60年近く東京で生まれ育った従兄弟が今は奈良に
住んでいる。
私もメールを送ろうかと気になっていた矢先なのにきょう
メールが来ていた。
この従兄弟はグリティングカードには自分のことを奈良の
お大仏様と書き私のことを金沢の麗夫人様とかいてくる。
こんなひょうきんさもある人である。
この従兄弟はもう53歳ぐらいから働いていないで今日になって
いるが四国へお遍路さんに2回も行っている。
その他いろいろな所に旅が好きでお兄様と一緒に出かけている。
1度も会社勤めをしたことがなく商事会社を経営していたが
独身なので気楽に過ごしている。
「あれだけ甥・姪ごさんの面倒を見てあげたのにいざと言う時に身内が
そばだと安心でしょうに」といったことがあるが「そんな面倒を
掛けたくないし、そんな様子も思ったらいっそ全々身内の居ない
ところの方がいいので奈良で中古の家を買って済んでいる」
とのこととだった。
東京の家も建てかえしてまだ5年ぐらいだったのにそんな生き方も
ありかと思った。
私が手術した翌年だったので遊びにお出でと言ってくれるが
いまだに自信がないので行っていない。
息子がどれだけお世話になったことか高校受験のときもゼミに何回か
泊めてもらったし、大学受験の時や卒業まで東京にいる間中
お世話になった。
気持ちはあるがあれだけお世話になったのに何分の一もお返しが
出来ていない。受けだだけの恩は返せない物だとつくづく思う。
せめて金沢にでも住んでくれたら息子とも助け合ってと言うこともあるが
そんなことで足を向けて寝られないと思っている。
一生のうちに沢山の人に恩を受けているがこの従兄弟には
返し切れない恩を受けたと思っている。