Dying Message

僕が最期に伝えたかったこと……

ギヴミー生活保護

2012-06-13 02:16:06 | Weblog
 お笑い芸人の生活保護不正受給を糾弾する意見を聞くにつけ「何だかなぁ……」と思わずにいられない、今日この頃。

 まず同居もしていない母親の扶養義務なんて、誰が意識するかって話だろう。自分は現在進行形で両親に多大な迷惑を掛けているという自覚があるから、いつか恩返しをしたいと思っているけど、世の中そんな人ばかりではないんでさ。オレのように親孝行で、誰にでも優しく、細やかな配慮ができて、人当たりもマイルドで、ついでに身長も高いという、そういうパーフェクトな人間はなかなかいないわけで(笑)、法律上の問題はともかく、道義としてはそこまで悪質でもないはずだ。

 発覚してしまったからには、大人の世界のルールとして、そりゃ何らかの対処をしとかなきゃいけないのは分かる。分かるんだけども、もうお金を返す意思は表明したんだからさ。それ以上のことは言いっこなしだろう。死者に鞭を打って、ろうそく垂らして、聖水まで飲ますような、そういうやり方は絶対に間違っていると思う。

 すごく嫌だなって思うのは、片山さつきみたいなキチガイ鬼畜ババアは論外として、いわゆるネット上の反応というのが、こういうことになると物凄くヒステリックじゃない。100歩譲って河本本人へのバッシングはまだ理解できても、彼を庇った芸人仲間にまで矛先が向くっていうさ。それをやっちゃうと、もはや憂さ晴らし以外の何物でもないとオレは思うけど、当の本人らは自分が正義の味方だと信じて疑わない。

「考えは人それぞれ」ということを強く確認した上で言わせてもらえば、ネットの掲示板やtwitterのような場所に入り浸っている奴に対する偏見が、オレの中で少しだけある。torneにはtwitter連動のライブ機能があって、同じ番組を観る人の呟きがニコニコ動画風に表示されるのだけど、大半は罵詈雑言の類か、そうでなけりゃ反韓デモの呼びかけだ。どれも文字に起こす価値のない言葉ばかり。てめえの頭の中に留めておけよと思う。

 もちろんオレだって他人の意見への興味はあるし、それが友達だったり鋭い洞察力を持つ(と自分が思える)人だったりすれば影響を受けることも茶飯事だ。でも、やっぱり一番大事なのは「他人と同じものを見て自分が何を感じられるか」であって、ああいう書き込みがその肥やしになるとはどうしても思えない。もっと言えば、目に触れるだけで飯がまずくなるほどの嫌悪感を抱いてしまう。

 よく「匿名だからこそ本音が出せる」と言う人がいるのも、きっと嘘だという気がしてならない。数年前の番組で、爆笑問題の太田光が、2ちゃんねるに自分への殺害予告を書き込んだ奴と直接対決していたけど、そいつの実におとなしかったこと。「殺すつもりはなくて、あくまでユーモアのつもりだった」とか「もし仕事に就いていたらあんなことはしなかった」とか、終始そんな調子なんだから。恐らく彼にとってはそっちが本来の姿であって、パソコンに向かうと変な人格が暴走しちゃうんじゃないか。

 さっきも少し書いたように「正しいことを言えば何でもありなの?」みたいな問題はやっぱりある。早い話が、例えば万引きをした奴を警察が射殺してしまったら、それはダメだろうと。今回の件にしても、泣いて謝罪する人間に追い打ちを掛けることへの疑問を持たない奴が一定数いて、なおかつそれらのバカを煽動しているのが国会議員だっていうさ。そこら辺の歪んだ構造が最高に嫌だなと思う。

 もっかい言っとくと、この辺の考え方はあくまで人それぞれだし、オレが知らないだけでtwitter上にも有益な情報が転がっていたりするのだろうとも思う。ただ、呟いたり書き込んだりする前に「こんなこと書いて大丈夫かな?」とか「せめて表現を変えてみようかな?」という感覚がないのは危ないぞと、自戒を込めて言っておきたいのです。


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