iPodのイヤホンを外して、虫の声に耳をそばだてたい、そんな夜に。街灯のちらつく光が世界にスローモーションの魔法を掛ける。
頬杖をついて眺める景色はどこか妙に傾いでいるようで。背筋をピンと伸ばした兵隊さんも、猫背の太田光も、地球の地軸さえも。風をベッドに彼方目指して流離えば、なびく髪が星空へと絡まり、憂鬱さえも月の調べに掻き消される。
気付けば僕はいくつになったのだろう。九九も人生も僕は計算が苦手で、それでいて在りし日々は等比数列のスピードで過ぎ去るようで。カーテンの隙間から射し込むのは希望の光か、それとも風前に灯す生命の炎なのか。
通り魔気取りで雌を犯して、虚しさ感じ、辿り着く先は昨日の自分で。タトゥーを入れて、我に返って、独りになって、往年の男との接ぎ穂を守らんとばかりにレプリカを砂場の君に預ければ、どこまでも続く長い影が明日を探して歩き出す。
豆粒となった景色に初めて気付かされることもある。絶えずすれ違う太陽と月のように、世界はいつも不如意でアンニュイだけれど、そんな夜だから、思い出にパジャマを着せ、今宵は僕とどこまでも眠ろうか。
頬杖をついて眺める景色はどこか妙に傾いでいるようで。背筋をピンと伸ばした兵隊さんも、猫背の太田光も、地球の地軸さえも。風をベッドに彼方目指して流離えば、なびく髪が星空へと絡まり、憂鬱さえも月の調べに掻き消される。
気付けば僕はいくつになったのだろう。九九も人生も僕は計算が苦手で、それでいて在りし日々は等比数列のスピードで過ぎ去るようで。カーテンの隙間から射し込むのは希望の光か、それとも風前に灯す生命の炎なのか。
通り魔気取りで雌を犯して、虚しさ感じ、辿り着く先は昨日の自分で。タトゥーを入れて、我に返って、独りになって、往年の男との接ぎ穂を守らんとばかりにレプリカを砂場の君に預ければ、どこまでも続く長い影が明日を探して歩き出す。
豆粒となった景色に初めて気付かされることもある。絶えずすれ違う太陽と月のように、世界はいつも不如意でアンニュイだけれど、そんな夜だから、思い出にパジャマを着せ、今宵は僕とどこまでも眠ろうか。