成6年より更新改造が行われ、非冷房車が残る支線に転用されることになった。
全16本中、4本が未改造のまま廃車となり、2200系に3本、2230系に3本、2270系に
6本が改造された。
このうち2270系は貴志川線用で南海の籍を外れて和歌山電鉄に引き継がれたため、
今回の紹介から外す。

2200系は支線向けとされながら、高野線でも運用可能な車両として改造を受けた
ため、外観では行き先表示の拡大、機構面では橋本から先の山岳区間に
乗り入れるためのスイッチをカットした程度である。
改造前後の番号の変化は以下の通り

新:モハ2201+モハ2251←旧:モハ22005+モハ22006
新:モハ2202+モハ2252←旧:モハ22007+モハ22008
新:モハ2203+モハ2253←旧:モハ22013+モハ22014

その後、2203編成が高野線のイベントカー「天空」に改造され、山岳スイッチと
関連機能の復帰、内装や外装の大幅な改造を受けた。
車番もモハ2208+モハ2258に再度変更されている。
「天空」については別途紹介するので今回は省略する。

2230系は完全に支線向けに改造したもので床の高さの変更、山岳スイッチの撤去、
正面連結幌座の除去などの改造を受けている。
改造前後の番号の変化は以下の通り。

新:モハ2231+モハ2281←旧:モハ22011+モハ22012
新:モハ2232+モハ2282←旧:モハ22015+モハ22016
新:モハ2233+モハ2283←旧:モハ22009+モハ22010

「天空」以外は全てワンマン化改造を受けており、汐見橋線、高師浜線、多奈川線、
加太線で運用されている。


○高野線橋本~極楽橋間で運用されているイベント列車「天空」。
 詳しい紹介はいずれ訪問した際に新たなショットが撮れたときにでも。


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